甘えん坊な(軽度な)変態美少女の天才アイドルが俺の幼馴染なんだが   作:勢いの願渡

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皆様お久しぶりです。

久々に創作意欲がわいたので書いてみました。
これからも頑張りたいと思います。



天才アイドルと梅雨

「……もうすっかり梅雨だねー」

「まあ六月だしね。

 今のうちにエアコンの状態とか見たいから日菜付き合ってよ」

「もー、仕方ないなあ♪ 

 日菜ちゃんがいっくんの彼女になってあげるよ!」

「目をキラキラさせてそんなことを言うんじゃない。

 エアコンが壊れてないかとかそういうのを確認するのを付き合ってくれと言っているんだ」

 

 分かってるよー、なんて少し拗ねたような言い方をする日菜。

 今日も今日とて、僕の家に来ていた日菜は相変わらずごろごろしたり、僕にちょっかいをかけたりと楽しそうではあった。だが、去年エアコンが壊れたことを思い出した僕は、早急に今のうちに壊れていないかを確認しようと思ったのだ。夏になり、壊れていると業者を呼ばなくてはいけない(結構高いためあまり呼びたくない)からである。

 

「いっくーん、なんかランプが点滅してるよー」

「あちゃー……やっぱり壊れてたか」

 

 リビングにあるエアコンが壊れているようだ。何故去年と同じところが壊れるのだ。と、文句を言っていても仕方が無いため説明書をみながら点滅の意味を確かめてみたりする。

 

「……完全な故障、か」

「前から使ってたしねー。

 前も壊れちゃったし業者呼ぶのもお金かかっちゃうし、新品買ったら?」

「それが一番いいよね……。

 んんん……とりあえず、しんどくなるまでは扇風機でなんとか凌ごう」

「いっくんってさー、なんだかんだあたしが家に来てること許容してるよねー」

「……日菜に何言っても通じないからね。

 ま、僕も日菜と一緒にいるのは楽しいから結局許容しちゃうってのもあるかもだけど」

「あはは♪ 

 じゃあこれからずっーと一緒にいてあげるね♪」

「そのヤンデレみたいなセリフはちょっとやめてくれる?」

 

 ぶーぶー、と言いながらソファに寝っ転がり始める日菜。湿気がすごいのか、今日の服装は上も下も半袖のようで寝っ転がるたびに上の下着が見えてしまいそうになるのでちょっとだけどきっとしてしまう。日菜は普通に見れば超可愛いという部類に入るため、そういう仕草は何年いても慣れないものなのかもしれない。

 

「いっくんも座ればいいのに」

「日菜が寝っ転がってるから座れないんだけどね」

「とか言いながら、下着見えないかなーとか思ってわざと立ってるんでしょー?」

「そんなことないよ。うん」

「それは流石にわかりやすすぎるよー? 

 あ、いっくん。あたしのスマホ取ってくれない?」

「はいよ」

 

 机の上に置いてある日菜のスマホを手に取ると、日菜が座り出してくれたので僕は日菜の隣に座り、スマホを手渡す。

 僕によっかかるように座り始めた日菜は、パスパレのみんなに返信したりしながら「今年の夏はどこへ行こうか」みたいな話を僕にしてきた。

 

「日菜なんかはパスパレで忙しいから出かけるのは難しいんじゃない?」

「んー……やっぱりそうかなあ?」

「だと思うよ、アイドルは違うね」

「むー……今はいっくんの彼女の日菜ちゃんだもーん!」

「お前のそういうところ変わらなすぎるな!?」

 

 ふふーんといった表情でこちらを見てくる日菜。勝ち誇ったような顔が若干むかつくがそこはまあ無視しよう。

 

「いっくーん、暑すぎてもうだめだよー……」

「何とか直したいんだけどね……流石にこれから毎日冷房なしはきついもん」

「まあそうだよねー……。

 あ! そうだ!」

 

 寝っ転がってると思いきや急に立ち上がってこっちを見てくる。顔はわくわくとした表情をしており、こちらからしたら何か下手なことを考えてそうで恐怖を感じてしまう。というか絶対にろくでもないことを考えているだろう。生まれた時からの幼馴染なのだ、そのくらいはわかる。何を言うかを恐怖の感情を抱きながら待つ。

 

「これから毎日あたしの家にいればいいじゃん! 冷房も効くしあたしとしてもいっくんと一緒に入れてWIN-WINだよ? さすがあたし! るんっ♪ ってきた!」

「いかねえよ、勘弁してよ……」

「えー、なんでなんで? いっくんが来たらおねーちゃんも喜ぶよ?」

「そういう問題じゃないでしょう」

 

