織斑一夏の恋物語   作:夜光華

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4巻に入る前の番外編に入ります。

では、どうぞ


番外編
第37話


チュンチュン……。

 

「ん……」

 

窓の外では早く入れろとばかりに朝日が差している。同じく、目覚めを促すかのようにスズメが鳴いていた。

 

(もう少し……もう少し……)

 

この微睡み延長は至福の時である。おそらくこの緩やかな時間を愉しまない人間はいないだろう。うん、間違いない。

 

(さてと……)

 

俺は少しだけ目を開けて、両隣にいる恋人達に視線を向ける。

2人の寝顔を眺めながら意識を覚醒するのが俺の日課だったのが……。

 

「……あれ?」

 

両隣に誰も居らず、2人がいたような温かみもない、余りの異変に思わず俺は体を起こした。

 

「簪?刀奈さん?」

 

俺の愛しい人達の名前を呼びながらキョロキョロと周りを探すも………居なかった……。

 

「おっかしいな〜?」

 

よく見ると2人の荷物はなく俺だけしかいない……。いつの間に部屋を引っ越したのだろうか………?

 

「うーん………?」

 

2人とケンカした訳でもないし、部屋を出る理由など全く心当たりがない為頭を悩ませていると……。

 

コンコン

 

ドアをノックする音が聞こえた。

 

「どうぞ」

 

もしかしたら、簪と刀奈さんが俺を起こしに来てくれたのかな?まあ、そこで理由を聞けばいいしな。

俺はそう解釈して二人(簪、刀奈さん)が入ってくるだろうなと期待していたら。

 

「一夏、入るぞ」

 

「おじゃまします」

 

「うげ……」

 

予想を大きく裏切る2人が俺の部屋に入って来た。箒とシャルロットである……期待していた2人とは全く違う2人の姿を見て、思わず嫌な声を出してしまった。

 

「?急に嫌な顔をしてどうしたのだ?」

 

「何かあったの一夏?」

 

俺の声に反応してこっちに近寄ってきた。ヤバいヤバいもう少しポーカーフェイスを心掛けないと竹刀や木刀が飛ぶ。

 

「い、いや……何でもないんだ。お、おはよう、篠ノ之さん、シャルロット」

 

ピシッ……。

 

俺が2人に挨拶したら、急に空気が変わった、何だ?

 

「い、いいいいいい一夏?」

 

「い、いいいいいい今何て?」

 

急に顔を青ざめさせてどもる箒とシャルロットに思わず首を傾げた。

 

「ん?何かおかしい事言ったか?」

 

普通に返事をして、挨拶しただけなのにな……。

 

「お、おかしいも何も……」

 

「ぼ、僕達の事を何て……」

 

「何てって……普通に呼んで挨拶しただけじゃないか………違うか?」

 

「「違う(よ)!!」」

 

俺の言葉を聞いて2人は声を不満の声を上げた。

 

「私の事は“箒”と呼んでたはずだ!急にどうしたんだ!?」

 

「そうだよ!僕の事“シャル”って呼んでたじゃないか!おかしいよ!?」

 

と2人は猛抗議するがそんな風に呼んだ記憶はないので……。

 

「いやだな……2人の事はいつもそう呼んでたじゃないか。なあ、篠ノ之さん、シャルロット」

 

と俺は満面の笑みでそうはっきりと答えた。

 

「ごめんなさい!」

 

「何かしたのかわからないけどごめんなさい!」

 

「急に謝るなんてどうしたんだよ。後、着替えるから部屋を出てくれな」

 

いきなり謝りだした2人を部屋から追い出して着替えて朝食を食べるべく食堂に向かうのだった。

 

――――――――――――

 

「うーん……」

 

授業が終わって放課後になり俺は再び首を傾げた。

 

例えば、ISでの授業で千冬姉に指されて普通に答えたら、何故か戸惑われたりクラスの皆が驚いたりしたので思わず訳がわからなくなり、周りを見渡してしまった。

 

それから実技授業で白式を展開してみると俺は愕然とした、鞘がない上にエネルギー効率がかなり悪い設定になっていたので慌てて調整しなおした。

おかしいな……確か簪に見てもらって虚さんに調整してもらってたのに………。

 

とりあえず見てもらうか…はあ……そう思い行動しようとしたら背後から箒達が俺の後を着いてきそうなので………。

 

「本音」

 

「なあに〜おりむー?」

 

「(おりむー?)これあげるから足止めよろしく」

 

「わかった〜」

 

近くにいた本音にお菓子を渡して足止めを頼み、簪がいるであろう。整備室に向かう事にした。

 

――――――――――――

 

整備室に向かって歩いていくと―。

 

「おっ、いたいた」

 

水色の髪の女の子が歩いているのが見えた、簪だ。

 

「簪」

 

「あっ、一夏」

 

俺の呼ぶ声に簪は振り向き可愛らしい姿に思わず、笑みがこぼれる。うん、癒されるな。

 

「どうしたの?」

 

「いや、白式を見てもらおうと思ってな。ISに関しては簪に頼むのが一番だし、信頼出来るしな」

 

「そ、そう……」

 

簪は顔を紅くして、照れくさそうにしていた。頼りにされたのがそんなに嬉しいのか?

