【本編完結】銀髪幼児体型でクーデレな自動人形《オートスコアラー》が所属する特異災害対策機動部二課   作:ルピーの指輪

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フィアナとドンパチしたり、新しい装者が生まれたりします。
それではよろしくお願いします!


クライマックスと新しい装者

『響くんが拐われただとぉっ! わかった、君たちは《ノイズ》に警戒しつつ奪還任務にあたれ! 未来くんはこちらで保護する!』

 

 弦十郎に状況を報告しつつ、あたしたちは空を響を抱えて猛スピードで飛んでいくフィアナを追った。

 

「くっ、響がいるから迂闊に攻撃できない……。そして、あのスピード――」

 

 あたしたちはビルを足場にしながら、走っているが、フィアナとの距離はドンドン広がっていく。

 

「立花を拐った理由――人質にして神獣鏡と引き換えようとの目論見か?」

 

「人質目的なら、わざわざあのバカを狙う理由がわからねぇ! 不意を突いたのかもしれねぇが、もっと楽なヤツならいっぱいいるだろ?」

 

「ええ、あたしも狙うなら未来の方だと思ってた。その方が抵抗されるリスクも少ないし……」

 

 つまり、ウェル博士とフィアナはわざわざ響を狙ったということになる。

 そして、フィアナに取り付けられたあの器具とあのパワー……。良からぬ予感しかない……。

 

 あたしたちは、必死で追いすがったがフィアナの姿がついに見えなくなってしまった――。

 

 

 

「くっ、司令……、目標をロストしたわ……」

 

 先頭を駆けていたあたしは最悪の気持ちで、弦十郎に報告した。

 

『諦めるなぁっ! 前を見ろっ!』

 

 弦十郎が大声を上げた瞬間に、天空へと光が上る――。

 

 ――HORIZON†SPEAR――

 

 マリアのガングニールが居場所を伝えるように天へとエネルギーを照射したのだ。

 

『フィリアさん、見えましたか? 民間協力者のマリアさんたちを応援に出しました。響さんを奪還します』

 

 緒川からの通信が入ってきた。

 どうやら、ヘリコプターでマリアたちをフィアナの進行ルートを予測し先回りして送ったらしい。

 

「急ぐぞ、フィリア! 立花を救いだすのだ」

「目の前で、ちょせいマネしやがって! 許せねぇ!」

 

 あたしたちは、マリアたちの元に急いだ――。

 

 

 

 

「フィアナ! お前はなんのつもりだっ!? 勝手な行動ばかりしてっ!」

 

「排除……」

 

 ――大破閃――

 

 フィアナのアームドギアが無数の球体に分裂して、球体から紫色の光線が照射される。

 

 何よ、あの威力……、少なく見積もっても、絶唱クラスの力……。

 

 

「はぁ、はぁ……、アナ姉、見境なさすぎデスよ」

 

「くっ……、様子もいつもと違う……」

 

 切歌と調はすでにボロボロになって、苦しそうな表情になっていた。

 

 

「人質がいる以上、こちらから派手な技が使えない上に近づけないとは……」

 

 マリアも短時間でかなり消耗しているみたいだ……。

 響を抱えて装者三人をここまで圧倒するなんて……。

 

「ここはあたしが……、コード……、ファウストローブ」

 

 あたしはフィアナの近くまでジャンプして近づいた。

 

「消ヱロ……」

 

 ――大流閃――

 

 今度は赤い光線が無数に照射される……。この技はあたしの天敵……。

 

“フィーネ、力を貸しなさいっ”

 

“仕方ないわね……”

 

 ハチの巣状のバリアが展開されて光線を弾き、あたしは響に手を伸ばす。

 

 

「……ドクターの敵ハ死ネ」

 

 ――衛星――

 

 球体が紫色の光線を束ねて、高出力のビームを放った。

 

“ごめん、フィリアちゃん、あれは無理かも”

 

 フィーネのバリアを破壊して、ファウストローブをも貫き、あたしは下半身が粉々になって地面に落ちそうになる。

 

「フィリア! あんにゃろう、とんでもねぇな……」

 

 クリスがあたしを受け止めて、フィアナを睨みつける。

 

「フィリアは回復に務めろっ」

 

 翼がアームドギアを巨大化させて、踏み台にし、ジャンプした。

 

 ――炎鳥極翔斬――

 

 翼は空高く飛翔して、フィアナよりもさらに上空に移動する。

 

 

「援護は任せろっ」

 

 ――MEGA DETH PARTY――

 

 翼を狙う光線をクリスがミサイルで相殺する。

 

 

「この好機っ! 私たちも飛ぶわよ、切歌、調!」

 

 クリスのおかげで光線の雨が止んだので、さらにマリアたちもジャンプしてフィアナに、肉薄する。

 

