童磨さんin童磨さん(一発ネタ)   作:こしあんあんこ

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リクエストにお応えしました。

啝ノ浦頂目さんからのリクエスト

「どMストーカー童磨さんとサドデレカナエさんとツンドラしのぶさん時々ヘマトフィリアカナヲ」


本編の設定と混ぜた感じ、2週目辺りの童磨さんです。だけどちょっとこのリクエストは難しかったので全然リクエストに沿えませんでした。これでお許しを……!!


リクエスト3

 私の両親はよく私を殴ってた、周りの兄弟も殴られて、泣けば蹴飛ばされるの、踏まれるの、引きずり回されて冷たい水に浸けられるの。翌朝には冷たくなって死んでいる兄弟が何人もいた。冬も放ってかれて、赤切れた手を擦り合わせて冬を越す。草を食べ、家の中を這いずる鼠を食べて生きてきた。ひもじくて、お腹が空いて、空いて、悲しくて虚しい、苦しい虚しい。

 

――そんな日々だった、だけどある日プツンと何かが音がしたら、何も辛くは無くなった

 

 何も反応しない私を気味悪がった両親は私を殴る。気持ち悪い、気持ち悪い。そんな言葉ばかり聞きながら両親の殴る腕を見続けた。口元から血が出て、投げられた茶碗で切れた腕を見る。何も感じなかったけれど、自分の血の匂いが好きだった。綺麗に流れた血に見入る、切れた腕を思わず舐めれば甘い甘い鉄の味がした。その時初めて、何故か何も感じない胸の内が温かくなるのを感じていた。それから傷付いた血を見れば舐めていたし兄弟の血も飲んでいた。ああ、美味しい美味しいと思っていたら、両親はますます気味悪がって、私を人買いに売り飛ばした。せいせいしたと笑う両親を見ても、……どうでもよかった。縄でくくられて、人買いに引っ張られていた。時折殴られたけれど血の味を感じれば連れられるままのどうでもいい生活も楽しく感じた。

 

――そんな生活も終わりを告げたのはある日の晩だった

 

 人買いの、首が目の前で飛んでいく。いつも通り金が稼げないと物言わぬ私に愚痴を零した仏頂面は死んだと気付かない様子で、顔が飛ぶ。首の断面からは大好きな血が溢れ出した。顔面にも生温かい血がかかるけど、思わず見入る、どさり、首から離れた胴体が崩れ落ちて勢いよく血が溢れ出す、縄を握る手が緩んだ、自由だけど、どうしても血が気になってしまう。こんな血の量は見たことがなかった。ああ、勿体無い。美味しそう、地べたに流れる血を舐めていると、気付けば男が立っていた。私と同じように血にまみれた男が金の扇子を広げて笑っている。

 

――ねぇ、どうして舐めているの?

 

 応えることに意味を感じられなかった、私は続けて血を舐めていると顏を無理やり上げさせられる。初めて、まじまじと男の顔を見た。虹色の眼がわたしをぎょろりと見ているけれど、私の興味はそこになかった。髪に混じった赤が、血をかぶったような模様の色に、私は魅入られた。思わず手を伸ばす。あはは、なんだか可愛いね、男は私を抱き上げて笑う。やっと届いた髪の毛を掴んで舐めた、だけど味がしない。何度舐めても味はない。面白いね、鬼はスッと少女を闇の中に連れ去った。

 

――連れ帰った少女は何も言わない、命令を聞く人形だった

 

 無表情で何が起きても動かない、お腹が空いても言わなければ食事を摂らなかった。可哀想に、きっと(ろく)な環境ではなかったのだろうと保護することにした。少女はただただ、受動的に何も求めず、何も言わずそこに座るだけだった。ただ一つを除いては。血を見ればその血を舐めて飲むのだ。時折嬉しそうに飲むその姿はまるで、そう鬼だ。人間なのに、鬼のようだった。

 

――――――――――――――――――

 

 童磨(どうま)は少女の目の前で信者の死体を見せつける。首の折れ曲がった死体に少女は興味を示すことはない。腕を引きちぎれば死んだばかりの死体からはとめどなく血が溢れ出す。急に熱い視線を感じる。物欲しげに見る少女に童磨(どうま)は微笑んだ。

