もし風太郎たちが原作とはほんの少しだけ違う感じだったら   作:べるぬい

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部活の合宿がありまして大変更新が遅れました。許せサスケ。



第3話 屋上の告白

「ハァ…ハァ‥ギ…ギリギリセー……フ……」

 

 

季節は夏。炎天下の朝。俺は寝坊したおかげで学校に遅刻しないように走ってきた。無論走りながら勉強も俺は欠かさない。ただ、家庭教師と自分の勉強の両立がこんなにきついとは……こんな生活続けられるのか……?

 

と、くそ暑い中自分のことで悩んでいると後ろから車の音が聞こえる。そして俺の少し前で止まった。

 

 

「おおっ、見たこともない外国の車だ。かっけー100万はするんだろうな」

 

 

適当なことぶっこいてたら中から人が降りてきた。てかあいつらだった。

 

 

「!!」

「あ!フータロー!」

「おはようございます」

「な、なんですか?ジロジロ不躾な‥」

「……お前ら!一昨日はよくも逃げて!ああっ!また!よく見ろ!俺は手ぶらだ!!害はない!!」

 

 

俺はどこからどう見ても安心安全だぜ?

 

 

「騙されねーぞ?」

「参考書とか隠してない?」

「油断させて勉強教えてくるかも」

 

 

こいつら俺をなんだと思ってるんだ……。

 

 

「あ、そうだ五月。うちのことだが……」

「あぁ。口外してないですよ?安心してください」

「そ、そうか。サンキュな」

 

 

それならいいんだ。助かる。

 

 

「フータロー君。私たちの力不足は認めるよ?でもね。自分の問題は自分で解決するから~」

「勉強は一人でもできる」

「そうそう。要するに余計なお世話よ」

「そ、そうか……。

  じゃあ一昨日のテストの復習はもちろんしたよな?

……問一、厳島の戦いで毛利元就が破った武将を答えよ」

 

 

一花がどや顔でこちらを向いてきた!答えが分かってるんだ……な……無言!!五月、四葉も含め分かってないんかい!

 

 

「やっぱり……」

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

この三日間で分かったことがある。この五人は極度の勉強嫌い。特に一花と二乃、三玖は俺のことをどうも良く思ってないみたいだ。いやまぁ当然か。

一人ずつ信頼関係を築くしかないか……。俺の最も嫌いな分野だ。誰か変わってくれ。そんなことを考えつつ一昨日の彼女等のテストの答えを見ていると……

 

 

「あれ?三玖……一昨日のテストの一門目、つまりさっき出した問題正解してる……」

 

 

だったら何で答えなかったんだ?これは本人に聞くしかないな。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

三玖とは違うクラスなので食堂に来た。ここならいるはずなんだが……あ、いた。

 

 

「よう三玖……ん?350円のサンドイッチに……何だその飲み物」

「抹茶ソーダ」

「逆に味が気になる!」

「の、飲んでみる?」

「あ?いいのか?じゃあいただきます」

「えっ!ちょ、冗談「美味いなこれ」

 

 

俺は未開封だった抹茶ソーダを開け、飲んでみた。これ意外と美味いな。お金に余裕ができたら今度自分で買ってみるかな。

 

 

「ふ、フータロー……へんたいっ!」

「え!なんで!?あ、じゃなかった。聞きたいことが「上杉さん!お昼一緒に食べませんか!?」

「うおっ!?なんだ四葉か。お前はいつも突然すぎだ」

「あはは~!これ見てください!英語の宿題!全部間違えてました!あはははは!!」

「分かった分かった。放課後見てやるから……」

「ごめんねー?邪魔しちゃって」

 

 

と、四葉の後ろから一花が出てくる。お前いたのか……。

 

 

「一花も見てもらいなよ!」

「う~んパス!私たちバカだし…ね?」

「だからってなぁ……」

「それにさ!高校生活勉強だけってどうなの?もっと青春をエンジョイしようよ!」

 

 

 

「恋とか!」

 

 

 

 

「恋?

アレは学業から最もかけ離れた愚かな行為だ。したい奴は勝手にしろ。だがそいつの人生のピークは学生時代となるだろう」

「この拗らせ方……手遅れだわ!」

 

 

恋愛なんて興味ない。特に俺に関しては無関係すぎる。

 

 

「恋愛かぁ…………三玖はどう?好きな男子とかできた?」

「えっ?い、いないよ!」

 

 

三玖が急に走り去ってしまった……。え、ちょっとまだ聞きたいことが聞けてないんだが……?

 

 

「あの表情。姉妹の私にはわかります。三玖は恋、してますね!」

「……」

 

はぁ?

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

三玖に好きな人だと……?四葉の思い過ごしならいいが…。あの二人、人の色恋沙汰ではしゃぎやがって。良くない流れだ。あいつらには勉強をしてもらわないと困るのに。

 

 

「あん?なんだこれ」

 

 

教室に戻り自席へと座り勉強しようと教科書を取ろうとしたら、机の中から三玖からの手紙が出てきた。

 

 

 

ーーフータローへ

 

昼休みに屋上に来て。

フータローに伝えたいことがある。

どうしてもこの気持ちが

抑えられないの

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

えっ

 

 

えっ?不味い……不味いぞ。三玖は俺に不快感を抱いている。つまり嫌われているんだ……。もしかしたら先の抹茶ソーダの件について金をせしめられる……?不味い……。

 

 

「何をそんなに思い詰めた顔してるんですか?」

「いっ!五月か……これは真顔だ。真顔すぎるほど真顔だ」

「?」

 

 

 

覚悟を決めろ風太郎。クールになれ上杉風太郎。こんなことにわざわざ付き合ってやる必要はない!

