祭礼の蛇さんに招待されました。なんでも国を作るんだとか。
大縛鎖のことですね、俺知ってる。
確か祭礼の蛇さんはそこにいたフレイムヘイズによって両界の狭間に追放されたんだっけ。フレイムヘイズと仲良くしたいと思ってやったのにね。
まあ招かれたからには行くけどね☆巻き込まれること確定だけど。
________
______
____
やってきました大縛鎖〜。
うーんすごいね、このメンツ。
“皁彦士”オオナムチに“甲鉄竜”イルヤンカ、さらに三柱臣もいる。
はっきり言ってヤバイです。プレッシャーがすごい。
そしてやっぱりフレイムヘイズもたくさんいる。名のある討ち手もバッチリおるやん。
狭間渡り広めてから人食いが横行してるし恨まれてるかも。襲われたらどうしよう。そこそこ強い自信はあるけどカムシンには負けそう。クソゥ来なきゃ良かったぜ。
「“群頸の長蟒”ですね?」
そんなことを考えていると水色の髪の少女に名前を呼ばれた。
「ああ、そういう君は“頂の座”だね?」
声をかけて来たのは、ご存知ヘカテーだ。今は女媧を名乗っているけど。
「我等が盟主があなたに感謝したいとおっしゃっています。」
「感謝?ああ、狭間渡りか。」
祭礼の蛇から感謝されることなんてこれくらいだろう。
「はい。おかげでこの世の美しい風景が見られた、と。」
「それは良かった。」
どうやら祭礼の蛇もお気に召したらしい。
「それにしても、わざわざそんな小さな体になるとは・・・。」
「こんな姿にも利点があるのさ。」
本来の姿の100分の一にも満たないサイズだが、普通に暮らすならばこの姿の方がいい。人の姿ならば手を器用に動かせるし、移動の際に周りのものを破壊することもない。
本来の姿ならば的になってしまうが、人の姿ならば攻撃をかわすことができる。それに生前は人だったのだ、首が八つの大蛇よりも体に馴染むというものだ。
そんなこんなで時間は進み、遂に世界の有り様を変える儀式が始まろうとする。しかしその儀式は失敗する。
『なに、を・・・!?』
フレイムヘイズたちに阻止されたからだ。
『我が眷属たちよ・・・後を、頼む・・・。』
祭礼の蛇は封界創造の際に生じた歪みを利用され、両界の狭間へと放逐される。
無論それを見て三柱臣が何も思わないはずがない。フレイムヘイズたちと紅世の徒の戦闘が始まった。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
一人のフレイムヘイズが俺に斬りかかってくる。
だが俺のハイスペックボディならば焦ることもなく避けられる。
「ぐはっ!」
だが、ただ躱してもまた攻撃してくるだけなので一本背負いの要領で地面に叩きつける。近接戦闘は不利だと悟ったフレイムヘイズたちが炎弾で攻撃してくるが、『帥鴉』を用いて当たる前に燐子たちに撃ち落とさせる。その間にもイルヤンカたちがフレイムヘイズを潰して、燃やして、殺して行く。どちらかといえば徒側が優勢だ。
「てやぁぁぁ!」
そんな中二人の奮闘が目にとまる。一人は“冥奥の環”アシズのフレイムヘイズ、『棺の織手』ティスである。彼女は『清なる棺』を駆使して徒達を倒して行く。
もう一人は“不抜の尖嶺”ベヘモットのフレイムヘイズ、『儀装の駆り手』カムシン・ネブハーウである。ガ◯ダムみたいな音を出しながら進撃し、マ◯ンガーZみたいにロケットパンチを繰り出し徒を蹴散らしている。パンチなのに蹴散らすとはこれいかに。
それはさておき、大きな犠牲を出しながら祭礼の蛇を倒したフレイムヘイズたちが撤退して行く。それを追う血気盛んな徒は叩き潰された。
とりあえず俺は帰ることにする。しばらくはこんな戦闘御免だ。
あんまり戦闘してない主人公。
ちなみに『帥鴉』で使役する鴉型の燐子ですが、小さな炎弾を機関銃のように連射したり、爆弾みたいにして投下できます。艦これの艦載機みたいなものです。