 高校二年生の男女が同じ家にいるというのはかなり問題があると思う。日菜に関してはアイドルなわけだし。もし記者に抜かれたらどうするというのだ。

 

「でもさー、あたし結構な頻度でいっくんの家来てるし変わんなくない?」

「……それは確かにそうなんだけど」

「うん、言質とったからね~? おねーちゃんに連絡しておかないと」

「え!? ちょっと待って!」

 

 日菜がスマホを持って連絡しようとしたところを、僕は必死に止めようとした。その結果僕は日菜を押し倒してしまったのだ。日菜の顔もかなり赤くなっている。僕も実際体の芯から熱くなっている。

 やはりこう見ると幼馴染とか抜きにして日菜はかなり可愛いと思う。こんな顔を近づけたのも久々で……正直かなり恥ずかしい。でも僕はこの体制から戻るということを考えられないほど、彼女に見惚れていた。

 

「いっくん……流石に……恥ずかしいよ……」

「いや、これは……ごめん。すぐ退くね」

「でもこれはある意味チャンス……? うんうん、いっくんの気持ちはあたしにはよくわかったよ♪ じゃあ、ぎゅーしちゃうね?」

「うんごめんやめて本当に! 暑いの!」

「それはあたしに興奮してるからかなあ? いっくんのえっちぃ♪」

「離せ辞めろ変なこと言うな! 天才変態アイドル!」

 

 結局彼女は帰るまで離してくれなかった。まだまだ顔が熱いのは……日菜を女の子としてみてるからじゃない。単純に女の子慣れしてないからだ。そう思うことで僕はエアコンのきかない家で悶々としていた。

 

 

 

 

 あたしは家に帰ってきてからもいっくんに押し倒されたことをずっと考えていた。正直、いつもからかってきた相手ではあったし、好意的にも思ってる。ううん、はっきり言ってしまえば男の子として好き。それは昔からそう。おねーちゃんと仲が悪かった頃も彼はずっとあたしを支えてくれたし、あたしをみてきてくれた。幼少期のころからもそうだ。あたしの我儘にずっと付き合ってくれていて……。そんな彼があんな大胆なことをしてくるとは思ってなかった。結果的にはかなり嬉しいところはある。だが……

 

「うー……やっぱり恥ずかしい……」

 

 それはそうだろう。ずっと好きな男の子に(そういう意味でも何でもないけど)押し倒されたのだから。押し倒された後、あたしは普通の氷川日菜として振舞えただろうか。振舞えてなかったとしてあたしの気持ちがバレたら正直恥ずかしいから気づいては欲しくない。でも、やっぱりあたしも高校二年生。大体の恋愛漫画や小説などでは、この辺りで付き合い始めたりもしている。あたしだってそういうのは読む。個人的に好きだから。両片思いのところとか、結ばれるまでの間がドキドキしてるんとくる。いっくんともいつかそうなれたらいいなって思ったりもしている。

 

「これが漫画の女の子の気持ちかあ……」

 

 あたしは勇気がない。彼に思いを伝える勇気が。だって怖いもん。

 伝えて、付き合えたらそれはとてもうれしい。それはるらるんってすると思う(あたし的にるらるんはるんの一番上の言葉)。

 でも伝えてもし断られたら? そういう風に見たことないなんて言われたら、はっきり言って立ち直れる気がしない。新しい恋? 無理。

 

「そうだ、日菜ちゃんはここからいっくんに何とか恋愛的に見てもらうしかない!」

 

 あたしは俗にいう天才だ。辞書も本も何もかも一回読めばなんでも覚えてしまう。

 だからこそ人も気持ちというのは正直分からない。それはおねーちゃんと仲が悪かった時に痛感した。良かれと思ってやった行動が、裏目に出たのだ。

 もしかしたらいっくんもあたしと居ることでそういう気持ちになってるのかもしれない。でもでもだからってあたしは諦めたくない! 

 

「これからも頑張らないと!」

「何を頑張るの?」

「ひゃあ!? お、おねーちゃん!? なんであたしの部屋に?」

「ずっと呼んでたじゃない。何か考えてたの?」

「ん-……内緒!」

「……そう。早くお風呂入っちゃって」

「はーい。おねーちゃんも一緒に入る?」

「入らないわよ……」

「ぶーぶー」

 

 あたしはまだまだ熱い体を冷ますために水シャワーを浴びることにした。

 いっくん、見ててね。日菜ちゃんの虜にしちゃうんだから♪

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