彼方とラウラは一体どんな別れ方をするんでしょうか?
そしてウォルソンさんは一体何処に?
ではでは皆々様ご覧あれ。
ラウラとフリーマーケットに行った次の日、幼稚園でラウラに会った、でもラウラはとても寂しそうな顔をしていた。
理由を聞くとどうもラウラのお兄さんが遠くの病院に入院しなくちゃいけなくなったみたいで昨日からお兄さんと会っていないそうだ。
「兄さんも遠くに入院するならするって言って欲しかった」
とラウラは少し不貞腐れながら僕にその事を話してくれた。
それから1週間僕とラウラは前よりも、もっともっと一緒に遊んだ。
「あらー、本当に2人は仲良しね?付き合っているのかしら?」
リザ先生に冷やかされたりもされながらも1週間ずっとラウラと一緒にいた。
その週の最後の通園の時、ラウラはとても寂しそうな顔で僕を見てたけど僕は気にしなかった、多分それ以上にラウラといるのが楽しかったからで。
その日もいつも以上にラウラと一緒に遊んだんだ。
そしてママが迎えに来て帰る時、ラウラは僕に
「バイバイ!カナタ!」
「うん!また来週遊ぼうね!」
「うん。また来週会おうね」
ラウラの一瞬見せた寂しそうな顔に気付くことなく僕はママの待つ玄関まで歩いて行く。
来週はラウラとどんな事をして遊ぼうか、そんな事を考えて。
そしてママと家に帰る時、ママは僕に聞いてきた。
「そう言えば彼方?どうだったのラウラちゃんとの最後の幼稚園は?」
「え?」
僕はママの言った言葉の意味が分からなかった。
(最後?最後ってなに?ラウラと会うのが?どうして?)
僕がそんな事を考えているとママはまさかと僕に聞いてくる。
「もしかしてラウラちゃんから聞いてなかったの!?ラウラちゃんは元々1ヶ月だけここの幼稚園に居る予定だったのよ」
「え!?なにそれ?なんでママは僕に教えてくれなかっの!?」
「ごめんなさい、もう知ってると思ってたの。そう、ラウラちゃんは教えないで行くつもりなのね」
「ねえ?嘘だよ――」
「彼方!行きなさい!」
「うえ!?」
いきなりママは大声になる。
「まだ私達が帰る時にはラウラちゃんは幼稚園に居たわ、ここからなら走れば5分もかからずに幼稚園に着く!だからさあ!早く!行きなさい!」
「うん!」
僕はママに言われるがまま走り出す。
頭の中が疑問で埋め尽くされながら。
(なんで!?なんでラウラは僕に教えてくれなかったの!?友達じゃなかったの!?どうして!?)
そんな事を考えて走っていると幼稚園に着いた。
酸欠で頭がクラクラするのをなんとか元に戻そうとしながら幼稚園の門の前に居る黒い高そうな車に今にも乗り込もうとしているラウラを見つける。
僕はラウラに向かって叫ぼうとするけど息が苦しくって言葉が出なくて。
(声が出ない!お願いラウラ僕に気付いて!)
