新人戦に於いて達也達の活躍も相まって点数は三校とは目と鼻の先にあった。
その差はあと12ポイント。
内容次第では逆転優勝も出来ると言っても過言ではなかったのだが・・・
どうも三校の上級生達はあの試合を見て鼻息荒らしていた。
達也はあの後も仕事としてCADの調整をしており終わったの時には
達也は疲れも相まって死んだように部屋に戻るのが面倒くさいと言う理由で
十校のバスで寝たがその際にはちゃんと鍵をかけて寝た。
そしてこちらはと言うと・・・。
先ず一校
「まさか・・・一条の彼に勝つとはね。」
「ああ、正に大番狂わせと言っても過言ではないな。」
七草と十文字が互いに今回の決勝戦の結果について意見を交わしていた。
何せ一条の後継者は先の新ソ連軍戦に於いて二つ名である
『クリムゾン・プリンス』とも異名を持っているにも関わらわずにだ。
「ねえ十文字君、一つ聞いても良いかしら?」
「ああ、俺も同じことを考えていた。」
「・・・藤原 達也君ってもしかして」
「そう思って二が付く家を聞いてみたがそんな奴はいないそうだ。
分家にもな。」
「はあ~~、とんでもない子が敵側になったわねえ。」
「確かにな、然も奴が最後に使ったのは中条も驚いていたが
あれは『飛行魔法』じゃないかと言っていた。」
「あれって確かミラージ・バットの新人戦でも使われていたわよ。
あの魔法をよく完成させたわよねえ。つい何年か前に発表されたばかり
だってのに。」
「しかしあの時に魔法は未だ実験段階と言っても過言ではなかった。
発表されたのは研究に伴う魔法式だけだったはずだが奴はそれだけで
あの魔法の完成まで漕ぎ付けたとなると奴は本当の天才ともいうべき存在
かもしれないな。」
「天才ねえ・・・あの子十師族の養子になると思う?」
「それどころかされると言った可能性が出てくるな。
あいつの実力も考えたらどの家でも欲しがるだろうがあいつは十校の人間・・・
自らに強い信念を持っていると仮定したら首を立てに振らないだろうな。」
「十校卒業の十師族又は師補はどんな場合に於いても例を漏らさずに
自己を尊重し仲間意識が強い言わば十師族と肩を並べていると
言っても良い勢力ってあの狸親父がそう言っていたわ。」
「弦一さんがか・・・そうなると一筋縄にはいかんな。」
「若しくはこの試合に十師族が指示を出すかって所かしらね。」
「・・・実は最初親父からそう言われたんだ。」
「やっぱり。」
「だがすぐ後になって却下されたがな。」
「・・・?」
七草は何故だと聞くと十文字はこう返した。
「どうも九島閣下から直々に苦情と言った感じで言われたそうだ。
『これは只の勝負、子供たちが己の力で切磋琢磨しているのに
大人の事情に合わせて彼らを巻き込むのはやぶさかではないかね?』と
言われたそうだ。」
「・・・閣下。」
「そう言われて俺も肩の荷が下りたと言っても良いがだが
俺達の最後の試合を最後まで敗北と言った感じで終わらせたくはない。」
「そうね・・・色々とあったけど今うちの順位は6位。入賞ギリギリって
言った処だけどもしここで何かあったら間違いなく最悪8,9位は確定ね。」
「今の順位を最低でも一つは上に上げたいところだ。
残るはミラージ・バットとモノリス・コードの本戦、ここで勝てれば
5,又は4位に上がれる可能性だってあるし他の連中の内容次第では
優勝台に辛うじて登れると言う理想がある。」
「それでも滑り込みが最大ね。来年度のあの子達の精神状況を考えると
悩ましいわ。」
「そう言えばだがお前これが終わったら生徒会長引退のようだが
後任はいるのか?」
十文字が話を変えてそう聞くが七草は更に表情を暗くしてこう答えた。
「それがねえ・・・あーちゃんにやって貰おうと思っていたんだけ
あの子が嫌がるものだからねえ。どうしたものか。」
「まあ、地道に考えるしかないだろうな。」
十文字は七草のコロコロと変わる表情を見ながらこうも思っていた。
「(生徒会は良いが問題は今の現状だ。一年生から見れば今の状況から
負けに慣れると言う事は絶対にさせてはならない。
その為には今残っている試合を全て勝利しなければならない。
十校にこう負け続けと言うのもな。)」
そう思いながら今後の事を考えていた。
そして横浜。
「まさかモノリス・コードで十校に負けるとはな。」
「いやだが未だ分からないぞ。このまま逃げ切れる可能性だってある。」
「だが若し負けでもしたらどう責任を取ると言うのだ!!」
「協力者に頼んで十校の連中にも対象とするか?」
「いや、今のまま十校が勝ったとしても我々の負け金はステイツドルで300万。大穴であったがその分賭ける人間が少なかった。一校が勝つよりも
リスクは少なかったしそれに幾ら何でもそろそろバレる頃合いだし協力者には
蜥蜴の尻尾になってもらう。負けたとしても我々の資産を幾つか削れば
何とでもなる。」
「・・・この際は我らの身を切って何とかするしかないとして
今待機している17号はどうする?」
「帰還させろ。折を見てこっちに帰ってもらう。」
「ではそれで宜しいな。」
『『『『『異論無し。』』』』』
そう言って会議はお開きとなった。
次回はミラージ・バットです。