“羅生門”使いです。このすば世界で生きます 作:たわかなはたやかや
私は死んだ、死因はがんさ、日本人の二人に一人はなると言われている死の病。見つかったときにはステージ4で手遅れだったよ。そのままポックリ逝っちゃったってワケさ。
死んだらどうなるんだろうって思ったら白い空間にいた。目の前には白髪の美女が大きな椅子に腰かけていた。
「ようこそ死後の世界へ、
そう言われて改めて私が死んだのだと思わされた。短かったなぁ、私の人生。
「.....あの.....私、うまく言えてましたか?」
「.....んん?」
まあ、私的には良く言えていたと思うのでイエスと答えておく
「本当ですか!良かったぁ.....私この仕事するの初めてで.....」
「へぇ、凄いですね。才能ありますよ」
「い、いやぁ.....えへへ.....っていけない!脱線してしまいました、申し訳ございません!」
いや、私からすれば全然いいのだが。
「.....コホン、若くして死んでしまったあなたには二つの選択肢が与えられます、一つはこのまま死んで天国に行くか、もうひとつは別の世界に転生するかです。」
女神様がちゃんと言えたとばかりに胸を張る。その様子が可愛らしくて、ここが天国と錯覚してしまった。
「天国とは極楽浄土の事かな?」
「そちらの世界で言えばそうなりますが、実際の天国には本当に何もやることがありません、死んでしまっているから食事も睡眠も必要ありませんし、やることと言えば日向ぼっこか他の魂とのんびり会話するくらいです」
何そのおじいちゃん天国、私も最後は似たような生活をしていたけれども。
「別の世界と言うのは?」
「その世界では人間と魔王が争っていまして、今人間側が圧されているんですね、だから日本人の死者の方にひとつだけ誰にも負けない特別な力、いわゆるチート能力を授けてその世界で魔王を倒してもらおうって訳です。」
魔王、か.....夢物語みたいな話だな。現実味がないが嘘であれば女神様がわざわざ死者の私に言う筈も無いのだろう。
「.....後者で。」
私は、転生することを選んだ
「えっ.....!いいんですか!?日本と違って猛獣が森に海に草原に解き放たれているんですよ!?いつ死んでしまうかわからないんですよ!?」
「君は私に誰にも負けない特別な力を与えてくれるのだろう?ならば大丈夫だよ」
「.....はい、そうですね!じゃあそうしましょうか!」
女神様はそう言うと、指を鳴らし三冊の分厚い本を出現させる
「この三冊の本の中から選んで下さっても結構ですし、漫画や小説のキャラクターの力が欲しいといった場合は私に言って下されば。」
ぴくりと私の耳が反応する。つまりは某有名漫画の主人公の力を得たり、自分が一度でもなってみたかったキャラクターの力を使えるようになると言うわけだ。
「文豪ストレイドックスを知っているかい?」
「はい!武装探偵事務社とボートマフィアの話ですよね?」
まあ、ざっくり言えばそんな話だ。
「あの作品が漫画の中で一番好きでね、特に芥川竜之介の羅生門を使ってみたいと思っていた。その力を再現出来るかい?女神様。」
「はい、大丈夫ですね、それじゃあそこの円の真ん中に立って下さい」
女神様が指さした方向に向けばいつの間に用意されていたのか、アニメでよくある召喚陣があった。
私はスタスタと歩き、召喚陣の真ん中に立つ
「これでいいかい?」
「はい!それではあなたの人生がいいものでありますよう.....ブレッシング!」
私の体の周りに鱗粉みたいなものが舞う
「何だ?」
「直にわかりますよ、行ってらっしゃいませ。」
その言葉の意味を推測している内に私は別の世界へと旅立つのだった――