IS ~彼岸花の思い鈴蘭の如く~   作:まうす〜

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いやはや前回1週間の定期更新をを目指すって言っておいてこのザマだよハハ……


2話【相棒/優秀な彼女】

 僕が日本に向かう飛行機で出来た親友。

【なー?暇だからなんかしようぜ?】

 

 この頭に響く声が僕の親友で。

 そして僕の悩みの種。

 

――――――――――――――

 

 

 まずはなんでこうなったかを思い出す。

 この声を初めて聞いたのはラウラと再会の約束をした日。

 その時はただ自分の空耳だろうと思ったんだけど、日本に行く飛行機の機内でまたこの声を聞いた。

 

【いやはや、ラウラちゃんのお兄さんがまさかロビーさんだとは思わなかった】

 

「うんうん……え?」

 

【え】

 

 僕の驚いた声を聞いて隣で読書をしていた母さんが驚いてこちらを向く。

 

「ど、どうしたの彼方?もしかしてまた怖い夢でも見たの?」

「え?えっと、ううん何でもないよ。おやすみなさい」

「ええ?お休みなさい。まだ日本まで時間があるからね」

 

(さっきの声なんだったんだろう?ラウラの時に聞いた声とソックリだったけど)

 

【……もしかして聞こえてる?】

 

(なに?また声が)

 

【何だ?マジで聞こえてんのか?】

 

(え!?誰?どこにいるの?)

 

【落ち着け、俺はお前の中にいる】

 

(え!?僕の中!?)

 

【おう……多分】

 

(おい!)

 

【いやだってなー俺もこんな事を体験したのは初めてだし】

 

(君はだれなの?)

 

【俺は……俺はもう1人のお前……だよな?】

 

(なんで僕に聞くの?それにどうして僕の中に君がいるの?)

 

【うーん。多分、何でこうなったかは分かるんだけどな?何でこうしたのかが分からなくてなー。それに、本当に俺はお前なのかの確証が無いんだ】

 

(良く分かんないけどまあ良いや、君の名前を教えてよ)

 

【良いのか?そんなに簡単に受け入れて?自分の中に良く分かんねえもんがいるんだぞ?】

 

(うん、だって君いい人でしょ?)

 その言葉はただ純粋に。

 

【何でそう思ったんだ?】

 

(だってラウラがいなくなる日に君は僕があきらめそうになった時、声をかけてくれたの君でしょ?だからだよ。だから僕は君がいい人だって思ったんだよ。だから良いと思ったんだ。僕の中にいい人の君がいるのは)

 

【――!は、ハハ、ハハハハハハ!!】

 

(なんで笑ってるのさ?)

 

【ハハハハ!笑うだろこんなの!お前やっぱ馬鹿だ。どうしようもない馬鹿だよ、お前は!】

 

(むー、そんなに馬鹿馬鹿言わないでよ)

 

【悪い、悪い。でも良いなお前。うん良い、やっぱお前で良かったよ本当に……あっそういえば俺の名前だったな。そうだな、お前の名前が彼方なら俺は……うん、此方(こなた)。俺の名前は此方だ】

 

(此方、それが君の名前なの?)

 

【おう、まあそんなもんだ今後共宜しく頼むぜ?相棒】

 

 それが僕と自称もう一人の僕、此方と初めて話し合った時のこと。

 それから僕たちは色々な事を話した。

 色んな事を話して分かった事が、僕が物心つく頃から此方は僕の中にいた事、僕と此方の見ているモノは一緒だって事。

 それに僕の感じた事はほぼ全部、此方の方にも感じられるって教えてくれた。

 でも此方はなんで僕の中にいるのか、此方は一体なんなのかは絶対に教えてはくれなかったけど、そんな事よりも僕は此方っていう秘密の友達が出来てとってもうれしかった。

 それから僕は此方に色々と助けてもらってる。

 その1つに喧嘩、此方はどこで覚えたのか喧嘩になれていた、人はどこを殴ればすごく痛いのか、殴られた時どうすれば良いのか。

 そんな僕が全然知らないことを此方は知っていて一夏とハプニングに巻き込まれた時には此方のアドバイスにすごく助けられてる。

 でも此方は自分から進んで喧嘩を教えることはしなかった、だいたい僕がお願いした時とかピンチの時に教えてくれる。

 その時の此方は顔を見る事が出来ないけど、とても辛そうにしているように感じたし、此方はよく僕に自分からはするな、するならその結果を予想して結果を受け止める覚悟を決めろってよく言われる。

 意味は良く分からないけど。

 でも僕は此方と約束した、自分からはしないって、したなら結果を予想してそれに目を背けないで受け止める。

 そんな約束をして数週間後の日本に来て初めての夏休み――

 

【なあ彼方?勉強ってまだ終わらないのか?】

 

(うん、もうちょっとさせて)

 僕は学校の宿題をしながら此方と話していた。

 

【オッケー】

 

 5分後――

 

【もう良いだろ?】

 

(もう15分)

 3分後――

 

【もういーかい?】

 

(まーだだよ)

 1分後――

 

【ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!】

 

(うるさい)

 10秒後――

 

【ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!】

 

(うるさい!それいい加減にしてよ!)