「嗚呼ァァァァァァァァァァァッ! ドクターァァァァァァァァッ!」

 

 ――恒星――

 

 無数の球体が融合して、フィアナを包む巨大な球体に変化する。

 そして、全方位に向かって黄色い光線を照射した――。

 

 確実に絶唱をも上回る出力の攻撃にあたしたちは全員吹き飛ばされて……。それでも尚、破壊は止まず、フィアナを中心に同心円状に瓦礫の山が形成された……。

 

 そして……、爆煙が晴れたとき……。フィアナと響の姿は消えてしまっていた――。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「フィリアくんと装者たちが六人がかりで奪還出来なかったとは……」

 

 フィアナの行方を見失った、あたしたちは司令室に戻って、響の行方を探ることにした。

 響が身につけている通信機などはすべて壊されていたので、追跡は困難を極めた。

 

「ドクターの狙いは神獣鏡のはず……。ともすれば、向こうからアプローチは必ずあるはずよ……」

 

「マリアくんの言うとおり、フロンティア起動が目的なら神獣鏡の奪取が必須だ。アプローチの方法が通信なら逆探知も可能――」

 

 弦十郎がそう言いかけたとき、けたたましいアラームの音が聖遺物のアウフヴァッヘン波形をキャッチしたことを伝える。

 

「巨大な聖遺物の波形を検知しました――。場所は海上!? モニター出ますっ!」

 

 スクリーンに映し出された海上の風景――そして巨大な要塞のようなモノ……。

 

「マリア、あれはもしかして……」

「そんなはずないデスっ!」

 

「まさか、あり得ないっ! しかし、座標は合っている……。なぜ、フロンティアが起動してるのっ!?」

 

 マリアが驚愕した表情でフロンティアが出現したと大声を出した。

 ちょっと待って、フロンティアって神獣鏡じゃなきゃ起動させること出来ないんじゃないの?

 

“浄玻璃鏡の特性は真実と虚実を写し出すこと……。同じ鏡の聖遺物である、神獣鏡のエネルギーに似せたエネルギーを放出することも調節次第で可能かもしれないわ”

 

“そんな反則みたいなことが可能なの?”

 

“装者にかなーり、無理させればね……。人格や臓器が壊れたり、色々と不具合が起こってるはずよ……。フィアナちゃんは私に似て愛する人の為ならなんでもするタイプみたいだし、無理を何とかしちゃってるかも。健気ないい娘になったものねー”

 

“どこがいい娘なの? 台風みたいな娘になっちゃってるじゃない。――そういえば、フィアナのギアの出力も異常だった。XDモードでないにも関わらず、絶唱級の技を連発することなんて出来るのかしら?”

 

“考えられるのは、脳波を弄った上でのLiNKERの過剰摂取……、私以外にそんなマネができる者がいるなんて……。ウェル博士とやらもやるわね……”

 

 フィアナが無理をすれば、フロンティアの起動は可能だとフィーネは語った。

 まさか、他の聖遺物の特性を真似る力が浄玻璃鏡にあるなんて……。

 さらにあのフィアナのギアの異常なパワーも彼女の命を削った結果みたいだ……。

 

 

「フロンティアが起動したということは、ウェル博士やフィアナはあそこに居るということか……。しかし、わからん。それなら、なぜ響くんを……?」

 

「フロンティアから高出力の光線が――これは? 月に向かって――」

 

 藤尭の声とともに、フロンティアが上昇する様子が映し出される。

 

 

「計測結果が出ました!」

 

「直下からの地殻上昇は奴らが月にアンカーを打ち込むことでフロンティアを浮上させた模様」

 

 友里と藤尭が淡々と現状を話している。

 

「さらに、その影響で月がさらに地球に引き寄せられてしまっています。このままでは――」

 

「本当に地球人類は絶滅してしまう!」

 

 あたしたちは愕然としながら事態を見守っていた。

 

「ウェル博士は何を考えてるの? 人類を救済して、英雄になりたいとか言ってたけど……。あたしには彼の行動が理解できない……」

 

“考えられるのは……、間引きかしら? ノアの方舟を気取って、支配できる人数だけ人類を救済し、英雄となる……”

 

“なにそれ? 趣味が悪いわね……、ホントに……”

 

 フィーネの外道の考えを即座に読む力にも若干思うところがあるが、そんなことより、あんな得体のしれないモノに響がいるかもしれないことが問題だ。

 さらに月がこちらに急接近なんて未曾有の事態まで起こっている……。

 

 一体どうすれば……。

 

“はぁ……、月はあの方が人類から相互理解を奪うために作った監視装置――。だから壊したの……。フロンティアとやらの解析をしなきゃなんとも言えないけど、月の機能不全を解消すれば、元の軌道に戻すことは出来なくもないわ。それ相応のエネルギーは必要だけど……”

