異世界転生をして勇者を救いに来た   作:杜鵑草

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タイトルなんですけどいいのが思いつかないんですよね。
まぁ仮名みたいなものなのでサムネみたいな感じにしてます。

投稿が遅れた理由は物語を練っていました。
このペースで行くと30話ぐらいで終わりそうです。
頑張ります。



第5話「もしかしたらチョロインなのかもしれない」

 

街の入口。そこには住人が集まっていた。

 

「寂しくなるなぁ」

 

白衣のおっさんが俺に言う。

 

「世話になったな。まぁ落ち着いたらまた顔を見せに来るよ」

 

アーシアの仲間になってから1週間程経った。

その期間中はクレーゼ王国や魔王のことを教えてもらったり、俺自身の魔法適正を調べたり、戦闘に役立つ鍛錬なんかをしていた。

魔法適正ではアーシア曰く、俺には魔法適性が全くないらしい。

適性がないのに絶対魔法耐性や超回復って言った特殊能力みたいなものが使えるのは何故なんだろうか。

自分自身にはまだまだ謎が多い。

 

鍛錬の方では「どうせ治るから」とアーシアが言ってボコボコにされながら護身術などを学んだ。…あの女は可愛い顔して容赦がない。

でも俺は戦闘に関してはド素人のため、少しでも知識をつけておかなくてはならない。バルと戦った時もほとんど特攻だったしな。今後、相手にするのは魔王。少しでもアーシアの役に立てるようにならなくてはならない。

 

そして今はアーシアとこのクレーゼ王国の王都へ向かおうとしていた。なんでも龍と魔王幹部が現れた現状報告を送ったところ、王直々から招集がかかったらしい。

俺は馬車に必要な荷物をつむ。

 

「おじさん。お世話になりました。本当にありがとうございました」

 

アーシアが白衣のおっさんに言った。

 

「いやいや、アーシアさんがいてくれたおかげで俺達は生きてるんだ。こっちこそお礼を言わせてくれ。ありがとよ」

 

アーシアが龍と魔王幹部から救った街は復興中だった。

アーシアは王都へ連絡を送った際に街の復興の資金を申請していたらしい。

 

「兄ちゃん!アーシアさんをよろしく頼むぜ!」

 

おっさんが俺に言った。

 

「任せとけって!じゃあな!」

 

そう言って俺達は住人に見送られながら街をあとにした。

 

馬に引かれ馬車が進む。こんな体験ができるなんて初めてだ。

割と揺れるんだな。少しワクワクしてきた。

そんなことを思っているとアーシアが言った。

 

「王都に向かってる最中でも襲われる可能性があるから注意しておいて」

 

確かにあれから1週間が経ったんだ。向こうが何らかの行動にででもおかしくない。

 

「戦闘時は私と一緒に戦ってもらうけど、もし1人で戦わないといけなくなった時は逃げて欲しいの。あなたは魔法を無効化したり圧倒的な回復力があるけど攻撃手段が限られてるし、急所を狙われたら終わりだから」

 

どうやら俺の心配をしてくれているみたいだ。

アーシアなりの精一杯の優しさだろう。

まぁ俺はそんな戦力にはならないから当たり前だよなぁ。

早く肩を並べて戦えるぐらいまで強くならないとな。手段はわからないが…どれだけ時間かかるんだろうか…

 

「心配してくれてありがとな。早く強くなれるように頑張るよ」

 

そう言い俺はため息を吐いた。

 

するとアーシアが申し訳なさそうに言う。

 

「ごめんなさい…別に強くなって欲しかった訳じゃなくて…ただ…いなくなって欲しくないから…」

 

アーシアが申し訳なさそうに言った。

 

「いや、今のままじゃダメなのは分かってんだ。早く…早く強くならないと」

 

俺は勇者の仲間になったわけだからな。防御が得意なだけはちょっとカッコ悪いし。

 

するとアーシアが俺に言う。

 

「強くなれるかはわからないけど、あなたの絶対魔法耐性。あれは魔法を無効化してるんじゃなくて、あなたの体が魔法をはね返してる様に感じたのよね」

 

「俺の体が魔力をはね返してる?」

 

今までは魔力自体を消失させて無効にしてると思ってたけど、どうやら違ったらしい。でも確かにバルの攻撃は辺りが爆発していたしな。

魔法壁が壊せたのは俺が触ることで形を留めることが出来なくなったからだろうか。

 

