姉と友人を攻略しちゃったみほちゃんの話   作:グレート・G

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本の内容を鵜呑みにしてはいけない。


姉と友人を攻略しちゃったみほの話、その1

「本当に、申し開きもございません」

すみませんでした、と土下座で謝っているのは西住家の次女、西住みほ。

「「・・・・・・」」

 

二人掛けのソファに腰かけ、そんなみほに絶対零度の視線を送る人物が二人。

 

「私はみほに浮気されたことを悲しめばいいのか、それとも大切な後輩が傷ものにされたことを怒ればいいのか、どっちだと思う?」

 

一人は、ゆったりとした普段着に身を包んだ西住家の長女にしてみほの姉、西住まほ。

 

「ねえみほ、私に言ったわよね・・・・・・浮気はしてないって。 なのになんで、しかも寄りによって隊長と二股架けるなんてどういうつもりなのかしら?」

 

一人は、私服でみほを睨みつけている、彼女の元副官でありルームメイトであり、現友人でもある、逸見エリカ。

二人の戦車の装甲すら貫通するのではないかという視線に晒されながら、みほは何とか弁解を試みようと顔を上げた。

 

(あ、これはダメな奴だ)

 

そして、心の底から後悔した。

二人の声色は努めて冷静になろうとしているのが解る。

しかし、その表情は共通していた。

泣いているのだ、静かに。

静かに、静かに泣いているのである。

強い姉と強い友人、この二人のガチ泣きを直視してしまったみほは、ただひたすらに額をフローリングの床にこすりつける事しかできなかったのである。

 

(二人とも、泣くときは静かに泣くなんて意外だなあ)

 

一周回って冷静になった頭でそんなことを考えるみほ。

そんなみほをしり目に、まほとエリカの話は続く。

 

「確かに、私は・・・・・・みほの恋人としても姉としても失格だ、浮気をされてもしょうがないと思っているよ」

「お姉ちゃん、いや、まほさんそれは違うよ!」

「いいんだ、みほ。 これは天罰だと思って身を引くよ・・・・・・」

「私さ、貴女にとっていい女じゃなかったと思うわ・・・・・・常にあなたにつらく当たってたもの」

「あの、その、エリカ、違うの・・・・・・」

「だから、その、いいのよ私の事なんて」

 

まほは涙を流し、それでもなおみほに微笑みながら身を引こうとし。

エリカは自身の行ってきたことを後悔し、そしてやはり身を引こうとしている。

しどろもどろになりながらも、何とか弁解をしようと口を開くが、みほの口から出てくるのは要領を得ない言葉だけ。

 

(どうしてこうなっちゃったんだろう・・・・・・)

 

泣きたい気分になりながらも、みほは己の行動をもう一度思い返してみることにした。

現実逃避ともいう。

 

ケース1、西住まほの場合

 

「あっ、やめ、こらっ・・・・・・みほっ!」

「んー、お姉ちゃんの弱点はうなじかな?」

「ひゃん!?」

 

学園艦の寄港地が同じ日、西住みほは自身の姉である西住まほと久しぶりにじゃれ合っていた。

まほをあすなろ抱きに後ろから抱きしめ、そのうなじに顔を埋めてしきりとじゃれついているみほ。

うなじや首筋にみほの息や髪が当たり、それがまほに悩ましい嬌声を上げさせているのだが、当のみほは全然気が付いていない。

それどころか、嬌声を上げ、身をよじるまほを面白がって更に攻めるというまほにとっては悪循環に陥っていた。

 

「みほっ、いい加減にしないと怒る・・・・・・んっ」

「お姉ちゃんの首筋、ちょっとしょっぱいね・・・・・・・ぺろっ」

「みっ、みほっ!?」

 

(沙織さんから借りた本には、こう書いてあったんだけど・・・・・・おかしいな?)

