【本編完結】銀髪幼児体型でクーデレな自動人形《オートスコアラー》が所属する特異災害対策機動部二課   作:ルピーの指輪

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長くなったので、分けようかと迷いましたが、無印編のラストまで一気に投稿することにしました。
それではよろしくお願いします!


流れ星、墜ちて燃えて尽きて、そして……

「皆の歌声がくれたギアが私に負けない力を与えてくれる。クリスちゃんや翼さんに、もう一度戦う力を与えてくれる。歌は戦う力だけじゃない。命なんだ」

 

 響たちから今までにないほどのエネルギーを感じた。これが歌の力だというの?

 

「高レベルのフォニックゲイン……。こいつは2年前の意趣返し?」

 

「んなこたどうでもいいんだよ!」

 

「念話までも……」

 

 すっごく遠い場所なのにクリスの声が聞こえる……。この光はフォニックゲインということ? 視覚化できるほどの濃度のフォニックゲインがこの力の原因?

 

 

「限定解除されたギアを纏って、すっかりその気か!」

 

 フィーネは《ノイズ》を召喚する。

 

 

「いいかげん芸が乏しいんだよ!」

 

「世界に尽きぬ《ノイズ》の災禍も全てお前の仕業なのか?」

 

 翼は《ノイズ》はフィーネの作り出したものだと推測した。

 

 

「ノイズとはバラルの呪詛にて相互理解を失くした人類が、同じ人類のみを殺戮するために作り上げた自律兵器」

 

 あー、だから人ばかり襲うのね。でも、人形のあたしにも攻撃してくるのには何の理由があるのかしら……?

 

「人が人を殺すために?」

 

「バビロニアの宝物庫は扉が開け放たれたままだ。そこからまろびいづる10年一度の偶然を私は必然と変える。純粋に力と使役してるだけのこと」

 

「また訳わかんねえことを!」

 

 おそらく《ノイズ》のいる空間をあの杖で自在に繋いでいるのね。

 

 《ノイズ》が三人に攻撃するが当然みんなはそれを避ける。

 

 フィーネはそれを見て杖を天に掲げる……。

 

 何をするつもり?

 

「応ぜよ!」

 

 杖から光が大量に照射され、空中で弾ける……。

 

 すると……。

 

 気持ち悪いくらい、大量のノイズが街を埋め尽くすくらい出現したのだ。

 

 

「あっちこっちから……」

 

「おっしゃ!  どいつもこいつもまとめてぶちのめしてくれる!」

 

「フッ」

 

 三人は大量の《ノイズ》を殲滅するのにやる気を出していた。

 

「あたしだけ、仲間はずれなんて、薄情なんだから……」

 

「フィリアっ! いつの間に?」

 

 翼は後ろを振り返ってあたしに声をかけた。

 

「錬金術で上昇気流を錬成して飛んでいるのよ」

 

「なんでも、アリかよお前は……」

  

 クリスに呆れた顔をされる。いや、割とシンフォギアの方が何でもありでしょう。

 

「クリス、無事でいて嬉しいわ」

 

「――おっおう。お前もな……」

 

 クリスは頬を赤らめてそっけなく答えた。

 

「あー、クリスちゃんって、フィリアちゃんにだけ素直だー」

 

「うるせぇっ! とっとと《ノイズ》をぶっ飛ばすぞ!」

 

 あたしたちは《ノイズ》たちの元に飛んでいった。

 

 

 響が拳を振るうと複数の大型《ノイズ》は一瞬で砕け散った。

 更にその余波で小型の《ノイズ》までも殲滅される。

 

 ――MEGA DETH PARTY――

 

 クリスから大量のビームが繰り出されて飛行型《ノイズ》が殲滅される。

 

「やっさいもっさい!」

 

「すごい! 乱れ撃ち!」

 

「全部狙ってるっての!」

 

「えへっ……、――だったら私が! 乱れ撃ちだぁぁぁぁっ!」

 

 響の拳からエネルギーの塊が大量に撃ち出される。何よこれ? 理屈がわからないわ……。

 

「はっ――」

 

 ――蒼ノ一閃――

 

 翼の剣戟は超巨大サイズの《ノイズ》を一撃で屠った。

 

 この子たち……、火力がとんでもなく強化されてる……。

 

 でも、あたしも……。

 

 ――双竜ノ咆哮――

 

