【本編完結】銀髪幼児体型でクーデレな自動人形《オートスコアラー》が所属する特異災害対策機動部二課 作:ルピーの指輪
まずは前編は月の欠片処理から約2週間編です。
それではよろしくお願いします!
――月の欠片処理から約2週間【その1】――
響「あぁぁぁぁぁぁっ!」
翼「今日も今日とて、立花の様子がおかしいのは相変わらずだな」
フィリア「うるさいのよっ! 静かになさいっ!」
響「だってだってだってー! 翼さんもフィリアちゃんも何ともないんですか!? こんなところに閉じ込められてもうずっとお日様を拝んでないんですよ!」
翼「そうは言ってもだな。月の損壊。及び、それらにまつわる一連の処理や調整が済むまでは、行方不明としておいたほうが何かと都合がいいと言うのが司令たちの判断だ。それに――」
フィリア「あなたの親友も危険に巻き込まれる可能性があるのよ……」
響「ううっ……わかってるけどぉ……、うわぁぁぁぁ! 未来に会いたいよぉぉぉ! きっと未来も寂しがってるよぉぉぉ!」
翼「小日向が絡むところの自己評価は意外に高いんだな、立花は……」
フィリア「この子と未来の仲の良さは、はっきり言って見ているこっちがはずかしいくらいなんだから」
響「いやー、照れちゃうなー」
フィリア「一ミリも褒めてないから……。未来は案外元気かもしれないわよ?」
響「そんなことないよー! そりゃー、冷たい布団を温めるくらいしか役に立たない私だけど、居なくなったら居なくなったできっと悲しむと思うし……、借りっぱなしのお金も返せてないし……」
翼「おいおい……」
フィリア「意外でもなく思ったとおりルーズよね……」
響「っていうか、ここまで引っ張っていざ無事でしたーってなったらそれはそれできっと怒りますよ。連絡もしないで何してるのって……」
フィリア「ああ、彼女ならあり得るわね。この間も怒ったときはかなり怖かったし……」
翼「フィリアは小日向に怒られたことがあるのか?」
フィリア「ええ、前に一度……。この子の謝罪に無理やり付き合わされて……。本当に地獄だったわ」
翼「強靭な精神力を持つフィリアをして、そこまで言わしめる小日向未来……、なかなかのツワモノのようだな」
響「そーなんですよ! 未来は怖いんですよ。一緒にご飯食べてても口聞いてくれないというかー。だからと言ってずっとここに居ても退屈だし……。退屈しのぎに未来に怒られるなんて、そこまで上級者じゃないし……、出そびれれば出そびれただけ言い訳みたいな笑顔になるしで止め処なく溢れてくるしで……」
フィリア「アホなことで悩んでるなら、解決策を教えてあげるわ」
響「えっ、ホントにフィリアちゃん」
フィリア「これは、すべて緒川の陰謀と言うことにするのよっ! 彼の脅迫によって、泣く泣く監禁されたあたしたちを演出するの!」
響「えと、それは緒川さんに悪いんじゃ……」
フィリア「構わないわよ、あのエセ紳士……」
翼「フィリア、おい、フィリア……」トントン
フィリア「なに? 翼、あなたまで緒川を……」クルッ
緒川「――フィリアさん、とても楽しそうな話をしてますね。僕も混ぜてくださいよ」
フィリア「……」フッ
緒川「逃しませんよ」フッ
響「あっ、フィリアちゃんが消えたっ! 緒川さんも消えたっ!」
翼「ふむ、この時間をも利用して修行とはフィリアも侮れないな。緒川さんとスピードで張り合えるとは流石だ……。――ところで、立花、何の話だったか?」
響「えっと、それはもちろん! ――あれっ?」
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――月の欠片処理から約2週間【その2】――
クリス(なりゆき任せで一緒に手を繋いでしまったが、あたしはこいつらのように笑えない。いや、笑っちゃいけないんだ。あたしがしでかしたことからは一生目を背けちゃいけない)
響「どうしたの? クリスちゃん」
クリス(そうしなきゃ、あたしは……)
響「さっきから黙ってて……」
クリス(あたしは……)
響「わかった! お腹空いたんだよね! わかるよ、わかる! マジでガチでハンパなくお腹すくとお喋りするのも億劫だもんねー! どうする? あ、ピザでも頼む? さっき新聞の折込チラシを見たんだけどね!」
クリス「んなわけねぇだろっ! お前、本当にバカだなっ! あたしは腹なんか空いて――」
フィリア「暇つぶしにりんごのケーキ焼いてたら、作りすぎちゃったわ。食べる?」
響「わーい、フィリアちゃんって本当にお菓子作り天才的だよねー。もう、胃袋掴まれてお嫁に行きたいよー」
フィリア「それ、絶対に未来の前で言っちゃダメよ。――クリスは食べるかしら……?」
クリス「おっおう、食べ――」
響「駄目だよ、フィリアちゃん。クリスちゃんは食べ物の話題をすると怒り出すくらい、お腹空いてないんだからっ! うわぁ、美味しー」モグモグ
フィリア「あら、そう。悪かったわね。じゃあ、残りは弦十郎にでも……」
クリス「うがーっ! お前は黙れっ! こらっ、そんなにがっつくな! あたしにもケーキを寄越しやがれっ!」
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――月の欠片処理から約2週間【その3】――
クリス(昨日までにやらかした罪は簡単に償えるもんじゃない……。そいつをわかっているからこそ、あたしはもう逃げ出したりしない。そうだ……。あたしに安らぎなんて要らな……)
翼「…………」
クリス「くっ……」
クリス(この身は常に鉄火場のど真ん中にあって……、こそ――)
翼「じぃーっ……」
クリス(何で今度の奴はずっとだんまり決め込んでるだけなんだ?)