「レイジは特別な力があるんだから、その特徴をしっかり押さえて活用すること。大切だからちゃんと覚えておいてね」

 

アーシアが進研ゼミの漫画に出てくるセリフのような感じで言った。

でも確かにその通りだ。せっかく珍しい能力があるんだ。それを最大限に活かさないと俺の意味がなくなる。

 

「あぁ、ありがとな。アーシア」

 

俺はアーシアに礼を言った。アーシアは少し恥ずかしそうにしていたが、嬉しそうでもあった。

一人旅が長かったからか、話す機会が少なかったのかもしれない。

 

「王都にはどんくらいで着くんだ?」

 

俺はアーシアに言った。

 

「だいたい3日ぐらいかしら。野宿もするから覚悟しておいてね」

 

そんなにかかるのか。まぁ前に地図見せてもらったけどこの大陸でかかったからなぁ。中心の王都へ行くだけでも大変だ。

 

「王都に着いたら挨拶しておいた方がいいよな?」

 

「シャルト王に?そうね。あなたは私の仲間になったから必要ね」

 

王様に挨拶かぁ。緊張するなぁ。

なんせ世界を救った英雄の生き残りだからな。

失礼のないようにしないと。

 

「そーいや、王様はなんで俺たちに招集をかけたんだろうなぁ」

 

「私が戦ったものが龍と魔王幹部だからでしょうね。特に龍なんて初代勇者が絶滅させたって話があったから有り得ないことなのよ。それに魔王も関係してそうだからね」

 

龍の襲撃と魔王幹部の襲撃。たまたまにしちゃ出来すぎているタイミングだったからな。

 

「俺はここへ来る前だったから知らないんだけど、龍ってのはそんなにやばいやつなのか?」

 

「知ってると思うけど、終焉を意味する災害とされてるわ。龍が暴れた大陸は半分が滅ぶと言われていたわ。私が見たのは恐らく覇龍って名前の龍だと思う。昔、王都の本で見た事があったから」

 

覇龍…アーシアはよくそんなのを倒せたな。

それを倒す勇者ってのはやっぱりめちゃくちゃ強い存在なんだな。

もしかして俺はいらないんじゃないのか…?

 

そんなことを思っているとアーシアは続けて言った。

 

「…あなただけには本当のことを伝えておくわ」

 

「どうした?もしかして…俺は必要ないとか…!?」

 

「いや…違うわよ…どれだけ卑屈なのよ…」

 

良かった。ここで否定されなかったら泣いてた。

 

「私は覇龍を倒してないの」

 

「えっ!?どういうことだ!?」

 

「確かに私は覇龍と戦っていたわ。でも圧倒的な戦闘力の前に諦めかけていたの。そしたら急に覇龍の姿が消えて…私も用心してあの街にいつもより長く滞在してたんだけど、結局何も無かったの…」

 

覇龍は倒されていない…でも姿なんてどこにもなかった。

アーシアでも圧倒的されるほどの力を持った覇龍が急に消えるなんてことが有り得るのだろうか。

 

「心当たりがあるとすればこの剣ね…」

 

アーシアはそう言って聖剣へ視線を向けた。

 

「聖剣ヴァルキリーブレイド。世界で4本しか見つかってない魔法剣。この剣は最近見つかったものでまだ能力が完全に分かってはいないの。もしかしたらこの剣の力で覇龍をどこかにやったのかもしれない…」

 

アーシアは元々剣術が上手い。聖剣もその技術で扱っている感じで、ただの剣って感じがしていた。

でも世界に4本しかない魔力がある剣だ。もしかしたらとてつもない力があるかもしれない…いや、あるに決まっている。

 

そして俺はアーシアに言う。

 

「要するに俺達はまだまだ強くなれるってことだな」

 

するとアーシアが頭を抱えて言った。

 

「レイジは前向きなのか卑屈なのかわからなくなる時があるわよね…」

 

そうだろうか。でも過ぎたことを考えるのは無駄だと思う。

 

「でもそこがいい所でもあるわ」

 

アーシアに笑いながら褒められた。少し照れくさい。

なんだかんだ1人じゃ寂しかったんじゃないだろうか。

俺はそんなことを思った。

 

日が落ちて夜になったため、野宿をすることになった。

俺は前の街で貰った食材で料理を作った。

日本では一人暮らしだったから料理は多少はできる。

アーシアには絶賛だったようで良かった。

 

そして寝る時間では見張りを交代でしており、俺の番の時だった。

アーシアが俺のところへ来て座った。

俺が言った。

 

「どうした?眠れないのか?」

 

「いや、ちょっとね…」

 

「まさか…おばけ怖いとか?」

 

聖剣で殴られた。それ聖剣だぞ?

