“羅生門”使いです。このすば世界で生きます 作:たわかなはたやかや
クエストは半日かけて終わらせ、帰り道。
今回のクエストを一言で言うならば、疲れた。
急にカズマ君が襲いかかって来るものだから対処に大変だった。しかもアクアとめぐみんがやけにもじもじしているし。カズマ君も何とか黙らせれたが警戒心の強い猫の様な目で私を見てくるのだ。
「な、なあカズマ君、何故そんな目で私を見るんだ」
「自分の胸に手を当てて考えろ、たらしが!」
と、このような返答が返ってくる。他の2人に聞こうとしても、顔を赤らめて何も答えてくれないのだ。
「...な、なあ、私が悪いことをしたなら謝る、だから何か話そう、気まずいよ...。」
「.....ハァ...もういいよ、俺も悪かったな。色々強く当たって。」
「カズマ君..!!」
やっと話せるところまで来た。かれこれ2時間は掛かったぞ。
「今回の報酬の取り分は君たちで三等分してくれないか。」
「はぁ!?何でだよ!?」
「君たちに迷惑を掛けてしまった様だからね、わざわざクエストに動向させて貰った挙げ句、サンドイッチまでいただいたのに、君たちを不快にさせることをしてしまったからだよ、帰ったら自決することにしたんだ。私はもう、生きる価値なんて.....」
「すみませんでしたぁぁああああ!!!!!!あなたのことを女たらしクソ野郎と思っていたこと本当にすみませんでしたぁぁああああ!!!」
何故かカズマ君が号泣土下座を行った。
「.....と、言うことがあってだね。」
「ふ~ん、そーですか。」
ゆんゆんに今回のことを話すと何故か不機嫌になったのだ。
私はつい本音をこぼしてしまった。
「はぁ、カズマ君といいゆんゆんといい、どうしてムスッとしてるんだい」
「自分の胸に手を当てて考えて見てください!!!」
彼女はテーブルをバンと叩いた後、席を離れ、どこかに行ってしまった。
確かに、言い過ぎたかもしれない。せめてと言っては何だが後で何か品物を買って来よう。
「君、彼女にフラれちゃった?」
隣から声がしたので「そんなもんじゃないよ。」と言いながら振り向いた。
私はその子の顔を見て、固まってしまった。
-白髪、万人受けする美顔、頬の傷
知っている、よく似た顔を知っている。だからこそ口から言葉が零れ出た
「女神...様?」
「い、いやいやいやいや、わ、私、エリス様じゃないから。」
その発言に違和感を覚えた私は席から立ち、彼女の顔を見据えてこう言った。
「私はエリス様とは言っていない、女神様と言ったんだ。アクアと言う女神まで存在すると言うのに、女神様と言う単語だけでエリス様が出てくるのはおかしいのではないかな?」
「
この発言から、エリス様がちょっぴり馬鹿なんじゃないかなって思ってしまった
「先輩?」
「あ!その...えーと.....」
言い逃れは出来ない
「...で、その偉大な女神エリ「わぁああああ!!!」むぐぐ」
「私が女神エリスだと言うことは認めます、ですが大声で叫ばないでください!」
...確かに、女神がこの場に降臨しだとなったらそれはもう一大事、人がよってたかってくるだろう。私が女神ならたかられるなんてうざったらしくて仕方ない。
私が腕を振って言わないと言う意思を伝えると彼女は私の口に着けた手を離してくれた。
「...で、君の名は?」
「あ、え、えっとあたしはクリス、職業は盗賊やってるんだー。」
女神らしくない職業だな。
「そうか、私は倉木東吾。冒険者だよ。」
「え!?君冒険者なの!?皆はジャイアントトードキラーって言ってたから魔法使いの類いと思ってたよ。」
誰だ、私にとんでもなくダサい二つ名付けたやつは。
今度にらめっこと言う名の恐怖を与えてやろう。
「じゃあ、まだスキルとか覚えてないんじゃない?」
「確かに、私は使ったことがないな。」
「じゃあ特別に教えてあげるよ!」
「いいのかい!?」
なんて太っ腹な女神様!信者になってもいいレベルで。
「たーだーし!タダとは言わないかなー、あたしの
私は息を飲んだ。どんな欲求だ、女神様の欲求だ。どんなヤバいヤツが来ても苦汁を飲むしかないのだ。
そんな心境の私に、女神様はとびきりの笑顔でこう言った
「君は今日から"銀髪盗賊団"の一員だ!」
「はい?」
「よーし、交渉成立!じゃあさっそく外に行くよー!」
頭の整理が追い付かないまま、手を引っ張られるままに外へと向かった。
今、ギルドの裏道で私とエリス様もといクリスと向き合っている。
「あたしが今から教えるスキルは三つ、スティールと潜伏と千里眼だよ!じゃあ、まずスティールから行ってみよう!」
クリスは片腕を私の方に差し出し、構えた。
「スティール!」
彼女が叫ぶと差し出した手が光だしたので私は思わず目を瞑った。次の瞬間目を開けると、彼女の手の内には私自家製のお手頃サイフがあった。
「私のサイフ!」
「おぉっ!中々持ってる!」
「か、返してくれないか。」
彼女はニヤリと口角を上げた。
「返して欲しかったら、スティールで盗ってみなー!」
...成る程、うまいこと考えるヤツだよ。
私はカードを取り出し、いつの間にか習得欄にあった"スティール"を習得。
「何を盗られても泣くなよ。」
「その対策に..ジャジャーン!」
「石ころだと、クソ...」
確かに、それは厄介だな。盗られる確率が極端に下がる。ならこちらは両手で盗る!
「行くぞ、スティール!」
私の手が淡く輝くとともに、じゃらじゃらした感触と棒切れの様なものが感じ取れた。
目を開けて自分の手の中を見ると
「よしっ!私のサイフ!...と、ナイフかな?」
「ああっ!私のダガー!」
鞘ごと盗ってしまったダガーを大人しく女神様に返す。
「いいの、これ四十万エリスは下らない一品なのに」
「スティール」
高額商品だと判明した以上、盗らない手は無い。
そう念じて放った私のスティールは見事にダガーを盗っていた。
「ありがとう、良い物をもらったよ。」
「かっ、返して!あたしが唯一贅沢したものなんだよ!」
私は即様"羅生門"を発動、背中に黒翼を作り出し、空を舞う
「あーっ!卑怯者ー!」
「ははは、まあ、君の仕事手伝うからさ、見逃してくれよ。じゃあ、今日の夜ここで会おうか。」
「え!?ちょ、ちょっと!?」
手元のダガーを見てニヤニヤしながら、私は鍛冶屋の方へ飛んでいった―