十校が次に戦っているのは二校。
場所は平原の為お互いに見えやすい場所なのだが・・・そんなのお構いなしと
言わんばかりに今回は幹比古が主体で攻撃した。
幹比古は精霊魔法を中心にして草結びを作らせて相手を転ばせたりして動きを
封じると同時に達也が魔法を使って酔わせたりレオンが「小通連」で叩き潰して
失神させた後にヘルメットを脱がしていた。
これにより試合出場が出来なくなると言うルールがあるのだ。
そして達也がディフェンダーに向かって行くと相手が魔法を使おうとしたその時に達也は懐から・・・お札を出してきた。
そしてそれを空高く飛ばすと相手がそれに目を向けたその時に・・・
雷が落ちてきた。
「うおわ!?」
相手はいきなりの攻撃で避けた次の瞬間に・・・レオンの「小通連」が
相手の意識を奪った。
「あらもう終わったわ。」
「ここ迄行きますと・・・相手が可愛そうですね。」
七草とあずさはそう呟いて試合を見ていた。
暇になったので見ているのだが拍子抜けも良い所であった。
あそこ迄コンビネーションが良すぎると逆に速く終わってしまうからだ。
「本当に相性が良いのね。ここ迄行くと優勝とかが見えてきそうだねど・・・」
「このままいけば決勝で三校相手となりますが相手は十師族。勝てるかどうか」
「おまけに従軍経験あり。どっからどう見ても三校の勝ちは決まりよねえ。」
「何だミキったら。昔通りジャナイノ。」
「え?何が昔通りなんですエリカちゃん?」
思わず漏らしたエリカの独り言を聞いて美月は何が何ですと聞くとエリカは
こう答えた。
「別に~~。」
「もう!エリカちゃん!!」
「そうよ!私にも説明してよ!!」
それを聞いて皐月もそう聞くがエリカは知らん顔で幹比古を見ていた。
これまでずっと幹比古を見ていたエリカから見て大丈夫だなと
考えているからだ。
「(ミキったらあの時無意識に見えたけど実際は意識して《視覚同調》を
やっていたわ。《天才少年》だって呼ばれたあの時に戻っているように見えるけどあの時よりもスムーズに魔法が使えるじゃない。・・・もう、心の傷が
癒えているんだね。)」
嘗て幹比古は天才少年であったが故に天狗のようになっており一族は
その力を使って強力な精霊の声を聴いて自らの手駒にしよと考えていたのだが
あまりにも巨大すぎた力であったが故に幹比古はその力に飲まれてしまい
その反動でうまく魔法が使用出来にくくなってしまったのだ。
そして時を経て十校に入学して・・・全てが変わった。
自身ですら体験したことすらない精霊魔法。
自分を自身としてちゃんと見てくれている教師に生徒。
新しく出来た・・・本当に大切な友達。
それらが合わさったお陰で幹比古の心に強く刻みつけられた傷を・・・
癒してくれていたのだ。
「(ミキったら多分無意識ねあの表情は。未だ気づいていないようだけど
それに気づいて今後どうするのかを決めて・・・去っても皆
何も言わないわよ。)}
寧ろ笑って送ってくれるはずよとそう思いながら幹比古を見続けていた。
「さてと、トーナメントの組み合わせだが準決勝前半が三校対八高。
後半が俺達と九校って具合だが・・・等々ここ迄来てしまったな。」
「だな、ここ迄くりゃあ後は優勝までぶっちぎってやるぜ!」
「そう簡単にはいかないと思うけど・・・それでも出来ることは
やっておきたいね。」
達也はそう言いながら昼食を達也の自室で摂っていた。
ここなら作戦会議に丁度良いしスタッフの誰かが犯人となると
作戦を聞かれないで済むからだ。
そして昼食が終わってランチボックスを持っていると・・・エリカを見かけた。
何やらそわそわしている様子であったが何だろうと思って幹比古に
耳打ちして・・・隠密用の精霊を使って尾行しようぜと提案して
其の儘向かって行った。
「ここって確か・・・病院だよな。」
「となると一校の渡辺さんのお見舞いか?」
「エリカに限ってそれは0だね。」
隠密用の精霊を使って尾行・・・基出歯亀根性丸出しで達也達がエリカに
着いて行った先は病院であったため可能性を言うが幹比古によって却下された。
そしてそのままこそこそした様子で向かって行くと病院の向こうで
ある人影がチラリと見えた。
それは男性で身長的に言えば達也よりもちょっと上程度。
然し細身で在りながらも鍛え上げられた肉体を見るに恐らくは
何かしらの武術経験者じゃないかと思う肉体を持つ美青年であった。
すると幹比古がその青年を見てこう言った。
「あれってもしかして修次さん?」
「誰だその人?」
レオンが幹比古に向けてそう聞くと幹比古はこう答えた。
「うん。修次さんだよ。《千葉の麒麟児》って呼ばれていてね。剣術に関しては千葉の中で最も強い人なんだけど同時に異端児って呼ばれていてね。
色んな技を会得しているんだ。」
それを聞いてへーと言うと修次と言う男性がエリカに向けて
何か言っていると・・・エリカがこっちを見て何やら手招きしているが・・・。
「あれって・・・怒っているよな。」
「ああ、怒ってるな。」
「達也のせいだからね。」
そう・・・完全に怒っているのだ。
頭に怒りマーク出ているような感じで
「それで・・・何か言う事は?」
「「全部達也の提案です!!」」
「ア、こら手前ら!?」
「アンタらどっちも全員ギルティじゃーーーーーー!!」
「「「ごめんなさーーーーーーい!!!」」」
この時病院に於いて3つの打撃音が聞こえた。