変わり者の世界貴族   作:ニャンコスター

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三人称にすると言いながら書いてみたら駄文過ぎて諦めてタッツーの一人称になっちまった、すまない!
だけどいつもよりも大分文字数が多くなりましたとさ、自然と指が進んだぜ。


番外編1 役員の内心

俺の名はタッツーだ、マリージョアで周囲からは異端児と呼ばれてしまっている、ある女の子の世話係の1人だ。

因みに世話係は全員で俺含め6人居る、2人づつに係を分けて3つの班作り、その3つの班で付き人・部屋や廊下の掃除・物の用意などを当番制で二週間で回すんだ。

シリカ様の誕生日から二週間は俺とドールが当番だな。

そして、ツバメ先輩ともう1人のアント先輩は物の用意、残りの先輩達は掃除だ。

 

現在朝六時、ある女の子、もといシリカ様の朝の身支度に必要な物を揃える為この時間から働き出さなければならないのだ。

 

コンコン

「おはようさんタッツー、仕事だ」

「おはようございますツバメ先輩、わざわざすいません」

 

もうこんな時間か。

この人は俺らの先輩でありシリカ様の世話仲間だ、しっかり者で毎朝部屋まで呼びに来るのだ。

さて、さっさと黒スーツに着替えて向かいますか。

 

向かってる間に何故シリカ様が異端児と呼ばれてしまっているか説明しよう。

まず最初に、シリカ様はホウセキ家の第一子として産まれてきたんだ、だが好奇心旺盛で色んな物に触りそれがどんな物なのか、なんでこんな事が起きるのか色々聞いてくる。

 

此処までなら普通によくあるから良いんだ、問題はここから、色々聞いてくる娘に手を焼いた母親であるホウセキ・ルビー様はなんと娘を嫌い、いつしか触る事も見る事さえもしなくなり。

父親であるホウセキ・ダイヤ様は産まれた当時からもあまり関心が無かったみたいなんだ。

 

そんな中、3歳児を放って置けるはずが無い俺達役員は元々の世話係の他の先輩方3人に加えツバメ先輩と俺とドールの3人が配属されたんだ。

元々みんな別々の所から来てて、俺とドールはシリカ様が産まれた辺りで三年間別の世界貴族の屋敷で、ツバメ先輩は産まれる二年前からホウセキ家の屋敷で。

因みにツバメ先輩はCP5から来たらしい、ドールはCP2から、俺はCP7からだ。

他の先輩とは残念ながら大して仲が良く無くて余り込み入った話は出来ない。

 

思いっきり話が逸れたが、もうシリカ様の部屋の前に着いたから一旦終わらせる、集中し無いとな。

 

そーと扉を開ける。

 

「起きてるかな?」ボソ

 

最近シリカ様の奴隷として連れて来られたが友達認定してるウリエルちゃんも新しく隣に置いたベットで寝ている、ウリエルちゃんの方はドールに任せてある、まだ来てないが洗面台に向かってる間に来て、また別の所にある洗面台に向かうだろう。

そっちは20mとちょっと近い。

そんな事よりも起こさないとな。

 

シリカ様が眠っている方のベット脇に近づいて言う

 

「おはようございますシリカ様、朝ですよ」

「ふにゅ〜……」もぞもぞ

 

少し布団が動く。

 

ならもう一度話しかけるか。

いつもの事だけど、6時10分位にはスルっと起きれるって凄いと思うんだ、だって5歳になったばかりだよ?

 

「シリカ様、起きてますか?」

「うにゅ?」もぞもぞ

 

掛け布団が少し捲れて、深い青色の髪がチラ見する。

 

「おはようございますシリカ様」

「うにゃ〜、おはよ〜」

 

掛け布団が半分捲れ、上半身を起こしている。

 

いつも通りに可愛い、少し髪の毛が跳ねてても自然と笑顔になるぜ、親馬鹿ってこんな気持ちなんだな。

親じゃ無いけどな、でも世界貴族だって事を偶にうっかり忘れる事がある。

落ち着け、平常心を保つんだ俺!

幾ら抱きしめたい程可愛くてもやったら事件になるぞ、落ち着け俺!

 

少し間を置いてしまったが声を掛ける。

 

「では、歯を磨いて顔を洗いに行きましょう」

「はーい」

 

元気の良い返事が返ってくる、少し眠たそうだ。

 

洗面所までシリカ様と歩いて行く、毎朝少しの距離だったら能力を使わずに歩いて行くと決めているようだ。

実際部屋から洗面所まで30mしか離れて無い。

因みに俺達世話係の部屋からシリカ様の部屋までは300m、微妙に遠いんだ。

そんな事を考えている内に、ツバメ先輩達が用意してくれてる洗面台に着く。

やはり先輩達の置き方は見やすくわかりやすいな。

 

着いたらシリカ様は用意された物を使って全て自分でやってくれる、ただ俺達付き人は見守ってるだけだ。

ルビー様とダイヤ様は付き人にやらせてるって噂を偶に聞く事はあるけどな、正直シリカ様を見ていると信じ難い話だ。

 

