【本編完結】銀髪幼児体型でクーデレな自動人形《オートスコアラー》が所属する特異災害対策機動部二課 作:ルピーの指輪
――Gが始まる少し前【その1】――
未来「そういえば、前から聞きたかったことなんだけど。戦いながら歌うって、あれはどういう仕組なの?」
フィリア「そういえば、あたしも気になってたわ」
響「うーん……。手っ取り早く言うと……、シンフォギアってカラオケ装置なんだよね」
未来・フィリア「「カ、カラオケ?」」
響「私もよくわかってないんだけど、シンフォギアから伴奏が流れると胸に歌詞が浮き上がってくるんだ」
未来「胸に歌詞が?」
フィリア「えっと、あたしが戦ってる横でいつもあなたたち、そんな愉快なことになってたのね……」
クリス「まあ、そういうこったな」
翼「歌詞もまた、装者が心象に描く風景に由来した物だと、かつて櫻井女史が言っていたな。思い返してみろ、《疑問、愚問で衝動インスパイア》なんてところなど、実に雪音らしい」
クリス「はあっ!?」
響「おまけに《羅刹インストール》だもんねー(笑)」
未来「やめなよ響。そんな《傷ごとエグる》ようなこと」
フィリア「傷というより、《見てはいけないもの》のような感じね。隠れて書いていた《恥ずかしいポエム》みたいな……」
クリス「がはっ! お、お前らぁぁっ!」
翼「ふむ。雪音はどこまでも奔放だな」
フィリア「でもね……、歌が心象由来ってことはあたしはあなたが一番心配よ。ごめんなさい、翼……、あたしがあなたを支えてあげなかったばっかりに……。あたしはあなたが不憫で仕方がないわ……」ズーン
翼「おっ、おい。フィリア? どうして、そんな悲しそうな声を出すんだ?」アセアセ
クリス「自覚がさっぱりかもしれないが、そっちの歌も大概なんだからな! あれが心象由来というのなら、そりゃあ、フィリアが心配するのも無理ないぞ!」
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――Gが始まる少し前【その2】――
響「リディアン校舎移転に伴って」
未来「学生寮もお引っ越し。すみません、先輩に手伝いに来てもらって」
フィリア「気にしないで、暇だったから。このダンボール、こっちに置いとくわよ」ドサッ
響「という訳で! さっそく二段ベットをカスタマイズ! おりゃりゃりゃりゃりゃ……!」
未来「前の寮でもそうだったけど、響ってばこういうところ頑張るよね」
響「上の段で一緒に寝れば、下の段は収納スペースに使えて便利なんだよ」
未来「頓知の利いた収納術だね」
フィリア「でも、響、この部屋は前の寮よりずいぶん広いみたいだから、そんなに収納スペースは要らないんじゃ――はっ……」ゾクッ
未来「んっ、どうしましたフィリア先輩?」ニコニコ
フィリア「とはいえ、これから色々と物も増えるかもしれないし、スペースはあるに越したことないわね……」ドキドキ
響「そっ、そうだよねー。いやー、無駄なことしてるかと思っちゃったー」
未来「……」ゴゴゴゴ
フィリア(未来の殺気が怖い……。笑顔がこれ以上なく怖いわ……)
響「フィリアちゃん、未来はね、私にとって陽だまりなんだー。だから未来の側が一番グッスリ眠れるんだよー。アハハハ!」
未来「響……」
響「だから、今晩も一緒に寝よう! 未来っ!」
未来「響ぃぃっ……」ギュッ
フィリア「はぁ……、あたし、もう帰ってもいいかしら?」
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――Gが始まる少し前 【その3】――
クリス「知らなかった……。とっきぶつのシンフォギア装者やってると小遣いもらえるんだな……」
フィリア「当たり前でしょ、命懸けでタダ働きなんてやってらんないわよ。あなたの部屋を借りたお金だってそこから出てるのよ」
クリス「うわぁっ、合鍵使うのはいいけど、勝手に入ってくんなよ」
フィリア「あなたが呼んだから来たんじゃない」
クリス「それでも、ベル鳴らすのがマナーだろうが」
フィリア「まさか、あなたにマナー云々を聞かされるとは思わなかったわ……」
クリス「うっ……、そんなことより、お前は給料は何に使ってんだよ?」
フィリア「えっ、貯金かしら……。光熱費も食費も弦十郎が出してくれてるし……。お菓子の材料もたまに買ってくれるし……。お金、使わないのよ、あたし」
クリス「なんだ、その実家暮らしの独身男みたいなセリフは?」
フィリア「むっ……、あたしのことは別にいいでしょ。何のために呼び出したのよ?」
クリス「いや、そのう。ちょっと、欲しいものがあるんだけどよぉ。それを買うのにお願いっていうか……」
弦十郎「フィリアくんが俺を買い物に誘うなんて珍しいと思ったが……、クリスくんも居るのか」
クリス「どーしても、おっさんじゃないと無理なことがあってな」
弦十郎「傑作アクション映画でも探してるのか? だったら、フィリアくんの知識も相当な――」
フィリア「御託はいいから行くわよ……」テクテク
弦十郎「ぶっ仏具店?」
クリス「へへっ。一番かっこいい仏壇を買いに来たぜ!」
弦十郎「意外というか、なんというか……。想像を絶する渋い趣味をお持ちのようで……」
