花園チルドレンのヒーローアカデミア   作:ホワイダニット

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雄英入学初日から始まります。


二匹目

プロヒーロー兼雄英高校の教師をしている私のお姉ちゃんことミッドナイトの朝は弱い。どれぐらい弱いかというと、目覚ましだとまず起きない。だから昔から毎朝私が起こしてる。

 

「ほら、お姉ちゃん起きて。起きないと朝ごはん食べる時間無くなっちゃうよ」

 

「ん~、あと一時間」

 

「お姉ちゃん!?それだと学校遅刻しちゃうよ!」

 

 

駄々を捏ねるお姉ちゃんをなんとか起こしたあとは一緒に朝ごはんを食べます。

 

狼駆(おうか)、今日から雄英の登校初日だけどなんなら私が送ってこうか?」

 

お姉ちゃんの車はバリバリのスポーツタイプで本人曰く『どうよ!一台二千万のスポーツカーよ!これなら狼駆に追走できるわ』と自慢気だったが日本の下道では無用の長物な性能だったり。

 

「うーん、雄英までの道確認しときたいから今日は走って登校するよ」

 

お姉ちゃんと一緒に登校という魅惑的な提案には乗りたいけどここは涙を飲んで我慢。

 

・・・

 

家から走って(・・・)学校まできたけどまだ早かったらしくクラスメイトはまだ半分位しか来ていない。

 

「やっほー!こっちこっち!」

 

触角の生えた全身ピンクの女性徒が手を振って呼んでいるのでそちらに向かいます。

そこには五人の女性徒がいました。

 

「おはよー、私は芦戸三奈、よろしくー!」

 

私を呼んだピンクの人、もとい芦戸さんが元気に

挨拶。

 

「おはよう、私は香山狼駆、よろしく」

 

挨拶されたので私も挨拶を返すと。

 

「ケロッ、私は蛙吹梅雨、梅雨ちゃんって呼んで」

 

カエルっぽい印象の梅雨ちゃん。

 

「私は葉隠透だよ!よろしくねー!」

 

学校の制服しか見えない、多分透明人間みたいな“個性”の透ちゃん。

 

「うちは耳郎響香、よろしく香山」

 

第一印象が音楽をやってそうな響香ちゃん。

 

「わたくし八百万百といいます、これからよろしくお願いしますね」

 

15才にしては中々のスタイルをしている八百万さん…身長は少し私が負けてるかな?胸は断然私だけど……それぞれ自己紹介をしてくれる。

 

「A組の女子はこれで全員ですか?」

 

「いえ、A組の女子の生徒数は7人だそうです。ですからあと1人ですわね」

 

あと1人、どんな子だろう。

 

「そういえばさぁ、狼駆って試験の時にあのでっかい仮想ヴィランぶっ飛ばしてたよね!?」

 

「えっ!ほんと!?」

 

どうやら芦戸さんは同じ試験会場だったみたいで女子6人でのおしゃべりが始まりました。

 

皆の呼び方は八百万さん以外ちゃん付けになりました。

 

 

・・・

 

おしゃべりをしているとあっという間に時間が進んで、もうすぐ始業時間が迫って来たからおしゃべりを一時中断してそれぞれ自分の席に戻ったんだけど。

 

 

「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」

 

なにやら眼鏡をかけた生真面目そうな男子生徒が目付きの悪い、…ってあれヘドロ事件のニュースで見た爆豪って男子だ。に突っかかっていた。しかも爆豪は生真面目男子もとい飯田にどう聞き取ってもケンカを売っていてどう聞いていてもヴィランにしか見えなかった。

 

飯田と爆豪のやり取りを見ている間に最後の女子と緑色の髪をした地味めな男子生徒に寝袋に入った人が教室に入ってきて。

 

「担任の相澤消太だ、よろしくね」

 

寝袋から出てきたのは全身黒いくたびれた服に手入れしてないっぽい髪と髭、どう見ても不審者か路上生活者な見た目の男が教壇に立って…って担任だったの!?

 

「早速だが、体操着着てグラウンドに出ろ」

 

突然の相澤先生の指示に従いジャージに着替えてグラウンドに集合すると相澤先生はこれから個性把握テストを行うと言い出した。種目は八種類。

 

「香山、中学の時、“個性”を使用しない測定やったろ。ソフトボール投げ何Mだった」

 

「52Mです」

 

“個性”を使わないならいくら私でも一般平均とあまり差はない……たぶん。

 

「じゃあ、“個性”を使ってやってみろ。円から出なきゃなにしてもいい」

 

先生から何をしてもいいと言われたのでボールを“個性”込みで普通に蹴った(・・・)

 

「1083.6M。なかなか優秀だな。まず、自分の「最大限」を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段だ」

 

千メートル弱、思ったより伸びなかった。やっぱり全力で蹴るより瞬発を使った方が良かったかもしんない。

 

「スゲー!!千メートル越えかよ!」

 

しかし、そんな記録でも“個性”が使えるのが楽しみなのか男子が面白そうと興奮しているとそれが相澤先生の何かに触れたのか総合で最下位だった生徒を除籍すると言い出した。

 

最初の種目は50M走、これは私が好きな小説からがんばって修得した『瞬発加速』で1.36秒。握力は246㎏。八百万さんは“個性”で出した万力を使ってたんだけど先生からはなにも言われてなかったからああいうのも有りらしい。50M走の記録について眼鏡をかけた飯田が話しかけてきたけどよく分からなかったがどうやらライバル認定されたらしい。反復横飛びですごい記録を出してたちっさい男子は私達女子を気持ち悪い目で見てたんだけど直ぐに梅雨ちゃんにシバかれていた。うん、気持ち悪るかったからね、仕方ないよね。

 

他のテストも恙無く進行したんだけどハンドボール投げで緑色の髪の緑谷が指を痛めながら700M台の記録をだしていた。

 

一位二位と順位が発表された所で相澤先生が最下位の除籍は合理的虚偽…誰も除籍しないと笑っていた。先生、笑顔がちょっと怖いです。

 

あと、校舎の隅から誰かを見守るようにオールマイト先生が覗き見してたのってなんだったんだろ?





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