“羅生門”使いです。このすば世界で生きます   作:たわかなはたやかや

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こんにちは異世界

気がつけば私は町の真ん中にいた。あの女神様、転生する場所までいいところを選んでくれるとは...ありがたいことこの上ない。

しかも魔王に圧されている割には住民たちは楽しそうだ。なんだ、私がいなくても平和なのではないか?

そう思っていたら突然背中を誰かに押された、この世界でも私はひ弱ならしくしりもちをつくくらいにはこたえた。

 

「あいたた.....あっ!すみませんすみませんすみません.....」

 

少々破廉恥な服装を着た女性が私の目の前ですみませんを連呼し始めた。それで理解する。私は女性とぶつかるだけで尻餅をつく野郎なのか、と。

 

「ままー、あそこのおねえさんしゃがんでなにかいってるよー」

「こらっ!見ちゃいけません!」

 

はぁ.....出だしから最悪だよ。今すぐ彼女を黙らせなければ

 

「いいんですよお嬢さん、私は気にしていませんし。」

「本当ですか?私はあなたとぶつかってこかせたんですよ!?けれどそれでこけるとは思っていなくて.....」

「.....そのことは気にしているから言わないで貰えるかい?」

「あわわわわ!すみませんすみませんすみません!!!」

 

.....めんどくさい子だな

少しイライラしながら彼女のことを見ていると、手にステッキの様なものを持っていることに気づく、気になった私はそれが何なのか聞いてみることにした。

 

「君が手に持っているステッキは何なのかな。」

「.....え、あ、は、はい、こ、これは.....ですね.....その.....」

 

コミュ障か、こういうタイプの子は押しきれば素直に吐いてくれる

 

「おにいさんちょっと気になるねー、返答次第ではこの町の警察所に通報するからね」

「ええっ!!!」

 

言い過ぎたかもしれないが、これくらい言わないとコミュ障は中々他人に口を開かない。だからちょうどいいと自負している。

 

「.....そ、その.....魔力を底上げするサポーターみたいなもの.....です.....」

 

魔力、か.....本来なら頭おかしいですね通報しますと言うわけだが、ここは異世界。魔王がいるんだ、魔法が無くては逆に可笑しいのだろう。

 

「と、とくに私はアークウィザードなので、魔力の高さは何よりも重視してるから.....」

「.....アークウィザード?何だいそれは」

 

聞き慣れない単語だったので思わず聞き返した。

 

「ええっ!!!知らないんですか!?」

「悪かったね無知で。」

「あ、す、すみません!.....えっとですね、アークウィザードは冒険者という大きな枠組みの中にある魔法使い職の最高職です。」

 

冒険者.....なるほど理解した。要するに魔王を倒すには冒険者職業に加入しなければならないと。

そしてこの子は冒険者。しかも最高職!つまりこの子に冒険者になるためにいろいろ手引きしてもらえば私はスムーズに冒険者デビューが出来ると言うわけだ!!

 

「フフ、フフフフフ.....」

「...えっと?どうしましたか.....?」

 

おっと、私のあまりにも天才的な考えに思わず笑みがこぼれていたか...致し方ない

 

「考えが変わりました、先程私にぶつかってしまった礼をあなたに払って貰いましょう」

「.....え、ええええええええええ!!!」

 

今までで一番の大声で悲鳴を上げた彼女に周りの視線が集まる、待て、嫌な予感がする。

 

「ままままさか!体で払えと言うんですか!!?」

 

...はい?

 

「私をあなたの家へ連れて行き、その、え、え、えっちなことを/////」

 

.....ファ!!?

 

「うわ、あいつ孤高のソロプレイヤーを誑かしてるぞ!」

「サイテー!!!まるでどこぞのクズマさんじゃないの!?」

 

「違います皆さん!!!そう言う話ではありません!!!あの君!?何言ってるの!?私初めて会った人を誑かすほど尻軽じゃないし!何より私そんなことしたことないぞ!!?」

「え.....あ、そうですか、そうですよね.....」

「君は君でなんで残念そうなの!?はぁ.....私はただ君に冒険者になる手引きをして貰いたかっただけなのだが.....」

 

はぁ.....何と言うかもう疲れた。こんな変わり者がいる世界で魔王を倒すのか?倒す前に精神崩壊するのではなかろうか。

 

「あ、そうなんですか!!?すみません!そういうことでしたら.....」

「.....いいのかい?私は君がぶつかってきたのをいいことにして君を利用しようとしたんだぞ!?」

「それじゃあ、私とあなたで一個づつ願いを叶えるって形でどうですか!」

 

.....まあ、それがいいのだろう。元はと言えば向こう側からちょっかいをかけてきたワケだが、大事にした原因は私にある。

 

「わかった、そうしようか、軽く自己紹介しよう。私は倉木東吾。冒険者を目指す男さ。君は?」

「え、え、えっと.....」

 

やけに恥ずかしそうにしている、自己紹介だぞ?

そんなことを思っていると彼女は独特なポーズを取り

 

「わっ...我が名はゆんゆん!!!アークウィザードにして上級魔法を操る者、やがて紅魔族の長となる者.....!」

 

..........

 

「ふざけてるのかい?」

「ち、違いますー!」

 

この後彼女の長い説得により、私はなんとかそれが本名で紅魔族には極力関わらない方がいいことを理解した。

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