*この対話はテープに残されており、シンジに残したS-DATで聴いてもらえたらという希望があってのテープ収録にしたという設定。
原作よりもシンジ大好きなゲンドウさんですが話し方は原作よりです。シンジのことしか話しません。
釣りがしたかった話はゲームエヴァ2の釣りエンドネタです。
ネタバレありますので見たくない方は注意です。
ゲンドウさんは本当は親バカではと想像しながら書きました。
この記録はきっと息子には届かないだろう。
だが、私の想いを残しておきたいが為に記録する。偽りない気持ちをしっかり残しておくためのものだ。それを理解して聞いてもらえたらありがたい。
そして、もしこの記録を聴いてくれているのがシンジなら嬉しい。
「じゃあ、はじめます。えーと、ゲンドウさんは息子さん、シンジ君と再会した時どんな気持ちでした?」
「……複雑だった。自分から呼び出しておきながらエヴァに乗れとしか言えず。本当は久しぶりだな、と声をかけてやりたかった」
「なるほど、本心ではシンジくんに会えて嬉しかったわけですね」
「ああ」
「でも、言うことはできなかったと。何故できなかったんですか?」
「怖かった。何年も会っていない息子に急に優しくして拒絶されるのが怖かった」
「だからあえて冷たい振りをしたんですか」
「そうだ。だが、わだかまりさえなかったら
優しいことの一つだって言いたかった。食事に誘って学校の話や日常の何気ない話を色々したかった。」
「ではあなたはシンジくんに対して愛情があったと」
「あるさ、なかったらこんなことは、言わない。」
「しかし、ゲンドウさんが自らシンジくんを何かに誘ったり、会話したりということはなかったと聞いてます。」
「恥ずかしいという気持ちも少しあった。
もし、私に俺に勇気があったなら釣りに誘ってのんびりシンジと過ごしたいなんて考えたりもしたんだ。シンジと2人並んで釣りをしながらビールを飲む。最高じゃないか」
「親子の団欒を楽しみたかったんですね」
「ああ、団欒とまではいかなかったが一緒にユイの墓参りをしたのは唯一の思い出になった。話はあまりできなかったが」
「ユイさん。ゲンドウさんの奥さんは何か言ってましたか?」
「シンジをよろしく頼むと、頼まれた割にシンジには家族らしい父親らしいことは何一つしてやれなかったのを後悔してる」
「そうですか。奥さんからシンジくんのことを頼まれているのに親らしくできなかったのが悔しいと。では、してあげたかったことを教えてください。」
「授業参観に顔を出してやる、一緒に夕飯を食べる。気晴らしにハイキングに行く。釣りもだな。あとは、シンジの気持ちを受け止めてやることだ。俺に対しても今まで辛かったことにしても話をしっかり聞いてやること。それが一番してやりたいことかもしれない」
「たくさんあるんですね。話を聞いてあげたいというのはやはり2人で話す機会がなかったからですか?」
「そうだな、シンジと2人で話すことはあまりなかった。とにかく放って置いただけ心の溝が深くなってしまったのが原因だと思う」
「仲直りしたいですか?」
「……できるならば、だが息子がそれを許してくれるとは思わない。きっとシンジは私のことを嫌いだろうからな」
「それはシンジくんと話してみないとわからないんじゃないんですかね?」
「そうか…何かのきっかけがあればシンジと和解できるのかどうなのか。できるならしたい」
「では、最後にシンジくんに対するメッセージをどうぞ」
「シンジ私はお前に対してひどいことをしてきた。お前にとってはどうしようもない父親だろう。だが、俺はシンジともっと話しかった。
本当は父親らしくふるまいたかった。一緒に色々な所へ出かけたかった。もっと褒めてやりたかった。ねぎらってやりたかった。
それだけはわかってくれ。わかってくれないかもしれないが、本当はそういうことをしてやりたかった。だが、素直になれないままお前を、傷つけることばかりしてしまった。本当にすまない」
「俺はシンジのことが好きだ。それを伝えたかった。」
「ありがとうございました」
20××年某日。某所。
愛しい息子へ。碇ゲンドウより。
終わり。
読んでいただきありがとうございます。
一気に書き上げたので整合性ないかもです。
父親の気持ちは実は深く素直になれないってあるんじゃないかなと
これは別作品であったのでそれのリスペクトという形で書いてみました。