結果から言えば用事で雄英高校に来ていたヒーローとオールマイトの活躍により襲撃して来たヴィランのほとんどは逮捕された。しかし、首謀者と思われる死柄木弔と黒霧と名乗る男を取り逃がす。生徒に死傷者はおらず、唯一大怪我をしたのは自身の“個性”を使った緑谷出久のみであり、脳無と呼ばれるヴィランの相手をしていた香山狼駆は体力を使い果たし気を失うに事となった。
そして保健室では。
「……ここ、は」
「あっ、香山さん起きたんだね。ここは保健室だよ、僕達はヴィランの襲撃の後ここに運ばれたんだ」
オールマイトの知り合いの刑事との話も終わった緑谷とオールマイトは脳無との戦闘で体力を使い果たし気を失った香山が目を覚ましたのを確認した。
「そう、緑谷はその…足は大丈夫なの?」
「ああ、これ?全然平気。リカバリーガールが治してくれたから。それより香山さんは大丈夫?いきなり倒れたみたいだけど。リカバリーガールはどこも怪我してないって言うし」
「……えっと、気絶したのは……その、体力を使い果たしからで」
その言葉に反応したのかお腹の音が彼女からなり、恥ずかしくなったのか、香山は話題を変える事にした。
「///わっ私の事はいいから。それで、どうしてオールマイトも保健室のベッドにいるんですか?」
香山はトゥルーフォーム状態のオールマイトに声をかけた。
「なっ、何を言っているんだいガール!」
「そっそうだよ!こんなガリガリな人がオールマイトな訳ないじゃないか!?」
緑谷とオールマイトはあわてて誤魔化しにかかった。
「二人とも知り合いや友達に嘘が下手って言われない?それじゃあ認めてるみたいなものですよ」
が、彼女には二人の稚拙なその場しのぎは通じなかった。どうやらトゥルーフォームの自身をオールマイトと確固たる認識をしている彼女には嘘や誤魔化しは通用しないとあきらめたオールマイトは自身の体の事を彼女に話した。勿論ワン・フォー・オールの事は伏せたが。
「そうですか」
「だから…ねっ、この事は内緒にしてほしいんだNo.1ヒーローの普段の姿がこんなガリガリだなんて格好がつかないからね」
「それは構いません。誰にも他人には秘密にしている事の3つや4つはありますから」
「香山少女、普通は一つや2つではないのかな?」
「まあ、普通はそうでなんですが……ああ」
香山はため息をつくとドアの方へ視線を向けた。
「すいません、少し騒がしくなるかもしれません」
そう言う彼女の耳はピョコピョコとドアの外を気にするように動いており。
「ネイメア、鞄と食料を持って来ましたよ。どうせ体力使い果たして動けないでしょうから帰りにファミレスで食事をしてから帰りますよ」
ドアを開けて開幕誰かが居る可能性だとかここは保健室だろうとかを無視して膝近くまで伸びた黒い長髪と香山以上の胸と身長を携えた少女が入って来た。
「豊、せめて他に誰かいないかを確認してからにしません?」
香山から注意を受けるも豊と呼ばれた少女は持って来たカロリーバーを香山の口の中に押し込んだ。
「そう言うのは後です。全く、気を失うほど体を酷使したらダメだって言ったじゃないですか、ただでさえ“個性”が中途半端にしか目覚めていないんですから、ペース配分には気を使わないといけないって自分で言ってましたよね」
・・・
オールマイトと緑谷出久は二人して蚊帳の外にいたがある言葉を聞いて話に割り込むことにした。
「割り込んですまないが、今少々気になる言葉が聞こえたんだが?えっと、すまない君の名前はなんというのかな」
「一年サポート科の浅間豊といいます。えっとあなたは?」
「私かい?私は八木という、一応雄英の職員をしていてね、今後も会うことがあるかもしれないがよろしく頼むよ」
「よろしくお願いします」
