「ねえ達也。あの魔法は一体何だい?」
幹比古は少し瘦せたかのような気持ちでそう聞いた。
何せ終盤エイミィ完全に泣いていたよねと責めるかのような目線なのだ。
前に助けて縁が出来たのにそれが完全にぶっ壊すかのようなあの魔法は何と聞くと達也はしれッとこう答えた。
「ああ、あれは相手の魔法をスキャンして無効化した後に騙し討ち宜しくデ相手に返す魔法。」
「最低も大概ものだったよ!!」
幹比古はそれを聞いて酷いの一言に事尽きる奴だったよと断言した。
然し達也はこう続けた。
「あの魔法は相手の魔法をスキャンした後にサイオンを操作して無効化するように見せかけて実際は魔法が自分で停止するように命令を書き換えさせたんだ。」
「書き換えるってその前に喰らった人にはご愁傷様ッて言うしかないじゃないの
これって!?」
「そしてスキャンした魔法は再利用されて相手にぶつけると言う考える前に
感じろを魔法で再現したその名も『鏡の再変換(ミラー・イリュージョン)‼』
「直ぐに謝った方が良いよ達也。いや本気で。」
幹比古は達也の説明を聞いてもう悪役だよ僕らと言うしかなかったのであった。
「まあこの魔法は改良すべき点がすぐに見つかったからバージョンアップして
今後に生かそうと思ってるんだ。」
「相手が泣くよ絶対。」
「一体何なんのよあの魔法は!!」
七草はエイミィの試合を見て頭を悩ませていた。
まさかあそこ迄とは思いもよらなかったどころか相手の良いように
扱われたかのようなそう言う感じであった。
すると隣にいるあずさが達也の説明(少しニュアンスを濁したり
恐らくを固辞させて)を聞くと目を見開いてこう言った。
「それって何!こっちが強い魔法を使えば使うほどあっちはそれを使い放題って意味じゃないの!?」
最悪だーー!!と机に体を突っ伏すがあずさはこう続けた。
「それは多分大丈夫かと・・・。」
「・・・何で?」
「向こうも同じ威力を出せるではなくあくまでも相手の魔法を模倣する
程度ですので威力はそうはないかと思いますが相手からしたらその・・・。」
「同じ魔法を使われるから使いづらくなってしまうってそんな感じ?」
「そうです。」
「・・・それが分かっても対応できる選手って何人にいるの?」
「・・・ですよねえ。」
あずさは七草の言葉を聞いて溜息を吐いた。
「・・・前途多難よねえ・・・。」
七草はそう呟くしかなかった。
その夜の横浜の中華街。
満漢全席とまではいかないが高級食材をふんだんに使われた
中華料理フルコースを本来ならば楽しむべきであろうが当人たちは
そうではなかった。
まあ、一人二人は笑顔であるがそれは置いといてと言わんばかりに陰鬱で
苛立たしさを十分に出している男たちが座っていた。
赤と金を主調とした豪華な色彩の内装が男達の顔色の悪さを物語っていた。
すると一人がこう言った。
「新人戦は第三高校が有利だと聞いたが?」
「全体では未だ何とも言えんが数人の新人は十校の者だそうだ。」
「あの連中か。世界中において最も協会の規定を知らんぷりでやった挙句に
トンでもない程の実績を上げているまず間違いなくダークホース。」
「まあそれは置いといてだ。全体的に見れば第三高校が優勝するのは
決定づけられているじゃないか?」
それで良いじゃないか?と言うがそれに対して男の一人はこう答えた。
「貴様は良いよな!がっちりと大穴と思っていた十校に大枚出して
ちゃんと損害どころか利益を出している!!」
「ま、勝負は時の運だ。まだまだ落ち着いて行こうではないか。」
「貴様」
「よさないか。今はまだ利益が出ているしそれに新人戦では第一高校が
敗退しまくっているおかげで我々胴元は負けるなどと言った状況は少なくとも
存在せん。」
「だが万が一に第一高校が息を吹き返したら。」
「そうなったらもう一度アクションを起こすさ。今回のカジノは
特に大口の客を集めているからな。中にはどっかの誰かさんみたいに大穴に賭けて成功してたんまりと稼いでいるよだしな。」
アハハとそれを聞いて乾いた笑みを浮かべる男性を見た。
彼らは十校戦を賭けの対象としており各試合の内容次第では
大金が手に入るだけとあって賭ける人間の金額は相当なものとなるであろう。
視聴率が高いものとなると比例してこの様な裏での非合法の賭博が
横行するものなのだ。
「だが先ほどの言葉にも一理はある。万が一に備えて皆準備しておけよ。
もし我々が負けるような事になれば良くても・・・いや、どっちに転んでも
死ぬなど屁でもないくらいの恐怖を味わう事となるだろう。」
「我ら『無頭竜(ノーヘッド・ドラゴン)』の名の下に」
『『『『『力を持って。』』』』』
「くそ!くそ!!」
とある部屋に於いて達也が戦った相手森崎は怒り狂っていた。
枕は羽が出ておりそこらかしこに物が散乱していた。
ここは軍の所有物なのだがそれでもいきり立っていた。
何も出来ずに敗北、然も自分が見下していた十校にだ。
更に言えば他の面々も大体が十校に痛い目を見たのだ。
「この屈辱・・・絶対忘れないぞ『藤原 達也』!!」
その時見せた森崎の顔は・・・怒りで顔が真っ赤になっていた。
次回はアイス・ピラーズ・ブレイク決勝。