【本編完結】銀髪幼児体型でクーデレな自動人形《オートスコアラー》が所属する特異災害対策機動部二課   作:ルピーの指輪

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最初に謝罪をさせてください。感想欄でのご指摘を受けて再度原作を見返したところ、棺からの遺骸はエンキではありませんでした。これは、本当にやってはならないミスでして、ご指摘には感謝しかありません。
なので、前回の話のフィーネの下りは丸々カットして書き換えました。ホントに油断が招いた結果で白けさせてしまいましたので、申し訳ないとしか言えません。
今後、同じようなミスを犯さぬように、気を付けます!
猛省してます。

それでは、それを踏まえた上で今回もよろしくお願いします!


創られた姉妹

 ――ループ・ザ・ワールド――

 

 あたしのこの技はだいたい72時間以内の時を戻すことが可能だ。

 フィアナの弱った体を治すことは出来ないけど、せめて傷の治療を……。あたしは妹の傷の手当てをした。

 

「フィリアちゃん……、なんで私を……? 私は裏切ったのよぉ。マリアも切歌も調も……、あなたも……。ドクターに捨てられた私なんてもう生きる価値ないんだからぁ。死なせてよ……」

 

 怪我が治ったフィリアは情けない顔になり、自棄を起こしていた……。

 この子は自分を大事にしない……、少し前のあたしだ……。

 

「例え、あなたがあたしを嫌いでも、関係ない。あなたに価値が無いなんてことはないのよ。たった一人の妹なんだから。あたしには、あなたが大切なの!」

 

 あたしは体が治っても虚ろな顔をしている妹に自分の気持ちを伝えた。

 正確には血の繋がりとかはないけど、生まれたときから大きくなるまでずっと一緒だった。

 子供の頃はこの子の明るさに助けられたことも沢山あったんだ。

 

「フィリアちゃん……、バカな子になったわねぇ……」

 

「いろいろとあったのよ。でもね、今の自分が結構好きなの。あたし」

 

「もぉ、敵わないなぁ。お姉ちゃんには……」

 

 フィアナはクスリと笑って……、ギアを解除してその場に座り込んだ。

 「お姉ちゃん」って、何年ぶりに呼ばれただろうか……?

 

「そこで、待ってなさい。終わらせてくるから」

 

 あたしはフィアナにそう声をかけて、ミラアルクの元へ向かった。

 

 マリアと翼がミラアルクと戦っている。しかし、妙だ……、あたしの知ってるミラアルクはスペック的にシンフォギアに劣る。

 

 しかし、翼とマリアは完全に彼女に圧されていた。

 

「オラオラオラオラッ――! こっちはイラッとしてんだぜ! せっかくの計画を台無しにされてなァ!」

 

 翼とマリアが吹き飛ばされる。あの火力……、イグナイトモジュールを使ったような力強さだ……!

 

 サンジェルマンたちは巨大な結界錬成陣を作ってるから動けないし……。ここは、あたしが……。

 

「ほらほら、不完全なうちよりも、お前らが弱っちぃせいで、関係ない人間共が死んじゃうんだぜ! こんな風になぁ!」

 

 ミラアルクは腕を変形させて、女の子を突き刺そうとする。めちゃくちゃするのね。さっきから……。

 

 ――因果ノ捻時零(インガノネジレ)――

 

 あたしは時を止めて、ミラアルクに接近して殴り飛ばした。

 

「ぐっ――! それが噂の時間停止能力かっ! ドクターの特別を貰いやがって、クソアマがっ! お前だけは許せないんだぜ!」

 

 ミラアルクがあたしをターゲットにして、攻撃をしようと接近して来た。まっすぐ向かって来るなんて……。でも、チャンスね……。

 

 あたしはミラアルクを迎撃しようと、手からエネルギーの塊を放った。

 

 しかし、ミラアルクの前に出てきた巨大な影があたしの放ったエネルギーの塊を飲み込んだ。

 

「――っ!? あっあなたは!」

 

「ドクター! うちを守るためにっ!」

 

「んー、高濃度の錬金エネルギー……、久しぶりに脳が蕩けるような味がしますねぇ。んふっ」

 

 突然現れた影の正体はウェル博士……。

 彼は大きなネフィリムの顔のような右腕であたしの錬金術での攻撃を吸収してしまったようだ。

 

 まったく、出てくる度に厄介な男になっている……。

 

「ミラアルク、困りますねぇ。お仕事を忘れては……。僕は君が使えると見込んでお願いしていたのですよ」

 

 ウェル博士はやれやれという仕草で、ミラアルクに話しかけた。

 