どうやら、一連の行動は大洗におけるみほの親友の一人、武部沙織から借りた本によるものらしい。

事の発端は、みほが姉妹間に若干の距離が生まれてしまった事への対処を相談したことだった。

ただ、みほが恥ずかしがって物事をストレートに言えなかったため、沙織はみほの言った事を曲解した。

その結果渡された参考書が「意中の相手を堕とす100の方法」であった。

そして、みほは沙織を疑うことなく、躊躇することなく100の方法を実行に移したのである。

右手でまほの両手を緩やかに塞ぎつつ、左手はまほのお腹をさすり、まほの項や耳を的確に唇と舌で攻め上げる。

 

「ひぁっ!」

「んふふ、お姉ちゃん、かわいい」

「あう」

 

まほの耳やうなじは真っ赤に染まっており、彼女の羞恥心が限界に達しようとしている事の証左となっている。

更には、先ほどから嫌がっているそぶりをしてはいるモノの、まほが本気を出せばこの状況を振り払う事はすぐにできてしまう。

しかし、それをしないという事はまほ自身、本心では期待をしている事に他ならない。

だが、みほは攻撃の手を緩める様な事はしない。

そしてそれは、まほにとって生殺しの時間がさらに増えるという事に他ならない。

 

「お姉ちゃん・・・・・・んちゅっ」

「んくっ!? なっ何をしたんだみほっ」

「別に、ただキスマークを付けただけだけど?」

「きっ・・・・・・」

 

勿論、みほからすれば「意中の相手を堕とす100の方法」を実践しているにすぎない。

だが、まほの理性は確実にボロボロになっていた。

 

(みほは妹、みほは妹、みほは妹、みほは妹)

 

念仏のように「みほは妹」と唱えなければそのまま襲い掛かってしまいそうな、そんなまほの事をあざ笑うかのように、みほは最後の止めを刺した。

 

「ね、私にも付けて欲しいなキスマーク・・・・・・ね、《まほ》」

「うぐぅっ!?」

 

耳元で甘くささやかれたその言葉は、まほの理性をたやすく打ち壊した。

 

「みほ」

「ん、何まほ」

「みほのせいだからな・・・・・・覚悟しておきなさい」

「ふぇ?」

 

まほはみほの腕の中で身をよじらせて正面を向く。

いきなりのまほの行動に、みほは驚き一瞬固まる。

その隙を見逃す西住流長姉ではない。

 

「んっ!」

「んむっ!?」

 

まほはみほの唇を強引に奪うと、舌を絡めるディープキスをし始めた。

みほは初めこそ驚いていたが、しかし、少しの間をおいて彼女の背中に手を回し始める。

それと同時に、まほもみほの背中に手を回してより深くキスをする。

まほはみほに自身の唾液を流しこみ、みほはそれを嬉しそうに飲み干してゆく。

まほの唾液をたっぷりと味わったみほは、逆にまほに対して自身の唾液を送りこむ。

まほもまた、みほからの唾液を一滴残らず飲み干さんとして、息が続かなくなった。

 

「ぷぁっ」

「ぷはっ」

 

結果、唾液の橋が「つぅ」とお互いの口元から延びてプツリと切れてしまった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、みほ、私、もう・・・・・・」

 

息も絶え絶えに、そして、鼻息は荒く。

発情しきった雌のフェロモンを周囲にまき散らしながら、まほはみほに許可を求める。

本当は襲い掛かってしまいたいのだろうが、そこは西住流の精神鍛錬のたまものか、まほはただ襲い掛かるという事を良しとしなかった。

正々堂々、真正面から。

西住流の体現と言えるだろう。

 

「うふふ、まほはもう我慢できないんだね・・・・・・いいよ、おいで」

「うあぁ、みほ・・・・・・みほぉっ!」

 

尤も、そんな精神も、蕩け切って淫魔の如く妖しい笑みを浮かべたみほの前では何ら役に立たなかったのであるが。

正に、発情しきった犬の如き勢いでみほに襲い掛かったまほは、みほの部屋着をまくり上げ、純白のブラジャーに手をかけた。

そして――――――

 

(あの時の必死なまほ、可愛かったなあ)

 

土下座している最中だというのに、みほの頬はまほとの情事を思い出して少しにやけていた。

 

(そういえば、エリカさんともやっちゃったなあ)

ニマニマと顔も内心も笑いながら、みほは更に思考を加速させてゆく。

 

ケース2、逸見エリカの場合

 

「みほ、アンタねぇ」

「ん、なあにエリカさん」

「ご飯の準備してるときに、危ないでしょ」

 

離れなさい、とエリカは言った。

 

「その申請を却下します~」

 

尤も、みほはそんな言う事を聞くような娘ではなかったが。

 

「アンタって娘は・・・・・・」

 

