織斑一夏の恋物語   作:夜光華

2 / 38
遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

とりあえず何話か書いてみて決めますね


第2話

「はあ………」

 

放課後の帰り道、ゆっくりと歩く俺は少し困っていた。

 

簪に告白しようとしていい雰囲気のままいこうと思ったらタイミング悪く邪魔が入るのだ。

 

例えば、刀奈さんが抱き着いて来たり、本音がやってきたり、用があるので虚さんが訪ねて来たりと本当に狙ってたかのように来るので正直、心のダメージがヒドイ…………。

 

ずるずる引き摺ってしまうからヘタレになりかけているのが現実問題だ。

 

この状況を相談出来る相手は…………居たっけ?

 

弾や数馬はダメだな、蘭はちょっと無理か………。

 

千冬姉は………何だろう………相談してはいけない空気になりそうだ。

 

 

身近に相談出来る相手いないんじゃ…………。

 

俺の交遊関係の少なさに落ち込んでしまった………。

 

こういう時に頼りになる人いないな………。

 

うーんと頭を悩ませているに更識家のお着きの運転手さんが待っている人がいる場所についてしまった。

 

「どうしました?何か悩み事がありそうな雰囲気ですが」

 

「あっ、いえ。その………」

 

運転手さんに聞かれて一瞬躊躇ったが何かきっかけを掴めるかもしれない。

 

そう思い、俺は相談してみる事にした。

 

「なるほど……そう言う事ですか」

 

「はい………どうすればいいか迷ってしまって……困ってるんです」

 

運転手さんに俺の悩み事を話した。とりあえず名前は伏せておいたお着きの運転手さんだけに話が伝わったら色々とマズイからだ。

 

「そうですね、私としては早くした方がオススメですね」

 

「やっぱりそうですか?」

 

「相手の方もあなたの告白を待っているんじゃないでしょうか?」

 

「そうですか?」

 

「あなたの想い人の性格からしたら告白するよりされる方がいいかもしれませんね」

 

「ですが俺は……」

 

「一端、恥を捨てて告白するくらいでないと前には進めませよ」

 

「そうですね。わかりましたありがとうございます」

 

運転手さんに話をして良かったと思い、俺は決心を固めた。

 

よし!今日こそ決着をつけるぞ!!

 

――――――――――――

 

俺は更識家に帰り、ひとまず荷物を置いて簪を探した。

 

あたりを探しているといた。

 

水色の髪の後ろ姿だ。よし!絶対大丈夫。絶対大丈夫。

 

「あ、あのちょっといいですか!」

 

「は、はい!」

 

俺の声にビクッと反応するが構うもんか!

 

「俺!貴女の事が好きなんです!!」

 

「えっ?えっ?」

 

「俺の恋人になってくれませんか?」

 

俺の告白に戸惑っているが気にせずに手を握って相手の目を見詰める。

 

「ほ、本当に私でいいの?」

 

「はい。俺は貴女が好きです」

 

頼む上手くいってくれ!

 

「………わかったわ。私で良ければよろしくお願いします」

 

やった――――!!

 

俺の中では歓喜にわいていた。

 

がしかし―

 

「一夏君の気持ち凄く伝わったわありがとう」

 

「へっ?」

 

俺の呼び方に思わず時が止まった。

 

あれ?おかしいな簪は俺の事を“一夏”と言うはず“一夏君”ってまさか………。

 

よくよく見ると外見が違う事を気付いた。水色の髪が外側に跳ねているし胸もある……。

 

 

ま、まさか……これって……

 

「刀奈さん!!」

 

「どうしたの?急に名前を叫んだりして」

 

しまった………間違えた………簪と思って告白したのが刀奈さんだった。

 

しかも頬を紅く染めて嬉しそうにしているので今更間違いでしたなんて言える訳がない………。

 

最悪の展開に頭が真っ白になっていると――

 

ガシャン!!

