幻想の紅魔   作:エルナ

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火桜さん作


第3話 すかれーっとなふたご

 今日は晴天の空。普通の家庭ならば何というピクニック日和だ、とでも言うのだろうか? 

 そんなサンサンと忌々しい太陽の日光が照りつける朝。ではなく、吸血鬼ならば当然夜。

 夜の支配者何て呼ばれている位だからな。

 真ん丸いお月様が出ている、というわけでもなく残念だが今夜は満月ではない。

 

 そんな夜に俺は何をしているかというと…………

 第2の妹と戯れている!! 

 そうレミリアに続きスカーレット家の次女フランドールが産まれたのだ。

 フランの狂気? そんなもの知った事じゃない。

 これを見て見ろ? 

 

「おにいさまー!!」

 

 フランが彼方から此方に俺をお兄様と叫びながら俺へ向かって来る。

 可愛い過ぎるだろ!! 

 

 そしてその可愛いさの元凶をそのまま抱き抱えてやるために腕を広げて待っているとそのまま胸に飛び込んでくると思いきや…………

 

 ズドンッ

 

「ウッ、な、ナイスアタック」

 

「ブハッ!! な、ナイスアタックって! ブフッ! ワハハハハハッ!!!」

 

 そのまま俺の腹にダイレクトアタックをかましてきた。

 直前で能力で何とか威力を下げたが吸血鬼であるフランの突進なだけあってやはり痛かった。

 何やら笑い声が聞こえる気がするが気のせいだろう。

 こんな可愛い生物に狂気が宿るなんて、もし宿ったとしても俺はこの可愛い妹を愛し続ける!! 

 

「イヤイヤ兄さんのその愛の方に私は狂気を感じるよ。流石シスコンは一味違うなぁ」

 

 フランが可愛いのは確定事項、もうそんなことは既に解りきっている事だ。

 今更そこに着目しても俺の顔が気持ち悪い笑顔で満たされるだけだ。

 

 フランが産まれた事によってこの紅魔館のスカーレット姉妹が漸く二人共に揃ったのである。

 つまりこの屋敷に居るスカーレット家の人間は

 両親と俺たちスカーレット兄妹だけだ。

 そして、解っている人も居るだろうが先程からちょいちょい話に、というか俺の思考を読んでる人物が居る。

 

 俺というイレギュラーがこの世界に居るせいなのかは解らないが、フランが産まれたとき双子だったのだ。

 その双子の片割れがこの、クラン・スカーレットだ。

 髪色は銀髪、容姿はどちらかというと女の子寄りな顔をしている。

 フランが銀髪になって、少し男の子っぽくなったという感じだ。

 

「フーラーンー! 一応謝っときなー!」

 

「ぬぬぬ! くらんにいわれなくてもわかってるもん!」

 

 ほっぺを膨らますフラン! か、可愛い! 

 産まれて数年しか経っていない為かレミリアの時と同様少し舌ったらずだ。

 

「デュフ、デュフフ」

 

 おっとフランが与えてくる可愛さが笑いとして込み上げてきてしまった。

 

「うっわ~~。デュフフとか本当に聞いたこと無いわ。流石に私でも引く」

 

 というかコイツは何故こんなにフランと差があるんだ? 

 これは逆にあんなにハッキリと喋るクランの方がおかしい。

 知能も産まれて数年とは思えない程にしっかりしてる。

 フランに可愛さを取られた代わりに知能を手に入れたのだろうか? 

 

「というかクラン」

 

「どうした? 妹大好き大好きすぎて何時か一線を越えかねないシスコン兄さん。少し自重した方が良いんじゃないの? そのうちお兄様何て嫌い! とか言われかねないと思うんだけど」

 

 辛辣すぎないか!? 

 俺って一応兄なんだけど? 兄なんだけど? 