エリカは溜息を一つつくと、腰に回されたみほの腕を解くために、材料をまな板の上に置いた。

今、エリカがいる所は黒森峰の学生寮ではなく、みほの学生寮である。

次期隊長として、大洗との練習試合の打ち合わせに来ていたエリカだったが、夜も遅くなってしまった。

その結果、みほから自分の部屋に泊まってはどうかという申し出を受けて、エリカも渋々とそれを了承した。

みほの普段の食生活(コンビニ弁当オンリー)を聞いたエリカが、部屋の台所を借りて料理を作ろうとしていた。

 

(なんか新婚さんみたいじゃない)

 

なんて事を考えながらエリカは、外見は仕方がないという風に、内面は喜々として、夕食を作るためにボコエプロンを身に着けて台所に立ったのである。

それは、他でもないみほによって中断させられていたのだが。

そんなエリカは腰に手を回され、背中に顔を押し付けられるという状況に陥っていた。

 

(大丈夫、私の心臓がやばい事になっているのは気のせいなんだから!)

 

頬が赤く染まり、耳も赤くなっているが、それでも気丈に振る舞うエリカ。

見るものが見れば、無理をしているのがまるわかりである。

 

「ってちょっと、みほ!」

「ん・・・・・・なぁにエリカさん」

「アンタどこ触ってんのよ!」

「エリカさんの太ももに決まってるじゃないですか」

「その手を退けなさい!」

「やです!」

 

そう言ってみほは更にすりすりとエリカの太ももに手を這わせる。

 

(いや、ちょっと何やってんのこの子はっ!)

 

心臓が16beatを叩き出しているのを感じながら、エリカは何とかみほを引きはがそうとする。

だが、みほはどうという事は無いとでもいう風に、エリカの腰に右手を回し、背中に顔を押し付け、左手で太ももを堪能していた。

 

「んっ、やっ、止めなさいってばぁっ!」

「それじゃあ、力ずくで止めればいいじゃないですか・・・・・・エリカさんの方が力強いんだから」

「そっそれは・・・・・・あんっ!?」

 

太ももからおしりのラインに手を這わせるみほ。

完全な事案である。

とは言え、エリカもエリカで手が出せない。

惚れた弱みという奴だった。

 

「みほ、ご飯の準備ができないから・・・・・・ね?」

「ねえ、エリカさん・・・・・・エリカさんは気が付いてる?」

「え・・・・・・気が付てるって、何をよ」

「やっぱり気が付いてなかったんだね」

(確か、本の内容だと此処からが本番だったよね)

 

武部沙織の渡した「意中の相手を堕とす100の方法」は未だに継続中であった。

 

「私、エリカさんが食べたいな」

「へぁっ!?」

 

みほはエリカの耳元に口を寄せると、思いっきり甘い声で言った。

エリカの顔は今度こそ真っ赤に染まり、耳もうなじも赤く染まっている。

 

(食べたいって・・・・・・そういう事、よね!?)

 

エリカとてその手の知識に疎いというわけではない。

しかし、意中の相手に、しかもこんなシチュエーションで言われるとは思ってもみなかった。

みほの放った心理的電撃戦は、見事にエリカの心の本陣を陥落せしめたのである。

勿論、みほは「意中の相手を堕とす100の方法」に基づいてやっているだけであり、他意は無い。

更に言えば、この方法が二人の仲をより良いものにするという風に考えているので悪気もそんなにない。

正に、小悪魔の所業である。

 

「みほ・・・・・・本当にいいの?」

 

みほの正面に向き直り、その目を見ながらエリカは問う。

それは最終確認であり、彼女の率直な気持ちでもあった。

 

「エリカさんなら、いいよ?」

 

そういうとみほはエリカの腰と頭に手を回し、そして。

 

「ん・・・・・・ちゅ」

「んぷっ」

 

キスをした。

それもただのキスではなく、ディープキスだ。

くちゅ、くちゅ、と舌を絡め合う音が響き渡る。

お互いが十二分にお互いを堪能したとき、二人は唇を離した。

 

「ねえ、エリカさんベッドに行こう?」

「ええ、いいわよ」

 

普段の意地っ張りなエリカからは考え付かないような、素直な言葉。

素直な自分に内心驚きつつ、しかし、エリカは止まらない。

エプロンを脱ぎ捨てて、ベッドにお互いに腰かけて、ついばむようなキスをしながらお互いの制服を脱がしてゆく。

 

「みほ?」

「なに、エリカさん」

「その・・・・・・浮気は嫌よ?」

「ふふっ、しないよ」

「そう・・・・・・んっ」

「んむっ」

 

お互いがキスをしながら、脱ぎ捨てた制服の上に倒れこむ。

制服がくしゃりと歪み、ベッドが軋む。

そして二人はそのまま―――――――。

 

 

(あの時のエリカさん、可愛かったなぁ)

 

エリカとの情事を思い出すみほ。

その顔はだらしなく緩んでいた。

 

 

ケース3、西住みほの場合

 

「・・・・・・ほ、みほ!」

「はぁ、いいから顔を上げなさいよアンタ」

 

土下座のまま、ある程度時間がたっていたのでしょうか?