 右手から冷気、左手から電撃を広範囲に照射して《ノイズ》たちを片っ端から仕留めていく――。

 

「うわー、フィリアちゃん、すっごく派手だねー」

 

 フォニックゲインの濃度の上昇に伴って、あたしの錬金術のエネルギー効率が格段に上昇してる……。今までもあたしの核が歌に反応することはあったけど……。

 

 

 

 

「どんだけ出ようが、今更ノイズ!」

 

 

 あたしたちの波状攻撃でかなりの《ノイズ》が消滅した。

 

「んっ、あれはっ!?」

 

 翼がフィーネの方に目を向けた。

 

「杖を――体に刺している?」

 

 あたしの目には、フィーネが《ノイズ》を召喚するための杖を自らの体に刺しているように見えた……。

 

 

 そして、杖はフィーネの再生する体に取り込まれ――。

 

 フィーネの体に向かって次々と《ノイズ》たちが集まってきたのだ。

 《ノイズ》の召喚も繰り返され、そのたびにフィーネの元に集まってくる《ノイズ》……。

 

 これは……。何が起こっているっていうの?

 

 

 

「ノイズに取り込まれている?」

 

「そうじゃねえ。アイツがノイズを取り込んでんだ」

 

 フィーネは《ノイズ》を吸収するたびに肥大化していく……。

 

 

「来たれ! デュランダルっ!」

 

 肥大化したフィーネの塊が《カ・ディンギル》の中に入っていった……。まさか、デュランダルすらも取り込む気なのっ?

 

 フィーネは趣味の悪いデザインの巨大な紫色の飛行要塞のような形態に変化した。

 相変わらず、この人のセンスはわからないわ……。ホントにあたし、この人のクローンなのかしら?

 

 と、思っていたのも束の間、フィーネから照射された赤い巨大な光線が街を一瞬のうちに瓦礫の山に変えた。

 

「ああっ! 街がっ……!?」

 

 響の顔が真っ青になる……。ちょっと、あの火力、聞いてないわよ……! 反則じゃない、あんなの……。

 

 

「逆さ鱗に触れたのだ。相応の覚悟は出来ておろうな? フハハハ……」

 

 再び赤い光線が照射される――。

 

「「うわぁっ――」」

 

 あたしたちは直撃を避けたにもかかわらず、余波だけで吹き飛ばされてしまう――。

 

「このっ!」

 

 クリスは光線をフィーネに向かって照射するが、シャッターのようなものが閉じて攻撃を遮断する。

 

 攻撃が一切通らない……?

 

 

「ぐあっ……!」

 

 その上、次にクリスに向かってきたフィーネからの光線は彼女が回避しても追尾してきて、クリスは被弾してしまう。

 

「この剣ならどうだっ!?」

 

 ――蒼ノ一閃――

 

 翼の強烈な一撃がフィーネの要塞のような体に炸裂し、大爆発が起きる。

 

 ――雷獣ノ咆哮――

 

 あたしも翼の攻撃した箇所を狙って雷撃を放つ。

 

 フィーネに付けられた小さな傷は回復していく。

 

 さらにクリスと響が攻撃をするも、再生が早くて決定打に至らなかった。

 

 

「いくら限定解除されたギアであっても所詮は聖遺物の欠片から作られた玩具! 完全聖遺物に対抗出来るなどと思うてくれるなっ!」

 

 フィーネは自信満々の声であたしたちを煽る。腹立つわね……。

 

 

「聞いたか?」

 

「チャンネルをオフにしろ」

 

「傷は付けられるわ。問題はその後……」

 

「ああ、こちらができることと言えば……」

 

 作戦会議をするあたしたち。この中で切り札になりうるのは――。あたしたちは響を見る……。

 

「えっ?」

 

 響は不思議そうな顔をする。

 

「何を企んでいるか分からんがっ! このまま砕け散れっ!」

 

 

「あ……、えっと……、やってみます!」

 

 響の返答に対してあたしたちは頷いた。

 

「あたしが道を切り開くっ! 翼とクリスは手はずどおりにっ!」

 

「「ああっ」」

 

 クリスが囮になり、フィーネの攻撃を集中させる。

 

「完全聖遺物だろうと、すべて燃やし尽くしてみせるっ! 翼っ! スキを見逃したらダメよっ!」

 

