匂いを消し、音を増幅させるんだからね。
西暦2079年6月
その日は梅雨時であり日本中雨模様である。
無論、ダンブルドアが向かう場所も例外ではない。
「おいおい、出た瞬間に雨に降られるとは付いてないな。私は。」
そうだろ?ホークスと肩に止まっているホークスにそう聞いた後ダンブルドアは傘を差してバッグからある物を出した。
「さてと・・・その人間の居場所は確か・・・あそこかな?」
ダンブルドアが持っていたのは紙製の地図であるが神様によりその周辺の
人間の配置や施設内の設計図、名前などが記載されており現在地は赤い点がでるようになっている。
「さてと、行くかホークス?」
ホークスはくるるるるると答えた後ダンブルドアはその場所に向かって歩き出した。
ダンブルドアが辿り着いた場所は和風のお屋敷でありダンブルドアは
興味津々であった。
「いやこれほどの屋敷は滅多にお目にかかれないものだな。さてと・・・どうやってあの結界から入り込むかだな。」
そう言いながら地図を屋敷の前で広げると先程では見えなかった膜らしきものが
見えた。
「屋敷を中心に特殊な結界が張られてる。入れば一発でバレる代物か。・・・ま、『姿現し』なら何とかなるだろうけど入れるかなあ?」
ダンブルドアは自身の使っていた魔法がこの世界でも通用出来るのか不安であった。
そして暫くするとある事を考えた。
「雨で視界は狭く、そして何より上空には何もないのが救いという事。
それなら・・・。」
ダンブルドアはホークスを見てある事を思いついた。
「出来ないことはない。」
この日この屋敷の主人でもある四葉家頭首「四葉 真夜」とその妹「四葉 深夜」を中心に四葉家所縁の有力七家「椎葉」、「真柴」、「新発田」、「黒羽」、「武倉」、「津久葉」、「静」の当主全員がそこにいた。
然し七家の当主たちの顔色は優れておらずどちらかと言えば恐れているのだ。
それは・・・。
「何故このような怪物を産んでしまわれたのです!深夜様!!」
「おい、椎葉の!口が過ぎるぞ!」
何やら論争が巻き起こっていたようだ。
議題は・・・。
「然し新発田の!この子供は我らの罪の証!この世界を破壊し尽くす怪物に
なり果てる前に処分することこそ世界の安寧の為であろう!!」
「黒羽殿!然しこの子供の力があれば我らの悲願を達成できるのではないか!?」
「ふざけて居るのか!武倉殿!全てを破壊できる「分解」と再生できる「再構築」の何処に安寧などある!!こんな忌子を残すなど私は反対だ!!」
それは真夜の腕の中で眠っているこの赤ん坊の能力が上記の能力で
埋め尽くされておりこれ以上の魔法演算が不可能であると同時にその能力が
異質であるからだ。
これを野放しにしたくないという思いと自分達に弓ひかないか心配なのである。
暫く論争する中この中で四葉家ではない人間の一人の言葉が場の空気を変えた。
「深夜。こいつをあの実験の被検体にしたらどうだ?」
口を出したのは坊さんのように見えるが右目が白く濁っており生臭い匂いが漂いそうな人物である。
彼の名は「東道 青波」旧第四研究所のオーナーであり今は四葉家のスポンサー
であるが彼は魔法師を兵器としか見れず力を持つことこそ正しいと断言できるほどの
強硬派である。
そして彼が言った実験と言うのは・・・。
「あの人工魔法演算領域を作る物ですがあれを使うと感情の情動が消える恐れが。」
深夜は実験に対するリスクを話すが青波はこう切り捨てた。
「構わん。むしろそうしたほうがこの国の為になると言う物だ。」
真夜はどうかねと言うと真夜は青波にこう返した。
「ええ、それなら私達の目的によっぽどために・・・。」
「いやいけないなあ。そう言うのは。」
真夜が言いかけた瞬間何処からか声が聞こえた。
「「「「「「「「「「!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」
その部屋にいた全員がその声に驚き、臨戦態勢を整えようとした。
この村を知っているのは四葉家の関連の者しか知らず然も今回の会合は緊急を要するため誰も喋っていないのだ。
全員が出入り口辺りを見渡すと・・・。
「いや少し濡れたなあ。」
部屋の中心にダンブルドアが傘を持って現われたのだ。
「貴様何処から!?」
黒羽の当主が怒鳴りながらそう言うとダンブルドアは普通にこう答えた。
「ん?普通に『姿現し』をしただけだが上手くいったよ。」
ダンブルドアはそう言いながら靴を脱いでいた。
「いやあすまないね。日本は土足厳禁と言うのは知っているが何分初めてなもので
失敬するよ。」
そして靴を脱いだ後ダンブルドアはこう言った。
「さてと・・・私の仕事をしますか。」
そろそろ行きますか。