「――面目ないんだぜっ……。ドクター、うちを見捨てないでほしいんだぜ……!」

 

「バカな子ですねぇ。僕は君を見捨てたりはしませんよ。従順で使える内は、ね。さぁ、任務を果たしてください」

 

 異常にウェル博士に媚びる態度のミラアルク……。フィアナとも違う感じがするわ……。

 

 

「承知したんだぜっ! うちのターゲットは――風鳴翼っ!」

 

 ミラアルクはウェル博士の命令で猛スピードで翼の元に向かって行く。行かせないわよっ――。

 

「フィアナ、最後の命令です! 僕のために死になさい!」

 

 あたしが動こうとしたとき、ウェル博士がそんな戯言を述べた。何を言ってるの?

 

「――はい、ドクター……」

 

 フィアナは力無く返事をして、胸の内ポケットからナイフを取り出して……、おもむろに自分の胸を刺した――。

 

「さぁて、フィリア、どうしますかぁ? 再び時間を戻してフィアナを治さないと死んじゃいますよ〜」

 

「――この下衆がっ!」

 

 ニヤニヤと笑みを浮かべるウェル博士の言葉を背中に受けて、あたしはフィアナの元に向かう。

 フィアナは心臓を刺したように見えた。

 ループ・ザ・ワールドは対象に触れなくては発動出来ない。そして、死者は蘇生出来ない……。その摂理は覆すことは叶わない……。

 

 

 

「お姉ちゃん、ごめんなさぁい。暗示にかけられていて……、ドクターの命令は絶対なのぉ……、ゴホッ、ゴホッ……」

 

 胸の脂肪が邪魔をしたおかげで、フィアナの突き刺したナイフは深く内蔵を傷つけるに至ってなかった。

 あたしは間一髪で彼女の命を助けることが出来た。

 

「気にしないで、あなたはあたしが守るから……」

 

 ウェル博士の狙いはわかってる。あたしをフィアナに釘付けにするつもりだ。

 

 そして、そのウェル博士自体はマリアにちょっかいを出していて、その間にミラアルクは翼を集中的に狙って、蹂躙していた。

 

 あの、翼が手も足も出ないなんて……。そんなバカなこと……。エルザは切歌と調が迎撃したというのに……。

 

「風鳴翼……、お前は無力だ! 何も守れないんだぜ」

 

 ミラアルクが腕をふるうと、逃げ遅れた人々が鎌鼬にあったように体中が斬り刻まれて血まみれになる。

 

「うわぁぁぁぁっ! 貴様っ!」

 

 翼は激昂してミラアルクに斬りかかる。

 

「刻印――侵略っ!」

 

 そのタイミングでミラアルクの目が妖しく光る。あれは……、何かしら?

 

 あたしが疑問に思ってると、空中から降り注ぐアルカノイズを片付けたサンジェルマンたちが地上に降りてきた。

 

「ミラアルク……、貴様っ! これ以上の蛮行は許さんぞ」

 

 サンジェルマンは銃口を彼女に向けて、銃弾を連射した。

 

「――けっ! サンジェルマンか! お前らのくだらねぇ研究でうちらは人間じゃなくなったんだぜ! それで蛮行だなんて、どの口が言うんだぜっ!」

 

 翼の斬撃とサンジェルマンの銃弾を器用に弾いたミラアルクは空高く舞い上がり――、テレポートジェムを使って消えてしまった。

 

 多勢に無勢と判断して逃げたか……。いつの間にか、ウェル博士も消えてるし……。

 

 

 ライブ会場は多数の重軽傷者が出たが……、奇跡的に死人は出なかった……。

 

 サンジェルマンたちが来なかったら、どうなっていたか分からないわ……。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「翼くんとマリアくんは検査入院か……、そして、フィリアくんが確保したフィアナ=ノーティス。君の妹も現在、メディカルルームで精密検査中……。洗脳に、体内汚染、内臓の機能低下……、かなり危険な状態だったようだ。様々な生体実験に体を使われていた形跡も残ってる」

 

 弦十郎は翼とマリアの現状とフィアナの容態を説明した。

 自業自得の部分もあるが、彼女の体は生きていることが不思議なくらいボロボロだったらしい。現在は手術を終えて熟睡しているようだ。

 

「それでも、無事でいてくれて良かったわ……。まさか、翼たちのライブであんなことになるなんて……」

 

 あたしは頭を抱えたい気分だった。ウェル博士とパヴァリアの残党……。この組み合わせがあそこまで狂気に満ちた行動をとるとは……。

 