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

のだが、一応屋上来た。夏で暑いかと思ったが、高度もあり、風が強いので案外涼しかった。三玖を待ち続け30分程。あいつが来る気配は一切なかった。

 

 

ほらね!!程度の低いイタズラに乗っかっちまったぜ。まぁ本当に来られても困るんだが。

帰ろうとしようとして歩こうとしたら、屋上の扉が開いた。三玖だった。

 

 

「み、三玖!!何か俺に文句があるのか…?」

「良かった。手紙見てくれたんだ」

 

 

くっ、俺は貧乏だから抹茶ソーダの弁償金さえ惜しい…。不味いぞ…。

 

 

「食堂で言えたら良かったんだけど、誰にも聞かれたくなかったから」

 

 

……?誰にも聞かれたくない?じゃあ金についてではなさそう?瞬間、俺の脳内に四葉の台詞がフラッシュバックした。

 

『あの表情!姉妹の私には分かります!』

 

まさか…!

 

 

「フータロー。あのね」

 

 

『三玖は恋しています!』

 

 

「ずっと言いたかったの……す…す」

 

 

不味いぞ…!きっと好きな人がいるの!相談に乗って!なんて言われるんだろうか。だが生憎俺に恋愛なんてわからん。相談されても俺は分からんぞ…。

 

 

「陶 晴賢」

「陶 晴賢…!!」

 

 

は?

 

 

「よし、言えた。スッキリ」

「ちょ、ちょっと待って!今の何!?」

「うるさいなぁ…問題の答えだけど」

 

 

問題の答え…?…!!今朝の五人に出した問題のことか!

 

 

「待てって!なぜそれを今このタイミングで!?」

 

 

帰ろうとする三玖の肩を掴み引き止める。その衝動で三玖のスマホを落とさせてしまう。

 

 

「わーっ!」

「す、すまん!」

 

 

三玖のスマホを拾おうとしたらロック画面が映し出された。これは武田菱…。

 

 

「これ、武田信玄の…」

「見た?」

 

 

思いっきり睨まれた。え、怖。眼光ヤバくね?俺のこと嫌い過ぎでしょう。

 

 

「え?あ、あぁ」

「…だ、誰にも言わないで。戦国武将…好きなの」

「へぇ?良いじゃないか」

 

 

いわゆる歴女ってやつか。それでテストも正解出来たわけだ。

 

 

「きっかけは四葉から借りたゲーム。野心溢れる武将たちに惹かれてたくさん本も読んだ」

「ふむ。良いことだ」

「でもクラスのみんなが好きな人は、イケメン俳優や美人モデル。それに比べて私は髭のおじさん…変だよ」

 

 

前髪を弄りながら三玖は自分の好きなことを…つまるところ趣味を教えてくれた。歴史、中でも戦国武将か。いいじゃないか。

 

 

「変じゃないだろ。自分が好きになったものを信じろよ」

「…!」

「自慢じゃないが俺は武将にも造詣が深い方だ。前回の日本史のテストは満点だったな」

「そうなの!?」

「あぁ。これが学年一位の力だ!俺の授業を受ければ三玖の知らない武将の話もあるかもだぜ?」

「!それって…私より詳しいってこと?」

「え?」

「じゃあ問題ね?信長が秀吉を『猿』って呼んでたのは有名な話だよね。でもこの逸話は間違いだって知ってた?本当はなんてあだ名で呼ばれてたか知ってる?」

 

 

めっちゃ喋る!頬を膨らませて俺の答えを待ってるようだ。ちょっと可愛いなこいつ。この五姉妹。まだ全然知らないことばかりだが、正直顔は良いと思う。羨ましいぜ!

じゃなくて、秀吉のあだ名か。確か歴史の先生が言っていたな。

 

 

「ハゲネズミ、だろ?」

「…正解」

 

 

ありがとう先生!

 

 

「それにしてもハゲネズミは酷いよな」

「私も思う。知ってると思うけど私が好きな逸話は…」

 

 

三玖の表情が変わった。

 

 

「謙信が女だった説!とか」

「うんうん」

「三成は柿を食べなかったんだ。感動したなぁ」

「あーそれな?」

「信長が頭蓋骨にお酒を入れたとか…」

「そ…それな!」

 

 

笑顔になったり、涙を流したり、少し怖がったり。何だ、こいつ結構コロコロ表情変わるんだな。分かりやすいやつだ。少しずつ三玖のことが分かった気がする。

『武将』は勉強から逃げるこいつと『日本史』を繋ぐ唯一の接点。これはチャンスだ。生かしてみせる。

キーンコーンカーンコーン。昼休みの終わりを告げる予鈴がなった。

 

 

「あ、次の授業始まっちゃう」

「そうだな。が、まだ話し足りないな。うーんこの話、三玖は知っているかな?そうだ。次の家庭教師の内容は日本史を中心にしよう。三玖、受けてくれるか?」

「…っ。そこまで言うなら、いいよ」

 

 

よし!授業を受けてくれる第三人目だ!後に五月に報告しよう!早速家庭教師の日を決めさせてもらおうか。

 

 

「これ。友好の印」

 

 

そう言って三玖は抹茶ソーダを差し出してきた。お、マジか。もう1回飲んでみたいと思っていたんだ。

 

 

「鼻水なんて入ってないよ。なんちゃって」

 

 

え?なんて?鼻水?鼻水って言った?なんちゃって?どういうことだ?

 

 

「あれっ?もしかしてこの逸話知らないの?そっか。頭良いって言ってたけどこんなもんなんだ。やっぱり教わることはなさそう…バイバイ」

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

「うわっ」

「なんだあいつ」

 

 

図書室にて俺は歴史の本を借りた。まずは100冊ほどだ。

許さねぇ…意地でも俺が勉強を教えてやる!

 




原作を見ながら書いているのですが中々大変でござる。
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