 

何かを落とす音が聞こえた。

 

い、嫌な予感が………

 

「う、嘘……一夏が……お姉ちゃんに……」

 

振り向くと顔を青ざめさせて泣きそうな顔をしている簪がいた。

 

 

ギャアァァァァ!予感的中!!

 

「ち、違う…違うんだ!これは」

 

「っ!!」

 

簪は目の前の光景に耐えきれずそのまま踵を返して逃げたした。

 

「ま、待ってくれ簪!!」

 

ダッと走りだした簪を慌てて追いかける俺。

 

「あっ……」

 

刀奈さんを置き去りにしてしまうが今は簪だ。

 

――――――――――――

 

「待ってくれ!簪!」

 

「来ないで!あっちいって!!」

 

逃げる簪に制止の声を出すが返ってきたのは拒絶の言葉だった。

 

しかも最悪な事に簪は足が速い、気を抜けば見えなくなってしまう。

早く掴まえなければかなりマズイ!!

 

どこかでチャンスがあるはずだ、俺は簪から離されないようにスピードを上げる。

 

ちょうど角に差し掛かったところで簪の走る速さが遅くなった。

 

今だ!俺は一気に近付き簪の腕を掴んだ。

 

「つ、捕まえた……」

 

「やっ!いやっ!!」

 

簪の腕を掴み、俺の方に引き寄せたが本人に逃れようと暴れている。

 

「落ち着いてくれ簪!俺の話を聞いてくれ!!」

 

「っ!聞きたくない!何で私に構うの!?お姉ちゃんのところにいけばいいじゃない!!」

 

ダメだ……完全に聞く耳を持ってくれない。

それどころか振りほどく力が増している。

 

俺としてはヤバい展開だ、ただでさえ簪を追いかけるのに体力を使っている上に腕を掴む手の力も弱くなっている。

 

ええい、男は度胸!!

 

そのまま簪を引き寄せて抱き締める。

 

「俺が好きなのは簪なんだ。落ち着いてくれ」

 

「嘘つかないで!こんな事しても信じない!!」

 

これでも無理か………仕方ない……覚悟を決めるか………。

 

涙目の簪のアゴに手を当てて上に向かせてそのまま唇にキスをした。

 

「えっ……一夏……」

 

キスしたのがわからなかったの口に手を当てて戸惑っている簪。

 

 

「これで信じてくれたか?」

 

「本当?本当に本当?」

 

「ああ、俺は本当に簪の事が好きだ。愛してる」

 

「………ひっく……嬉しい」

 

そう言って簪は俺の胸に飛び込み泣き出してしまった。

 

俺は簪を抱き締めながら泣き止むまで頭を撫でていた。

 

「落ち着いたか?」

 

「う、うん……ありがとう一夏」

 

簪は嬉しそうに笑み浮かべてはいたが今は重大な問題が残っていた。

 

「刀奈さんの事どうしようか………」

 

あんな熱烈な告白をしてしまっただけに俺として罪悪感が沸き上がる。

「そう言えば何でお姉ちゃんに告白したの?」

 

「いや、その、だな……笑わないで聞いてくれ」

 

「うん」

 

「初めて告白するから後ろ姿で判断してしまってそのまま勢いのまま告白したら刀奈さんだったって訳だ………」

 

「ぷっ……」

 

「笑わないでくれよ。今更ながら恥ずかしさに悶えてるんだからな」

 

「……ごめんなさい。一緒にお姉ちゃんのところにいこう」

 

「ああ」

 

俺は簪の後を追うようにして刀奈さんの部屋に向かった。

 

――――――――――――

 

「そっか……やっぱり簪ちゃんが好きなんだよね……」

ポツンと1人部屋に残された刀奈はそう呟いた。

 

「簪ちゃん可愛いし、守ってあげたいもんね……」

 

刀奈は一夏が好きだったが一夏は妹である簪に恋い焦がれていた事に気付いていた。

 

