もし風太郎たちが原作とはほんの少しだけ違う感じだったら   作:べるぬい

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第1話かなり編集しましたので、良かったら見直してください。


第2話 お宅訪問

「お兄ちゃん今頃家庭教師頑張ってるのかな?今日は奮発!おかずに卵焼きも作ろーっと……わぁ!黄身が五つ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今日から君たちの家庭教師になります。上杉風太郎です。よろしくお願いします」

「私は中野一花。気軽に一花って呼んでね」

「……中野二乃。よろしく」

「中野…三玖…」

「はいはーい!昨日会った四葉でーす!」

「中野五月です。よろしくお願いしますね」

 

 

自己紹介をし終えた途端プルルルと携帯がなる。電話か、誰からだ?

中野マルオと表示されていた。ここのお父さんじゃないか!!!

 

 

「も、もしもし」

『上杉くんかね?』

「は、はい!そうです!ところで僕が家庭教師になって教えるのって……」

『私の娘たちだ。五つ子だ』

「五つ子!?な、中野さん。娘さんが五つ子って本当なんですか……」

『あぁ、彼女たちは正真正銘の五姉妹だよ。五人の面倒を見てもらいたい。もちろん報酬は五倍だ』

 

 

五つ子の面倒を見ろだと…?冗談じゃない!

 

 

「そ、それはちょっと自信がないかな~って」

『そうかい?君のお父さんに押し切られてしまったのだが…残念だ。それならこの話は「やらせてください!やる気みなぎってきました!娘さんを全員卒業させてみせます!」

『そうか。期待しているよ。ところで娘たちはそこにいるのかい?』

「えぇ。事情を説明して自己紹介して…今リビングに集まってもらってます」

『そうかい。励みたまえ』

「ありがとうございます」

 

 

俺は中野家のリビングにいるのだが……広すぎてびっくりしてるし、未だに五姉妹ということに脳が追い付いていけてない。

 

「あ、それでは早速家庭教師をしたいと思うので…ハハハ……では!」

 

 

ピッ、と電話を切る。しかし中野さん。父さんと知り合いなのか?押し切られたって…どういう関係なんだろうか。

 

 

「ふぅ。緊張した……」

「リラックスしてくださいよー!」

 

 

声がする方へ見上げると悪目立ちリボンがいた。えっと確かこいつは…。

 

 

「四葉、だっけか。0点の」

「えへへ!その通りです!お父さんですよね?今の」

「あぁ。お前ら本当に…似てるな…ちょっと眉間にしわを寄せてみてくれないか?」

「はい?いいですけど……こうですか?」

 

 

なるほど。五月に似ている……というか顔同じじゃないか?本当に五つ子なんだな…。

 

 

「あれ一花と二乃と三玖は??」

「家庭教師なんていらないっ、とか勉強したくないっ!て部屋に戻りましたよ」

「い、五月は?」

「今勉強道具取ってきますって部屋に戻りました」

「五月は大丈夫か…あれ?四葉お前は逃げないのか?」

「し、心外です!上杉さんの授業受けに来たんですよ!」

「!」

「怖い先生来たら嫌だな~って思ってましたが、上杉さんなら大丈夫ですね!楽しそうですし!」

「……四葉」

「はい!何ですか?」

「……抱き締めていいか?」

「えっ……あ、はい…!」

 

 

俺は嬉しさのあまり四葉を抱き締める。……めっちゃいい匂いする……って俺は何をしているんだ!!他の姉妹に見られたら変態と思われてしまう!!

 

 

「あ、あの……恥ずかしいので……」

「す、すまん……」

「何やってるんですか……?」

「げっ、五月……いや、今のは……」

 

 

ま、不味い!しょっぱなやらかしたか……?

 

 

「さ、さー!他のみんなを呼びにいきましょー!」

 

 

 

下手くそな四葉の誤魔化しにより俺は四葉に連れられリビングの端にある階段を上る。ドアが六つ。こいつら五姉妹とお父さんの部屋だろうな。

 

 

「手前から五月、私、三玖、二乃、一花です!それぞれドアの前に線があるのでそれで覚えてください!」

「なるほど。五月は五女。それでドアに5本の線があるんだな?しかし三人集めるところから始めるとはな……」

「大丈夫ですよ!」

 

 

ノックを三回する。ドアが開く。もちろん出てきたのは三玖だ。

 

 

「三玖、だっけか。勉強しようぜ!」

「嫌。なんで同級生のあなたなの?この町にまともな家庭教師はいないの?」

 

 

昨日思っていたことを全部言っていた。予想通りだ。が、対策を考えていなかった。答える間もなくそのままドアを閉められてしまった。マジかよ。

 

 

「つ、次行きましょ?二乃です!二乃は人付き合いが上手なんです!上杉さんともすぐ仲良くなれますよ!二乃~?いますか~?…………いませんね」

「部屋にもいないってどういうこと!?」

 

 

くそ、やっぱりみなぎってきた自信なくなってくる。

五人のうち三人がやる気ないとなると……給料は減るのか!?