 

(――って、あれ?)

 

簪を見ると何故か違和感を感じた。愛しい恋人のはずなのにいつもと違う……何でだ?

 

「?」

 

簪は俺がジッと見ているのに気付いて小首を傾げた。その仕草を見て可愛いが上から下まで見ていると――。

 

(わかった!胸だ!)

 

そう。簪の胸は刀奈さんには負けるが大きな胸の持ち主なのだ、それなのに目の前の簪の胸は慎ましやかだ………まあ、それでも簪の想いは変わらないのだが……。

 

ま、まさか急に縮んだ訳ないよな……?

 

―とアホな思考していたら。

 

「………一夏」

 

「何だ」

 

「私の事じろじろ見てどうしたの?それに今、何か失礼な事考えていたよね?」

 

そう言い不機嫌な顔をした簪が俺をジト目で睨んでいた。

おっと、いかんいかん。ご機嫌斜めにしてしまったな。なのでここは―。

 

「簪が可愛いから見惚れてた」

 

「ふえっ!?」

 

俺の言葉に反応し、顔を真っ赤にしてボンッという音を立てて湯気があがる。

 

「う、嘘ついてごまかそうとしないで……」

 

「嘘なんてつかないさ……」

 

「あっ……」

 

俺はポンと簪の頭に手を置き。

 

「簪は可愛いよ。俺が保証するし、嘘じゃない」

 

俺はそう言いそのまま簪の頭を撫でてあげる。

 

「あうあうあう………」

 

簪は顔を真っ赤にするものの撫でている手を振り払おうせず、俺にされるがままである。

気のせいか、犬耳と尻尾が生えてちぎれんばかりに尻尾を振っている姿になっているように見える。

 

(癒されるな〜)

 

このまま癒しの時間を堪能しようとしていたら――。

 

「っ!?危ない!」

 

「きゃっ!?」

 

背後から殺気を感じ、とっさに簪を抱き締めてかばい、今いる場所から急いで離れた。

 

スドドドオオン!!

 

衝撃音がして振り向くと俺達がいた場所がクレーターになっていた。

 

「簪、大丈夫か!?」

 

「えっ?う、うん……」

 

簪が無事なのを確認して、ホッとした。

 

「一体誰だ………?」

 

俺は攻撃してきた方向に視線を向けながら警戒する。まさか襲撃者がやってきたのか?だとしたら簪を安全な場所に逃がさないと………臨海学校みたいな事は絶対に避けたい。俺は攻撃してきたであろう方向に目線を向けた。

 

そこには―。

 

「ふーっ!ふーっ!」

 

俺の目の前には髪を逆立てながら肩で息をしている鈴がいた。

 

「何してるんだ!?危ないじゃないか!」

 

「うるっさぁい!アンタが変な事してるからでしょうが!」

 

「はあ?」

 

何言ってるんだ?俺はただ簪と会話して頭を撫でてただけで攻撃されるのかよ!?

 

「てか、ここは一般生徒が通るんだぞ!ケガさせたらどうするんだよ!」

 

「そんなのアンタが全部喰らえばいいだけの話でしょうが!」

 

なんだよ、その理不尽………。俺は校則にも載っている事を注意したのにそんな返しとは千冬姉が黙ってないぞ。

 

「……一夏、貴様どういうつもりか説明してもらおうか」

 

「待てや!俺の前にISで攻撃した鈴の事から説明するのが先だろうが!」

 

日本刀を構えながら怒り心頭で現れる箒、てか日本刀は確か千冬姉が没収したはず!?何で持ってるんだよ!!