アーシア言う。

 

「…ちょっとまだ話してたかっただけよ」

 

「あぁ、寂しかったのか」

 

また殴られた。照れ隠しだろう。

するとアーシアが素直になって言う。

 

「こんなに話したのは久しぶりだから」

 

そうか。アーシアはずっと1人だったからな。

本当は人と話すことが好きな優しい女の子なんだよな。

俺は会話に付き合う。

 

「アーシア。俺は絶対お前を1人にしないし、絶対に死なない。約束するよ」

 

「何それ新手の求婚?残念だけど私は勇者だから無理よ」

 

アーシアが笑いながらからかってきた。

 

「ちがっ!せっかくいいこと言ったのに茶化すなよな…」

 

アーシアが笑いながら言った。

 

「ありがとね。レイジ」

 

言い出したのは俺だが恥ずかしくなってきた。

でも俺はアーシアの支えにもならないといけない。

そのためにはこれから頑張らないといけないな。

 

すると突然、何かに気づいたアーシアは身構えた。

 

「レイジ!気をつけて!」

 

「へ?ぐはぁっ!」

 

茂みから何か突風のようなものが俺に向かって飛んできた。

俺は無様にも逆側の茂みへ吹き飛んで行った。

 

「さっきのがアンタの仲間か?流石に弱過ぎないか?」

 

「んー。これだったら奇襲じゃなくで行けたんじゃないかなぁ」

 

茂みから声が聞こえ二人の男が現れた。

魔王の仲間だ。

 

1人は刀を持っており、つんつん頭でバンダナをしている。

もう1人は手に風を纏っており、ニヤ面の糸目だ。

 

アーシアは言った。

 

「急に不意打ちをしてくるなんて魔王の仲間は正々堂々と戦って勇者に勝つ自信がないのかしら」

 

アーシアが聖剣を抜き、構える。

刀を持った男が言う。

 

「仲間を1人やられたってのに随分と余裕そうだなぁ。やっぱり勇者の仲間ってのはただのコマなのか?」

 

「やめなよディル。ごめんよ勇者アーシア。この人はいつも人を煽りながら話す癖があるんだ」

 

(ディル…それがこの男の名前ね。刀を使うようね。もう1人は魔法かしら…)

「別に気にしないわ。そんなことより自己紹介でもしてくれたら嬉しいのだけれども?」

 

すると刀を持った男が言った。

 

「そうだな、俺はディル=スティンガー。魔王幹部のひとりだ。魔王の命令でお前を殺しに来たってわけだ」

 

隣の糸目の男も言う。

 

「同じく魔王幹部のハネス=ライオット。よろしくね勇者アーシア。それよりさっき僕が魔法で吹き飛ばした仲間は心配しなくていいの?直撃したし、ほっといたら死ぬよ?まぁ君も直ぐにいけると思うけど」

 

するとアーシアが笑いながら言う。

 

「やっぱり魔法だったのね。なら心配しなくても大丈夫よ」

 

「どういうことだ…?」

 

ディルがそう言うと後ろから気配を感じた。

 

「不意打ちとは卑怯じゃねぇか!!!」

 

レイジがディルに殴りかかった。

鞘に納められた刀でガードされた。やっぱり俺の力じゃ届かないか。

 

ハネスが言う。

 

「なんで生きてるの!?僕の魔法は確かに直撃したのに!?」

 

「落ち着けハネス。どうやら伝えられた情報には誤りがあったらしい。この男…何か特殊な力を持ってやがるぞ」

 

俺は勢いでアーシアの元へ戻る。

 

「行くわよレイジ!死なないでよね!」

「当たり前だ!!」

 

魔王幹部2人との戦いが始まった。

 




最初にいた街の名前、最後まで決まりませんでした。
クレーゼ王国はアジアやアフリカみたいな感じで大きな大陸の名前です。
最初にいた街は日本の愛知みたいな感じです。
大陸の大きさは全く決めてないです。ただめっちゃでかい(小並感)
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