第十魔法科高校の生徒達の(非)日常   作:caose

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 病院では静かに活動してください。


病院に於いては静かに

「なあエリカ。お前もいい加減に納得してくれ。俺は摩利と真剣に」

 「へえ、そう言えば兄上は確か来週までタイで剣術指南の為の

ご出張だったはずですけど何ででしょね~~?」

 「いや・・・それはエリカの言う通りなんだが無断で帰国した訳では」

 「そうですかそうですか~~。日本とタイとの外交にも深くふか~~く関わる程の大事なお勤めを中断しなければならない程の重要なご用件の為に

態々高校生の競技会の会場などにおられるのでしょうか~~?」

 「いや、外交ってそんな、大袈裟な。・・・任官前の士官候補生同士の親善交流で大学生の部活の一環」

 「兄上!士官候補生とはいえそれでも国から直接命令された重要任務を放棄して

怪我したあの女に逢う等昔の兄上でしたら」

 「摩利は俺にとって大切な女性だ!それに俺を堕落したとか

言う奴がいるかもしれないが俺はそうとも思わない。新しい剣術を取り入れることで今まで見たことがない景色や可能性が見えてくるんだ。常に剣術とは己を磨くために必要な物は取り入れるからこそ今に至るんだ。それに今回の事だって摩利が

怪我をしたと聞いていてもたってもいられなかっただけ。」

 「それでもこの外交は千葉家の今後を左右するほどですよ!これで我が家に

不祥事が起きましたらどう責任を取るのです!!」

 「家は関係ないだろう!!」

 「関係あります!《千葉家の麒麟児》とも呼ばれた貴方が私用で帰るなど

軍にも顔が利く我らなら未だしも他の人間でしたらどの様な処分になるか

考えたことがありますか!?」

 「だから家は関係ないって」

 「大ありです!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここ病院だよな?」

 「ああ、こんなに大声出されると迷惑だよな。」

 「ああもう・・・お医者さん達が来てるよあれ。」

 達也達はそう呟いてエリカと修次の喧嘩を見物していると何やら医者が来たので達也ははあと溜息付きながら・・・CADをエリカ達に向けて放射した。

 すると・・・エリカ達はそれを諸に浴びて倒れた。

 「あれ・・・?」

 「何だ・・・気持ち悪い。」

 エリカと修次が互いに倒れてしまうと達也は2人に向けてこう言った。

 「ハイハイ、取敢えずここは病院だから静かにしておけよ。

医者も来ているんだから大人しくしろ。喧嘩は外でゆっくりやれば良いしな。」

 それを聞いて2人は何やら目元を伏せながら俯くが達也はこう続けた。

 「そんじゃあ早く部屋に入れ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「大丈夫か摩利!?」

 「シュウ!?何でここに?タイに行ってたはずなんじゃ!?」

 「君が怪我したって心配になって来たんだ。」

 「そんな・・・済まないな。こんな風になって。」

 「いや良いさ。君が無事なら。」

 「シュウ・・・///////」

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あのアマ。」

 「落ち着けエリカ。折角のいい雰囲気を乱そうとするなよな?」

 「そうそう、エリカ修次さんが摩利さんに盗られたからって

目の敵にしなくても。」

 「へえ、こいつもしかしてブラコ」

 「レオン・・・それ以上言ったら・・・分かるわよね?」

 「・・・おう。」

 レオンが言いかけた瞬間にエリカからの凄みに押されて言葉を言わなかったが

もし言えば・・・三途の川は決まったようなものだからだ。

 すると摩利はエリカに向けてこう言った。

 「そう言えばお前《ミラージ・バット》の試合を見たが凄いじゃないか。

優勝おめでとうな。」

 「はん!アンタに言われなくてもあの程度どうってことないわよ!」

 「いやお前凄い事だぞ。それと・・・藤原君だったな。

準優勝とはおめでとうな。それに西城だったな、三校の一条相手に

あそこまで粘ったのはお前が初めてだぞ。」

 「いやあ、それほどでもって言うか。」

 「鼻の下伸ばすなレオン。」

 エリカがそう言ってレオンの腹を肘で強打させた。

 「それに久しぶりだな吉田君。君の活躍は中々だったぞ。

特に《クラウド・ボール》であの立ち回りもだが《モノリス・コード》では

大活躍じゃないか。」

 「いやあ、僕がここまで来れたのは皆のおかげですよ。十校に行かなかったら

今のようにはいきませんでした。」

 「そうか・・・本当に変わったな。」

 摩利はそう言って幹比古に笑みを浮かべていた。

 道場の関連で昔来ていたのか多少なりとも縁があったので心配していたのだが

それは杞憂であったなとそう思っていると摩利はこう言った。

 「そう言えばもうすぐ三校の試合が始まるからここで見ておけ。

暇つぶしにはなるしアドバイスできるならしておきたいしな。」

 「良いんですか?そんな事をして?」

 幹比古がそう聞くと摩利はこう答えた。

 「ああ、もうこっちの試合はないしな。それに暇つぶしの話し相手が

欲しいしな。」 

 そう言うと達也がこう言った。

 「それじゃあお話しするのでしたら俺から。」

 「?」

 「・・・あの事故についてです。」

 「・・・何?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後。

 「以上が俺の考察になりますけど何か質問は?」

 「いや、寧ろ確かにと感じた処だ。そう言う絡繰りとなると

今回の森崎達も!?」

 「可能性は高いですね。取敢えず他の選手に対して警告を。

何せあなたの言葉でしたら皆納得がいきそうですから。」

 他人よりはと言うと摩利はこう返した。

 「ああ分かった、真由美に言っておこう。あいつならば説得力があるからな。」

 「然し一体誰が・・・!」

 修次はそう言って手を握りしめていた。

 もし相手が分かったら直ぐにでもと・・・そう思っているようであった。

 すると達也がこう続けた。

 「取敢えずは今の話は信用できる選手以外は喋らない様にして下さい。

進展があったら話しますので。」

 それではと言って達也達は出て行った。




 次回は対九校

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