フィリア「かっこいい仏壇の定義が分からないけど、高いものなんだから慎重に選ぶのよ……」
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――Gが始まる少し前 【その4】――
弦十郎「だはぁぁぁ」
クリス「わりいなあ、でかい荷物を運ばせちまって。おかげで助かった……」
フィリア「まさか、むき出しで仏壇背負ってる人を見るとは思わなかったわ。このクーポン使えば、送料無料でここまで運んでもらえたのに……」
クリス「はぁ? じゃっ、このおっさんがやったことは……」
フィリア「正直言って無駄ね」
弦十郎「オイオイ、なんで早く言ってくれなかったんだ」
フィリア「理由ならあるわよ」
弦十郎「ほう、なんだ、言ってみろ」
フィリア「好奇心……、かしら」
弦十郎「君のそういうところ、今思えば了子くんの遺伝子をしっかり受け継いでる気がするぞ……。――しかし、なんだって仏壇なんか?」
クリス「あたしばっかり帰る家が出来ちゃ、パパとママに申し訳ねえだろ」
弦十郎「はっ!?」
フィリア「ここまでの帰り道、7回も職質されたかいがあったのかもしれないわね」
弦十郎「君がクーポンを出していれば、その苦労もなかったわけだが……」
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――Gが始まる少し前【その5】――
翼(いつか、世界を舞台に歌を歌ってみたい。だが、この身は剣。ノイズの災厄を振り払うその日までは、防人として戦場に立つのがさだめ……)
フィリア「翼! 仕事のオファーが来たわよ」
翼「なぜ、フィリアが私の仕事のオファーを……」
フィリア「緒川のやつが、休暇をもらったからあたしが代わりにマネージャーをしばらくやるのよ」
翼「そっ、そうなの? まぁ、フィリアなら心配ないけど……。それで、仕事の依頼って?」
フィリア「クイズバラエティへの出演依頼よ。一応ニューシングルの告知も出来るわ」
翼「ク、クイズって、私に何を求めての依頼なの!?」
フィリア「それはもちろん、風鳴翼がクイズ番組に出たら面白いからよ。お茶の間は新しい刺激を求めてるわ!」
翼「あっ新しい刺激? そんなの無理よ! 意味が分からないけど……」
フィリア「問題よ、万葉集にも歌われた九州沿岸の防衛のために設置された……」
翼「防人!」
フィリア「正解よ、やるじゃない翼」
翼「ふふっ、これくらい日常の基礎知識よ」ドヤ
フィリア「あなたの日常を想像すると、悲しくなってきたわ……」ショボン
翼「ちょっと、フィリア?」アセアセ
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フィリア「しかし、一問くらいで調子に乗らないことね。まぐれは二度続かないわ」
翼「なるほど、望むところだ」
フィリア「次の問題よ。長岡藩の藩是であり、かの連合艦隊司令長官山本五十六の座右の銘でもあった――」
翼「常在戦場!」
フィリア「ふぅ、正解ね。翼って意外とクイズ得意なのね。天然アイドル枠での依頼だったのに……」
翼「えっ?」
フィリア「……次の問題よ」
翼「いや、今、聞き逃してはいけないような、何かが……」
フィリア「問題よ。辻褄の合わないことを意味する矛盾とは、何物をも跳ね返す盾――」
翼「剣だ!」
フィリア「いいえ、 正解は矛よ。最後にいいセンスを出してきたじゃない」
翼
「くぅっ! そちらであったか! ん? センス?」
フィリア「こっ、こっちの話よ……。意外にいけるじゃない。正直、驚いたわ」アセアセ
翼「どうやら開花したようね。私の隠れた才能が……」
フィリア「じゃあ、出演オファーは受ける方向でスケジュール調整しておくわ」スタスタ
翼「って、あれ? ちょっと、フィリア!?」
フィリア「翼、出演するって。これで、この前の件はチャラにしてくれるんでしょ?」フフン
緒川『ええ、ありがとうございます。また、よろしくお願いしますね』ニヤリ
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――Gが始まる少し前【その7】――
“チーン、チーン、チーン、チーン……”
クリス「おはようさん。朝から騒々しくて悪いな。でも、騒々しいのは音楽一家らしいだろ?」
“パンパン!”
クリス「……」
クリス「悪い、待たせたな、フィリア。ん? なんだこれ?」
フィリア「弁当……。暇だったから作っといたわ……」
クリス「えっ……? あたしにか?」
フィリア「当たり前でしょう。――じゃっ、あたしもあなたのご両親に挨拶くらいしようかしら」
“チーン、チーン、チーン、チーン……”
“パンパン!”
クリス(パパ、ママ、こんなあたしにも友達が出来たんだ。これから、騒がしくなるかもしれねぇけど、あたしもパパとママの子だから……、騒がしいのは嫌いじゃないみたいだ)
フィリア「さぁ、学校へ行きましょ」
クリス「ああ、そうだな。――行ってきます……」
絶唱しないシンフォギアはどうでしたでしょうか?
書いてる側としては、こういう感じも息抜きが出来て楽しかったです!
また、ちょいちょい挟んでみたいと思います。
次回からのG編もよろしくお願いします!