「本題に入る前にまず、香山…ニュアンスから君が言っているネイメアとは香山少女の事でいいのかな?」
「はい、そうですねそれであってます」
「わかった、ありがとう。それで、“個性”が中途半端とは一体どういう事かな?」
「それはですね…………」
豊は香山の“個性”について語って聞かせた。
「…なるほど。そういう“個性”か、自身の置かれた生活環境で強さが変動する“個性”。自分の努力次第で“個性”は伸ばすことが出来るが環境に強さが明確に
左右される“個性”は珍しいね」
「ですのでそろそろ母さん達に鍛え直して貰いたいんですがネイメアが向こうから来ない限りこちらからは行かないと意地を張ってしまって」
「?どういう事だい、香山少女の親御さんは香山少女を鍛えらるほどの人物なのかな」
「豊。情報は正しく伝えないと、それでは八木さんは勘違いをします」
「?……ああ、なるほど!えっとですね。この場合の母さんって言うのはですね、育ての親ではなく産みの親と言う意味の母さんです」
「産みの親……そういえばミッドナイトには血の繋がらない妹がいると言っていたね。なるほど、香山少女がそうだったのか」
その後も豊は狼駆を説得したり脅したりした結果、狼駆はこのままではいけないと生家へ足を運ぶ事にした。
「それで?抵抗するのはもう諦めるとして一体何時いくんです」
「そうですね。丁度明日学校が臨時休校になりましたから明日にしましょうか。序でにアンジー達も誘って皆で行きましょう!」
「待ってください!?それ絶対私が逃げないようにする為の布陣じゃないですか!」
「ネイメアの事ですから直前になったら絶対逃げ出しますよね?恥ずかしいとかまだ会うべきじゃないとか言って」
そう言われて思わず目をそらすネイメアもとい狼駆。そこになにやら考え込んでいたオールマイトが……
「その訓練なんだが、この緑谷少年も参加させてはくれないか。彼はまだ“個性”を上手く扱えなくてね、勿論無理にとは言わない」
「オーっ、八木さん!?」
オールマイトの突然の提案に驚く緑谷。
「いいかい緑谷少年。君は早急に“個性”を最低限にでも扱えるようにならなければならない。それにね、君の師匠も何時でも君の事を見ている訳にはいかないからね」
オールマイトも教師という立場上四六時中緑谷に付きっきりという訳にもいかないが故の提案だった。
「八木さん……わかりました。」
「それで、どうかな?浅間少女お願いできないか」
「そうですね。こういった事は一度大人の人に聞かないといけませんね。指導出来る大人の方がいるのか、いたとしても予定が空いているのかOKを出してくれるのか。とりあえず一度聞いておきますね」
そう言って豊は一度保健室から出て行きましたけど、一体誰に確認を取るつもりでしょう?。
「すまない香山少女。話に割り込んでしまって」
「いえ、それは構いません。緑谷の“個性”は早い内にどうにかしないといけない事ですし、このままの状態が続く様なら私から声をかけるつもりでしたし」
「香山さん……」
「流石に目の前で何度も大怪我をされたのではこちらの精神衛生上良くないですし」
ぐっと仰け反る緑谷、幾らか精神的ダメージをおったらしい。そこへ豊が戻ってきて。
「連絡がつきました、大丈夫だそうです。丁度母さん達と宗茂さんが明日事務所にいるそうなので特訓に付き合ってくれるそうです。それで緑谷さん、明日の朝七時半に校門前に集合という事でいいですか?」
「はっはい!?よ、よろしくお願いします!」
「はい、よろしくお願いしますね。それじゃあ私達は先に失礼します、また明日ですね」
「緑谷も大変でしょうが得るものが在る事は保証します。お互い頑張りましょう」
その後、豊と狼駆は帰りにファミレスに寄る予定だったのを焼き肉の食べ放題に変更し、狼駆はその店を出禁になったそうな。