 

【ゼア!ゼア!ゼア!ゼア!ゼア!】

 

(言い方の問題じゃないよ!?)

 

【頭が疲れた】

 

(はあ、良いよテレビでも付けよう)

 

【イエス!】

 

 そうこれが僕と此方の悩みの種、感じることが一緒ってことは何かを考えたり運動した時の疲れも一緒に感じるってことで。

 此方は運動した時の体の疲れならぜんぜん平気なくせに勉強する時はとことん弱い。

 だから僕が勉強する時とか本を読んでる時はよく僕にブーブー言ってくるのがあたりまえ。

(それなら此方だけ寝てればいいのに……まあ良いや、確かこの時間帯は環境保全戦士アクアビットマンが始まる時間だっけ?)

 僕がテレビを点けるといつも聞く主題歌じゃなくて《緊急速報!!日本に向けて各国のミサイルが発射!?》って文字がテレビに写って。

 

「え?」

 

【は?】

 

『皆様、もう一度お伝え致します!先程、各国の兵器制御に異常が発生し日本に向けてミサイルが発射されたとの報告がありました!今テレビに映し出されている地域住民の皆様は只今警察の方で呼びかけられている避難所に避難の方をお願いいたします!―はい…はい…!皆様!最初のミサイルの到達時間が分かったとの情報が入りました!最初のミサイルは今から6分後に到達するとのことです!繰り返します!――――』

 

 なにを言っているのかサッパリ分からなかった、ミサイル?日本に?安全じゃなかったの?

 頭が真っ白になっていると此方が僕に怒鳴りつける。

 

【思考を停止させんな!安心しろ、俺たちの街にはミサイルは来ない】

 

(で、でも!人が死んじゃうんでしょ?じゃあ助けなきゃ……)

 ほぼ無意識に僕は此方に感じた事を伝える。

 その言葉に此方はいつもの落ち着いた雰囲気が怒りに変わって。

 

【いい加減にしろよ!今お前が行って何が出来んだ!テレビで言ってたろ!?後6分でミサイルが来るんだぞ!?たかが小学1年生のケツの青いガキがミサイルを止められるのかよ!力も何も無いくせに何を言ってやがんだ!そういう言葉は力や何かしらのもんを持ってる奴が言う言葉だ!何も持って無いガキが綺麗事ほざいてんじゃあねえぞ!……俺達に出来るのは自分達の街にミサイルが来ないことに安心するのと、被害に遭う街の人達が死なねえこと祈る事ぐらいだろ】

 

「でも……こんなのってないよ、ムチャクチャだよ」

 

 僕はいつの間にか下唇から血が出るぐらいまで唇を噛んでいた。

 なんでここまで悔しいのか辛いのかは分からないけど。

(こんなのおかしい、なんで理由も無いのに人が死ななきゃいけないの?人が死ぬってもっと理由があるんじゃないの?理由が無くてただ死にましたって……そんなの人の死に方じゃないよ……)

 

【……優しいな彼方は、でもこれが現実なんだ、しょうがないんだよ。でも、でも優しいお前なら将来こんな状況でも――】

 

 僕の様子に此方は僕に優しい言葉を投げかける、でも僕にはそれがとても辛かった。

 そして僕は今でも見る悪夢を見るときの感覚におそわれた、そうして僕は気を失って行く、ゆっくり……ゆっくりと――

 だけどその瞬間――

 

『皆様!遂に到達まで後2分になりました!――!み、見てください!上空にひ、人でしょうか!?何かがいます!』

 

 リポーターのお姉さんの声で僕と此方はテレビに意識が集中する。

 そこには真っ白で銀色の鎧みたいなのを身に付けた女の人?が上空に立っていて。

 それを見た瞬間、意識が一気にクリアになった。

 

「此方?あれ何か分かる?」

 

【分からん、俺もあんなの初めて見る】

 

 僕たち2人が驚いているとテレビに映っている女の人はものすごい速さでミサイルに飛んで(・ ・ ・)突っ込んでいった。

 

「ええ!?」

【はあ!?】

 

 僕と此方が更に驚く。

 その瞬間に彼女に当たったのか最初のミサイルが爆発した。

 だがそこに彼女は無傷で先程と同じように空を飛んでいる。

 

【おいおい!】

 