そうだ、さっきの何故異端児と呼ばれてしまってるかの話だけど、簡単に言えば何にでも興味を示し、本にも興味を持ったから俺が堪らずに読み書きや計算を教え始めたからだ。

俺がやってからシリカ様が他の人にも勉強を教えて欲しいとねだった結果、シリカ様の世話係総出で教える事になりドンドン覚えたって事だ。

だってスポンジみたいに凄い勢いで理解して吸収して行くから教えてて凄い楽しかったからつい。

 

それともう一つ要因がある、外で思いっきり身体を動かして遊ぶ事だ。

何せ普通の世界貴族や裕福で奴隷を求める様な王族の子供達は奴隷達で遊ぶからだ。

ましてや木登りなんて貴族の子供でもやら無いような事だってのも関係してると思ってる、楽しんだけども怪我をする方が一大事と捉えられるから大人達の間では暗黙の了承と化している。

 

そしてなによりも一番の要因は、奴隷や私達や同じ世界貴族の事を同じ人間として見てくださってる事だ。

シリカ様奴隷として来たけど友達認定したウリエルちゃんには天駆ける竜の蹄のマークの世界貴族の紋章が焼き付けなかったし、付けさせ無かった、これと普段の言動から推測したのだ。

普通なら世界貴族は世界の創造主の血を引いているという事から、どんな地位に居る人でもある程度意識的に区別しているのだが、シリカ様はその意識の壁なんて最初からありませんでした。

そんな事言ったら、徹底的に特別だって事を植え付けろと言われるからな、そんな洗脳じみた事をしたく無い俺達は自然な様に黙っているんだ、内緒だぞ?

 

おっと、丁度区切りの良い所でシリカ様が朝の支度を終えた様だ、次は部屋で朝食を食べさせないとな。

 

そう思いシリカ様に声を掛ける。

 

「シリカ様、部屋に戻り朝食を食べましょう」

「はーい、きょーはどんなのが出るの?」

「今日はパンにベーコンエッグを乗せた物とコーンスープです、さあ部屋に戻りましょう」

「はーい、ねぇ甘いものはないの?」

 

歩きながら聞いてきた、ちょっと残念そうな顔をしてくる。

うん、従うに決まってるだろ、可愛いから。

 

「なら、ヨーグルトも食べ終わる頃には用意しておきましょう」

「わぁ、ありがとう♪」

 

一気に花が咲いた様な輝く笑顔になった。

可愛いなおい!

俺はもうこの笑顔を見る為に働いていると言っても過言では無い!

 

「喜んでいただき嬉しく思います」

 

ちょっとテンション上がって敬語変になってないよな?!

おっともうそろそろ部屋前だ、ドアの開け閉めは勿論付き人の仕事だ。

 

「どうぞ」

「わぁ!おいしそう!」

 

部屋の中には既に二膳の朝食がテーブルの上に並べてあった、流石先輩達だ準備が早い、しかもしっかりとナイフとフォークも並べてある、素早く綺麗に並べたな。

俺も見習わなくちゃ。

 

そんな事を考えてる内にシリカ様が席に着く。

着いて少ししてからウリエルちゃんがドールと共にやって来る。

 

「ウーちゃん、はやく食べよ〜」

「うん!リカちゃん」

 

おっと、忘れる所だった。

 

「タッツーとドールもいっしょに言お〜」

「勿論です、はい『いただきます』、良く出来ました」

 

俺はもう食べ終えているが、どうやら一緒に言いたいらしい、こっちで食う様になってからはいつの間にかこうなっていた。

 

それにしても

 

「可愛いな」

 

小声でドールにだけ聴こえる様に呟いた。

 

「そうでごわすな」

 

ドールも同じ様に俺にだけ聴こえる声で返して来た。

 

この間シリカ様とウリエルちゃんのほんわかムードにドールと共に癒され、ひたすら可愛い所を思っていた。

そうしてたらいつの間にか食べ終わってた様だ。

掃除担当の先輩達も既に部屋に入っている。

 

「ふぅ〜、おなかいっぱい、ウーちゃんは?」

「わたしも、ごちそーさましよー」

「わかりました、はい『ごちそうさま』、良く出来ました」

 

その後は先輩達が食器を片付けてから、シリカ様とウリエルちゃんに勉強を教えた、今日の範囲は掛け算のテストと割り算の導入だ、スラスラ進んでここまで来ちゃったよ、凄いだろうちの子。

その間ドールは後ろで見守ってた。

 

その後の昼食は朝食と展開はほぼ変わり無いが、俺とドールは交代で食べに行った。

 

昼食を食べた後は外が雨だった事もあり、暇だったシリカ様にカードゲームに誘われたから、近くで晩ご飯が作り終わるまで暇を持て余してたツバメ先輩と自分の部屋に戻って休憩を満喫してたドールを呼んでシリカ様と遊んだ。