 

――ほらあげる

 

 少女に腕以外の全てを与えた。腕の断面から零れる血を飲む少女に笑いかける。なるほど、鯉に餌を与えるのはこういう感じなのか。納得しながら口元を血で汚す少女に腕を食べる様子を見せつける。こうするんだよ、ブチブチと肉の繊維の切れる音を聞きながら、童磨(どうま)は食いちぎった肉を噛み始める。少女も真似をするように残った腕を噛み千切る。どうやら肉はお気に召さないようだ、ぺっと吐き出して千切れた傷口から溢れ出した血を吸い始めた。そうかそうかと納得しながら思いついたように童磨(どうま)はポンと手を叩いた。

 

――童磨(どうま)は少女に血の飲み方を教え込んだ

 

 頸動脈の位置から、首筋の美味しい部分、手首から足首まで隅々に流れる血の流れを話す。実際見ればいいかと考えて信者の何人かを殺して少女に見せながら説明をすれば少女は血のことに関してだけはみるみるうちに吸収していった。頭は悪くはないようだ、童磨(どうま)は口角を上げて少女の上達を褒めた。少女は唐突に童磨(どうま)に抱き着いた、どうしたの?首を傾げればくすぐったい感触を首元に感じた。見れば少女がガジガジと噛み付いている。強靭(きょうじん)な鬼の皮膚が人間の(あご)でどうにか出来る訳がない。結果、甘噛みとなって童磨(どうま)はくすぐったさに身を(よじ)らせる。実践かな、可愛いね。少女の行動が可愛くて童磨(どうま)は少女の頭を優しく撫でた。

 

――――――――――――――――――

 

 無表情な少女は少しずつ別の感情を取り戻す。拾ってくれた童磨(どうま)に対する敬意と服従心。そして血を飲むことの喜びと快楽だ。血を飲めばあの頃を忘れることが出来たし、自身が上であるという征服欲が満たされる。それを教えてくれた童磨(どうま)には頭が上がらない思いだった。あの日彼に出会わなかったら人買いが適当な人間に私を売り払って、もっと(ろく)なことにはならなかったに違いなかった。だからこそ今の幸せに少女は満足していた。

 

――敬愛すべき童磨(どうま)には想い人がいるらしい

 

 時折熱いため息を零し、たまにしか会えないと話してうなだれる様子は何故か、何も感じない筈の胸の中がざわついた。

 

――――――――――――――――――

 

 童磨(どうま)に連れられたある晩のことだった、いつになくウキウキした様子で歩く彼の後に従い歩けば一人の女性が少女の眼に止まった。誰かいます、少女の言葉に童磨(どうま)は喜んでそちらに向かった。……女性は二つ蝶の髪飾りを付けていた。刀を身に着けて蝶の羽織を羽織っている。まるで知人のように童磨(どうま)が話をし始めた。自己紹介から始めた童磨(どうま)を、戸惑った様子で相手も名前を名乗った。カナエと名乗った女性に童磨(どうま)は嬉しそうに話そうと笑いかける。話せば話す程にカナエは微笑んで童磨(どうま)も笑っている。仲睦まじそうな間柄にも思えた。……あの人が想い人、ざわりと胸の中が(うず)いた。しかし、それもすぐに無くなる事態に陥った。こそこそと内緒話をするように童磨(どうま)がカナエに耳打ちした瞬間、カナエの腰の刀が引き抜かれた。童磨(どうま)の甘い血の匂いがする。飲みたくても、飲ませてくれないモノの匂い。その匂いを作った人物は童磨(どうま)を睨みつけていた。

 

――相変わらず、認めてくれないねぇ

 

 金扇を取り出して、童磨(どうま)は笑った。……それからはあっという間だった。カナエは瞬く間に動かなくなった、童磨(どうま)は生かそうと慈悲を見せていたのに相手はそれを振り払ったからこうなった。息をしているがもう、ほとんど動けない。……そして、血の匂いを嗅いでひもじくなった。

 

――……お腹が空いた

 