 ――不死鳥ノ皇帝(カイザーフェニックス)――

 

 最大出力の紅蓮に燃えさかる消えない巨大な炎の鳥をフィーネの自慢のシャッターに直撃させる。

 

 強固なシャッターを巨大な熱量で溶かし、再生を上回る力で燃やし尽くす――。

 

 シャッターに穴が出来上がる――。

 

 

 ――蒼ノ一閃・破滅――

 

 ウィークポイントが出来たシャッターに翼が極限まで巨大化させたアームドギアで超強力な一撃を加える。

 

 シャッターの穴はさらに大きくなった――。

 

 今だっ――。

 

「くっ、バカなっ……。決して朽ちぬはずの完全聖遺物が紛いもの風情に……」

 

「ねぇ、オバサン。往生際って言葉知ってる?」

 

「フィリアっ! この恩知らずがっ!」

 

 フィーネはバリアーのようなものを展開した。

 

「恩なら返すわ! 父と、みんなと出会わせてくれてありがとうっ! これは……、父に最初に教えてもらった技よ」

 

 あたしは空中で深く腰を落として拳にエネルギーを充満させた。

 

「奮っ―――!」

 

「この力……、あり得んっ――」

 

 あたしの正拳の拳圧はフィーネのバリアを打ち破り、デュランダルを握っていた彼女の右腕をへし折り、デュランダルは宙を舞った――。

 

 

「立花っ! そいつが切り札だっ! 勝機を逃すなっ! 掴み取れっ!」

 

 翼は響に声をかけて、彼女に向かって飛んでいくデュランダルを掴むように促した。

 

 

 そして、響はキチンとデュランダルを掴み取る――。しかしっ――!

 

「ガァァァァっっ――」

 

 響の目が真っ赤に光り、体が黒く染まっていく……。また、暴走……?

 響っ……、ダメ……、さっきみたいに凍らせるわけにはいかない……、どうすれば?

 

 

「ぐっ……、うっ、あっ……」

 

 響の目に生気が戻りかけている……。暴走に飲まれないように抵抗をしているみたいね。

 

 なんとか、彼女を正気に戻さないと……。

 

 

 

「正念場だ!  踏ん張りどころだろうが!」

 

 弦十郎が外に出てきて響に呼びかける。

 

「強く自分を意識してください!」

 

「昨日までの自分を!」

 

「これからなりたい自分を!」

 

 緒川も藤尭も友里も、外で響に声を送った。ホントにみんなお人好しのバカなんだから……。

 

 

 ――でも、あたしもバカになろうかしら……?

 

 

「みっみんなっ――!」

 

 響が意識を少しだけ取り戻したようだ。

 

「屈するな立花……。お前が抱えた胸の覚悟、私に見せてくれ……」

 

「お前を信じ、お前に全部賭けてんだ!  お前が自分を信じなくてどうするだよ!」

 

「どこまでもお人好しのあなたの意地を見せるのよっ!」

 

 あたしたちは響に寄り添い声をかける……。

 

「ぐぅっ……むむっ……!」

 

 

「あなたのお節介を!」

 

「あんたの人助けを!」

 

「今日は私たちが!」

 

 響の友人たちも危険を顧みずに外に出てきて言葉を送った。

 

「姦しいっ! 黙らせてやる!」

 

 フィーネが触手のようなものを伸ばして攻撃してきた。

 

「響を頼んだわよっ!」

 

 ――水鏡ノ盾――

 

 あたしは前に出てきて、巨大な水の盾を錬成してフィーネの攻撃を防いだ。

 

「ぬぅぅっ、しつこいっ!」

 

「それはお互い様よっ!」

 

 あたしはエネルギーを振り絞って、フィーネの猛攻を防ぐ……。長くは保たないわね……。

 

 響っ、早く目を覚ましなさいっ!

