奪われたる家の姫   作:優鶴

1 / 18
とりあえず短いプロローグ。


MARKWOOD
プロローグ


プロローグ

漆黒のマントを羽織った影が、白い馬に乗って駆け抜けていく。

夜の帳が降りた地上では、漆黒のマントは闇にとけ白馬だけが白い光に包まれてぼうっと浮かび上がる。

影は鬱葱と茂る不気味な木々の前で白馬をとめた。

「・・・・・・・ラ・・・・・イル。」

微かに唇から漏れた呟きは聞きとることの出来ないほど小さい。不気味な木々に、影がゴクリと唾を飲み込む。

しばしの逡巡の後、意を決したかのように影は白馬の手綱を握り、一気に森の中へと入っていった。

 

勢いをつけて森の中に入ったはいいものの、邪悪な気配にあてられて白馬の歩みが次第に緩やかになっていく。

暗闇に閉ざされた森の中を、石畳の道に沿ってゆっくりと馬を歩かせながら影は周りを見ようとして首を巡らせた。漆黒のマントが僅かな風に反応して翻り、マントよりも黒いぬばたまの髪が微かになびく。

「しばらく見ないうちに・・・。」

影が小さく呟く。もっとも、それは先ほどの呟きよりは大きな声ではあったが。

白馬は暗闇の中でも依然としてぼうとした白い輝きを保っている。

パカラッ、パカラッ、と一定の速度を保ちつつ歩みを進めていた白馬は、突如として動きを止めた。

影が息を呑み、身をかがめて白馬の耳元に“しぃっ”と、静かにして、と囁く。

白馬が頷くように頭を傾げた時、暗闇がさらに濃くなった。

視界を覆う毒蜘蛛の姿を見つけ、影が舌打ちする。

影は片手で白馬の手綱を掴むと、マントの下に隠れていた剣を抜き放った。剣が煌々と、白みを帯びた輝きを放つ。

白馬を操って蜘蛛の背後に回り、振り向いたところを剣で刺し抜く。しかし、蜘蛛は一度刺されたくらいで死ぬほど弱くはない。そして、気配を察知した仲間が新たにやってくるであろう。影もそれは承知の上のようで、白馬の手綱を手放すと手綱を握っていた手にもう一本の剣を構えた。

それに一瞬怯んだ蜘蛛に影はニヤリと笑い、蜘蛛を下から剣で突き刺した。それだけでは足りず、もう一本の剣で上からも突き刺す。同時にそれを抜き、蜘蛛を二つに切り裂く。

闇夜を引き裂くようなおぞましい悲鳴を上げて倒れた蜘蛛を一瞥して影は一方の剣を鞘に収めた。そのまま白馬の手綱を握って、再び石畳の道を進み始める。今度はゆっくりとではなく、勢いをつけて速く。

一刻も早く、蜘蛛の蔓延る森から抜け出さねばならない。蜘蛛は先ほどの一匹だけではないだろう。

その予想通り、頭上から大量の蜘蛛が降ってきた。

文字通り、降って。

影は再び剣を抜き、蜘蛛を片づけるべく白刃の煌めきを一閃させた。

 

―――どれほど時間が経っただろうか。

影と白馬を残して、蜘蛛たちは息絶えていた。まだまだ暗闇に蜘蛛は潜んでいるだろうが、その相手をしている場合ではない。

少しでも早く、森を抜け、共の元へと行かなければ。

影は白馬の耳にまた何か囁くと、石畳の道を目にもとまらぬ速さで駆けだした。

 




誤字・脱字等ありましたら教えていただけると助かります。

…プロローグといいながら、我ながら意味不明ですね。

誰夢にするか決めかねています。

  • 実は既婚者でした
  • グロールフィンデルかギルドール夢
  • レゴラス夢
  • ボロミアとか人間お相手
  • 誰ともくっつかないでお友達関係維持
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。