ミラージ・バット。
四人一組で予選6試合を行い、各試合で勝利した6人で決勝戦を行う。
十校戦の中で最も試合数が少ないのだがそれで楽が出来る訳ではない。
試合時間は15分を3セットしなければならず合計で45分と言う十校戦最長と
言われているほどである。
更に言えばそれにピリオド間の休憩時間5分の三回分合計15分合わせて1時間と言う時間制限がないアイス・ピラーズ・ブレイクやモノリス・コードに
比べたとしても格段に違う。
然も試合中は選手全員絶え間なく空中を跳躍魔法と重加魔法を使って空中に
飛び上がって移動したりしながら魔法を使う為その負担はフルマラソン並とも
言われている。
スタミナ面に於いてはクラウド・ボールやモノリス・コード以上とも
言われているためインターバルと試合回数の少なさが良く分かる。
第一試合の開始時刻は午前8時で予選は正午に終わる。
決勝戦は午後7時で十校戦唯一のナイター試合である。
それなら2日に分ければ良いんじゃないかと思われがちに聞こえるが
実はそうはいかなかった。
ミラージ・バットは投影しているホログラム(立体映像)の球体を
スティックで打つ競技なのだが十メートル上空のホログラム球体を地上から
見分けなければならないため真夏の明るい陽射しで昼日中で行うことが出来ない為に朝と夜に分けたのだ。
無論曇りだと良いのだがそれで試合をするのかを決めると言うのは
ちょっと不可能なので昼近い第三試合からは日除けとして上空にスクリーンを
搭載している飛行船が通るようにしている。
その為この試合は確実に夜の方が都合が良いのであった。
「先ずは私か。」
エリカはそう言ってコスチュームを着ていた。
薄手の服で体の線が際立つのだが何故か生々しさを感じないと評判な為
男性ファンが多いと言うのがこの試合の特徴である。
そんな中でエリカはもう一人の相棒でもある選手で第三試合に出場する
『嵐城 皐月』と同じ部屋にいる。
彼女の魔法は先祖返りで能力はレオンと同じ硬化魔法であるが
レオンは防御重視で使うのとは違い攻撃時に発動するタイプでよくお互いに
そのことについて話し合うなど仲が良い。
そんな皐月はピンク色の髪をサイドテールにした頭をまるでお嬢様の如く触ってこう言った。
「お~ほっほっほ!この私の活躍に恐れうやみなさい下民が!!」
そう言ってまたお~ほっほっほ!と笑っているがエリカは馬鹿の相手は
無理だと思って部屋から出ていき試合に臨もうと考えた。
そして試合が・・・始まった。
「エリカちゃん大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だよ柴田さん。エリカはああ見えて努力家だしまさか初っ端から
あれを使おうとかは考えていないはずだよ。」
そう言う間にエリカが飛んだ瞬間に・・・素早く得点が入った。
「達也の奴、序盤だからって理由でソフト面を徹底的に軽量化して起動式を
少なめにしているようだけどそのおかげでエリカの魔法は他の皆よりも
速く仕上げているね。」
「となるとあれが使われるのは」
「うん。決勝戦だろうね。」
幹比古と美月の会話が終わった頃には試合はエリカが余裕で勝ち抜いた。
第一試合が終わると達也、レオン、幹比古はモノリス・コードの
準備をしていた。
モノリス・コードとは一校4試合を予選として行い勝利数が多かった
上位4チームが決勝トーナメントに進出出来ると言う変則リーグを採用している。
勝数が並んだ場合は不戦勝における失点や相手チームによる失格が無ければ
同じチームによる直接対決で決まるがあればそれらを差し引いて決める。
直接対決が無い場合は試合時間の合計が短いほうから決勝トーナメントに
いけれるのだ。
そして試合についてであるがフィールドと呼ばれる試合会場は
ランダムな場所となっており森林、岩場、平原、渓谷、市街地の5か所に
分けられており始まるまでお互いに何処かは分からないのだ。
そして敵味方3人一組で魔法(遠距離オンリー)で戦いあい全滅するか
それぞれのチームが持つモノリスと呼ばれる巨大な黒い板を専用の無系統魔法で
2つに割る事で出てくる512文字の暗号を試合の担当者に転送して
答えが満点であれば試合が終了となる。
この試合では攻撃、防御、遊撃の3人で構成されているため
モノリスを割る攻撃、モノリスを守る防御、全体の経過から
戦闘または囮もする遊撃となっており達也が攻撃、レオンが防御、
幹比古が遊撃となっている。
「相手は一校、然も場所は岩場となると隠れる所は多いが移動の時間も
考えないとな。」
「そうだな、こう言う時も考えて俺らって『登山部』で
山の稽古していたもんな。」
「まあ・・・約一名体力がな」
「悪かったねもやしで!」
達也の言葉を聞いて幹比古が少しキレ口調でそう言うが体力のなさは
このメンバー一なので仕方がない。
「そういや相手の中にお前がスピード・シューティングで戦った奴がいたな。」
「ああ、だが関係ないさ。俺は俺のやれることをやるだけだ。」
「そうだね、折角出場したんだから予選突破ぐらいは成し遂げよう!」
「「おお!!」」
幹比古の言葉を聞いて達也達は勢いよくそう言って・・・試合会場に向かった。
『嵐城 皐月』は「聖剣使いの禁呪詠唱」に出てくる本人です。