 そして他のミサイルが来ると、彼女はさっきから持っている自身の体と大差ない大剣を片手で軽々と振り上げ、横薙ぎにミサイル群を一閃。

 瞬間、辺りのミサイルは真二つにななって爆発、その爆発に巻き込まれ近くのミサイルに誘爆して多量のミサイルが瞬く間に消えていく。

 さらに大量のミサイルが来ると、今度は大剣の切っ先をミサイルに向ける、そうすると大剣の周りが光り出して瞬間、切っ先から白い光の柱みたいなのが一直線に伸びる、その状態で彼女は大剣を両手で持ちフルスイングをすると遠くにあるミサイルが白い光の柱に当たったのか大量に爆発したみたいでテレビでも分かるぐらいの爆発が起こった。

 圧倒的だった、圧倒的に強かった。

 先程まで自分のことでウジウジしてたのが嘘みたいに僕と此方はテレビに食いつく。

 近くにミサイルが来れば大剣で斬りつけ、届かなかったら目にも見えない速さで移動して斬りつける、更に遠ければ大剣の切っ先から出る白い柱でミサイルを破壊した。

 それを5分ぐらいだろうか?見続けていると更にどこからか戦闘機や艦隊がやって来る、それに気づいた彼女はそれに向かって高速で移動し瞬く間に無力化させていく。

 でも――

 

【おい?何で泣いてるんだよ?】

 

「え?なっなんで?」

 

 いつの間にか、僕の目には涙が溢れていて、でもそれがなんでか自分には分からない。

 

「え、あれ?止まらない……止まらないよ……」

 

 ぬぎっても、ぬぐっても涙は全然止まらなくて、テレビに映る彼女の戦っている姿がとっても間違てる感じがする。

 だって――

(こんなの■■■が望んでた■■じゃないよ……こんなの僕が見たかった■■なんかじゃないよ!)

 

【彼方?おい?どうした、何を言ってんだ?】

 

(こ■なの――S―■ば■―■―!?――?――……)

 

【おい!?彼方!?どうした!返事しろ!おい彼方!―事――――!――!?】

 

 此方の焦る声を聞きながら僕は意識を失った。

 まるで底なし沼に入るみたいにゆっくり……ゆっくり――

 

――――――――――――――

 

 

 目が覚めると僕は自分の部屋のベッドに横になっていて、隣には母さんがウトウトとしながら座っていた。

 僕が起きたのに気づいた母さんその後どうなったのか教えてくれた。

 今回の事件の原因は各国の軍事システムがハッキングされたのが原因らしいけど僕には難しくて良くは分からなかった。

 僕に説明してくれた母さんは僕の顔を覗き込む。

 

「驚いたわよ?急いで買い物から帰って来たら彼方がテレビの前で倒れてるんだもん。でも良かった何事もなくて……さあ!晩ご飯、食べちゃいましょ!」

「うん」

 

【……いいお母さんだな】

 

(うん)

 

 その日の夕方、ニュースで兵器の全てを撃破した女性が身に付けていたのがインフィニット・ストラトス、略してISって言うたば姉が作った発明品だってこと、女性以外に使用できないことと、ISを倒せるのはISだけだって言うたば姉の言葉が流れた。

 

【……彼方、これから大変になるぞ。束さんがあんなのを作ってたてのにも驚きだがあんな事をしたんだ、遠分は騒がしくなるぞ。気を引き締めておけよ】

 

(……うん)

 

 此方の言葉に不安が僕を覆う様に蝕んで行く、今がどこかに行っちゃう気がして。

 その日、晩ご飯を食べた僕は急いでお風呂に入ってすぐにベットに横になった……

 明日も明後日もこれからも、今がずっとずっと続きますようにって誰かに願って。

 

――――――――――――――

 

 

 その日、世界は理解したISは現行兵器全てを凌駕する究極の機動兵器であると、製作者の意図を大いに間違えて世界は理解をした、してしまったのだ。

 その世界の理解が一体誰を狂わせるか知らぬまま。

 その世界の理解が一体どんな人達を傷つけるのか分からぬまま。

 その世界の理解が世界に何を起こすのか認識出来ぬまま。

 

――――――――――――――

 

 

 優秀な彼女は行動した どんな結果になるか間違った予想をしながら。

 『他人』を知らないが故に――

 

 優秀な彼女は行動した その結果を受け止めることなど考えずに。

 『他人』が傷つくとは何なのか知らないが故に――

 

 優秀な彼女は行動した だが理解したくはなかった『他人』を。

 『他人』を知れば狂うと知っていたが故に――

 

 ――故に彼女は優秀だったのだ。

 

 では『他人』を理解した“優秀”な彼女はどうなったのか?それは――

 

 ■■になったのだ。

 

――――――――――――――

 

 

 人は行動するならばその結果を予想し、結果を受け止めなければいけない、どんな結果であろうとも。

 

 それこそが――

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

それと前回、小学校編は3話程で終わると言っていましたが4話になりそうです。

では皆々様

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