織斑一夏の恋物語   作:夜光華

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次の日の朝からのイベントになります

どうぞ


第8話

次の日の朝

 

一年生寮の食堂にて、俺と簪と刀奈さんと同じテーブルに座って朝食を食べている。

 

ちなみに右隣に簪、左隣には刀奈さんが座っている。

 

「これ美味しいですね」

 

「そうよ、この学園の食堂の味はいい素材と腕利きの料理人がいるから格別よ」

 

「へえー、そうなんですか」

 

俺の今日の朝食は和食セットを頬被りつつも味の良さに感動する。

 

これも二人が一緒だから、味わえるかもな。

 

これが箒と一緒だったら………やめよう、ゆっくり味わえないどころかせっかくの朝食の時間が台無しになりそうだな。

 

周りの女子の視線を感じるが昨日ほどつらくはない。

 

刀奈さんがいるので視線が分散しているから気持ち的には楽だな。

 

何故、刀奈さんが一年生寮の食堂で朝食をとっているのかというと俺達と一緒に朝食を取りたかったからだそうだ。

 

二年生寮の食堂を使わなくて平気なのかを聞いてみたら

 

「大丈夫よ、ちゃんと千冬さんと二年の寮長から許可はとってるし、それに一夏君と少しでも長く一緒にいたいのよ」

 

と嬉しい事を言ってくれたので思わず刀奈さんを抱きしめた。

 

その様子を見て膨れていた簪も一緒に抱きしめてご機嫌取りをして、3人で食堂に行きこうしてゆっくりと楽しい時間を過ごしていた。

 

とそこへ―

 

「かいちょ〜、かんちゃん、いっちーここに座っていいですか?」

 

本音が朝食のトレーを持ってやって来た。

 

他の女子二人を連れて来ているので本音の友達かな?と思った。

 

「ええ、いいわよ。簪ちゃんと一夏君は?」

 

「いいよ」

 

「俺も構いません」

 

刀奈さんが本音に返事して座るように促す。

 

すると後ろの二人は小さくガッツポーズをしていたので大げさだな〜と思っていたがよくよく考えてみれば刀奈さんはロシアの国家代表にして生徒会長、簪は次期日本代表クラスの代表候補生、そして俺は唯一無二の男性操縦者のスリートップと一緒に朝食を取るのが貴重なんだろうな…………。

 

「うわ、織斑くんって朝はスッゴい食べるんだ―!」

 

「お、男の子だねっ」

 

「ああ、俺は朝はしっかりと食べないと1日持たないんだよ」

 

これは本当だ。

 

朝食は1日の始まりと考えているのでバランスをしっかりして食べるのが基本と考えているが本音を除く二人の朝食の量は少なめだ。

 

少食をアピールしているか、はたまたダイエットしているのかは知らないが詳しく突っ込まない。

 

だって、両隣に恋人達がいるから興味ないしそんな事をすればデリカシーのない男と認識されるのはごめん被る。

 

俺達は他愛ない会話しつつ朝食を楽しんだ。

 

――――――――――――

 

(あの男のせいでわたくしは――――!!)

 

一夏達のいるテーブルから少し離れたところでセシリア・オルコットは怒りに震えていた。

 

 

それもそのはず初日から千冬にケンカを売るという無謀な行動を起こしてしまい地獄の補習を喰らったのだ。

 

(何故、わたくしがこんな目にあわなければいけないのですか!?)

 

自分はイギリス代表候補生で入試主席、そして唯一教官に勝利した事を手土産にクラス代表に推薦されると確信していたが彼女に誤算があった。

 

一夏の存在である。

 

クラスの女子はセシリアではなく一夏を推す声が多数上がり、このままではセシリアを押し退けて一夏がクラス代表になってしまう事に対して、自分のプライドに火が着き、怒りのままあんな演説をしてしまったからさあ、大変。

 

一夏を侮辱して、自分がクラス代表に相応しい事をアピールしたかったが同時に千冬と真耶の怒りを買ってしまう悪循環に陥る事を知らなかったが為にこうなったのだからいわば“自業自得”なのだ。

 

しかし悲しいかなこの女尊男卑の社会に染まった女性は自分に非がないと思い込み、一夏を親の敵と言わんばかりに睨み付けているのだ。

 

ちなみに昨日夜遅くまで補習をしていた為、目の下に隈が出来ているがそこは化粧でごまかしている。

 

本当は今すぐにでも一夏に突っ掛かりたいが楯無が一緒にいる為に睨むしか出来なかった。

 

楯無はロシアの国家代表の現役でこの学園の生徒会長だ。

なのでヘタをすればロシアにケンカを売ってしまい代表候補生の座を剥奪される恐れがあるからだ。

 

千冬は現役を引退し、教師だったからこそ補習という処分で済んだのだから、セシリアは運が良かったのだろう。

 

(クラス代表決定戦で完膚なきまでに叩き潰して差し上げますわ………うふふ……)

 

と怒りを抑えつつ一夏のぼろぼろになった姿を想像しながら右手で銃の形を作り撃ち抜くポーズを取ったのだった。

 

――――――――――――

 

(どういう事だ!?一夏―――!!)