 

 あたしがそう思った、その刹那……、とびきり大きな声が聞こえた。

 

「響ぃぃぃぃぃっ!」

 

 未来の声である。

 

 

「――はっ!? そうだ……、今の私は、私だけの力じゃない――」

 

「ビッキー!」

 

「響っ!」

 

「立花さん!」

 

 友人たちも響に呼びかける。

 

 

「そうだ!  この衝動に塗りつぶされてなるものかぁぁぁぁっ!」

 

 響の叫びと共に彼女を取り巻いていた闇が消え去った――。

 そして、3人の装者がデュランダルを構えて、フィーネに向かう。

 

「その力!  何を束ねた!?」

 

「響き合う皆の歌声がくれた、シンフォギアだぁぁぁぁぁっ!」

 

 動揺を隠せないフィーネの元にデュランダルが肉迫して――。

 

 

 ――Synchrogazer――

 

 とてつもないエネルギーに満ちた光の刃がフィーネの巨体を両断する――。

 

「完全聖遺物同士の対消滅っ!? どうしたネフシュタン!  再生だ! この身、砕けてなるものかァァァァァッ!」

 

 フィーネの絶叫と共に、彼女の体は崩れ落ちた………。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「お前、何をバカなことを……」

 

 夕日を見てうなだれてるフィーネ。バカはどっちよ……。

 

「このスクリューボールがっ」

 

 ん? クリス、それどういう意味?

 

「皆に言われます。親友からも変わった子だーって……」

 

「はぁ……」

 

「もう終わりにしましょう、了子さん」

 

 響は優しくフィーネに話しかける。今後に及んで、了子って呼べるところが凄いわ……。

 

「私はフィーネだ……」

 

「でも、了子さんは了子さんですから……。―きっと私たち、分かり合えます。」

 

「《ノイズ》を作り出したのは先史文明期の人間――統一言語を失った手を繋ぐよりも相手を殺すことを求めた。そんな人間が分かり合えるものか……」

 

 同族を殺し合う兵器を作った愚かな人間、人類の敵である《ノイズ》は皮肉にも人間自身が作ったのね……。

 

「人が、《ノイズ》を?」

 

「だから私はこの道しか選べなかったのだっ!」

 

 それを知るフィーネは人を信じることなど出来ない……。

 

「おい!」

「雪音……」

 クリスが前に出てフィーネに向かおうとするが、翼は手で制する。

 

 

「人が言葉よりも強く繋がれること、わからない私たちじゃありません」

 

 それでも響は人は繋がれると信じて揺るがないみたいだ。だから、お人好しなのよ、この子は……。

 

「はぁ……、――でやぁぁぁぁっ!」

 

フィーネが響にムチを伸ばす、そして、響はそれを躱してフィーネの腹に拳を当てようとする。

 

 ――しかし、響は当たる寸前に拳を止めた。フィーネのムチはまだ伸び続ける……。

 はっ……、まさかっ!

 

「いけないっ、響っ、その女を止めてっ!」

 

「ふっ、さすがは私のクローン。思考を読んだのは見事だが、私の勝ちだっ!」

 

 あたしが走って彼女に近付こうとしたとき、勝ち誇った顔を私に向けた。

 

「でやぁぁぁぁっ!」

 

 ものすごい力で引っ張るような動作をすると、ネフィシュタンの鎧が砕け散った。

 

 

「月の欠片を落とす! 私の悲願を邪魔する禍根は、ここでまとめて叩いて砕く! この身はここで果てようと、魂までは絶えはしないのだからな! 聖遺物の発するアウフバッヘン波形があるかぎり私は何度だって世界に蘇る! どこかの場所、いつかの時代! 今度こそ世界を束ねるために!」

 

 フィーネは高らかに勝利を宣言する。

 

「ハハハハッ……、 私は永遠の刹那に存在し続ける巫女! フィーネなのだぁぁぁ!」

 

 本当にこの人は往生際が、悪すぎる……。

 

「うん。そうですよね。どこかの場所、いつかの時代、蘇るたびに何度でも私の代わりに皆に伝えてください。世界を一つにするのに力なんて必要ないってことを……。言葉を超えて私たちは一つになれるってことを……。私たちは未来にきっと手を繋げられるってことを……。私には伝えられないから。了子さんにしか出来ないから……」

 

「お前……。まさか……?」

 

 それでも、響は笑ってフィーネに未来を託した。どこまでもまっすぐに、前向きに……。

 

「了子さんに未来を託すためにも、私が今を守ってみせますね!」

 

 まったく、この子は――放って置けないわね……。どこまでも……。

 

 

 

「――ふっ、ホントにもう……。放っておけない子なんだから……。胸の歌を信じなさい」

 

 フィーネは憑き物が落ちたような表情になり、響の額をかるく小突いた。

 

