「ゴブリン?恐いから会いたくないけど会ったら処理するよ」   作:ブランク蟻

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薬使いのプロフィール

性別 男

身長 ゴブリンスレイヤーより少し大きいくらい。

装備と持ち物 上半身と膝に動き重視の防具を装備。腕には相手の攻撃を流すための鉄甲を装備(イメージはる◯剣の無敵鉄甲)
腰には対衝撃のショルダーバックを二つ付けており、煙玉と香水を収納している。

性格 親の教育が良かったためか基本的に善人で自分にできそうなら助けようとする。面倒ごとはできれば避けたいと思っているが、必要だと思えば逃げることなく行動できる。

本作の主人公で特に被害を受けたわけではないが子供の頃からゴブリンを恐れ、心から嫌悪している男。
しかし、顔も見たくないと思っている本人の望みに反してゴブリンとの遭遇率はかなり高い。
全力で嫌っているのでゴブリンを見つけたら必ず殲滅する。同時に恐れてもいるので決して油断せず確実に仕留めにいく。



第3話

薬使いが故郷の村を出で7日。彼は冒険者ギルドがある辺境の町に辿りついていた。

 

「着いた…………着いたなぁ………うぅ涙がぁ」

 

街の入り口で泣いている男。誰かに見られようものなら変人認定されかねない姿だ。

 だが、彼がこうなるのも仕方がなかった。前話のゴブリン戦からこの辺境の街に着くまでの一週間。

 彼がゴブリンと遭遇したのは実に4回。最初の1回を入れれば計5回の戦闘があったのだ。(薬草の採取中に見つけたゴブリンの巣での戦闘や、乗せて貰っていた行商人の馬車がゴブリンに襲われて戦闘になるなど)

 

 幸い大きな群れとはぶつかっていないが何度も続けば誰だって疲弊する。顔を見るだけで嫌悪感が沸く相手なら尚更だ。

 

「もしかして俺は(作者の所為で)ゴブリンと遭遇しやすい星の下に生まれたのか………まさかな」

 

 3話目にして世界の真実に気づきかけた薬使いだった。

 知らない方が幸せな真実に気づきかけた薬使いだったが気を取り直して目的地であるギルドに入っていく。

 

 冒険者ギルド。そこは冒険者を管理する国営組織。主な仕事は依頼者から受けた依頼を難易度別に分け、それに見合ったレベルの冒険者に斡旋すること。

 ギルドに人格と実力、功績を認められると等級が上がり、より難しく報酬の高い依頼を斡旋して貰えるようになる。

 

そのギルドの受け付けカウンターに薬使いは立っていた。

 

「ようこそ冒険者ギルドへ!ご用件をお伺いします」

 

受付の女性が笑顔で対応してくれる。

 

「冒険者登録をお願いします」

「冒険者登録ですね!こちらの用紙に必要事項の記入をお願いします」

 

彼は用紙に必要事項を書き込み、受付嬢に渡す。

 

「確認します。性別は男性、年齢は15歳、職業は薬師さんですね。どうお呼びすればいいですか?」

「薬使いと呼んでください」

 

 毒や薬を使う自分の戦闘スタイルを考えた結果、彼は薬使いと名乗ることした。ここに正式に薬使いという名の男が誕生する。

 

「わかりました。これからよろしくお願いします。薬使いさん」

 

 

 冒険者登録を済ませた薬使いは、ギルドに手数料を払って空き物件を紹介してもらい、住む家を決めた。

 

 住む家が決まった薬使いは次に神殿を訪れ、神官長に挨拶する。ついでにお金も寄付しておく。

 

「あなたに地母神の祝福があらんことを」

「ありがとうございます。お時間があるようでしたらもう一つお話したいことがあるですがよろしいでしょか?」

「おや、なんでし「イヤァァァァァァァァァァ!!!!」」

 

 神殿に女性の叫び声が響き渡る。神父と薬使いが駆けつけると身体中に包帯を巻いた若い女性が半狂乱になって暴れていた。神官達が落ち着かせようとしているが、静まる様子はない。

 

「状況を説明しなさい!」

「はい!先日運ばれてきた女性なのですが、意識が戻ってしばらくしたら突然暴れだしまして」

「あの子か………」

 

 暴れている女性が棒状の物体を振り回しているため迂闊に近づくこともできない。半狂乱になっていても動きが様になっているところを見ると冒険者だと思われる。

 

「イヤ!……イヤァ……来ないでよ……ゴブリンの分際で!」

「また、ゴブリンか。胸糞悪いな」

 

 女性の言葉から彼女がゴブリンの被害にあったことが伺える。その場にいなくともゴブリンは薬使いを心から不快にさせる存在だった。

 周囲が途方にくれている中、薬使いは女性に近づいていく。

 

「薬使い殿!?その子は半狂乱になっているだけです。暴力はいけませんぞ!」

「大丈夫ですよ。傷一つ負わせませんから」

 

 薬使いはバックから小瓶入りの香水を取り出すと、中身を女性に向かってまく。広がった香りを吸った女性は徐々にではあるが暴れるのを辞めていき、その場で崩れ落ちてしまう。

 薬使いは女性がケガをしないように受け止め、彼女の状態を確認してから周囲の神官に預けた。女性は神官達に運ばれていくがもう暴れはしなかった。

 

「薬使い殿。先程の香水はいったい」

「あの香水には人の精神を安定させる効果があります。主に先程の女性の様に興奮状態の人に使う薬で、名は精安香といいます」

「精安香ですが、いやはやすごいものですな。我々にも作り方をご教授願いたいくらいですよ」

 

 神官長の言葉に嘘ない。実は先程の様な騒動は神殿ではそう珍しいことではない。

 神殿に入る人の中には心に深い傷を負っている人も少なくない。彼らはどうしても精神不安定になりやすく、本人の意思とは関係なく問題を起こしてしまう。それを一時的にでも鎮められる薬が手に入ることはとても重要なことなのだ。

 

「よろしければ条件付きでお教えしますよ」

「本当ですか!?」

 

薬使いは神官長に、先程言いかけて中断した話をし始める。

 精安香に加え、<即効性の睡眠作用がある催眠香>と<様々な毒に効果がある解毒香>のレシピを教える代わりに、その3つの材料である植物達を神殿で育て薬使いに安価で売ってもらいたいというものだった。

 

 神殿からしても悪い話でない上に3種類のレシピは是非とも欲しいものだった。これが有れば多くの人達を助けられるからだ。しかし、神殿としては特定の相手と取引するのは、彼らの在り方としては望ましいことではないのも事実。神官長はかなり悩んでいたが。

 

「わかりました。その提案を受け入れましょう」

「ありがとうございます。これからも神殿のお役に立てそうな薬が出来たら持ってこさせてもらいます」

 

 神官長は神殿の在り方ではなく、これまでに傷ついた人達とこれから傷つく人達の救済を優先したのだ。

 

「薬使い殿、貴方とは長く、良いお付き合いを出来ることを願っておりますぞ」

「私もです。今後もよろしくお願いします」

 

 交渉を終えた薬使いは神殿を後にする。建物を出るときに転倒しそうになっていた金色の髪で10歳くらいの少女を助けたが彼女と本格的に関わるのはもう少し先の話。

 

 

 

 




薬使いが神殿に上記の三種類の香水のレシピを教えたのは、少しでも神殿で保護されてる人たちの助けになればと考えたからです。材料作りを依頼したのは一方的な関係は両者にとって良いものではないと考えたからです。
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