 

篠ノ之箒は一夏達と離れたテーブルで朝食を取りながら嫉妬の怒りを灯していた。

 

(なぜ私を誘わず、他の女達と仲良くしているのだ!?)

 

6年ぶりに再会した幼なじみは格好よくなり、箒自身胸を高鳴らせたが話しかけみたら他人行儀な話し方になってしまった事に困惑したが自分も成長しているし、自分自身自惚れてないが魅力的になったからこそ戸惑っているのだろうと考えていたが結果は箒を素通りして見知らぬ女達と仲良く朝食を取り、更に3人追加して楽しくしている光景に思わず腹がたった。

 

(あんなにデレデレしおって……私がいるのを忘れてはいないか?いや、そんな事はない!!)

 

箒は一夏が自分から離れていってしまうのではないかと考えてしまうがすぐに振り払う。

 

(一夏の隣は私が相応しいのだ!!6年前まではどんな時も一緒だったからな)

 

と心の中で呟くがしかし悲しきかな過去にした自分の行動に自己満足しているがゆえにすでに一夏の気持ちが離れてしまっている事に全く気付いていなかった。

 

(まあ、いい。3年間はこの学園いるのだ。いつでも時間は作れるし、私の良さをアピールして今度こそ一夏を私のものにするぞ)

 

うんうんと箒は頷いた。その表情はどこか楽しげだった。

 

――――――――――――

 

「ところで織斑、お前に専用機が支給される事になった」

 

授業開始時に千冬姉から俺に向かってそう言った。

 

「専用機ですか……」

 

「ああ、そうだ。理由はだいたいわかるな?」

 

「ええ……」

 

専用機を持たされる事にクラスメイト達はざわざわとするが俺としては正直気が重い…………。

 

専用機イコール俺の自衛手段と稼働データが欲しいのだろうな………それと専用機を持つ事に責任を持たなければならない。

 

間違えれば暴力に変わりかねない大きな力を持つ事になるからな……。

 

これはISを勉強していたからこそ理解出来ているからな………無知は恥とはよく言ったものだ。

 

俺は授業を受けながら、IS学園入学に専用機を持たされる事にだんだん逃げ場を失っていき、まるで籠の中の鳥みたいななった気持ちだ。

 

簪と刀奈さんと一緒に暖かい家庭を築く計画がだんだん崩れていくな………はあ………。

 

授業の途中、箒が何か叫んでいたが俺はそんな事に構う余裕はなかった。

 

――――――――――――

 

「安心しましたわ。まさか訓練機で対戦しようとは思っていなかったでしょうけど」

 

休み時間、早速俺の席にやってきたセシリアは、腰に手を当ててそう言った。

 

俺としてはどうでも良かったがほっといて欲しいな……全く。

 

「まあ?一応勝負は見えていますけど?さすがにフェアではありませんものね」

 

いかにも自分が勝つのが当たり前と言わんばかりに宣言している姿に昨日何で二人を止めたんだろうなと考えてしまったが………まあ、いいか。

 

「それで何が言いたいんだ?」

 

「あら、ご存知ないのね。いいですわ、庶民のあなたに教えて差し上げましょう。このわたくしセシリア・オルコットはイギリスの代表候補生………つまり、現時点で専用機を持っていますの」

 

「へー」

 

「……馬鹿にしていますの?」

 

「悪いけどさ、自慢話は他所でやってくれ。それに千冬姉の現役の時は自分の事を自慢する事は一切なく国の代表として立派に恥じない態度や振る舞いをしていたんだ。そんな事を聞かされても興味はわかない………自分の立場をもっと考えて行動しろ、それだけだ」

 

「なっ……」

 

と俺は一方的にセシリアに言い本音と一緒に学食に向かう事にした。

 

背後からセシリアの怒声が聞こえるが俺は構わずに歩き出した。

 

千冬姉も刀奈さんも簪も国家代表と代表候補生としての態度や振る舞いは立派で尊敬できる。

 

それに対してセシリアは代表候補生とエリートを鼻に掛けての自慢と傲慢ぶりに、全く尊敬出来ないし嫌気がさす。

 

俺自身の境遇と重なってイライラしているのかも知れないな。

 

そんな気持ちを抑えつつ学食に向かい昼食にありつくのだった。




この作品の一夏はISを知っているからこういう考えになります
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