もう自分ではなにも出来ないから、ラウラを信じて。
【おいおい?最後は他力本願か?そんなでお前は幸せになれるのかよ?】
そんな誰かの声が聞こえた瞬間、僕はたまに見る悪夢を見た時の感覚に襲われた。
誰かの罵声、誰かの痛み、誰かの後悔、詳しい内容は分からない、でもとっても悲しい気持ちになった。
【他人に頼るのは良いぜ。だがな?幸せになりたいんなら自分で何とかしやがれ。お前にはそれだけの力があるはずだ】
「ラウラ!!」
【はっ!ほらな?】
そんな誰かの声で発破をかけられる様にして、僕はラウラの名前を叫ぶ。
僕に気づいたラウラは信じられないって顔をしながら僕に話しかけてくる。
「ど、どうしたのカナタ?私もう家に帰るんだけど?」
ラウラの驚いた顔を見ながらなんとか息を整えて僕は聞きたかったことを聞く。
「ハア、ハア。嘘だ、ラウラはもうこの幼稚園からいなくなるんでしょ?」
「―!な、何のこと?そんな事よりカナタ?もう帰ったら?ユウヒさんきっと心配してるはずだよ?」
僕の言葉に驚いたようでラウラは目を見開いたけどすぐにいつもの顔をになる。
僕はそれが堪らなくムカついてラウラに言葉をぶつけた。
「いい加減にしてよ!もうママから聞いてるんだ!ラウラが元々1ヶ月しか居られなかったって事、もう知ってるんだよ!?どうして?どうして教えてくれなかったの?僕はラウラの友達じゃなかったの!?」
多分僕は生まれて初めて僕は感情を爆発させたと思う。
「違う。違うよカナタ」
そして先程から平静を装っていたラウラの顔が涙を流しながら悲痛に歪んだ。
「友達だよ!だから言えなかった!言ったらもうそこで終わる気がしたから!ずっと続けば良いと思ったの!最初の日にカナタが私に話し掛けて来て友達って言ってくれた時なんてすごく嬉しかったよ!カナタとユウヒさん達と行ったショッピングだって今までの中で一番楽しかった!その時に食べたホットドッグなんて今までで一番美味しかったしペアリングを買った時なんてこんなに幸せなことなんてあって良いの!?て思ったの!だから!だから言えなかったの!カナタに悲しい思いなんてして欲しくなかったから!」
ラウラはカナタの事を思って言う。
自分が居なくなる事を知らせてカナタが悲しませない様にと。
カナタがそれだけ大事な存在だからと。
「そんなの!言ってくれない方が悲しいに決まってるじゃん!それにそんな別れ方をしたらラウラだってきっと悲しくなるよ!なんであの時言わなかったのかなって絶対思う!」
カナタはラウラの事を思って言う。
その事を言わなければ絶対ラウラも悲しむと。
ラウラに悲しんで欲しくないと。
ラウラが自分にとって大事な存在だから。
「じゃあどうすれば良かったの!?」
ラウラは涙で顔を歪ませながら聞く。
どうすれば良かったのか、どうすれば2人が悲しまずに別れる事が出来るのか。
だから僕は答える、ラウラの問いに。
「悲しくないお別れなんてあるの?お互いが大切だから悲しくなるんだよ。だから、悲しくない別れなんてありえない。だからね?僕は言うよ。ラウラ!また会おうね!」
僕は言う、嘘偽り無く笑顔で。
僕の答えを聞いたラウラはキョトンとした顔をして、涙で汚れた顔を両腕で拭い笑顔で僕の顔を見つめる。
「うん!またね!」
そう言いながら僕とラウラは笑顔で別れを告げる。
そしてラウラは少し考えた後、僕に息がかかるぐらいまで近付いて来た。
「ど、どうしたのラウラ?」
「最後にね?……んっ」
唇に柔らかい感触を感じながら僕は何が起きたのか分からなかった。
「ふえ?い、今のって。ラ!ラウラ!」
「ふふ!また会った時に感想。教えてね!」
そう言いながらラウラは先程から待っている車の中に乗り込み車は煙を吹かしながら居なくなった。
ラウラの居なくなった後、僕は心の中で思う。
(うん、会った時には答えを言うよ。だから、またね!)