 まぁ、クランの悪口何て今更なんだけど。

 後、フラン達がそんなこと言うはずは無い! 多分

 

「はぁ、何時もの悪口は平常運転みたいだな。それはそれとしてだ。お前のその一人称はどうにかならないのか? そのうち本当に女だと思われるぞ?」

 

 クランは自身の一人称を私で固定している。

 容姿と相まってクランが女の子にしか見えない時があるのは困りものだ。

 そもそも男で一人称が私なのは昔から知能が働く丁寧口調の奴だけって決まってるんだよな。

 宇宙の帝王フリー〇様とか。

 

「はぁ、だってこうしないとガミガミうるさいし。長年こうだから他の一人称は慣れないし。

 だからどうにもならないしどうにかしようとも思わない。そんなに気になるなら兄さんが母さんとレミリアに言ってきて。まぁ妹大好きお兄様と親の前では真面目ちゃんな兄さんがあの二人に言えるかと考えれば無理だと思うけど」

 

「イヤ、正直あれは俺にも止められない。どうしてあぁなってしまったんだろうか? レミリアの育て方は間違ってない。毎日ちゃんと遊んだり愛情を毎日注いでいたというのに」

 

「イヤイヤ、そこじゃない。あれじゃない? 女の子みたいな男の子が産まれたらどの親もあぁなるんじゃない?」

 

「そんな物なのか? でもあれでも俺が産まれた時は規律とかマナーとか厳しかったんだけどな」

 

「それは兄さんが次期紅魔館の当主だからじゃない? あと顔もイケメンだからそんなことなかったんだろうな。羨ましい。レミリアと母さんは許さない」

 

 自身の姉を呼び捨てにするのは止めた方が良いと思うんだが。

 あれでもクランとフランの前では立派なお姉様を頑張っている訳だし。

 何にしろ俺からしたらレミリアも可愛い妹の一人だがな。

 クランが可愛いかと聞かれれば悩みものだが。

 どちらかというと同年代の友達と接している感じだ。

 前世に仲が良い友達何て殆どいなかったけど。

 

 そんな風に弟と戯れている(?)と何やら不穏な気配を感じた。

 まさか、敵か!? 

 イヤ、この気配は? 

 

「クラン! 逃げろ!! 今すぐに!!」

 

「まさか!? ヤバイ! 私は逃げるから!! 奴等には絶対に喋らないでくれよ!!」

 

 お、おぉ。何度も繰り返し同じようにされているからか逃走体制へ移行するのが速い。

 だが

 

「すまない、もう遅かった」

 

 もう既に奴等はそこに居た。

 流石吸血鬼。気配も無しに高速でクランの背後に忍び寄る。

 音も無しにどうやってドアを開けたのだろうか? 

 ドアの方をチラリと見てみるが開いた形跡は無い。

 もしや窓から入ってきたのか? 

 俺のプライベートは無いのか? 

 

「ふぇ?」

 

「みーつけた。さぁクラン行くわよ! まだまだ着るものが沢山あるんだから!」

 

 年の差か、やはり産まれてまだ数年しか経っていない吸血鬼が産まれて数十年も経っている吸血鬼には力と体力では勝てない。そのため背後からクランがレミリアに羽交い締めにされても抜け出せないで居た。

 

「離せー!! 毎度毎度言ってるのに! 私は男だって!! イヤァァァ!! ハッ!? ふ、フランと一緒に居ないと! ふ、フランは兄さんと一緒に居たいよな! な!?」

 

 どうにかして逃げたいのかフランに助けを求めるクラン。

 

 一応アイツ、フランの兄なんだけどな。

 妹に助けを求めるってどうなんだろうか? 

 

「う~ん、どうしよっかな~?」

 

 フランも助けを求めているという事が幼いながらも解っているのかこれ見よがしに嫌がらせをする。

 こんな小さい頃から男を手玉にとるなんて! 恐ろしい子! 

 それでもフランはやっぱり可愛い。

 自然と頬が綻ぶ。

 でも俺的にはフランが俺と一緒に居たいと言ってくれる方が嬉しかったりする。

 まだフランとそこまで今日は遊んでないし。

 

「フラン?」

 

「な~に? おかあさま?」

 

 ふむ、今日はどうやらフランとはもう遊べないようだ。

 少し、イヤ、大分残念だ。

 

「「フランも行くわよね?」」

 

「…………はい」

 

「そ、そんな。こんなのあんまりだぁ! 兄さん助けてぇー!」

 

「う、う~ん。頑張ってくれ」

 

「うわぁぁぁあぁぁぁ──ん!!」

 

 ズルズルと襟をレミリアに掴まれて部屋から悲鳴をあげながら退場していくクラン。

 さらばクラン。

 逞しく生きていってくれ我が弟よ。

 

「さて、誰も居なくなりましたよ? お父様何かお話があるのでは?」

 

「ふぅ、何時から気付いていた」

 