 

「へえ〜、一夏って他の女の子の前で抱き合うんだね。僕、びっくりしたな」

 

そう言い満面の笑みでISを起動させて左腕にシールド・ピアースを構えるシャルロットが現れた。

 

「へっ?あっ……」

 

シャルロットに言われて気付いた。そう言えば簪を抱き締めていたままだったな……まあ、別にいいけど。もう少しこのままでもいいか、視線を簪に向けると彼女の顔は紅い。

 

「一夏、貴様は私の嫁だろう。一度教育する必要があるな」

 

「おいおい……」

 

同じようにISを起動させて現れるラウラ。鷹月さんがいるのに俺の事を嫁呼ばわりは正直止めて欲しい……。

 

ああ、いかん頭痛が………。

 

「いい加減にしろよ!こんな所で暴れたら不味いだろうが!!」

 

「アンタが悪いんでしょうが!全部!絶対!アンタが悪い!!!」

 

「そうだ一夏が悪い!」

 

「一夏が悪いんだよ。こんな事するから!」

 

「嫁よ!お前が悪い!」

 

――ブチッ。

 

四人の理不尽さに俺の中で何かがキレた。

 

ふ、ふふっ、ふふふ……上等だ。今まで我慢していたがもう限界だ。

 

「簪、悪いけど安全な場所に隠れていてくれ」

 

「一夏はどうするの?」

 

「俺はコイツらを鎮圧してくる」

 

「えっ、でも……」

 

心配そうに俺の顔を見詰める簪に俺は思わず抱き締めたくなったが今は我慢だ。

 

「大丈夫だ。すぐに終わる」

 

「う、うん。頑張ってね一夏」

 

「ありがとう簪」

 

簪の応援を胸に秘めて力にして、目の前相手に向かっていく。

 

さあ、泣いて謝っても許さないからな!!

 

――――――――――――

 

「ふう……」

 

十数分後、俺はゆっくりと額の汗を拭う。

 

「「「「…………」」」」

 

俺の足元には箒達がピクピクと震えながら気絶している。鎮圧行動が簡単に済んで良かったな、後は鎮圧時間を縮めるように努力しないとな。

 

「ところでセシリア」

 

「は、はい!」

 

「その手に持っているライフルはどうするんだ?」

 

俺は離れた所でライフルを手にしているセシリアに対してそう質問した。俺達のピンチに駆けつけて来てくれたのならありがたい、だがライフルの照準は俺達を狙っていたのだ。もし、箒達と同じ目的なら心は痛むが俺の手で止めなければならない。

 

「い、いえ、これは、その、ぶ、ブルー・ティアーズを整備しようと思いまして気が早まりましたわ!」

 

「そうか、展開するなら整備室に入ってからにしろよ。こういうのは千冬姉うるさいから気をつけた方がいいぞ」

 

「そ、そうですわね。オホホ……」

 

セシリアの回答に俺はホッとした。良かった、セシリアは仲間だからあんまりこういう事はしたくないんだよな………。

 

 

 

(あ、危なかったですわ……もし、このまま箒さん達と一緒に攻撃していればわたくしもあんな目にあってたかもしれませんわね………)

 

一夏が自分に対して攻撃の意思がない事にホッとするセシリア。

先程、一夏と簪が抱き合う光景に思わず嫉妬に駆られてライフルを展開し、撃とうとしたが、今日はいつもと違っていた。

いつも逃げていた一夏が箒達を鎮圧させる為に反撃したのだ。突然の出来事に唖然としたセシリアは全く着いていけず、箒達が悲鳴をあげて気絶していく姿を見て、冷や汗がダラダラと流れ落ちていく。

 

そこへ一夏に自分の名前を呼ばれた時に流石にヤバいと感じ、慌てながらも苦し紛れの言い訳をしてなんとかごまかそうした。そのおかげかわからないが自分に危害がない事になったのが幸いしたのだった。

 

(一夏さんを怒らせるのはいけませんね………反省しないと……)

 

セシリアはこの一件で一夏の接し方を改めようと決めた瞬間だった。

 

「それじゃ整備室にいこうぜ、簪頼むな」

 

「うん、わかった」

 

「でしたら、わたくしも整備のアドバイスくれませんか?機密がありますのでそこは一部は教えられませんが……」

 

「うん。簡単なのなら教えられるけどそれでいい?」

 

「ええ、それで構いませんわ」

 

一夏、簪、セシリアは自分の専用機を整備するべく整備室に向かっていった。

 

気絶した箒達を放置して………。

 

その後、3人は有意義な時間を過ごして専用機を整備したのだった。

 

――――――――――――

 

夕食時間になり、食堂で簪とセシリアと一緒に食事を取る事となり、一夏は簪に整備を手伝ってくれたお礼にデザートを奢る事にしたのだが………。

 

「はい。簪、あーん」

 

「ふえっ!?え、えっと……」

 

