もし風太郎たちが原作とはほんの少しだけ違う感じだったら 作:べるぬい
本当は文才が欲しいです。それなりにオリジナルで書いてみたい。誰か文才くれ。
ドンッ!とあいつらのマンションの自動ドアを叩く。しまった…オートロックか!あいつらの部屋の番号覚えてねぇ!くそぉぉ…。
「あれ?フータロー。何やってるの?」
「あ、三玖か!いや、お前らの部屋番忘れてしまってな…。入れないところだったんだ」
「そうなの?じゃあこれから覚えてね。家庭教師、するんでしょ?」
◇◆◇◆◇◆
「おはようございまーす!私は準備万端です!」
「私もまぁ見てよっかな」
「一花も参加するんですか?珍しいですね」
「フータロー。約束通り日本史教えてね」
何だ今日は従順じゃないか。こいつらも人の子。優しく接すれば理解し合えるんだ!
「よーしやるかー!!」
「あ。なーに?また懲りずに来たの?」
「二乃…どうだ?二乃も一緒に…」
「無理。死んでもお断り」
ぐっ…腹が立つがいけない。優しく優しくだ。それに今は四人でも大丈夫。
「今日は俺らだけでやるかー」
「はーい!」
「…そうだ四葉。バスケ部の知り合いが臨時メンバー探してるんだけど…今から行ってあげたら?」
「いっ!」
「今から!?えっとでも…」
「なんでも5人しかいない部員の1人が骨折しちゃって…このままだと大会に出られないらしいのよ。頑張って練習してきただろうにあーかわいそー」
なんて棒読みなんだ…呆れるレベルだぞ。
「そんなのやるわけないだろ…なぁ四葉」
「上杉さんすみません!困ってる人をほっといてはおけません!!」
えー?嘘だろー?
「あの子…断れない性格だから…」
「マジか」
二乃の方をチラリと見るとすげぇニコニコしてる。性格悪い奴め…そんなに俺が嫌いか。
「一花も二時からバイトでしょ?」
「あー忘れてた。ありがとうね」
「五月、こんなうるさいところより…」
「私は上杉くんに教わりますので大丈夫です」
「そっ…そう。あれー?三玖まだいたの?あんたが間違えて飲んだアタシのジュース買ってきなさいよ」
五月は断ってくれたが三玖はどうだ?くっ…毎度邪魔してきやがって、一体何が目的だ?
「それならもう買ってきた」
「えっ?」
「ナイスだ!三玖!」
「って何これ!?」
三玖が買ってきたジュースはまさかの抹茶ソーダだった。良かったら後で1本貰おうかな。
「そんなことより授業始めよう?フータロー」
「仕方ない。やるか」
五月が黙々とやっているのに…申し訳ないな。
「は?あんたらいつからそんなに仲良くなったわけ?え?え?こういう冴えない顔の男が好みだったの?」
「こいつ今酷いこと言った」
まぁ自覚はあるんだが。実際言われるとキツい。
「二乃はメンクイだから」
「お前も地味に酷いな」
顔が良ければ二乃も協力的だったのか…?チッ、別に自分の顔が良かろうと悪かろうと興味はなかったが、今回ばかりは初めてイケメンが良かったと思った。
「はぁ?メンクイが悪いんですか?イケメンに越したことはないでしょ?」
「メンクイが悪いなんて一言も言ってない」
「なーるほど。外見を気にしてないからそんなダサい服で出かけられるんだ」
「その尖った爪がオシャレなの?」
「あんたにはわかんないかなー」
「わかりたくもない」
何でこいつら姉妹喧嘩始めるんだよ…。勘弁してくれ。
「お前ら姉妹なんだから仲良くしろよ。外見とか中身とかそんなの今はいいだろ。それにお前ら可愛いし美人さんだから、あまりにも酷くなければ大抵オシャレになるだろ?」
「っ…。フータロー…」
「な!何言ってるのよ!!まぁいいわ。キミ、お昼は食べてきた?」
「んんん?」
何だこいつ。鳥人間コンテスト優勝できるレベルで話飛び変わったな。
「いや、食べてないけど…」
そしてぐぅうぅぅうぅぅ、と俺の腹の虫がなる。恥ずかしい。
「そうね…じゃあ三玖の言う通り中身で勝負しようじゃない!どちらがより家庭的か…アタシが勝ったら今日は勉強なし!!」
話変わってなかったな。ってえぇそれは困る。ま、まぁ三玖はそんなのやるわけないよな…?
「フータロー。すぐ終わらせるから座って待ってて」
「お前が座ってろ!!」
「五月蝿いですよ…上杉くん」
「あ、す、すまん五月。お前からも何か言ってやってくれ」
「そうですね…」
そうだ。こいつなら厳しいことを言ってくれるはず。
「今日のお昼まだだったので私の分もお願いします」
「分かってるわよ」
「わかった。五月の分もつくる」
ああああ!?そうだった!五月は大食いだったんだ…。盲点だった…。ことごとくうまくいかないな…。
◇◆◇◆◇◆
「じゃーん!旬の野菜と生ハムのダッチベイビー!」
「お…おむらいす…」
二人の料理バトルが終わるまで俺は五月の勉強を見て待っていた。そしてどうやら出来たようだ。五月はもう食べ始めていた。
まず見た目。二乃は凄い。見た目がもう美味しそう。こいつ料理得意だろうな。対して三玖。オムライス、と言っていたが、形が崩れに崩れていた。見た目なら…三玖には悪いが二乃の圧倒的勝利である。
「やっぱいい。自分で食べる」
「せっかく作ったんだから食べてもらいなよー」
二乃の顔は言うまでもなくニヤニヤしてた。なるほど。こいつが料理得意なのは確定だな。そして三玖が苦手なのを分かってこの勝負を仕掛けたのか。つくづくこいつは性格悪いな、と思う。
「いただきます」
「あっ」
まず二乃のダッチ何とかを1口食べ、次に三玖のオムライスを食べる。ふむ。
「うん。どっちも普通に美味いな」
「はぁ!?そんなわけ……っ!何それ!つまんない!」
まったくあいつは…。三玖は何か嬉しそうだが…そんなに料理が上手くできたのが嬉しいのか?ってあ!