「最初から、と言いたいところですがつい先程までお父様の存在に気付きませんでした」

 

「そうか、私はまだまだ現役でいける、ん? クロフィ待て」

 

「何ですか?」

 

 正直言って早く終らせたい気持ちもあるが、大事な話かも知れないので一応真面目に聞く。

 

「私の隠蔽が完璧で私に気付かなかったんだよな?」

 

「だから言ってるじゃ無いですか。お父様の存在に気付きませんでした、と」

 

「え? ねぇ!? それってどういう意味なの!? 私という存在に気付かなかったっていう意味なの!?」

 

「さぁ? どうでしょうね」

 

「クロフィの私への対応が日に日に酷くなっていく」

 

「そんなことはどうでも良いんです。話は何ですか? また、敵の殲滅ですか?」

 

 俺がそう問い掛けると空気が一変し先程までのおちゃらけた雰囲気が消える。

 

「それはあながち間違ってはいない。だが今回は何時もの物とは比べ物にならない」

 

「それはどういう」

 

「これまでとは格段に違う強さだ。このスカーレット家に敵対する勢力が此処に攻め込もうとしているらしい」

 

 敵対する勢力だと? 

 

「その情報は確かなんですか?」

 

「あぁ、私の眷族に調べさせてある。これは確かな情報だ。行ってくれるな?」

 

「はぁ、ここで拒否権何て無いんでしょう? それに俺が行かないと誰がいくっていうんです?」

 

「そうだな。クロフィ・スカーレットお前に敵対戦力殲滅の任務をソギト・スカーレットの名において言い渡す。……必ず遂行せよ」

 

「ハッ!」

 

 敵対戦力。レミリアやフラン達を危険に遇わせる者は容赦なく全て潰す! 

 

 一方その頃

 

「う~ん、お母様? これはクランには合わないと思うの」

 

「そうね、こっちの黒いドレスを着せてみましょうか?」

 

「そうね! そうしましょう!」

 

「これ、何時になったら終わるの?」

 

「「私達が満足するまで!!」」

 

 それって何時なんだい? 

 本当に終わるのかな? かな? 

 

 それから数十分後

 

「うん。凄い似合ってる!」

 

「女の私でも嫉妬しちゃう位ねぇ~」

 

「くらん、きれい!」

 

「さいですか。それで? 満足した?」

 

「「うん!」」

 

「そうか」

 

 礼装としてドレスとスーツは貰っておこうかな。

 何かの役に立つかもしれないし。

 

 鏡でチラッと。ふむ、やっぱり似合ってるだよなぁ。

 男なのになぁ。

 

 クロフィ兄さんは今、何をしているんだろうか? 

 私は男として何か大切な物を無くしていきそうです。




エルナ「皆様お読みいただきありがとうございます。作者1号のエルナです」

火桜「ありがとうございます。作者2号(火桜)です。」

エルナ「この後書きでは裏話的なのを載せております。興味のない方は読み飛ばして頂いて結構です。
まず初めに謝罪を。
昨日は投稿できずすみませんでしたm(_ _)m
これは完全に私のミスで昨日は寝落ちしてしまったのです……。
なんでせっかく書き溜めしたのに予約投稿しないんですかねこのアホは……。
そして、今回は火桜さんの書いた回です!
ご感想を!」

火桜「感想ですか?感想といっても、う~ん2話でエルナさんの力を見せつけられて私も頑張って書いてたんですけど思ってたより上手くいかなくて、少し申し訳ない感じになってしまいました。
あと、今話から私の考えたキャラが出てきたと思いますが読者の皆さんには暖かい目で見守ってほしいです。
自分の考えたキャラは自分の子供みたいなものですし。」

エルナ「火桜さんが私を持ち上げすぎて怖い((゚Д゚ll))ガタガタ
1年も書けばこのくらい誰でも書けるようになると思いますし、火桜さんのも面白いと思いますよ。
何よりまた15時間程度で書き上げて下さいましたし……
3話目にしてやっと火桜さんのクランが出てきましたが挿絵として載せておきます。
火桜さん作です。
とてもお上手ですね!
私にはとても出来ない……」

火桜「いえいえ、こちらこそあの位なら絵を描いてたら誰でも描けるようになりますよ。」

エルナ「ご謙遜を……私もか。
それではお読みいただきありがとうございます。
次回もお楽しみに!」

火桜「お楽しみに!」


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