 

 

「大丈夫です!まだ一花が残ってます!一花は……………………」

「何その間!!?」

「お、驚かないでくださいね…?一花~?入りますよー」

 

 

驚かないでって…どういうことだ?少し身構える。そして扉が開け放たれた。扉の先には信じられない光景が広がっていた。ごちゃごちゃしている。足の踏み場もないぐらいゴミや荷物が散らばっている。嘘だろ?ここに人が住んでいるのか?

 

 

「人の部屋を未開の地みたくしてほしくないなぁ……ふぁ~おはよ。まだ帰ってなかったんだね」

「もー…この前片付けたばっかりじゃん」

「あははごめんって」

「足の踏み場ねぇよ……」

「まさかフータロー君が私たちの先生とはな。五月ちゃんと話したがってたわけだ」

「いいから。とりあえず居間に戻るぞ」

「あーダメダメ。服着てないから照れる」

 

 

……????????

 

 

「なんでだよ!!」

「ほら、私って寝る時基本裸なんだよ」

「そんなこと!知るか!!」

「あ、ショーツは穿いてるから安心してね」

「そういう問題じゃねぇだろ」

 

 

マジで。こいつには羞恥心というものがないのか?腐っても俺は男だし、しかも同級生だということを忘れてないか?

 

 

「あれー?脱いだ服どこだ?四葉、適当にそこらの服ちょうだい」

「はぁ……お前なぁ少しは片付けろよ。この机なんて最後に勉強したのは……」

 

 

考えて頭が痛くなってくる。こいつは駄目かもしれん。

 

 

「もー勉強勉強って。せっかく同級生の女子の部屋だよ?それでいいの?」

「こんな糞汚い部屋で女子の部屋と言われてもなぁ。特に汚いとしか思えないし、そんなことより勉強しようぜ」

「うわっ!一花こんなの持ってるの?お…大人」

 

 

四葉が驚いて見せたのは……ランジェリーじゃねぇか!一花に羞恥心が一切無いことが分かった。部屋出よう。

 

 

「同じ顔だし四葉にも似合うよ?」

「えええ!?」

「小学生の頃のパンツはもう卒業しないとね」

「わーっ!上杉さんいるから!!シー!シー!!」

 

 

小学生の頃のパンツって……四葉お前、物持ちいいんだな。羨ましいぜ。俺なんかビロビロパンツ穿いてるしなぁ。

 

 

「う~ん……上杉さんはこれ、私に似合うと思いま…あれぇ!?」

「おい、この部屋さっさと出てリビング戻るぞ。……まぁ似合うんじゃねぇの?俺には全然分からないがお前ら姉妹は顔は良いみたいだしな」

「顔はって……フン!上杉さんのデリカシー下級者!!」

 

 

デリカシー下級者って……。とりあえず俺は部屋を出る。

すると人の気配。

 

 

「!三玖…」

「フータロー聞きたいことがあるの」

「何だどうした勉強のことか?よし早速勉強会を…」

「違う。私のジャージが無くなった…赤いやつ」

「そうか…見てないな」

「さっきまではあった…フータローが来る前までは。もしかして盗「ってない!!」

 

 

いやマジで盗ってないです。探すのか?今から?

 

 

「てかもっとよく探せって。そもそも俺お前の部屋に入ってないし……」

「確かにそうですね!」

 

 

四葉もいたし。盗らないしそもそも興味ない。

 

 

「じゃあ…探すから手伝って。ここ」

「は?」

 

 

冗談じゃない。こんなゴミ部屋を今から探すのか?そんなことしてたら日が暮れちまう!