「もうこんな時間かよ…。今回は出直すわ。まんまと二乃の策にはまっちまったな」
「ごめん…」
「別に気にするな。オムライス美味かったぞ。ごちそうさま。二乃にも伝えておいてくれ」
「うん」
「あ、皿洗い、手伝うぞ」
「ありがとう」
やはり二乃は俺に特別な悪意を持っている。どうすればいいんだ。
「あいつと分かり合える気がしない」
「ちゃんと誠実に向き合えば分かってくれるよ」
「誠実にって…どうすれば」
「私に言われてもわかんない。でもそれを考えるのがフータローの仕事でしょ?」
「……誠実に向き合う、か」
◆◇◆◇◆◇
さてもう夕方だ。らいはも待っているだろうし急いで帰ろう。あ!財布忘れた………。おいおいオートロックかかっちまった。めんどくせー。ややこしくなるのは面倒だから…二乃は出てくるなよ?
「忘れ物?シャワー浴びてるから勝手に取ってっていいよ」
「おい三玖。それでいいのか?」
そう言えばあいつに羞恥心はなかったな。俺の目の前で黒タイツを平然と脱ぎ始めるしな。
財布を忘れた、と言っても中身は無いに等しい。それはそれで見られたくないんだが。
「お、お邪魔しまーす」
ここに来るのは3回目。が、今日はリビングにしか行ってないからリビングにあるだろう。どこら辺に置いたっけか。
ん?何か音がするな…この音は?
三玖がドライヤーで髪を乾かしていた。
「み、三玖!!もう風呂出たのかよ!!」
「……ん?」
いつもの眠たそうな目でこちらを見てくる。そう言えばこいつ、羞恥心ないんだからこういうのも気にしないのか。てか一花もそうだったな。ここの姉妹には羞恥心がないのか…?あ、財布あった。さっさと取って帰ろう。
「じゃあな三玖。扉開けてくれてサンキュ。俺は帰るわ」
待てよ…?1階からここまで何分かかった?いくらなんでも早すぎじゃないか?
「誰?三玖?お風呂入るんじゃないの?空いたけど」
二乃!!??
「いつもの棚にコンタクトあるから取ってくんない?」
眼が悪くて見えてないのか?あ、危ねー!!だがどうする?
こんな不誠実バレたらおしまいだ!
「お昼にいじわるしたこと、まだ怒ってるの?」
…っ!どの棚だ!?
「あれは勢いで…悪いとは思ってるわよ」
くそっ…!ここじゃない!
「何してんの?そこじゃないって?場所変えてないわよ」
んぎゃぁぁぉぁ!背中に胸を押し付けてくるんじゃあない!逃げよう。今は向き合える状況じゃねぇ!
「…やっぱ怒ってんじゃん。全部あいつのせいだ」
「…!!」
「パパに命令されたからって好き勝手にうちに入ってきて…私たち五人の家にあいつの入る余地なんてないんだから」
こいつ…もしかして…。
「決めた!フータローは今後出入り禁止!」
……?今こいつ風太郎って呼んだか?じゃなくて!すまん!出るのは許してくれ。二乃を尻目に帰ろうとした時、二乃が暴れて棚に手をぶつけていた。その時の衝動で二乃の真上の棚に入っている本が、今にも二乃目掛けて落ちてきそうだった。
「危ねぇぞ!」
「えっ?きゃっ!」
痛てぇ…背中に本が当たったが…角が当たったな。痛すぎる。二乃を押し倒すようにしてしまったが、背中を何とか支えているので、床に当たったりはしてないはず。無事そうだ。
「えっ」
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この時の俺はまだ理解してなかった。
「今日はありがとうございました」
「一花ちゃん。今日も最高だったよ。また次もよろしく」
「はい」
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この馬鹿五人組の一人一人と向き合うことの難しさを。
「ハァハァ…」
「中野さん上手で頼もしいよ〜」
「お役に立てて嬉しいです。次の試合も頑張りましょう」
「あのさ、お願いがあるんだけど。このまま正式にバスケ部に入らない?」
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そして俺も教わることになる。
『この前隠してた三玖の好きな人って上杉さんじゃ…』
『こういう冴えない顔の男が好みだったの?』
「変なこと言うから…好き、なのかな…」
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俺もまた馬鹿野郎だということを!
「不法侵入ー!」
「ち、違う!俺は忘れ物を取りにきただけだ!」
「え、そ、そうなの?」
「あ、あぁ」
「じゃあ何でアタシを押し倒したのよ!」
「違ぇよ!お前を上から落ちてくる本から守ったんじゃないか!それに手でお前を支えてゆっくりと床へと…!……いや、悪かった。そう思われても仕方がないな」
「えっ、ちょっと…」
「怪我はないか?床は冷たいし固くて辛いだろ?ほら掴んでろ」
「え…うん」
俺は二乃の手を引っ張り床から立たせ、ソファに座らせた。うん。特に怪我はなさそうだ。
「本当に悪かったな。俺は帰る。三玖に扉を開けてくれてありがとう、と伝えておいてくれ」
「ちょっと!待ちなさ……いよ」
はぁやらかしたな。このことが他の姉妹に悪いように言いふらされたら、俺は間違いなく終わる。
もう家帰ってふて寝しよ。
誰か文才くれぇぇぇぇぇ!