「では私からはここ迄とさせて貰いますが皆様にはもう一つ我々からの
サプライズと言う意味で鈴音先輩から発表がありますのでどうぞ。」
そう言って達也は鈴音にマイクを手渡すと斑鳩は舞台袖から
とある大型の機械を台車で持ってくるとマイクを持った鈴音がこう説明した。
「私が個人的に発表致しますのは『重力制御型熱核融合炉』についてです。」
それを聞くと観客瀬にいる全員が話し込んでいた。
飛行魔法に続いてこれなので一体どういう内容なのか考えているのだ。
そんな中で鈴音はこう説明した。
「熱核融合炉の実用化において何が必要なのかは前世紀から
明らかにされていますようにその一つは燃料となる重水素をプラズマ化して
反応に必要な時間、その状態を保つという意味においては既に放出系魔法によって
解決されています。また、核融合発電を阻む主たる問題はプラズマ化された原子核の電気的斥力に逆らって融合反応が起こる時間、原子核同士を接触させるのですが
先人たちはそれを非魔法で実用化させようと強い圧力を加える事で電気的斥力に
打ち勝とうという研究も行われましたがその結果は皆さんが知っての通りと
思います。」
鈴音はそう言いながらスクリーンに移った実験映像とシュミレーション動画を
分割表示してこう続けた。
「然し、超高温による気体圧力の増大、表面物質の気化を利用した爆縮の圧力、
どちらを使っても安定できませんでした。理由は幾つもあり例えば耐久性、
燃料の補充、エネルギーの大きさに実用化が追い付かないなどとありますが根本的な原因はただ一つ、取り出そうとするエネルギーに対して融合可能距離に於ける
電気的斥力の大きさに原因があるというのが一番だとそう思っております。」
そして鈴音はスクリーンでそのエネルギーの総量と電気的斥力についての問題点を提示してこう続けた。
「電気的斥力は相互の距離が近すぎると幾何級数的に増大し、
強い同極のクーロン力を持つ物体は接近することでその斥力を増大させ
衝突するという事は無いのです。然し・・・それを我々は先ほどの飛行魔法に
使われた連続魔法によってクーロン力を限定的な空間ではありますが
十万分の一に迄低下させることに成功致しました!」
『『『『『『!‼!!!』』』』』
それを聞いて観客席の人間たちの眠気眼が一瞬で醒めた。
何せ限定的とはいえそこ迄下げられることに成功したのだ、上手くいけば
核融合炉の建造に大きく前進することが出来ると踏んだからだ。
そして鈴音は更にこう続けた。
「今ここに先ほど達也君が置いてくれたこれこそがそれです、見た目的に言えば巨大なピストンエンジンですが中から見えるこの円筒は鏡面加工されたピストンを下から差し込んでいましてクランクと弾み車と繋がっております。
そして円筒の上にありますこの2つのバルブですが透明な管の先にある
この水を湛えた水槽を突っ切っております。この装置によって中性子線の有害性を考慮し、水素ガスを使用しております。円筒内に充填されたガスを
放出系魔法によってプラズマに変え、重力及びクーロン力制御魔法を同時発動し
斥力が低下したのを見計らって水素プラズマは円筒中央に集められ、核融合反応が発生します。この装置で必要な時間はたったの0,1秒。然し核融合反応は自律的に継続しません、外部から反応を生じさせる作用を加えなければすぐに停止しますが水素ガスを振動魔法で容器が耐えられる温度まで冷却することで
内部にあった熱量を回収し、先ほどの重力及びクーロン制御魔法に充当させ、
発生した重力場に引き寄せられたピストンは慣性で上昇を続け、適温に冷却された水素ガスを熱交換用の水槽へ送り込むというこの手順を延々と繰り返すことで
電力を作ることが出来ますがですがここで更に問題点が発覚しました。」
『『『『『?????』』』』』
全員はそれは一体何なんだと思っていると鈴音は重い口を開いてこう答えた。
「これを動かし続けるには高ランクの魔法師が必要となる事です。」
成程なあと全員はそう思っていた。
幾ら良いものであっても高ランクの魔法師をそんな事で使うなど国からすれば
ふざけるな国防が優先だろうと喚くこと間違いないからだ。
然し鈴音はそれに対してニヤリとこう答えた。
「ですので我々はそれに伴いとある方法でその問題点を克服することに
成功致しました。」
「「「「「!!!!」」」」
全員はそれを聞いてマジかよとそう思っていると鈴音は大型の機材を
操作して・・・あるカートリッジらしきものを見せてこう説明した。
「これには魔術刻印が刻まれておりこのカートリッジを差し込むことで
低ランクの魔法師数名でこれを動かすことが出来ました、更にこれは
半永久的に使える為アルバイトや副業の一環として使っても良しと言った
現在の低ランク魔法師も国家の役に立てるという意識を持つことが出来る
私はこのカートリッジにある無限の可能性に新しい社会が出来上がると
確信しております!」
それではと言ってマイクを下して礼をした瞬間に・・・3人に向けて
溢れんばかりの拍手が巻き起こった。
それはまさに彼らに対する・・・評価の表れでもあった。
次回は襲撃。