シリカ様は悪魔の実によって幸運になって勝ってばかりで申し訳ないと思ってる様だ。

確かに気になるが幸運は良い事だろ、こっちは負けても気にしないから誇って、ウリエルちゃんはなんだかんだ言って強く普通に勝ちギリギリまで行き、互角の戦いをしている。

 

晩ご飯も昼食と同じ感じで交代で食べに行く。

食べた後は片付けてから、シリカ様は本を読んだり日記を書いて、ウリエルちゃんはその間本を読んでいる、偶にシリカ様と此処の本の保存部屋に行く様だ。

まあ、保存とは名ばかりの職員も使える図書室の様な部屋だ、世界貴族は余り本は読まないらしいけどな。

 

そしてシリカ様が書き終えたらウリエルちゃんと共にベットに行って寝る。

少し覗いたら寝顔が可愛いのなんのって、少し過ごしてから、護衛兵と交代する。

交代したら残りの仕事を終わらせて部屋に戻る所だが、一旦部屋に戻らずに世話係の交流場みたいな所でツバメ先輩とドールに会いに行ったんだ、勿論情報交換の為にな。

 

そして交流場みたいな所でスーツを未だにピシッと着てるツバメ先輩と、上衣は完全に脱いで片手に持ってるドールが居た、俺は少し着崩している。

 

「お疲れ様タッツー、シリカ様は寝たか?」

 

そんなツバメ先輩から労りの言葉を掛けてくれる。

 

「勿論ですツバメ先輩、今日もぐっすり寝てます」

「ならば、姫君の御部屋の後片付け等は終わったでごわすか?」

 

ドールが確認する様な感じで聞いてきた。

 

「ドールの分まで終わらせて来たから安心しろ」

 

と少し嫌味を混ぜて返す。

 

「うむそれは良かったでごわす」

 

嫌味に気付かず笑顔で返される、まぁいっか。

そういやあの悪魔の実騒動の事言ってなかったな、言っておくか。

 

「そういえばツバメ先輩、この前シリカ様が悪魔の実を食べたんですよ」

「あぁ、知っている、この前アント先輩達がシリカ様が鳥になって飛んでると言ってたからな」

「えっ、姫君はいつの間に鳥になっておられたのだ?!我輩の調査不足であった、すまんタッツー殿」

 

ドールが少しシュンとしたから安心させるか。

 

「いや俺は大丈夫だ安心しろ、話を戻して、シリカ様が能力を自覚した日に、俺後をついて行くだけでしたけどシリカ様と一緒にルビー様とダイヤ様に報告に行って来たんですよ」

「大丈夫だったか?1ヶ月でクビになら無いよな?」

 

ツバメ先輩、その発想は酷いです言われてません。

 

「だから俺は何も罰を受けてませんってツバメ先輩、だけどシリカ様に向けられた視線と言葉の冷たさに心が凍り付きました」

「母上と父上はなんと返したでごわすかタッツー殿!」

「ルビー様は呆れた様な射抜く様な目線を向けてたよ、本当に食べた事を確認するとどうでもよさそうにそっぽを向いでた。ダイヤ様は疑って問いかけ、本当だと分かった瞬間凄い勢いで怒鳴り付けてたんだ」

 

本当にあんな態度我が子にしちゃうんだって驚いたぜ。

 

「そうか、初めっから女の子だから家は継がせられないと切り捨てる様に名付けたかと思ったら、悪魔の実一つでこんな事になったんだな」

 

えっ?名前に家名が入ってないから違和感感じてたけどそうだったの?!

でも今回は防げたからな俺のせいだ。

 

「いや、監視不足だった俺が悪いんだ、目を離さなきゃ食べてなかった」

「そんなに気を落とす事は無いでごわす、我輩も同じでごわす」

「まぁ、監視不足を悔やむよりもまた食べさせないように気をつければ良いさ、誰も過去は変えられないんだし解決案を出して未来で実行してけばいいさ、タッツーとドール、な?」

「ツバメ先輩…!」

「ウオォォ!ツバメ先輩!一生ついて行くでごわす!」

 

ツバメ先輩、泣かせないで下さいよ、感動しちゃいます、俺もついて行きたい!

 

「ははは、そこまで?」

 

なんかちょっと引かれた、なんで?!

 

この後もある程度話を聞いてもらい、部屋に戻る頃には11時30になってたとさ。

これが俺達世話係の日常の一つだ、それじゃ明日も朝早いんで寝る、おやすみだ!




後半の駆け足感に関しては反省してる、だが特に現時点で深めたり喋らせる内容は喋らせ尽くしたから殆ど無くなってたんだ。
役員の役回りは勿論オリジナル設定、こんな風に働いてるのかなと思いながら考えたやつ、余り出す機会無いかも。
そしてオリキャラのアント、こいつはツバメやドールやタッツーよりも影が薄くなるだろうモブキャラ、ツバメよりも一年早く此処で働き始めた。
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