デザートのパフェをスプーンですくった一夏から食べさせてくれる行為に簪は動揺していた。今日1日一夏からのアピールに全く着いていけないからである。

 

(わ、私一夏に何かしたのかな?で、でも……あうあう……)

 

これまで異性との付き合いが少ない上に気になる男子から可愛いと褒められ、恋人同士がやる食べさせあいを受けているのだから全く心臓が落ち着かない。

 

「遠慮しなくていいんだぞ、ほらあーん」

 

「あ、あーん」

 

簪は一夏に言われるがまま口を開けて、パフェを食べる。

 

「どうだ?」

 

「お、おいしい……」

 

「そうか、良かったな」

 

ニコニコと笑みを向ける一夏を見て、簪は俯く。

 

(ど、ドキドキし過ぎて、味がわかんないよ………)

 

簪は完全にフワフワした状態に陥っていた。自分に好意を向けられるだけでこんなに取り乱すとは思わなかったのだ。

 

(な、なんですの……この蚊帳の外っぷりは……)

 

セシリアは一夏と簪の食べさせあいを間近で見せられてしまい、全く間に入れない。

 

しかも―。

 

「あ、甘い。甘過ぎるわ……」

 

「ぶ、ブラックコーヒー飲まなきゃ……」

 

「も、もう無理……ガクッ」

 

「ああっ!砂糖吐いて倒れた!?しっかりして!」

 

「だ、誰か衛生兵!衛生兵!」

 

と二人のイチャイチャ見せられて周りは耐えられずブラックコーヒーを求める人達で溢れていた。

 

(こ、このままでは簪さんの1人勝ちになってしまいますわ!)

 

このままではいけないと感じたセシリアは二人の仲に入るべく行動を開始した。

 

「ンンンッ!」

 

「どうしたセシリア?」

 

「い、いえ、その……」

 

「ああ、セシリアもやって欲しかったのか。気付いてやれなくてゴメンな。じゃあ、はい、あーん」

 

「そ、そうですわね。食べて差し上げないこともなくってよ」

 

「そうか、無理にやって悪かったな。はい、簪あーん」

 

「ちょっ!?一夏さん!」

 

自分からあっさり簪に鞍替えされた事にショックを受けて声をあげるセシリア。

 

「どうした?急に何だよ?」

 

「わたくし、一言も嫌とは言ってませんわ!」

 

一夏の取った行動に心外と言わんばかりに批難するセシリア。

 

「だって、そんな態度したら嫌なんだなって思われるぞ」

 

「そ、それは……」

 

「いくら照れ隠しとはいえ、そんな態度されたらあんまりいい気はしないな」

 

「で、ですから……」

 

「人の好意は素直に受け取った方がいいぞ、でないと損するのはセシリアなんだからな」

 

「そ、そうですわね。すみませんでした……」

 

一夏の言葉に素直に謝るセシリア、せっかく自分に向けてくれたのに自らの態度で相手に不快な思いをさせたので当然だと思った。

 

「じゃあ、気を取り直して。はい、セシリア、あーん」

 

「あ、あーん」

 

「どうだ?」

 

「お、美味しいですわ……」

 

「そうか、良かったな」

 

満面な笑みで答えるセシリアを満足そうに頷く一夏。

 

(一夏さんに食べさせてもらえて幸せですわ……)

 

頬を紅く染めて嬉しげにするセシリア。彼女の表情から歓喜が溢れんばかりにこぼれている。

 

(セシリアもこういうの憧れてたんだな、いい仲間だし、もう少し気遣ってやらないとな)

 

セシリアの様子を見て、一夏は早くいい相手に巡り会う事を願うのだった。

 

「にしても、今日の簪はどうした?」

 

「えっ?何が……?」

 

「いや、いつもこういう事しているからさ簪が遠慮するなんて珍しく感じてな。あっ、もしかしてセシリアがいるから遠慮してるのか?」

 

「いつも?」

 

ピシッ……

 

一夏の発言に空気が一変凍りだす。

 

「それ……どういう事なんですの簪さん?」

 

「し、知らない!私、知らないよ!!」

 

ギギギ……ときしむブリキな音で首を動かし、絶対零度の視線を向けるセシリアに顔を真っ青にさせて必死に首を振る簪。

 

簪自身全く身に覚えがない為、必死に否定するしかないのだ。

 

「こらこら、簪をいじめるなセシリア」

 

「ですが……」

 

「俺が食べさせてやるから機嫌直せよ」

 

「わかりました。お願いします」

 

「ああ、いいぜ」

 