 

 

「おーい!そんなとこで何してんのー?」

 

 

下から声が聞こえてきた。二乃だ。家にいたのか……。

 

 

「あ、あのジャージ三玖のじゃない?」

「あ、本当だ」

 

 

おいふざけんな。とんだ濡れ衣じゃねぇか。

 

 

◇◆◆◇◆◇

 

 

「よし、これで全員揃ったな。まずは実力を測るためにも小テストをしよう!」

 

 

そうだ。馬鹿正直に全員相手する必要はない。赤点候補の奴にだけ教えればいいんだ。

 

 

「えー面倒なんだけどー」

「二乃、そんなこと言わないでやりましょう?」

「わーお五月ちゃんやる気だね~」

「小テストですか!?やりますよー!」

「……合格ラインは?」

「そうだな……60、いや50あればそれでいい」

 

 

50あれば別に良くも悪くもないしな。ちょうどいい設定だろう。

 

 

「はぁ、別に受ける義理はないけど。あんまりアタシたちを侮らないでよね」

 

 

 

◇◆◆◇◆◆

 

 

「採点終わったぞ!すげぇ!100点だ!!

       全員合わせてな!!!」

 

 

こいつらマジかよ。全員赤点候補か!?

 

 

「逃げろ!」

「あ!!!待て!!何で四葉まで!」

「あはは!なんか前の学校思い出すね」

「厳しいとこだったもんねー」

「思い出したくもない」

「あいつ知ってんのかな?私たちが落第しかけて転校してきたって」

「あいつら……!あ?五月は逃げないのか?」

「どう考えても私が馬鹿なのが悪いから、復習しないといけません」

 

 

五月……お前って奴は!五月、と四葉はやる気があると見ていいのだろうか。まぁそれは追々理解していけばいいだろう。あ?もうこんな時間か。帰らないとな。

 

 

「復習に付き合ってやりたいところだが、生憎時間が時間だ。俺は帰るな」

「あ、待ってください。家まで送りますよ」

「え?」

 

 

◇◆◇◆◆◇

 

 

俺は五月にタクシーで家まで送ってしまってもらった。運賃4800円をカードで支払っていた。さすがブルジョワ……。

そして今、何をしているかというと。五月が我が家に来ている。一体どうしてこうなった。

 

 

「わーい!五月さんって言うんですね!今ご飯できますからね!」

「まさか風太郎が女の子を連れてくる日が来るとはな!!ガハハハ!!」

「親父…」

「お?この牛乳消費期限が一週間前じゃねーか。危うく飲めなくなるところだったぜ!」

「親父……やめてくれ……」

「あは、あはは……」

 

 

おいほら見ろ。五月な野郎苦笑いしてるじゃねぇか。くそ…こいつ、というか五姉妹の誰にも俺の家の事情を知られたくなかった……。

 

 

「いやーお兄ちゃんが割りと早く帰ってきたからご飯間に合わなかったよ。家庭教師ちゃんとやってきた?」

「もちろん!バッチグーよ!!」

「そーなんだ!安心したよー!これで借金問題も解決だね!」

「らいは」

「あ、ごめん……」

 

 

そう。何を隠そう我が家には借金がある。これが一番知られたくなかったことだ。同情なんてされたくない。同情するなら金をくれ。

 

 

「はーい上杉家特製カレーと卵焼きでーす!お口に合うといいんだけど」

「ふん!お嬢様に庶民の味がわかるかね」

「コラ。そういう嫌みなところ直した方がいいよ」

 

 

痛てぇ……トレーで叩かれたぞ。妹よいつの間にそんな乱暴な子に……。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

「今日はご馳走さまでした」

「おう!風太郎通りまで送っていけ」

「おう。言われなくても分かってる。面倒だが、こいつ見てくれはいいからな。こいつに何かあったら俺が困る」

「えっ…上杉くんそれって……」

「こいつに何か危険があったら家庭教師の件、無くなりそうだしな」

「はぁ……五月さん。お兄ちゃんはクズで…自己中で最低な人間だけど……」

 

 

え、俺らいはにそう思われてたの?お兄ちゃん泣いちゃいそう。てか泣いていい?

 

 

「でも良いところもいっぱいあるんだ!だから、その…また家に遊びにでもご飯を食べにでも…来てくれる…?」

「もちろん!頭を使うとお腹が空きますから!またご馳走してください」

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

夏前とはいえ、流石に夜はまだ少し冷える。コツコツと二人分の足音が静寂に響く。俺は五月を送っている最中だ。すると突然五月が足を止める。

 

 

「ここらで結構ですよ?ありがとうございます」

「タクシーとやらを呼んだのか」

 

 

間もなくタクシーがこちらに向かってきていた。

 

 

「今日は本当にありがとうございます。明日からよろしくお願いしますね」

「おう。言われなくても」

「それじゃあ…おやすみなさい」

「あぁ。おやすみ。気を付けて帰れよ」

 

 

こうして俺の波乱万丈な家庭教師生活が幕を開けた。




地の文が苦手。もっとこう上手く書けるようになりたいところです。
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