もし風太郎たちが原作とはほんの少しだけ違う感じだったら   作:べるぬい

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五等分の花嫁での処女作です。原作準拠(若干原作改編してます)に行きます。稚拙な文が目立つと思いますが楽しんでいただけたら幸いです。


原作最新刊までのネタバレ含む予定です。アニメ勢の方はオススメできません。



オリジナル設定


・上杉風太郎

原作とは少し違って体力、力がある。また他人の好意に疎い。ただ、観察眼はとても鋭い。ほんの少し、デリカシーがある。


第1話 五等分の花嫁

「起きてください。新婦様のご準備が整いましたよ」

 

 

夢を見ていた。君と出会った高校二年の日。

 

 

あの夢のような日の夢を。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「焼き肉定食、焼き肉抜きで」

「はいよ」

「なんだあいつ」

 

この学食での最安値はライス(200円)と思いがちだが実は違う。焼き肉定食(400円)から焼き肉皿(200円)を引くと、同じ値段で味噌汁とお新香が付くのだ!

学食最高!水は飲み放題だしな!

 

 

「おい!早く行こうぜ!」

「あ、ワリ」

 

 

背中にぶつかってきた上に水をぶっかけてきやがって……学食最悪。

 

 

「上杉くんまた一人だぜ?」

「やべぇ」

 

 

まただ。この体の事は必ず毎日言われている。フン!そんなことは昔から散々言われて来てる。一人の素晴らしさを知らない奴らめ。ま、俺の人生とは関係のない人間だ……。どうでもいいけど!

昼飯のトレーをいつもの席に叩きつけるように置いてしまった。もう1つのトレーと同時に。誰だ…?女?うちの制服じゃない……。

まぁいっか。気にせず席に座ろう。

 

 

「あの!私の方が先でした。隣の席が空いてるので移ってください」

「!ここは毎日俺が座ってる席だ。あんたが移れ」

「関係ありません!早い者勝ちです」

 

 

似てる。

 

 

あの子の顔が脳裏に浮かんだ。5年前、あの時に出会ったあの子に。だがこいつは急にイチャモン付けてきやがった。あの子がこんな奴になるわけねぇよな。なら…俺はイチャモン付けてきた女より先に席を引いて椅子に座る。

 

 

「じゃあ俺の方が早く座りました!はい俺の席!」

「ちょっ」

 

 

少し幼児じみたことだが、相手がそう言ったのだ。仕方ない。なんだこいつ……睨んできやがって。しかし似てるなと、そう思いその女を見ていると向かいの席に座ってきやがった。所謂相席である。

 

 

「俺の席……」

「椅子は空いてました!午前中にこの高校を見て回ったせいで、足が限界なんです」

 

 

そんなことを何も言わず聞いていると後ろの方からざわざわと聞こえてきた。

 

 

「おいおい上杉君、女子と飯食ってるぜ…」

「や、やべぇ…」

 

 

これだから嫌なんだ。俺はこういうことを陰で言われる人間だから仕方がないが…向かいの女子に迷惑が掛かるだろうが。

 

 

「ちっ…あいつら…」

「何か周りが騒がしいですね……」

「あんたが美人だからだろ?」

「えっ!」

 

 

聞こえない程度に悪態を吐きつつ、彼女を褒めてやることを言うと彼女は狼狽えていた。まるで初めて言われたかのようなリアクションだ。様子を伺うと赤面していた。

 

 

「何だ?照れてるのか?」

「恥ずかしながら、そんなこと今まで全然言われたことありませんでしので……」

「なんだそりゃ。今までお前を見てきた男子は見る目がねーな」

 

 

適当なことを言い、俺は昼飯を食おうとする。が、目の前の昼飯につい目が惹かれてしまった。何と相席の女子の昼飯は

250円のうどん、トッピングに150円の海老天×2

100円のいか天、かしわ天、さつまいも天。極めつけにデザートに180円のプリン。合計1030円。

昼食に千円以上とかセレブかよ。

 

 

「いただきます」

「!行儀が悪いですよ?」

「……何?「ながら見」してた二宮金次郎は称えられるのに、俺は怒られるの?」

「状況が違います!」

「テストの復習をしてるんだ。ほっといてくれ」

「食事中に勉強なんて…よほど追い込まれてるんですね。何点だったんですか?」

 

 

彼女はそう言い飯の隣に置いといたテスト用紙を取る。

 

 

「あ、おい!見るな!」

「えぇー…上杉風太郎くん。得点は…」

 

 

不味い見られた!