こうして僕とラウラと過ごした長いようで短かった1ヶ月が終わった。
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薄暗い車の中、運転席の方から声が響く。
「C0037もう良かったのか?もう会う事は無いぞ」
「C0037と言うな私にはラウラ・ボーデヴィッヒと言う名前がある」
車の中には黒服の男と1人と先程まで少年と一緒に泣いて笑っていた少女がいる。
「ふっ、まあ良いこのまま研究所に行くぞ。その際にイモータル・ウォルソンの後任に会わせる。そしたらすぐに実験だ」
「分かった。ところでウォルソンは今どこに居るんだ?」
少女の方は先程までの感情は無く気持ち悪いほどの無表情である。
「知らん。遠くの支部に行ったとしか聞いていない」
「…そうか」
そう言いながらラウラは落ちていく夕日を車の窓越しに見つめながら思う。
(カナタ……きっとまた会おうね。忘れてたら怒るよ?私のファーストキスあげたんだから)
そう思いながらさっきのファーストキスを思い出す。
何故かさっきよりも熱くなっていた顔を、きっと夕日の日に当たったせいで熱くなっているのだと思いながらも更に熱くなる顔と一緒に、先程までの無表情を崩しながら両手で覆い隠すようにしながら思う。
――――――――――――――
GSプロジェクト
被検体C0037経過報告…担当官フリードリヒ・ブランシュ
今回からイモータル・ウォルソンの後任として担当官になる。
前回の担当官であったイモータル・ウォルソンはヒトの人格こそが計画の要因になるとプロジェクトに反する事を発言、実行したため粛清を命令した。
ヒトではなく機械の様な忠実さがプロジェクトの要因である方針が絶対である。
その為、ウォルソンが最後に行った際の記憶はプロジェクトに邪魔である。
その為、今回C0037に接触した際に記憶の削除を実行。
だがアクシデントとして削除中に他の被検体よりも時間が掛かった事が気がかりである。
その記憶の削除に伴いラウラの部屋にある持ち物全てを処分する。
機械には必要最低限の物しか必要としないためである。
その際にC0037の記憶にある黒い指輪が無かったが多分失くしたのであろう。
これにより出会った際に持っていたヒトの様な部分を失くすことに成功。
我々のプロジェクトの目標に、より近づく事に成功した。
今後は更に最適化させることに専念する。
追記
イモータル・ウォルソンは何時も利用しているゴミ処理業者に頼む事にした。
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ラウラと別れて数ヶ月、幼稚園の卒園式も無事終わってママとリザ先生は抱き合いながら泣いていたのがとても記憶に残ってる。
それから1週間後僕はドイツの空港に居た。
目的地はもちろんお父さんとお母さん、そして僕の故郷日本。
パパの仕事は元々3年間ドイツの支部で働いてその後、日本の本部に戻る事が最初から決まってたみたい。
だから僕が小学生になる時には日本の小学校に入学する事になる、それが僕はとっても不安。
僕の緊張しているのに気づいたママは僕に声を掛けてきた。
「緊張してるの彼方?」
「う、うん」
「安心して彼方?日本人は皆、良い人達ばかりだしそれに安全な国だからきっとすぐに友達が出来るわ」
「そ、そうかな?」
「そうよ。それに今度住む所ね?隣の家に彼方と同い年の男の子が居るらしいの。だからきっと大丈夫!」
そう言いながらママは僕にガッツポーズしながらウインクをする。
(昔、誰かがそんな事いって気がする?誰だっけ?)
