奪われたる家の姫   作:優鶴

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タイトルどうつけようか迷いました。
自分のネーミングセンスのなさを自覚する今日この頃。
読んだこともない三島の小説のタイトルを借りてみる。


宴のあと

「さすがに覚えていないかしら?貴方がこんなに小さい頃に会ったことがあるのだけど。」

「・・・?」

「じゃあ初めましてと言っておきましょう、レゴラス王子。私はフィリシヴリンよ。」

「フィリシヴリン様・・・。」

「ええ。よろしくね。」

「はい・・・あの、父上。」

「何じゃ。」

「今日、あまり呑まれていないのですか?」

「ああ・・・。まあ、な。フィリシヴリン様、ではそろそろ失礼します。」

「ええ、レゴラス王子も帰って来たことだしね。ゆっくり親子団欒でもしなさい。」

微笑んで席を立ち、ひらひらと手を振って去っていくフィリシヴリンを見送ってスランドゥイルも席を立った。

「父上。・・・彼女をここに入れて、よかったのですか?」

「・・・どういう意味だ。」

なぜレゴラスがそんなことを聞くのか。それは、火を見るよりも明らかだった。

彼女ーーーフィリシヴリンは丈高く黒髪で灰色の瞳をしている、みるからにノルドールな外見。

シンダールにも黒髪はいるが、フィリシヴリンはノルドールの丈高いという特徴だけでなく纏う雰囲気がノルドールだ。ノルドールにほとんど会うことのないレゴラスも、シンダールとは何かが違うというのは感じているのだろう。

「お前は知らなくていい。」

返事を聞かずにそれだけ言うと、スランドゥイルはレゴラスを置いて自室に戻っていった。

 

フィリシヴリン・・・彼女は父方、母方共にガラドリエルの従姪に当たる人物だ。

本来なら、彼女のことなど厭うて近づけなかっただろう。

彼女はあの場所ーーーかつてメネグロスに立ち入れた。かのシンゴル王とメリアン様のご寵愛もあったし、何より父オロフェアと親しく父と共にシリオンへと逃れる指揮をとったのだ。

ーーー従姪だとしても、ガラドリエルとは違う。

オロフェアは彼女と親しかった。

・・・彼女はオロフェアが治める前のこの血を知っている。だが、オロフェアが治め始めてからのこの地は知らない。

なぜ、彼女は今になってここに現れた?

単なる暇潰し、気まぐれならいいが・・・何かの、警告ではないのか?

 

「・・・懐かしい。」

フィリシヴリンはスランドゥイルと別れた後、自分の部屋へと向かう道を歩きながら思わずそう呟いた。

「懐かしい、ですか?」

「ガリオン・・・。」

「お久しぶりです、フィリシヴリン様。」

「ええ、久しぶり。・・・美しい王宮ね。」 「懐かしい・・・というのは、かの場所を彷彿とさせると?」

「・・・嫌なことを思い出させてしまってごめんなさい。私はここが、すごくスランドゥイルらしくて素敵だと思うの。気に入ったわ。」

「フィリシヴリン様が気に入られるとは。」

「あら、そんなに驚くこと?」

「いえ・・・。気に入っていただけたなら、よかったです。我が王も喜びましょう。」

「一つ。勘違いしないで、私はかの場所に似ているから気に入ったのではないというのを覚えておいて。」

「はい。」

「ではおやすみなさい、ガリオン。」

「おやすみなさいませ、フィリシヴリン様。」

ガリオンと別れた後、フィリシヴリンはそっと溜め息を吐いた。

本当にかの場所を、メネグロスを思い出させる宮殿だ。

でもーーー同時に、雰囲気がスランドゥイルらしいとも感じる。




私はシルマリルファンなのでこれからもシルマリルネタがぽこぽこ出てくる予定。主人公が父方でも母方でもガラドリエルの従姪な設定はどういうことか想像してみてください。
名前は出せたけどどこで出せるんだろうかフィリシヴリンちゃんの素性・・・。
私はフィリシヴリンちゃんことはフィリスかイヴリンって呼んでます。
フィリシヴリンって名前は煌めく秋、秋の煌めき、みたいな意味・・・のはず。間違ってる等ご指摘ありましたら教えてやってください・・・。

独断と偏見による用語解説。あんまり信じない方がいいかもしれません・・・よくわからない方は中つ国wikiでドリアスかメネグロスで検索かけてください。

≪メネグロス≫
シルマリルの物語ネタです。
メネグロスというのは、指輪戦争から6000年以上前に中つ国にあったエルフの王国ドリアスの王宮です。
それを治めていたエルフの王はシンゴルといいます。彼はエルロンドの高祖父でガラドリエルとケレボルンの大叔父です。彼はシンダールでした。
そのシンゴルの后は神様の一種(というと正確ではありませんが、そんなようなものと思ってください)マイアールという種族であるメリアン。彼女は魔法が使えて、ドリアスにはメリアンが許可しないと入れない、“魔法帯”が張り巡らされていました。

それで、スランドゥイルの父オロフェアはここに住んでいました。シンゴルの血縁ではありませんが、記述的に高い地位にいたようです。それこそ側近とか。スランドゥイルが住んでいたという記述はありませんが、私は住んでいたという設定にしています。
ケレボルンもここに住んでいて、ガラドリエルもメリアン妃に学びにここに来ていたのでケレガラ夫妻とスランドゥイルは顔見知り。

そんなドリアスですが、やがて滅亡の日は訪れます。もうシンゴルもメリアンも、娘のルシアン(彼女がティヌヴィエルで、アルウェンは彼女に生き写しと言われます)もドリアスにいなくて、当時は孫のディオルが王でした。
ディオルとその妻ニムロスは殺され、長男と次男は行方不明、末娘だけが逃れます。
末娘が逃れる時、彼女を守ったのはオロフェアでケレガラ夫妻は身を隠していました。(少々語弊や私の創作が入っているかもしれないのでご注意を。)
だからケレガラ夫妻とスランドゥイルの間には確執というか溝というかがあるのですが。スランドゥイルとガラドリエル、そして“ガラドリエルと結婚したケレボルン”の間に確執というか。
ちなみにこの末娘はエルロンドの母です。
でも紆余曲折あって(ここらへんは是非シルマリルの物語を読んでほしい)エルロンドは幼い頃にオロフェアたちのもとから離れて以後彼らとは別に育つので、別にスランドゥイルとエルロンドが親しいわけではありません。
そしてシリオンというのは、末娘とオロフェアが逃れたキアダンとギル=ガラドが治めていた地です。映画ロード・オブ・ザ・リングの冒頭に出てきた三つの指輪を受けとるエルフの、ガラドリエル以外の二人です。
キアダンは灰色港の船出でもでてきますし、ギル=ガラドはロード・オブ・ザ・リングの冒頭の戦闘シーンで槍を振り回していたひとです。

・・・本文より後書きの方が文字数多かったです。

ちらっと宣伝。fc2でトールキンの呟きくらいしかしてないブログやってるのですがよかったら遊びに来てくださいませ。

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誰夢にするか決めかねています。

  • 実は既婚者でした
  • グロールフィンデルかギルドール夢
  • レゴラス夢
  • ボロミアとか人間お相手
  • 誰ともくっつかないでお友達関係維持
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