「――フィリアちゃん、あなた苦労するわよ……。人を愛することを覚えたら……」

 

 そして、かがみ込んであたしの頭を撫でながら呟くようにそう言った……。

 

「ひとつだけ聞いていいかしら? あなたはあたしを何度も殺せたはず……。なのになぜ?」

 

「さぁ? あなたを見ると昔のイヤな自分を見てるみたいでイライラした――でも、あなたは私の――」

 

 フィーネはそう言い残してバラバラになって崩れてしまった。なによっ、最期まではぐらかすなんて……。

 あなたは最低の母親だったわ……。

 

 

 

 ――だけど、あたしの胸は哀しみに満たされていた……。はぁ、一度だけ、お礼を言ってあげる……。

 ありがとう、お母さん……。あたしはみんなと過ごせて幸せだったわ……。

 

 

 

 

「軌道計算出ました。直撃は避けられません……」

 

 藤尭の素早い演算で月の欠片の落下の解析が完了する。

 

 

「あんなものがここに落ちたら、あたしたち、もう……」

 

 響の友達の、確か……、弓美って子が悲壮感のあるような声を出した。

 

「仕方ないわね。あんなのでも一応、生み出してもらった恩はあるわけだし……、尻拭いくらいしてやるわよ。あむっ」

 

 あたしは友里から受け取った、チョコレートを噛りながら上を見上げた。

 

「やっぱり、フィリアちゃんは優しいねー。私も一緒に行くよ」

 

 響があたしの隣に並んだ……。

 

「響……」

 

 そんな響に心配そうな顔の未来が話しかける。

 

「何とかする。――ちょーっと行ってくるから。生きるのを諦めないで……」

 

「えっ?」

 

 心配そうな表情の未来に響は笑顔を向けた。

 こういうところ、カッコいいんだから……。

 

「コード、ファウストローブ……」

 

 再び、あたしはファウストローブに身を包み宇宙(そら)を目指した。

 

 

 

 

「はぁ、あなたたちもお人好しだったわね……」

 

 クリスと翼も駆けつけて落下する月の欠片に向かい合うことなった。

 

 彼女たちは三人揃って絶唱を使うらしい。

 

 あたしはその様子を見て、自分の左腕を千切った。これが思いつく中で一番の破壊力があるはずだ……。

 

 ――電磁加速砲(レールガン)――

 

 ミラージュクイーンでコーティングされているこの腕を砲弾にして、最大出力の電撃で加速させてぶつけてやるわ――。

 

「これがっ! 私たちの! 絶唱だァァァァァっ!」

 

 響の拳がっ、クリスのミサイルがっ、翼の剣が、絶唱により最大火力まで上昇する。

 

「そこねっ、くらいなさいっ!」

 

 四つの極限まで高められた火力の怒涛の攻撃により、月の欠片は破壊された――。

 

 ――しかし、響たちには絶唱のバッグファイアが、あたしは単純にエネルギー切れが起こり……。大気圏で菓子など食べられるはずもなく……。

 

 流星のように落下した――。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 未来が女性と共に《ノイズ》に追い詰められている。

 

「私……、もう……」

 

「お願い!  諦めないで! あっ!?」

 

 未来は女性を庇うように《ノイズ》の前に立ちふさがる。

 

 しかし、《ノイズ》は彼女たちに襲いかかる前にバラバラになった。

 

 そりゃ、あたしたちが来たんだからやらせないわよ……。

 

「ごめん。色々機密を守らなきゃいけなくて――。未来にはまたホントのことが言えなかったんだ……えへへ……」

 

 困り顔で笑顔を向ける響に未来が抱きついた。

 お熱いことで……。

 

 

 

 

 

 

 

「響ぃぃ……、やだ、もう離さない……」

「未来ぅぅぅっ」

 

 

「長いわよっ! 家に帰ってからやりなさいよっ!」

 

 あたしたちの日常は再び幕を開けた……。

 

 

 

 無印編 ――完――

 




無印編が無事に終わりました。
この辺りは原作の流れに沿って、フィリアと弦十郎やフィーネ、そして仲間たちとの関係を紹介することが目的で書きました。
このあとは、《絶唱しないシンフォギア》を挟んだ後にG編をスタートさせます。
もし、よろしければ、ここまでの感想の方を一言でも構いませんので、ぜひお聞かせくださいm(_ _)m
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