そう思いながらちょっとトイレに行きたくなって少し小走りでトイレまで行く。
トイレを済ませて出て行く時に思いがけない人に出会った。
「やぁ!キャナタ久しぶりだね!フリーマーケット以来かな?」
「ええ!?もしかしてウォルソンさん!?」
そう、そこに居たのはフリーマーケットの時に出会ったウォルソンさんが空港の待合室で座っていた。
僕の驚いた顔を見たウォルソンさんは少し満足した様な顔をしながら僕に話し掛ける。
「今から僕は仕事の関係で日本に行くんだよ。それとキャナタ?言いたい事があるんだ、君が前に会ったイモータル・ウォルソンはねもう死んだんだ」
「え!?」
ウォルソンさんの衝撃の発言に僕は更に驚く。
「え?あの、どういう事ですか?死んだって?」
「そのままの意味さ、イモータル・ウォルソンは仕事にしくじり死んだんだ。
そう言いながらウォルソンさん…ロビーさんは歯に付けた強制器具をキランと光らせながら僕に言って来た。
「そ、そうなんですか。大変なんですね。じゃあ僕もう行きます、お父さんもお母さんも待ってるから」
ロビーさんのペースに前みたいに巻き込まれないために急ぎ足で戻ろうとする僕の腕を掴みながら僕に何か箱の様な物を渡してくる。
「なんですか?…―!」
その箱はリングボックスの様でそこにはLicht&Schattenって表面に彫ってある。
僕は急いで箱を開けるとそこにはラウラがあの時付けていたネックレスチェーンと黒い指輪で裏にはR&Kって彫ってある。
間違いなくあの時ラウラと一緒に買ったペアリングだ。
僕は驚きながらもロビーさんになぜなのかを聞く。
「ロビーさん!?な、なんで!?なんでコレがここにあるんですか!?」
「それはね?僕がラウラのお兄さんだからさ!」
そう言いながらロビーさんは胸を張る。
そう言えば初めて会った時、妹がどうのこうの言ってたな、でもあれ?
「ロビーさん?でもラウラと全然似てないですよね?」
僕の言葉に肩を落としながら僕の問いに答える。
「そうその通り僕はラウラと血は繋がっていない。それに僕はアメリカ人だしね。でも一時期は戸籍上、僕とラウラは兄弟だったのさ」
「一時期は?じゃあ今は?」
「ご察しの通り今はもう他人だ、僕の事なんてもう覚えていないだろうね。そして君の事も」
ロビーさんは先程よりも更に衝撃的な事を言い出す。
「それってどういう事ですか!?ラウラが僕の事を覚えていないなんて!?冗談なら許しませんよ!?」
「落ち着きなよキャナタ?冗談ではないんだよこれが。今、詳しい事は言えないがラウラの記憶は消されたのさ」
「け、消されたって誰に!?」
「おっとそれは言えないなー、だけど何時か話すよ。その時が来ればね?そうだ主旨から逸れてしまったね。キャナタ、君にはそれを預かっていて欲しい」
ロビーさんは僕が持っているリングボックスを指差しながらそう言う。
「それをキャナタに預かっていて欲しい」
「理由を聞いても?」
「あー、ごめん理由は話せない。でもこれだけは言える。キャナタ、君はラウラとまた会うだろう。だからその時、キャナタがラウラと再開した時に渡すべきだと思ったら渡してくれ」
ロビーさんはいつものふざけた雰囲気を一変させて僕を見つめながら言ってくる。
僕はその目を見つめながら答える。
「分かりました。もしその時になったら渡します」
僕の答えに満足した様でロビーさんは笑いながら。
「ハハ!OK!OK!それなら良いんだ。じゃあキャナタ?また会おう!シーユーアゲーン!」
「―!ロビーさん待って!まだラウラの事で聞きたい事が!」
僕の言葉を聞き逃れる様に、手を振りながらロビーさんは空港の人混みに溶け込んで消えてしまう。
そして僕はロビーさんに預かったラウラのリングボックスを握り締める。
(ラウラ…今度また会った時はどんなに変わってても向き合うよ。ラウラの事をもっと知るために)
そんな決意を胸に秘め僕はパパとママの元に向かう。
その後、僕達は飛行機に乗って日本に向かった。
こうしてドイツでの長かった様な短かった様な3年間が終わる。
日本に住む不安と再会の決意を胸に秘めながら。
皆々様、これにて幼稚園編は御終いでございます。
次回からは小学校編、見知らぬ地で彼方は一体どのように過ごすんでしょうか?
そして彼方が聞いた声の正体は?
ロビーさんは一体何を知り、何者なのか?
小学校編では全部回収出来ませんがやっとISらしくなるかも?な小学校編です。
皆々様どうかお楽しみ下さい。
次回の小学校編ですが少し時間が掛かるかもです(´・ω・`)
(´∀`)ノシ
ラウラのイニシャル間違えてた(/ω\*)