私の名前を呼んでくれるお姉ちゃんとエリカさん。

緩んでいた表情筋を引き締めて顔を上げると、何かをもって呆れた表情をしている二人と目が合いました。

って、あれは。

 

「沙織さんから借りた本、どうして?」

「成程、あんこうの通信手が今回の元凶か?」

「もしくはこの本の内容を読み込んだみほのせい、でしょうね」

 

そう言ってあきれた表情を浮かべるエリカさん。

お姉ちゃん・・・・・・ううん、まほも同じような表情を浮かべています。

 

「ざっとでいいんだけど、理由を教えてくれない?」

「え、う、うん」

 

先程の絶対零度から一転、なんだか疲れたというか、呆れている彼女達。

そんな二人に、私は説明を始めました。

 

―――――――――――――――――――

 

「「はぁぁぁっ」」

 

私の説明を聞いて、二人はおおきなため息をはきました。

何故?

 

「我が妹ながら呆れたというか・・・・・・すまない、エリカ」

「いえ、隊長、その、乗った私も悪いと思うので、ええ」

 

どうやら二人は、私が本の内容を鵜呑みにして二人と仲良くなろうと行動してしまった事に呆れているようでした。

 

「とは言え我々もこの本の内容を鵜呑みにしてしまうかもしれないな、エリカ」

「そうですね隊長、私もなぜかそう思います」

 

世間話でもするように、二人はそういうとニコリと微笑みました。

 

「その、ずっと話しっぱなしだったし、お茶を入れるね!」

 

なんだか嫌な予感がするので、私は立ち上がるとキッチンにお茶を入れに行きます。

余りにも稚拙な、でも精一杯の私の回避行動。

でも。

 

「まあ待て、みほ」

「そうよ、別に私達のど乾いてないし・・・・・・ね?」

 

立ち上がって後ろを向いた瞬間、まほとエリカさんにがっしりと肩を掴まれました。

その手は優しくて、でも決して放してくれない気がします。

 

「あの、お姉ちゃん・・・・・・エリカさん・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」

「ほう、何を謝っているのか・・・・・・エリカは見当がつくか?」

「いえいえ、みほがどうして謝っているかの理由なんて皆目見当もつきませんねぇ」

「いや、二人とも解って・・・・・・ひゃん!?」

 

両耳に触れる、柔らかくて熱い感触。

ううん、熱く感じてしまったのは、私自身の顔が熱くなっているからに他ならない。

まほに胸を、エリカさんにお尻を、鷲掴みにされた上で両耳にキスをされるという事。

そして器用にも、二人がいま私の着ている部屋着を脱がそうと、空いた片方の手でしていることも。

この事態に私の頭の中はグルグル回るだけでどうにもなりません。

こんな時、本の内容ではどうしてたっけ?

よくよく二人の様子を横目で観察してみると、二人とも目をギラギラさせて吐く息は荒く、その、私を欲しがっているのがすごくよく解ります。

解っちゃいます。

そして、二人が一体どんな言葉を欲しているかも。

そこで私は精一杯の愛情と二人への謝罪の気持ちを込めた一言を言いました。

 

「や、優しくして・・・・・・ね?」

『『・・・・・・ッツ』』

 

私の言葉に、まほもエリカも理性の糸が切れてしまったようでした。

その結果私は、二人にベッドに押し倒されて、そして――――――。

 

その後、私に二人の彼女が出来ました。

一人はまほ、一人はエリカ。

共に私にとって大切な人で、今私はとっても幸せです!

 

ただ、これってどう考えても二股なような気がする、そう言ったら二人とも顔を赤くして

「二人じゃないと持たない」って言うんです。

何故なんでしょうか?

 




みほちゃんの性欲は多分強いと思う(私見)
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