一夏が宥めてくれたおかげでセシリアの機嫌が元に戻った事にホッとする簪。

 

それを見て一夏はセシリアと簪を満足させるべく食べさせあいを開始し、二人は終わるまでご機嫌であった。

 

 

 

そして、一方では―

 

「………解せん」

 

離れたテーブル席で一夏達の様子を見ていた四人、それを真っ先に呟いたラウラは頭に氷嚢を乗せていた。

 

「何で簪とセシリアがあんな態度なのよ!?おかしいじゃない!」

 

と背中を痛そうに擦りながら悔しげにする鈴。

 

「ううっ……今日の一夏何だか僕達に対して冷たいよ………」

 

半泣きになりながら、背中を痛そうに擦りながら首を氷嚢で冷やすシャルロット。

 

「シャルロット、お前はまだいい。私なんか名前で呼んでくれないのだぞ……」

 

と首と顎を痛そうに擦りながら落ち込む箒。

 

それもそのはず、この4人は一夏と簪のイチャイチャを見せられての嫉妬から暴力に発展したが今回は一夏の反撃をくらい、返り討ちを受けて大ダメージを負ったからである。

 

元を正せば彼女達の自業自得なのだから仕方ないのだが。そこは十代の乙女全く納得がいってないのである。

 

「あんな雰囲気を出してたら間に入れないではないか!」

 

「ま、まさか一夏、あの二人が好きなのかな?」

 

「そ、そんなバカな!?そんな素振りは全く感じなかったぞ!!」

 

あの3人に関係に対してシャルロットの言葉にあーだ、こうだと言い合う箒達。

 

「ふ、ふふっ、そっか。やっぱりそっか。我慢しなくてもいいわよね――よし、殺そう」

 

嫉妬で限界に達し、握りしめた鈴の拳は、すでにISアーマが部分展開してい戦闘モードに入っていた。それを見た他の3人もそれぞれ展開して武装し、今に襲い掛かろうとしていた。

 

「ほう………誰を殺すのだ?」

 

「「「「!?」」」」

 

背後からくる声にビクッと反応する4人。

 

「「ち、千冬さん!」」

 

「きょ、教官!」

 

「お、織斑先生!」

 

ギギギ……とブリキがきしむ音で振り返った先には最強教師織斑千冬の姿がいた。

 

「織斑から食堂で暴れる奴らがいるから警戒して欲しいと連絡があってまさかと思って来てみれば案の定だったな……」

 

出席簿を手に肩をポンポンと叩き、呆れたようにため息を吐いた。

 

「「「「…………」」」」

 

その様子を見て、冷や汗がだらだらと流れる4人。

既に蛇に睨まれたカエル状態と化していた。

 

「お前達、ISの無断展開は禁止だ。相変わらず校則を破るのが好きなようだな」

 

「あっ、いえ……その……」

 

「そういえば整備室前の廊下でクレーターが出来ていたと先生方に聞いたのだが、誰の仕業だ?」

 

「え、えっと、その……」

 

「まあ、いい。ゆっくりと聞けばいいだけの話だ。お前達逝くぞ」

 

ガシッと4人掴み連行していく千冬。

 

「「「「ご、ごめんなさ―――い!!」」」」

 

「安心しろ、今晩は寝かさないからな覚悟しておけ」

 

「「「「いやああああああっ!!」」」」

 

ズルズルと引き摺られて涙目になりながら悲鳴をあげる4人。このまま生徒指導室に連行された。

 

 

 

――――――――――――

 

「ふう……」

 

自分の部屋に戻りシャワーを浴びた俺はベッドに座り一息ついた。

 

「やっぱり別々か……」

 

先程まで一緒にいた簪に部屋場所を聞いてみたら俺とは別の部屋であり、ルームメイトは本音であった。

更に俺は1人部屋である事を聞かされて何だか寂しく感じた俺は「俺と一緒に寝るか?」と本気で簪に聞いてみたら真っ赤な顔して、大慌てで部屋に帰ってしまった。

 

あらら、フラれたか……残念。1人で寝るのは久しぶりだな……はあ。

 

今日1日過ごしてみてがどうやら俺は別の世界に来てしまったようだ。しかも中身だけ………まるで夢を見ている気がするが現実だからな………。

 

まあ、いいか……明日になれば元通りだ、うん。

目覚めれば簪と刀奈さんが俺と一緒寝ているのは間違いない。俺はそう自己完結して、眠りについた。

 

しかし、俺の思いとは裏腹にこの生活がまだ続くとはこの時思わなかった………。




4巻の内容が3、4話くらいで終わりそうです………。番外編は続きます。
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