 

「フロンティアの解析が出来れば、月を戻せる!?」

 

 あたしはフィーネの発言を声に出してしまった。

 

「それは、本当か!? フィリアくん!」

 

 弦十郎はあたしの方を見て大声を出した。

 

「ええ、あたしが何とかあの中で解析作業をして、方法を導き出すわ! あとは響を救出すれば……」

 

「すべて丸く収まるっつーわけだな」

 

「なんだ、存外シンプルな話じゃないか」

 

 あたしと翼とクリスはお互いの顔を見て頷きあった。

 

「私たちも行くわ。元々、こっちの身内が犯した不始末。責任くらい取らせてもらう」

 

「アナ姉にお仕置きしないと気が済まないデス」

 

「今度は私がリア姉を守りたい……」

 

 マリアたちもフロンティアに乗り込む意向を示した。

 

「ええ、マリアたちが力を貸してくれるなら心強いわ」

 

 これで、六人。力を合わせれば、何とか出来るはず。響を必ず連れて帰る! それに、フィアナも……。

 

 

「待ってくださいっ! 私も、私も連れて行ってください!」

 

 司令室に未来が入ってきて、あたしたちとの同行を志願した。神獣鏡のギアペンダントを首に下げて……。

 

 そう、未来はLiNKERを使う必要があるが、神獣鏡のシンフォギアを纏えるようになったのだ……。

 もっとも、今となっては“ラブラブ大作戦”のおかげか、響が拐われたという事実に対する怒りが原因なのかわからないが……。 

 

「しかし、未来くんは訓練も何も受けていない。最初の出撃にあそこは危険すぎるっ!」

 

 弦十郎は当然のごとく未来の出撃に難色を示した。そりゃ、響だって最初にギアを纏ったときは《ノイズ》一体倒すのにも苦労したんだから……。

 

“フィリアちゃん、アレの出番じゃない?”

 

“えっ? ああ、確かにアレを使えば多少は動けるでしょうけど……。それでも危険なんじゃ……”

 

 フィーネは先日、暇つぶしに制作した装者用のアイテムを使うことを提案した。

 

 

「響が死んでしまうかもしれないときに、見てるだけなんて耐えられないんです。響に気持ちを全部伝えたのに、響にいつも助けられてばかりなのに……。今度は私が響を助けたい!」

 

 未来の気持ちはわかる。しかし、彼女が危険な目に遭うことを響は良しとするだろうか?

 

「それに……、このままフィリア先輩が響を助けたりなんかすると、響が取られてしまうかも……。それだけは嫌……。まさか、尾行してるとは思いませんでした。一瞬、冗談でフィリア先輩は響のことが好きって言っていたのだと思ってしまった自分の甘さに嫌気がします。私が失敗した瞬間に掠め取る準備を整えていたなんて……。先輩、響のポイントを稼ごうったってそうはいきませんよ……。ふふっ」

 

 未来はいつも以上に怖い笑顔であたしを見た。まずい、彼女を置いてくとあたしが殺される……。

 

「未来、あなたにはこの特殊ゴーグルを渡すわ。このゴーグルのAIはシンフォギアの機能を読み取って、あらゆる戦闘データと照らし合わせることで、最善だと思われる行動をアドバイスするの。戦闘経験が多いあたしたちでは邪魔になる可能性が高いけど、あなたの役には立つはずよ」

 

 あたしは自分のデスクの引き出しからゴーグルを取り出して、未来に渡した。

 作ったものの、これは初心者の指導やシミュレーターを使った練習にしかなり得ないものだったので、無駄なものを作ったとばかり思っていたが役に立ちそうだ。

 

「フィリア先輩、ありがとうございます。響を懸けて戦うのは、また後日にしましょう」

 

 いつの間にかライバル認定されてしまった私を尻目に未来はゴーグルを大事そうにしまい込む。

 

 これで、装者6人と人形が一体、合計7人でフロンティアに乗り込むこととなった。

 

 フロンティアではフィアナが先ほどのように攻撃を仕掛けてきたり、様々な罠の存在が懸念される。しかし、もう失敗は許されない。

 

 身勝手なウェルの野望とそれに服従するフィアナ。

 あたしも身内としてフィアナは放っとけない。

 たとえ、彼女が罰を受けることになっても……。命だけは助けたい……。

 そんな甘い思考をしながら、あたしたちを乗せた緒川の操縦しているヘリコプターはフロンティアへと降り立った。

 まさか、フロンティアから我々への攻撃をヘリコプターを分身させて回避するとは思わなかったわ……。

 

 地球の命運を懸けた戦いが今始まった!




一気にG編がクライマックスになりました。
今回は無印編よりも改変エピソードが多めでここまで来るのに苦労しました。
面白く出来るように次回も頑張ります。




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