しかし自分から告白する事が出来ず、意識をして貰おうとして大胆なスキンシップをしていたが結局は水の泡に変わる。

 

「フラれちゃった………」

 

せっかく一夏から告白して貰い喜んでいたが簪ではないとわかると彼の表情が戸惑っていたのがわかった。

 

「あれ?あれ?」

 

ツーッと流れる涙が頬を伝う。

 

「―――っ!」

 

刀奈は声を押し殺して泣いた。

失恋の痛みにただ泣くだけだった。

 

とそこへ―

 

「お姉ちゃん。ちょっといい?」

 

ノックする音と簪の声に泣くの止めた。

 

「ちょ、ちょっと待って今開けるから」

 

刀奈は慌てて涙を拭い、ドアを開けた。

 

「簪ちゃん……一夏君……」

 

簪と今は顔を合わせたくない一夏の姿がいた。

 

「大事な話があるから入ってもいい?」

 

「いいわよ。どうぞ」

 

刀奈は部屋に簪と一夏を入れた。

 

「それで大事な話って何?」

 

「うん。私と一夏付き合う事になったの」

 

「そう、良かったわね」

 

簪の言葉に刀奈は胸が痛んだ。

 

しかし刀奈は微笑んで妹の幸せを祝福する事にした。

 

「それでねお姉ちゃんにお願いがあるの」

 

「お願い?」

 

「うん。お姉ちゃんにとっては嬉しいお願いかな、あのね……」

 

――――――――――――

 

簪のお願いに俺は口をあんぐりと開け、刀奈さんは顔を真っ赤にしている。

 

「い、いいの?簪ちゃんはそれでいいの?」

 

いち早く我に帰った刀奈さんは簪に問いかけた。

 

 

「うん。お姉ちゃんも私と一緒に一夏の恋人になって欲しい」

 

 

せっかく簪と両想いになれたのに刀奈さんを加えて二股かけろと言っているので俺としては正直混乱している。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ簪。いきなりの事で刀奈さんは困ってるぞ」

 

「困ってないよ。だってお姉ちゃん一夏の事好きだから」

 

「えっ、ええ――――っ!?」

 

刀奈さんが俺の事が好きだって!?

 

マジかよ………。

 

よく見ると刀奈さんの顔が更に真っ赤になっている。

 

「き、気付いていたの?」

 

「うん。だってあんなに過激なスキンシップしてあからさまなアピールしてるんだもんわかっちゃった。それに一夏に告白されて嬉しそうな顔してたから確信に変わったよ」

 

「や、やっぱり気付いちゃったのね……」

 

「刀奈さん………」

 

「そうよ。私は一夏君の事が好きなの、初めて会った時からずっと好きだったの……」

 

「お姉ちゃん……」

 

「でも一夏君は簪ちゃんの方に向いていたから、ちょっとでも私の方を見て欲しいなって思って色々してみたけどダメだったわね……」

 

そうだったのか………よくよく考えてみれば、あれだけのスキンシップしてれば好意があると伝わって欲しかったんだ………。

 

そう思うと刀奈にいとおしさがわいて来た。

 

「刀奈さん……」

 

気が付けば俺は刀奈さんをそっと抱き締めていた。

 

「一夏君……」

 

「すいません。刀奈さんの気持ちに気付けなくて……」

 

「いいのよ。それで簪ちゃんのお願い受け入れていいの?」

 

「もちろんですよ。それでいいんだな簪?」

 

「うん。私はそれでいいよ」

 

そう言い簪は俺の後ろから抱き締める。

 

「3人で一緒に幸せになろう」

 

「ええ」

 

「ああ」

 

2人のぬくもりに幸せを噛みしめながら、俺は刀奈さんと簪と恋人になった。

 

でも、大丈夫かな?

 

まあ、3人なら何とかなるか、うん。

 




どうでしたか?

ちょっと難しかったです。

でも、タイトル決まってない………どうしようか……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。