 

 

「……百点」

「あー!めっちゃ恥ずかしい!!!」

 

 

これみよがしにと大声で恥ずかしいアピールをする。こういうの、一度やってみたかったんだ。ふと彼女を見ると大層怒っている様子だった。

 

 

「わざと見せましたね!」

「なんのことだか」

 

 

俺はすっとぼける。

 

 

「でも凄いですね。…悔しいですが、勉強は得意ではないので羨ましいです…そうです!私良いこと思い付きました!せっかく相席になったんです!勉強、教えてくださいよ」

「ごちそうさま。…いいぞ?その前にさっさと飯を食ってくれ」

 

 

勉強が得意ではないのに頑張ろうとする意思……。いいな。俺も昔はそうだった。こいつと似ているあの子と出会ってから俺は変わったんだ。

 

 

「ええっ!?食べるの早っ…お昼ご飯それっぽっちでいいのですか?私の分、少し分けましょうか?」

 

 

いや…悪いがここは一つ言わせてもらう。

 

 

「むしろあんたが頼みすぎなんだよ。太るぞ?」

「!ふとっ…こ……これは…」

 

 

図星だったのか気にしてるだろうか。また赤面していた。顔が忙しい奴め。だが悪く思うな。決して悪意はない。

そんなこと考えていると携帯の着信音が鳴った。メール?らいはからか。

内容は電話くれ、とのことだ。何だ?帰りに買ってきて欲しいものでもあるのか?

 

 

「あなたみたいな無神経な人は初めてです。もう何もあげません!」

「いらねぇよ……で、早くしろよ」

「……それにしても初対面の相手にいきなり勉強教えて、なんて言われて教えてくれるものなんですね」

「まぁ、俺だって男だ。可愛い女の子に勉強教えるのが嫌なわけねーしな」

「なっ!」

 

 

 

その後また赤面してたあいつに昼休みが終わる直前まで勉強教えた。

あいつと関わりすぎたかな?…ま、いいか。

どうせ、もう話すこともない相手だ。らいはに電話しなくちゃな。トイレでいいか。

 

 

◇◇◆◆◇◇

 

「お兄ちゃん!!!お父さんから聞いた!!??」

 

 

愛しの妹に電話をかけて、かかってきた第一声。でかすぎる。鼓膜がやぶけてしまうぞ。てか何だ。俺は何も親父から連絡来てないぞ?

 

 

「ど、どうしたらいは。落ち着いて話してくれ」

「あ、ごめんね。うちの借金なくなるかもしれないよ」

「は?」

 

 

え、何て?借金がなくなる?昼飯いっぱい食べれるようになるのか?

 

 

「お父さんがいいバイト見つけたんだ。最近引っ越してきたお金持ちのお家なんだけど、娘さんの家庭教師を探してるらしいんだ。アットホームで楽しい職場!相場の5倍のお給料が貰えるって!」

「裏の仕事の臭いしかしないんだけど」

「人の腎臓って片方無くなっても大丈夫らしいよ?」

「俺にやれと!!!??」

 

 

遂に家族にまで嫌われてしまったか……しかも最愛の妹に。お兄ちゃんショック。

 

「うそうそ。成績悪くて困ってるって言ってたよ?でもお兄ちゃんならできるって信じてる!」

「ちょっと待て!やるなんて一言も…」

「これでお腹いっぱい食べられるようになるね!」

 

 

…………そうだな。

 

 

「その娘ってどんな人なんだ?」

「高校生の人だよ?お兄ちゃんの高校に転入するって言ってたし……名前、なんて言ってったっけ…確かね……」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

クラスが騒々しい。

 

 

「午後から転入生来るらしいよ!」

「あー中野さん、だっけ?」

 

 