 ラピス・フィロソフィカスを完成させて、核を守るようにコーティングさせてなかったら、最初のミラアルクの奇襲を受けて、おそらくあたしは詰んでいただろう。

 

「サンジェルマンくんたちが居なかったら、我々は多大なる犠牲を許していただろうな。想像するだけで恐ろしい……」

 

 弦十郎の言うとおりだ。普通の人間はアルカノイズに触れるだけで分解されてしまう。

 そんなアルカノイズが14万人もの人間が密集している所に大量に降り注ぐなんていうことを許していたら――。例え、あたしたちが全力でアルカノイズたちを倒したとしても……、大多数の人間は犠牲になっていたに違いない。

 

 怪我人は出たが、死者が一人も出なかったということは奇跡に近いことなのだ。

 

「で、あたしたちはどうして集められたんだよ? おっさん」

 

「アナ姉の体は確かに心配デスが、それだけではなさそうデスね」

 

 クリスと切歌が招集をかけられた理由を尋ねる。

 

「君たちを招集したのは他でもない。新しい仲間を紹介したいからだ。期間限定ではあるが、S.O.N.G.は特例により、ある協力者たちを迎え入れることが許された。入ってくれ」

 

 弦十郎の言葉によって入って来たのは3人の錬金術師……。サンジェルマン、カリオストロ、プレラーティ――パヴァリア光明結社の元幹部である。

 

 彼女たちはパヴァリア残党の始末が済むまでという期間限定でS.O.N.G.の協力者として本部に所属することとなった。

 

「あはっ、サンジェルマンさん! 一緒に戦ってくれるんですね……!」

 

 響はサンジェルマンに手を差し出した。なんだかとても嬉しそうね……。

 

「――立花響か。いや、私は……」

 

 サンジェルマンは手を伸ばすかどうか迷ってるようだ。まったく……、堅物なんだから。

 

 

「ほら、これでいいでしょ?」

 

「――っ!? フィリア……!」

「えへへっ、今日から仲間ですね!」

 

 あたしは強引にサンジェルマンの手を響の差し出した手に触れさせる。

 そして、サンジェルマンは観念して響の手を握った。

 

「ふっ、サンジェルマンも丸くなったわねぇ」

 

「時々、笑うようにもなってるワケダ」

 

 カリオストロとプレラーティは微笑ましいモノを見るような目で彼女を見ていた。

 

「まさかテメーらがあたしらの味方になるのはな」

 

「でも、イグナイトが使えなくなった今、強い味方はたくさん居たほうがいい」

 

 クリスの言葉に反応した調はそう言った。

 そう、アダムとの死闘で無理をした結果、決戦機能としてのイグナイトが使用不可となってしまったのだ。  

 先日の翼やマリアがミラアルクに一方的に蹂躙されたのにはこのような背景もある。

 

「ギアについては私たちに強化する考えがあるワケダ」

 

「フィリアちゃんがパワーアップのヒントを出してくれたもんね」

 

 アダムとの戦いであたしが苦し紛れに行った黄金錬成……、これをヒントにシンフォギアの強化計画が彼女らから考案された。

 あたしとエルフナインを含む5人の錬金術師が総出で尽力する予定である。

 

「顔合わせも終わったところでサンジェルマンくんから、パヴァリア残党について分かった事実を話してもらおう」

 

 しばらくして、弦十郎はサンジェルマンに話を振った。

 

「パヴァリア光明結社の元構成員、ヴァネッサをリーダーに、エルザ、そして先日ライブ会場を襲ったミラアルク。この三人にウェル博士を加えた組織は自らをノーブルレッドと称して活動している。連中の目的は神の力よ」

 

 サンジェルマンは淡々とわかったことを報告した。

 ノーブルレッド……、高潔な血という意味かしら? あたしはそのネーミングに彼女らの本質が隠されている気がした。

 

 

「それでは、本日のブリーフィングを終了する……」

 

 弦十郎がそう言って今日の話を締めた。

 

 実は今日のあたしは人と会う予定がある。故に、本部を出たあと、あたしは待ち合わせの場所に向かって歩いているのだ。

 待ち合わせの場所はあるホテルのレストランだ。

 

 

 

 あたしが待ち合わせ場所に辿り着くと、すでに赤い服を来た金髪の少女があたしを待っていた。

 

「久しぶりね。キャロル」

 

「ああ、久しいな。フィリア……」

 

 規格外の錬金術師、キャロルとあたしは久しぶりに直接顔を合わせた――。

 




どんどん集まる生存した勢力という序盤戦です。
次回もよろしくお願いします。
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