転生したら紅世の王   作:シニカケキャスター

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第20話 創造神の帰還

 やってきました、『久遠の陥穽』!いやーやっぱり不思議な感じがしますねこの『詣道』!教授も生き生きしてらっしゃる。少々うるさいが。

 

「ェエークセレント! ェエーキサイティング!!前代未聞空前絶後超絶怒涛奇妙奇天烈摩ァー訶不思議!!ま、さ、に神のォォォ御業!!」

 

 訂正、すごいうるさい。超うるさい。

 

「そうだ。余が業を振るい、作った、余に至る…細く、小さく、脆い道だ。」

 

 はあ、この後のことを考えると憂鬱だよ。これから色々作業をしなければならないし。

 

「このまま前へ。」

 

 もうヘカテーだけが癒しという困った状況だ。

 

「俺からすればただの一本道なのだがな。」

 

 訳:さっさと行こうぜ。

 

「この『詣道』は見たままの道じゃないのさ。」

 

 ベルぺオルの説明も入ってこない。

 

「現在、この地の『詣道』は実体化率にして54%、ごくごく初期の作例につき、狭間の状況によっては39%まで落ち込むようでございますです。」

 

「心ッ配ご無用ォォォ!方向さえ確定しぃーていればところに迷う危険性はミィィィクロでナァァァッシングです!」

 

 だれか代わってくれー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 俺は今フレイムヘイズを待ち構えている。もちろんただ待っているわけではない。ここには俺が施した罠がある。フレイムヘイズ対策だ。3対1、下手したら4対1だ。さらに最悪の場合これに三人娘が加わる。まともにやりあっても勝てるビジョンが全く見えない。故に俺は『詣道』に細工をした。

 

「来たな…。」

 

 気配は四つ。これより迎撃を開始する。

 

「捕らえよ!」

 

 俺が施した罠、鎖型の燐子。自動追尾機能つきだ。

 

「そらよ!」

 

 ただし耐久性はそこまでない。あっさり破壊されシャナを取り逃がした。だがそれでいい。

 

「さすがだな、『儀装の駆り手』カムシン・ネブハーウ。『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル。そしてはじめまして、『輝爍の撒き手』レベッカ・リード。」

 

 今回はこの3人の足止め、それを果たせばいい。どうせ割とすぐに“祭礼の蛇”が来る。それまで持ち堪えればいい。

 

「ああ、やはり貴方が相手ですか、“群頸の長蟒”ヤマタノオロチ。」

 

『ふむ、以前から何をしでかすかわからん奴じゃったが。』

 

 ひどい言いようだ。

 

「『贄殿遮那』のフレイムヘイズ、いや『炎髪灼眼の討ち手』は取り逃がしたが、この3人を足止めできただけよしとするか。」

 

 “祭礼の蛇”が来るまでは、

 

「へっ、ぶっ飛ばすしかねえな、ジジイ!」

 

「ああ、そうですね。」

 

「ここで不安分子は倒さねばならないのであります。」

 

 持ちこたえて見せるとも!

 

「此方も全力でお相手しよう。悪く思うな。」

 

 俺は『帥鴉』を使い、フレイムヘイズを攻撃し、機関砲型の燐子を空中に設置し守りを固める。

 

「そらよ!」

 

「フッ!」

 

 鴉は『万条の仕手』に捕らえられ、機関砲は『輝爍の撒き手』の『爆弾』によって破壊されていく。だからどうした。

 

「捕らえろ!」

 

 俺の号令に合わせ、『詣道』から無数の手が伸びる。

 

「な、なんだこりゃ!?」

 

『緊急回避!』

 

 この辺りの『詣道』は俺の手によって一つの巨大な燐子と化している。これはここを自分の支配下に置いて、カムシンに『儀装』を組ませない、どこに逃げても地に足をつけてのならば足下から攻撃できるという利点を作るためだ。我ながらいい作戦だと思う。

 

「逃げても捕捉され、攻撃しても効果なしとは…。」

 

「ああ、ここ一帯が奴の燐子のようですね。現状、『儀装』も組めません。」

 

「おいおい、そんなことできるのかよ!?」

 

『ふむ、彼奴ほどの力を持つ紅世の王なら可能じゃろう。』

 

 一応メリヒムより強くなったという自負はある。そんじょそこらのフレイムヘイズでは俺を討滅することはできない。

 

「おしゃべりしている暇があるのか?」

 

 俺の鴉たちが一斉に炎弾を放ち、フレイムヘイズたちを追い立てる。

 

「ああ、やはり本人を倒さなくてはならないようですね。」

 

「その本人はどこにいんだよ!」

 

「おそらくどこか安全な場所に隠れているのでありましょう。」

 

『気配隠蔽。』

 

 その通り。俺は今『スフマート』に座って気配を消している。俺は臆病者だからな、あんな連中と真正面から正々堂々戦うつもりなど最初からありはしない。騎士道?武士道?そんなもんで生き残れるか!必要なのはサバイバル精神だ。狡猾な策だ。このまましばらく粘ろうじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 『詣道』に衝撃が伝わる。おそらく“祭礼の蛇”がきたのだろう。

 

「そろそろ頃合いか。」

 

 今まで展開していた燐子たちを自爆させる。この巨大な爆発にフレイムヘイズたちがこれに巻き込まれればいいのだが、そうもいくまい。

 

「よっと。」

 

 爆炎をもろともせずに突き進む“祭礼の蛇”本体に飛び乗る。数千年ぶりに見るが、やはり大きい。これを見ればフレイムヘイズ兵団の連中の士気も落ちることだろう。

 

「うん?」

 

 そんな感想を抱いていると、黒い影が俺に迫ってきた。神殺しの秘法に巻き込まれた最古のフレイムヘイズの成れの果てだ。よくもまあ今までもったものだ。だが並の力しかない奴に負けるほど俺は弱くない。

 

「これでもくらいな。」

 

 ただの炎弾一発で倒せてしまった。

 

「これで終わりか。」

 

 まもなく“祭礼の蛇”が『神門』をくぐる。

 

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