猫でいる生活   作:syumasyuma

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2話以来の世界観説明回です。
興味の無い方は飛ばしてください。


ターニングポイントを見つけました。

10月も終わりに近づき、窓から見える学園の裏山がすっかり紅葉しており、

その秋真っ只中といった景観を楽しむことができる。

 

今日の学園艦は大洗港に停泊しており、生徒会が毎度の如くイベントを開催しているようで、

非常に騒がしい日だ。

 

特に学園の近くは仮装した人間たちで埋め尽くされていて、

あまりの魑魅魍魎さに気後れした俺は日課のパトロールをサボって本を読むことにした。

 

仮装のあまりのクオリティに腰が引けているわけではない。

読書の秋ということにしておいてくれ。

 

 

そういうわけで日課をサボって読書をしていたのだが、パトロールを来なかった俺を心配したのか、

猫たちが見舞いにワラワラとやってきて家の庭先が猫で埋め尽くされてしまった。

 

家の庭先は集会所じゃないというのにだ。

 

集まった猫どもはにゃーにゃーにゃーにゃーと鳴き声を上げ、

口々に病気になったのかだの、

普段から休んだほうがいいだの、

頭の病気が治ったんだじゃないかと

言いたい放題言いやがる。

 

猫を追い返した後、冬毛になりつつある体毛が落ちないように気をつけつつ、

麻子の日本史の教科書を読んでいると気になる記述を見つけた。

 

 

’1877年4月9日アメリカの財務省より売却の打診を受け、これを承認し480億円でアラスカを購入した’

 

 

なんと日本がアラスカを購入したと小さく書かれていたのだ。

この一文は一切強調されておらず、むしろ他よりも小さく目立たないように書かれていた。

 

気になった俺は他の書籍を確認すると次のようなことが書かれていた。

 

 

’1899年に金鉱が発見されて以降、アメリカによる日本への圧力が強まり太平洋戦争の遠因となった’

’1901年にアメリカ及びイギリスの工作員による独立運動扇動が行われアラスカ各地で独立の機運が盛り上がる’

’1903年にロシアの南下政策に対し米英の支援を受けるべくアラスカの独立を認める’

 

 

他にもいろいろ書かれているがあまり日本に絡んでこないので割愛するが、

なんとなくあまり触れたくない事柄なのだろうというのが分かる。

一応アラスカも太平洋戦争で対日参戦しているが基本的には前線にはでないで後方支援を担当したという記述があったり、

大戦後の中国で起こった第二次国共内戦、朝鮮半島で起こった朝鮮戦争、日本で起こった日本独立戦争の後に

アラスカ内戦が発生し、革命政府軍を倒したアラスカ政府がアラスカ国を建国したと書かれている。

 

 

まあ革命軍が東側諸国の支援を受けていたことや内戦があっさり終結したこと、

朝鮮半島がいまロシア領になっていることやから米露でなにかしらの密約があったんだろうとは思う。

しかし朝鮮半島とアラスカでは資源の釣り合いが取れておらず、米露の関係は現在もかなり悪いようだ。

 

 

それにしても前の日本の状況を知る俺からするとアラスカを一時的に所有していただけでこんなにも違うものかと唸ってしまう。

 

ロシアが朝鮮半島を獲ったため西側の緩衝地帯は日本と中民になって米英からの優遇が絶えることなく、

アラスカ国のインフラを整えるために時間と資金を費やしたために、

後から併合した朝鮮のインフラの敷設がうまくいかず、

ロシア領になった後もあまり発展しなかったりと影響は様々だ。

 

 

ちなみにアラスカ国とは交流が盛んで毎年戦車道の試合会場の一つとして使われているそうだ。

ビザなし渡航もできるらしく、夏の大会で雪上の会場は100%アラスカだそうだ。

 

戦車道で思い出したがロシアと日本はそこまで中は悪くない。

何せ青森にロシア風の学園艦があるくらいだ。

たしかプラウダ高校だったかな?今年の戦車道の優勝高だ。

 

この前テレビでプラウダの隊長の子を見たがかなり幼い見た目の少女だった。

その子は流暢に日本語を話していたがグレーの髪に青い目といかにも外国人的な見た目で、

おそらくはスラブ系の血が入っていると思うが、これが中々威勢のいい子だった。

 

自分が勝って当然!あんなのが無くても勝ってた!と言っていたのを覚えている。

 

 

まあでも無数ある学園艦でもビッグ4の一つのプラウダ高校を

まとめるにはあのくらいの胆力が必要なんだろう。

 

ビッグ4の学園艦となれば戦車道の受講者が非常に多く、

それをまとめるとなると強いリーダーシップがあるはずだ。

 

きっとあの肩車もその表れなのだろうな。

 

 

ビッグ4といえば黒森峰とサンダースの二校がある九州と近くの四国は

地理的要因とその二校のネームバリューのせいで

二校以外から戦車道の科目が無くなったという逸話も残っている。

 

地理的要因というのは対馬海峡周辺の海底が浅いために、学園艦の航行ができず、

日本海側と太平洋側の学園艦で、交流が断絶されており、

良くも悪くも日本海側に九州勢の影響が少ないということだ。

 

 

そんな雑学的なことを麻子の本から得ているとすっかり日が暮れ、

そろそろ麻子の帰宅時間になっていた。

 

読んでいた本をしまい、たまには出迎えてやろうと玄関に赴くと、丁度麻子が帰ってきたようで

外から話し声が聞こえる。

 

話しているのは沙織と・・・もう一人声が聞こえるが誰だろうか?

 

戸をあけて入ってくるのは麻子と沙織と・・・。

 

 

「モコこんなところで寝てると風邪引くぞ」

 

「まあ、この子がモコちゃんなんですね。」

 

「・・・モコ気絶してない?」

 

 

顔が腐り落ちて目が零れ落ち、首筋に大きな噛み傷、皮膚が青黒く変色し、

血だらけの制服を着たゾンビだった。

 

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