転入生が来るということで教室内が騒々しかった。対して俺は一切転入生に興味がなかった。そんなことより家庭教師のバイトについてだ。教える相手は女、しかも高校生。同い年か、はたまた年下か年上か。そんなことはいい。どうせ高校生の自分に教えられることを相手はすぐに不服に思うはずだ。どうせ「同級生に教えられるなんて!他にまともな家庭教師はいないの!?」とか「家庭教師なんてぶっちゃけいらないんだよね」とか言われるんだろう。

 

ガラッ、と教室のドアが開かれ噂の転入生だろう、が入ってきた。……ん?見覚えが…

 

 

「中野五月です。どうぞよろしくお願いします」

「……!!」

 

 

クラスがまた騒がしくなる。

 

 

「女子だ!!」

「普通に可愛い…」

「あの制服って黒薔薇女子じゃない?」

「マジかよ!超金持ちじゃん!」

「おいおい何者だよ」

 

 

…この人知ってる!転校生でお金持ち…ということは俺はあいつの家庭教師をするのか!?

 

 

空いている席に行くのであろう。俺の横を通ってきたので挨拶をする。

 

 

「どーも」

「あ、昨日はありがとうございました」

「おう。気にすんな」

 

 

なるほど。中野五月か。後で家庭教師について話してみよう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌日、俺は再び食堂にいる。

 

 

「焼き肉定食、焼き肉抜きで」

 

 

トレーを受け取って昨日の転校生を探す。あ、いた。

中野五月に昨日家庭教師について聞こうとしたら、周りにクラスメイトが集まりすぎてて話をしようと入る隙がなかった。今日食堂ならと、探し見つけた。家庭教師の件を確認するのだが……違かったり拒否されたら家庭教師の話がなくなってしまう。

 

 

「お待たせしました」

「も~遅いよ~」

「友達と食べてる!!」

 

 

驚きのあまり大声を出してしまった。くっ、仕方ない。今は諦めていつもの席で飯を食おう。

 

 

「あれ?行っちゃうの?」

 

 

いつもの席に移動しようとしたらショートヘアの女に話し掛けられた。

 

 

「!そりゃ…」

「席探してたんでしょ?私たちと一緒に食べていけばいいよ」

「食えるか!」

 

 

あんな美少女に囲まれて食べるのは悪くないが恥ずかしすぎる。俺なんかが間に入ってたらあまりにも釣り合わなさすぎる。てか俺が単純に羞恥で嫌だ。

 

 

「なんでー?美少女に囲まれてご飯食べたくないの?」

「……」

 

 

思ってたことを言われてしまった。確かに顔面偏差値は高い、と個人的に思う。まぁ俺には関係ないが。

 

 

「彼女いないのに?」

「決め付けんな!」

 

 

何だこいつ……腹立ってきた。無視してさっさと昼飯を食べよう。

 

 

「まぁ待ちなよ。五月ちゃんが狙いでしょ?ん?」

「狙ってるわけじゃ…」

「えっ!?本当に五月ちゃんなんだ!」

 

 

こいつ……何でもかんでも勝手に話を進めていきやがって…。

 

 

「ずばり決め手はなんだったんですか~?真面目なとこ?好きそうだもんね」

「……」

「あ、そうだ。私が呼んできてあげるよ」

「待て。余計なお世話だ。自分のことは自分でなんとかする」

 

 

あまり俺と関わってほしくないし、家庭教師のこととか知られたくないし。

 

 

「ガリ勉くんのくせに男らしいこと言うじゃん!」

 

 

そんなこと言ってショートヘアは思いっきり俺の背中を叩いてくる。

 

 

「うっ!」

 

 

痛い。

 

 

「あ、でも、困ったらこの一花お姉さんに相談するんだぞ?なんか面白そうだし」

「お姉さんって……」

 

 

そう言い残して一花とか言う自称お姉さんは席に戻っていった。同学年だろ?多分……。

しかし困った……。五月…昨日の件を完全に根に持ってやがる。親切心からの言葉だが今回は余計なことに「上杉さーん」なってしまったか。

顔合わせは「上杉さーん?」今日の放課後。時間がない!

 

 

「うーえすーぎさーん!!」

「ん?」

 

 

顔を上げると目の前に女の顔があった。近っっっ!