 少女は仰向けに倒れるカナエの身を起こす。カナエは身じろいで逃げようとする。……絶対に逃さない。(あご)を掴んでカナエを見つめた。首元のボタンを外す。剥き出しになった首元の皮膚が晒される。鎖骨を優しく撫でて口元を首元に近づいた。息がかかったカナエは息を呑む。その息は大きく吸われて、歯が突き立てられた。甘い血の匂いと独特の味が広がった、噛んだ肉を噛みちぎって口内に残る肉を地面に吐き捨てる。ジンジンと痛むカナエをよそに、噛みちぎった首すじから重力に従って流れる血を赤い舌が這う。ゾクリと背筋を強ばらせたカナエの傷口までたどり着けばじゅるじゅると音を立てて吸い出した。ああ、飲みたくなったんだね。その横では童磨(どうま)が微笑んだ。

 

――――――――――――――――――

 

 何処かで、琵琶の鳴る音がする。気付けばあちこちでたらめに建物が入り組んだ空間に居た。上下左右でたらめで、自分がどこに立っているのか分からない。水辺の空間に居てもそれだけは分からなかった。傍に居た童磨(どうま)は慣れた様子で座り込み、誰かを待ちかねた様子で顔を手で覆い隠した。待ちきれない、といった様子で口角を上げて、くつくつと喉を鳴らす。……その虹色の眼は、いつか見た恋情の眼だった。目の前で扉の開く音がする。美しい人だった、身に着けた蝶の髪飾りと蝶の羽織が可憐な雰囲気を美しく飾り立てていた。カナエと名乗る、少女を思い出す。

 

――この人が、そうなの?

 

その横では恋焦がれて、待ち焦がれて、待ちかねたといった様子で童磨(どうま)は目の前に居る女性を歓迎した。

 

「待っていたよ、待ち焦がれたよ」

 

 君を、ずっとずぅっと、見ていたよ。童磨(どうま)の言葉に、少女の胸にズキリと痛みが走り出す。ドクドクと何かがうるさくざわついた。どうして、胸をキュッと握り締めた。お前が姉を殺したな、美しい女性が問いかける。童磨(どうま)はそれに応えるように悲しそうに語りかけた。カナエちゃんは、そう始まる童磨(どうま)の言葉に、姉妹だったのかと納得した。すると、しのぶちゃんと呼ばれた女性から突きが繰り出された。童磨(どうま)は武器を取り出すことはなく、大きく手を広げて歓迎した。頭に貫通するそれに少女は息を呑んだ。死なないと分かっていても、心臓に悪い。鬼にとっての毒を持っているらしいしのぶは刀を童磨(どうま)に突き刺した後、鞘に戻した。鞘に戻した後何か独特の音がする。童磨(どうま)の身体を毒が蝕むもすぐに再生させた。もっともっととしのぶの攻撃を更に受け入れる。受け入れる度に嬉しそうに童磨(どうま)は微笑んだ。応戦しよう、少女は持っている武器を振りかぶってしのぶに切りかかった。ねぇ、童磨(どうま)の冷たい声がする。童磨(どうま)をみれば冷たい表情でいつもの笑みはない。

 

――邪魔しないでよ

 

 身体を童磨(どうま)によって切り裂かれる。痛みと大好きな血の匂いでいっぱいになった。意識が遠のいていく、気付けば、童磨(どうま)の首が猪に切られていた。ドロリと溶けた童磨(どうま)の眼が合った。叫び声がする、自分の喉が引き裂ける感覚がする。首元に抜き身の刀を置いて、引いた。私の首からとめどなく血が溢れ出した、勢いよく噴き出す血と、抜けていく血で力が入らない。倒れこめば私の好きないつもの甘い匂いでいっぱいだった。

 




時々どころか、ほとんど出てるカナヲさんでした。

ちょっとサドデレカナエさんとツンドラしのぶさんは表現できなくて、散々悩んだ末がこれになりました。ヘマトフィリアカナヲ成分を強くさせてしまって申し訳ない。もうこれ以外思いつきませんでした……!!

これで、啝ノ浦頂目さんからのリクエストを完了させたものとして終わりとさせていただきます。

本編はもうちょっとお待ちを……!!
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