転生したら紅世の王   作:シニカケキャスター

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夏休みの風林火山

日々過ぎること風の如く
作文で手が止まること林の如く
外の日差し火の如く
出される宿題山の如し


第3・5話 (前編)一人でいると独り言が増える

 自在師“群頸の長蟒”ヤマタノオロチの朝は早い。別に朝早くから仕事をするというわけではない。

 俺は自在師と呼ばれているが、自在師という職業はない。事実上の無職だ。ニートではない。断じてニートではない(大事なことなので二度言いました)。

 

閑話休題。

 

 そもそも俺が自在師と呼ばれはじめたのは狭間渡りを広めてからのこと。紅世の住民にとってはある意味革命のようなものだったらしい。

 

 俺が朝早く起きる理由、それは朝日が昇るのを眺めるためだ。この世界は美しい、そんなことを思いながら。

 

「さて、今日の朝食はなににしようかな〜っと。」

 

 紅世の徒は食事をする必要がないのだが、元人間である俺はなんとなく食事をしないと気が済まないのだ。特に朝食は一日のモチベーションに関わる。

 

「よし、干し柿にしよう。」

 

 選んだ理由は単純、好きだから。俺は生前から干し柿が好きだった。作り方を祖母から教わり、自分で作って食べるほどだ。知り合いからはジジくさいと言われていたが好きなものは好きなのだ。好きでなにが悪い。

 

「いただきまーす!」

 

 好きなものを食べると気分が上がる。これで今日も頑張れそうだ。

 

 

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 また人を食っている徒を見つけた。そいつらは人を麦の穂くらいにしか思っていないらしい。なんで麦なんだ!そこはお米だろーが!お米には八十八の神様が宿ってるんだぞ!お米食べろ!

 

 それはさておき、俺は人を食う必要がないためしないが、普通の徒は食わなきゃ顕現していられない。人がご飯を食べなきゃいけないのと一緒だ。

 紅世に帰ればいいだろうと思うやつもいるだろうが、あそこは過酷なんだ。はっきり言って帰りたくない。それにこの世界は紅世と違って美しいものがたくさんある。出来ることならずっとここにいたい、そんなことを思っても不思議じゃない。

 とは言えこの世界で好き放題やることを容認してるわけじゃない。この美しい世界を破壊するというならば対立するのも吝かではない。

 

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 さっき人を食ってた徒が討滅された。やったのはティスだ。やっぱり強い。そして近くにいた俺にも矛先が向けられた。

 俺は第三者なんだ!俺は悪くねぇ!まあそんな言い訳が通用する筈もなく交戦することとなった。まあ俺は『帥鴉』使って逃げるだけ、簡単なお仕事です。・・・なんて思っていた時期がわたしにもありました。

 接近した燐子は『清なる棺』に捕まってしまうし、遠距離から攻撃しても火力が足りないために当たっても致命傷にはならない。まあ致命傷にならないとはいえ当たったら結構なダメージを受けるため避けたり防御したりする必要がある。

 

「くっ!」

 

 だが、数が多いため全て対処することは出来ない。これぞ数の暴力!戦いは数だよ!ティスは攻撃のいくつかをその身に受け、服が破け、肌が露わになる。うーん、健康的ですな、ふとももがチラチラ見えるこのチラリズム。念写の自在法でこの光景を保存する。生写真にしたら一部の徒やフレイムヘイズに売れそうだ。アシズに殺殺されるかもしれないけど。まあそんなことでしり込みしてはいけないさ。俺は!これからヒロピンを!撮影する!画像も映像もだ!というわけでもっと追い詰めよう。さてどんなシチュエーションになるのかな〜?まあ最終的には俺が決めるんだけどね!さアまずはもうちょい・・・

 

「たぁぁぁ!」

 

「ぐえふっ!?」

 

 色々妄想してたらいいのくらっちゃったよー。油断してたね。って言うかあの全方向からの攻撃を凌いで一太刀入れるってなかなかだよねー流石だわー。だが俺の優位性と意志は揺るがない。もうちょいヒロピン楽しみたいんだよ!燐子の数を少し増やして攻撃頻度を上げる。

 ハッハッハー!君が!くっ殺せ!って言いそうになるまで!追い詰めるのをやめない!

 ティスは先程以上の猛攻に、防戦一方になりどんどんぼろぼろになっていく。もちろん撮影している。いいじゃないか!さア言え!くっこ・・・

 

「うおっ!?」

 

 突然岩が飛んできた。今回はまだ猶予があったので『長城』で受け止める。

 こんなことをするのは壊し屋くらいだ。なんでいんのさ!

 カムシンに加勢されるとちょっとどころかかなり不味い。もうちょいだったのにー。悔しいが撤退することにする。命は投げ捨てるモンじゃない。

 ちょっと自分の欲求に素直になっただけじゃないか。まあデータは手に入ったからいいとする。

 

 

 

 




主人公が変態になってしまった。反省はしていない。
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