 

 

「うおぅ!!誰!!?」

「あはは!やっとこっち見た!私は中野四葉です!」

 

 

!!あの悪目立ちしたリボン…。さっき五月のテーブルで見たぞ?というか………この子も

 

 

似てる。

 

 

「なんで俺の名前を知ってるんだ?」

「ふっふっふっ…よくぞ聞いてくれました……それは5年前……じゃなくて!」

 

 

最後の方小声で聞こえなかったな…なんだこいつ。エスパーなのか?

 

 

「ゴホン、私、上杉さんにお届け物を参りました」

 

 

そしてリボンは二枚の紙をポケットから取り出して俺に見せた。

 

 

「あなたが落としたのはこの100点のテストですか?それとも0点のテストですか?」

 

 

あっ、俺のテスト。いつの間に……何が目的だ?

 

 

「右」

「正直者ですね。両方セットで差し上げます」

「いらねぇよ。誰の0点だよ」

「私、中野四葉のものです!」

「よく差し上げる気になったな!?」

 

 

いや本当によく見せれるな。俺は0点は流石に恥ずかしくて見せれたもんじゃないぞ…。

 

 

「それにしても100点なんて初めて見ました!引くほど凄いです!」

「俺は0点を取った奴を初めて見て引いてるよ」

「上杉さんの第一印象は『根暗』『友達いなさそう』『優しい』『かっこいい』でしたが、新たに『天才』を加えておきますね」

「全然嬉しくない」

 

 

俺がかっこいい?優しい?何を言っているんだ?天才は合ってる。さて、昼飯も食い終わったし食器、片付けるか。ごちそうさまでした「どうしたら」

さて、トイレに行くか。「私はですね」ふぅ。スッキリした「早っ」気が乗らないが午後は体育か。更衣室で着替えよう。てか…

 

 

「いつまで付いてくるの!?」

 

 

俺は昼飯食い終わってからずっとくっついてきて、更衣室のドアを半開きにして中を覗いてくるリボンに叫んだ。

 

 

「まだお礼を言われておりません!落とし物を拾ってもらったら『ありがとう』。天才なのにそんなことも知らないんですか?」

 

 

イラッとした。俺は咄嗟にポケットからある紙をリボンに押し付ける。

 

 

「え?私の…」

「たまたま拾っただけだ。これで貸し借り無しな」

「……そっか!ありがとうございます!!」

「お礼言っちゃったよ……そうだ。お前…あの中野五月と仲いいんだろ?俺が謝ってたってあいつに伝えてくれないか?」

 

 

先ほど…一……何だったっけ。あの自称お姉さん。あいつに手助けはいらないみたいなことを言っときながらここで人頼み。

 

 

「?よく分かりませんが…そういうのは直接本人に言わないと!」

 

 

断られた

 

 

◇◇◆◆◇◇

 

 

帰り道。俺は五月の後を追っていた。決してストーカーではない。多分。帰り道なら一人になると思ったのに……美味そうに肉まん食いやがって。

 

 

「五月食いすぎじゃない?」

「そうですか?まだ2個目ですが……」

 

 

いや食いすぎだろう。てか謝るタイミングがねぇ……。

急に五月がこちらを向いた。やべっ、俺に気付いたか!?

 

 

「この肉まんおばけ!男にモテねーぞー?」

 

 

アゲハ蝶のリボンをつけたツインテール女子が五月の腹を揉み始めた。ナイスアゲハ!おかげで気がそっちにいってバレてないみたいだ……。

 

 

「やっやめてください!わ、私だって昨日、だ、男子生徒とランチしたんですからね!」

「マジ!?キャーッ!だれだれ~?一年?先輩?頭文字だけでいいから教えて~!」

 

 

横の友達邪魔だな…あれ?もう一人は…?

 

 

「あ」

 

 

目の前にいた。バレた。

 

 

「一人で楽しい?」

「……割りとね…こういうのが趣味なんだ」

「ふぅん。女子高生を眺める趣味…予備軍…」

「あ、そっちじゃなくてね」

 

 

このパネルに顔はめるやつの方だよ…。っておい!