クリス「な、なんだよ? 黙って見てないで何か喋ったらどうだ?」
翼「――常在戦場」ドヤ
フィリア「怖いわよっ!」スパン
翼「痛いじゃないか、フィリア、なぜ頭を叩く」
クリス「フィリアっ……、こいつ、何なんだ? なんか、やべーぞ、いろいろと……」
フィリア「あなたね、クリスはこう見えて人見知りで、恥ずかしがり屋なんだから、もっと朗らかに接してあげなさい」
クリス「ちょっと、お前……」カァー
翼「ふっ、悪かったな。雪音……」ニマァ
フィリア「ちょっと、笑顔が怖いわよっ! なんで、それで芸能人やれてるのっ!?」
クリス「とっきぶつにはまともな人間は居ないのかぁぁぁっ!?」
フィリア「失礼ね! まともな人間くらい――。あっ……」
翼「なぜそこで言い淀む?」
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――月の欠片処理から約2週間【その4】――
【かんげい。ゆきねくりすさん】
弦十郎「と言うわけで、改めての紹介だ。雪音クリスくん。第2号聖遺物イチイバルの装者にして心強い仲間だ!」
クリス「ど、どうも。よろしく……」
弦十郎「さらに、本日を持って装者3人とフィリアくんの行動制限も解除となる」
響「師匠! それってつまりっ!」
弦十郎「そうだ! 君たちの日常に帰れるのだ!」
響「やったー! やっと未来に会えるー!」
弦十郎「クリスくんの住まいはフィリアの借りていたマンションのままで良いのか?」
クリス「えっ、あっ、そうだな……、それでいい」
響「えっ、クリスちゃんって、フィリアちゃんにお家を貸してもらってたの?」ウリウリ
クリス「――そんなのお前に関係ねぇだろっ!」カァー
弦十郎「もちろん、 装者としての任務遂行時以外の自由やプライバシーは保証するぞ!」ドヤ
クリス「あっ……うっ……、ぐすんっ」ゴシゴシ
フィリア「そういえば、この前、あなたが合鍵を作れって言ってたから作っといたわよ。よほど寂しかったのね」ジャラ
クリス「そっ、それは確かに言ったけどよぉ……」
翼「なるほど!? 雪音はそれで涙してたのだな!」
フィリア「はい、これは翼の分」ジャラ
翼「うむ」
クリス「はぁ?」
フィリア「あと、響に、ついでに未来の分。そして、弦十郎に、緒川でしょ、あと友里に、藤尭……、それから」ジャラジャラ
響「おおっ! 合鍵がいっぱいだー! これで寂しくないね! 良かったね! クリスちゃん!」ニコッ
クリス「はぁぁぁぁっ!? 自由とプライバシーなんてどっこにも無いじゃねえかっ! てか、知らねぇやつのまであるのかよっ!」
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――月の欠片処理から約2週間【その5】――
サイレン『ビィー! ビィー!』
弦十郎「こいつはっ!? ノイズの発生を知らせるものか!」
翼「行動制限は解除。ならばここからは防人の務めを存分に果たすまで!」
フィリア「はぁ、さっそく仕事ってわけね」
響「今日からは一緒に行こう!」
クリス「はぁ? お、お手て繋いで同伴出勤とか出来るものかよ!」
フィリア「あら、あたしとは一緒に出たりしたじゃない」
クリス「あれは、たまたま都合が……。こういうのは違うっていうか……」
響「でも、任務だよ!」
クリス「だからって、いきなりお友達っていうわけには……」
フィリア「もういいでしょ。あたしとは友達なったんだから、一人二人増えたって」
響「そーだよっ、フィリアちゃんの友達なら、私とも友達だよっ、さぁ行こっ!」グイッ
フィリア「ちょっと、ホントに手を繋がなくっても……」グイッ
クリス「お前、責任とれよっ……。どうしてくれんだ、この状況!」グイッ
翼「何をやってる、三人とも! そういうことは家でやれ!」
フィリア「家でもやんないわよっ」グイッ
台本形式だと、セリフだけになるので、これはこれで面白いです。
フィリアの一人称視点では表せないところも表現できますし……。
後編もよろしくお願いします!