第十魔法科高校の生徒達の(非)日常   作:caose

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 試合が短く終わるって・・・九校って弱いの?


十校対九校・・・試合は短かった。

 第9校との試合は「渓谷ステージ」

 そこはくの字に曲がった池と川の様な場所で水が流れているため場所と魔法次第では不利な状況に陥られることもあれば有利な状況にする事も可能なのだ。

 そしてそれは最も精霊とコンタクトが取れる幹比古にとっては独壇場とも

言っても良い場所でもある。

 そして幹比古は魔法を使って霧をフィールド全体に張り巡らさせた。

 最初試合状況が分からないとブーイングを垂れ込む観客が何人かいたが

殆どの選手たちは苦い顔をしてその光景を見ていた。

 何せあそこ迄霧を発生させるだけでなく長時間の間維持させるとなると

難易度が高い事も知っているからだ。

 然もこの霧は達也達には目視で確認できるくらいに薄めにしているが敵型の場合は厚くそれでこそ目視であっても確認できない程の厚さを与えており見える事も

出来ないのだ。

 霧を吹き飛ばそうと風を使ったり気温を上げて飽和点を上げたりと

色々としているようであるがそれでは無理だ。

 吹き飛ばそうとしても代わりに流れ込んでくる空気までが

霧にしてしまってしまう為余計に厚くなり飽和点を上げたとしても

湖からの蒸発を促進させて不快指数を上昇させる程度にしかならない。

 この霧を発生させているのは『結界』によって引き起こされた現象に過ぎない。

 古式魔法によって発動されている霧は飽和水蒸気量にも支配されずに

空気中の水分をも併せ持って作られているために彼らが行っているのは

ただ単なる労力の無駄である。

 おまけに十校にいたことによるものなのかどうかは定かではないが

厚い方には時には草木を操作させて転がせたり音を出させたりしたり

不快指数を上げてくれたおかげで相手の水分消失を速めさせたりも出来るのだ。

 その為か相手選手の中にはへとへとになって樹に背を預けるような感じで倒れたり視界が効かずにその分聴覚や嗅覚が発達してしまったがために

恐怖心の為か動きが制限されると言った事が度々と起こっているが

達也達はそんなの知らんと言わんばかりにするすると誰にも会うことなく

ディフェンダーの背後に回ってモノリスを割った。

 するとそれに気づいたディフェンダーは何事だと思いながら周りを見るも

霧のせいで放った達也の居所が分からないため慌てながらも敵がいないか

確認しているのだが既に放たれている幹比古の精霊がモノリスのコードを見て

それを視覚共有で見ている幹比古に送信されているため第9校は十校の姿形も

見れずに戦闘もないままに負けてしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モノリス・コードの決勝は三位決定戦が終わってからの午後三時半に

開始されることが決まったためそれぞれ一時間間に集合することと引き換えに

自由時間となった。

 達也は他のエンジニアと共に選手のCADをチェック。

 レオンは少し食堂で腹ごなししてバスの中にあるベッドで

ひと眠りしてくると言った。

 最初にここに来た時に乗ったバスにはベッドがあったため小休止の際にはここで寛げる様になっているのだ。

 そして幹比古は屋上に行って風に当たってくると言って

ホテルの展望台にへと向かって行った。

 霊峰富士は魔法的な巨大な力が集積されているためその息吹を感じたいのだ。

 序にだが幹比古の家吉田家は神祇魔法は神道で細かく分類すると

地祇(国津神を祀るタイプ)に属しているため霊峰富士との相性が良いのだ。

 そして展望台に着くと既に先客がそこに立っていた。

 それは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あれ?壬生先輩?」

 「君は確か吉田君よね?」

 壬生が木刀を振っていた。

 どうしたのと聞くと幹比古はこう答えた。

 「僕は霊峰富士を見に・・・先輩は?」

 どうしたんですかと聞くと壬生はこう返した。

 「私はミラージ・バットに備えて精神集中も兼ねての特訓。」

 そう言って壬生が素振りを再開すると幹比古がこう聞いた。

 「もう直ぐですね。」

 「ええ・・・本当に心残りなんだけどね。」

 「?」

 何でですかと聞くと壬生はこう答えた。

 「本当なら渡辺さんと一戦交えたかったわ。正々堂々とこの大観衆の前で

競い合いたかったんだけど其れもパア。おかげでバトル・ボードは

棄権しちゃったからこの試合だけは・・・ちゃんと優勝したいの。」

 最初の我儘聞いてくれたからねとそう呟くと壬生は木刀を下してこう言った。

 「貴方はさ・・・私みたいに後悔しちゃあ駄目だよ。」

 後が辛いからねとそう言って展望台から出ようとすると幹比古が

壬生に向けてこう言った。

 「あの!・・・こんな事言うのは何なのかもしれないけど僕は壬生先輩があの時勝っていたって分かっています!!だってあんなに必死になって練習しているの

僕たち知っているんですから!!」

 そう言うと壬生は頬を掻いてこう呟いた。

 「ありがとう・・・決勝の相手は一条と吉祥寺の最強タッグ。間違いなく

優勝候補だから・・・怪我しないでちゃんと帰ってくるのよ、勝って大怪我なんて

それでこそ皆心配するからね。」

 「・・・分かりました。先輩も頑張って下さい。」

 それを聞いて壬生はじゃあねと言って出て行った。

 そして残った幹比古は霊峰富士の息吹を感じながら決勝を頑張ろうと決心を

新たに誓った。




 絶対勝つと言う気持ちこそ大切だから。
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