 

 

「無言で通報するのやめて。あと友達の五月ちゃんにも言うなよ?」

「…分かった。でも、あの子は友達じゃない」

「えー…?」

 

 

仲良く見えるんだけどな。やっぱり人付き合いって大変そうだ。それにしてもこの通りは……だよな。あの如何にも高級そうなタワーマンションがある。あそこが五月の家じゃねーだろうな……マジもんの金持ちじゃねーか。

 

 

「なに君?ストーカー?」

 

両腕を組んで警戒してますアピールをしているツインテールに道を阻まれた。

 

 

「げっ……お前……」

「五月には言ってない」

「五月は帰ったよ。用があるならアタシらが聞くけど?」

「お前たちじゃ話にならない。どいてくれ」

「しつこい。君モテないっしょ。早く帰れよ」

 

 

本日二回目のモテないでしょ発言。恋愛に興味はないのでモテないことについては別にいいが、そんなに俺の見た目がダメか。さて…どうするか……。本当のことを言うか。

 

 

「……中野さんの家庭教師として来たんだ」

「え!?マジ?こいつが!?」

「マジだ」

「こんな人が…?」

 

 

こいつらの反応……どういうことだ?

 

 

「家庭教師なんていらないけど……まぁパパが雇ったし仕方ないわね。案内するわ」

 

 

案内…?本当にこいつら五月とどういう関係なんだ?

 

 

「あ、そ、そうだ!五月!!」

「五月が…どうかしたの?」

「いや、家庭教師の件、まだ何も言ってなくてな」

「あー?もしかしてさっき五月が言ってた、ランチ一緒にした男子生徒って君?あ、ほらエレベーター乗って」

 

 

エレベーターに押し込まれる。30階のボタンを押した……高っ!こんな高い建物は初めてだぞ……。てかエレベーター昇るの速いな。こんな速いのも初めてだ、

 

 

「ほら、ついたわよ。五月いるわよ。聞きたいことがあるんでしょ?」

「あぁ。助かる、サンキュ!おい!五月!!」

「あ、あなたは……なんですか?私に何かご用ですか?」

「……き、昨日は…」

「え?なんて?というかなぜ、あなたがここにいるのですか?」

「えーとな」

「用がないのなら私はこれで」

「わー!待て待て!!」

「何がしたいのですかあなたは!?今から家庭教師の先生が来てくださるので急いでください!!!」

「それ俺。家庭教師、俺」

「えっ」

 

 

何だそのリアクション。俺じゃ嫌か。昨日は教えて欲しそうにしてたじゃないか。

 

 

「そうなんですか!?」

「お、おう。何だ何だ。嫌なのか?だったらこの話は」

「いやいやいやいや!あなたが家庭教師で私は嬉しいです!昨日のあなたの教え方はとても分かりやすかったので!」

「そ、そうか!それは良かった」

 

 

俺は内心ホッとした。家庭教師の話が無くなったら金、稼げねぇからな。

 

 

「この人が…私たちの家庭教師なんて…やりました!」

「!?私たち?」

 

 

ポーン。何の音だ?音のする方に向くとーーーーーーー

 

すれ違ったんだ

 

 

あいつらに

 

 

「あれ?優等生くん!五月ちゃんと二人で何してるの?」

「一花こいつと面識あるんだ」

「あれぇ?上杉さん!みんなもいる!」

「みんな面識あるんだ……」

 

「は…?なんでここにこいつらがいるんだ…?」

「なんでって……住んでるからに決まってるじゃないですか

「へ、へぇー…同級生の友達五人でシェアハウスか。仲が良いんだな」

 

 

この時、急激な負荷をかけられた俺の脳は限界を越えた速度で高速回転。一つの答えを導きだした。

夢だ。これは夢に違いない。

 

 

「違います。私たち……五つ子の姉妹です」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「夢のような日って……ふふっ。風太郎が私たちに会った日でしょ?一花、二乃、三玖、四葉、五月。五つ子だってそこで知ったんだよなね。夢のようだなんて見えなかったけど?」

「そうだね」

 

 

俺はあの瞬間をーーーーー

  大人になってからも夢に見る

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




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