第十魔法科高校の生徒達の(非)日常   作:caose

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 やっとここまで来たなあ。


始まりの一歩前

 「さてと・・・皆は如何してこの学校が全寮制なのか知ってる?」

 遥が新一年生全員に向けてそう聞くもそう言えばと誰もが疑問に思った事だ。

 「一つはここ以外の学校は全部家や下宿先から通っているけど反魔法師や人間派から君達を守る事。」

 反魔法師や人間派の中には過激派が存在し、魔法師やその家族に暴行や誘拐、

凌辱、殺害をする人間(大体は返り討ちに合う)がおり、そんな人間達から守るためである。

 「もう一つは実力主義や一般的な魔法師の基準から君達をはめ込まない為。

基準は人によって違うし、一定の水準=その魔法師の才能なんて阿保らしいって

ダンブルドア先生がそう言ってたの。私達は私達のやり方で自分を高めれば

良いんだって。」

 要は社会の基準に当てはめてしまうと自分と言う存在に区切りを付けてしまわない

ようにするという事である。

 「最後にこれが重要。それは・・・。」

 そう言いながらある場所に着いた。

 そこは・・・。

 「ここの技術を外部に漏れないようにする為。」

 『『『『『おおおおお。』』』』』

 それを見て全員は驚いていた。

 何せ階段が右に左にと動きまわり、その周辺には丸い円盤みたいのが

浮いていたのだ。

 「ここが第十魔法科高等学校の名物の一つ『動く階段』。学校の解放期間の間は

止めてるけど日中は動きっぱなしだから授業に参加する際には周りを見て時間に余裕を持って行ってね。」

 遥はさらりと注意事項を言うと彼女は階段に向かっていった。

 「さあ、君達も言ったほうが良いよ。見失うからな。」

 一番後ろにいたシリウスが全員にそう言うと全員遥に追いつくように追いかけて

行った。

 「それと階段が使えない時には円盤を使って飛び移るんだけどこれには

あるコツがいるのよ。」

 遥は全員に円盤についての説明をした。

 「見ててね。」

 そう言うと近くにあった円盤に飛び移る瞬間・・・・達也はある物を見た。

 「ん?」

 すると円盤に飛び移った遥が・・・さらに高く飛びあがった。

 『『『『『えええええ!!』』』』』

 全員はあまりの事に驚くも達也はある仮説をシリウスに向けて聞いてみた。

 「シリウス先生。もしかして小野先生は跳躍する際に魔法を使ってませんでした?」

 それを聞いたシリウスはにこやかに答えた。

 「正解だ。あの円盤には魔法を感知してその力に応じて跳躍力を増すように

なっているがその場所までの力の配分量を考えて使わなければ・・・飛び過ぎて

違う所に向かっちゃうから気を付けるように。」

 シリウスがそう注意すると遥が上で大声でこう言った。

 「ちょっとー!早く来なさいよ!!」

 「さてとみんなは階段をなるべく使うようにな。」

 『『『『『はああい。』』』』』

 そして一行は階段で部屋にまで歩いていった。 

 

 

 

 

 

 「それじゃあこの部屋は一年生用の談話室で下の階が女性陣で上が男性陣。

7時半から起床して 朝ごはんは8時から。昼ご飯は12時半。夜ご飯は夜7時半。

お風呂は夜の八時から零時まで使用可能。消灯時間は11時半だから

間違えないようにね?」

 「君たちの荷物は既に部屋に運び込まれてるから間違えないように。」

 『『『『はい!』』』』』

 遥とシリウスの注意事項を聞いた後彼らは部屋から出てそれぞれ見てみると

狭いながらも一人一つずつの小さな自分の名前が入っている部屋があった。

 「それじゃあ達也。風呂場で。」

 「じゃあね。達也。」

 「おお。」

 レオンと幹比古は達也にそう言って一端別れた後達也は自室に入った。

 テレビと机とベッド(本人の希望によっては布団も敷ける)だけの簡単な部屋で

あるが達也は荷物から幾つかの私物を出した。

 専門用語の入ったCADの説明書。

 自分が考えた魔法式。

 自分の私服。

 そして家族の写真。

 それらを整理した後外からレオンの声が聞こえた。

 「おおい、達也!行けるか?」

 「ああ、分かった。」

 そして達也は家族の写真を机に置いた後こう言った。

 「・・・行ってきます。」

 その写真の中にはにこやかに笑う家族の写真があった。 

 




 そして始まりはすぐそこまで。

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