もし風太郎たちが原作とはほんの少しだけ違う感じだったら   作:べるぬい

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俺も…俺も花火大会五つ子と行きたい。
上杉風太郎になりたい人生だった。


第6話 今日はお休み①

『9月30日 日曜日 いよいよ本日は東町で花火大会がありますね』

 

 

日曜日。今日は丸一日休み!五つ子のことは忘れて、思う存分勉強できるぞ!と思ったが花火大会…ね。らいはを連れてって見るか?いや、それともアイツらを誘ってみて、親交を深めるか?……連絡先知らねぇから無理だな。

 

お?この公式、教科書には載ってないがあいつらには教えておいた方がいいな。それにこの問題もよく出来てる。これなら四葉も理解できるかもな。ん?…くくくっ、この問題は三玖が喜びそうだ。

 

って何やってんだ俺ーっ!立派な家庭教師か!いやまぁ家庭教師なんだけどさ。

ピンポーンとインターホンが鳴る。借金取りか?金ならないぞ?

 

 

「はーい」

 

 

ドアを開けたら五月がいた。バタン、とドアを閉める。

 

 

「なんで閉めるんですか!?開けてください!」

「すまん。つい反射で。そういえばお前はうちを知ってるんだったな」

「えぇあなたにお渡しするものが…」

「ただいまーってあ!五月さん!いらっしゃーい!」

「お、らいはおかえり」

「らいはちゃん!」

「五月さん!中にどうぞー!」

「そうだな。外も暑いし女子を立たせてるのもなんだ。冷たい茶ぐらいしか出せねぇが中に入れよ」

「えっ…えぇ。お言葉に甘えさせてもらいますね」

 

 

◆◆◇◆◇◆

 

 

机には三人分のお茶が注がれたコップに給与、と書かれた封筒が1枚。俺の給料か?

 

 

「父から預かった上杉君のお給料です」

「すごーい!お兄ちゃん頑張ったね!」

「と言っても2回しか行ってないんだがな。期待しない方が…」

 

 

そうだ。いくら五人分とは言え、二回しか行ってないのだ。多くて8000円とかその辺りだろうか。と、封筒の中身を出してみると…パラッ…と福沢諭吉さんが5人こんにちは!してきました。えっ?多すぎない?どういう計算してんの?

 

 

 

「一日五千円を五人分。計二回で五万円だそうです」

 

 

は?え?俺はそれを聞いて冷や汗と体の震えが止まらなかった。夏風邪かな…?

 

 

「あわわわお兄ちゃんの汗で、諭吉さんがしわしわに!」

「す、すげぇ…これなら借金もあっという間に………いや受け取れねぇ」

「え?」

「確かに俺はお前たちの家に二回行った。だが俺は何もしてねぇ」

 

 

いやマジで俺何もしてない。テストやらせたのと二乃と三玖の昼飯バトルを尻目に五月に少し勉強を教えてただけだ。受け取るにしても一花、二乃、三玖、四葉の分を貰う訳にはいかない。

 

 

「そうでしょうか。セクハラしてたじゃないですか」

「お兄ちゃん?」

「は、はぁ!?何のことだ!?」

 

 

ま、まさか二乃があのことを言いふらしたのか…?

これは最初で最後の給料…?それなら貰います貰わせてください。

 

 

 

「ほら、これですよ」

 

 

五月は自分のポケットからスマホを取り出し、この前の俺が二乃を押し倒した、いや押し倒したのではなく助けたんだが、そのシーンの写真バッチリ撮られていた。

 

 

「い、いや待て。待ってくれ。それは誤解だ…」

「…冗談ですよ。一部始終見てましたから」

「そ、そうだったのか…良かった。二乃、怒ってた?」

「…それは分かりませんが……それと何もしてない、なんてことはないと思いますよ?」

「え?」

「あなたの存在は五人の何かを変え始めています」

「…そうなのか?」

「えぇまぁ。私も含めて…ね。とにかく返金は受け付けません。どう使おうとあなたの自由ですよ」

 

 

うぉぉ…五万円。ぐぅぅ何に使うか。……………!

 

 

「らいは。何か欲しい物はあるか?」

 

 

◆◇◇◆◇◆

 

 

「わー!こんなところがあるんだー!」

 

 

俺は今らいはとゲームセンターと言うところに来ている。俺自身も数回しか行ったことがないところだ。俺はらいはが楽しんでくれればいい。ただ、1つ不可解な点が。

 

 

「なんでお前も来てんだよ」

「仕方ないでしょう?」

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

『私!ゲームセンターに行ってみたい!』

『五月さんももちろん行くよね?………ダメ?』

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「断れよ!」

「断れませんよ!可愛すぎます!」

「だよな!分かる!」

 

 

ふっ。らいはの可愛さが分かるとはな。五月のくせにやるじゃないか。

 

 

「お兄ちゃんこれやろー!」

「おーう。待て待て今行くから。おい五月、行くぞ」

 

 

俺は五月に向けて手を差し出す。

 

 

「…は?何ですかこの手」

「あ?お前歩くの遅いしはぐれそうだからな。手、繋ぐぞ 」

「……へ?」

 

 

何やってんだこいつ。俺は五月の手を無理矢理掴んでらいはのもとへと向かった。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

「あははは!楽しいねお兄ちゃん!」

「おう」

 

 

ゲームセンター。騒音と騒ぐしか脳の無い奴等しか来ないと、あまり好きな場所では無かったが、らいはがこんなに楽しんでるんだ。評価を再考しよう。

 

 

「これ…私も貰って良いんですか?」

「ん?あぁまだ気にしてんのか?いいから」

「…ありがとうございます」

 

 

五月の手には先程クレーンゲーム、またはUFOキャッチャーで取ったキーホルダーが握られている。ちなみに3つ取れたので、俺とらいは、そして五月に1つずつだ。ちなみにカラーは別だが同じデザインをしている。

 

 

「ま、入らなかったら捨ててくれて構わないからな」

「す、捨てません!らいはちゃんとお揃いですもの!……不本意ながら上杉君とも…」

 

 

最後の方小声で聞こえなかったが、良かったならいは。五月はお前のことを心底大好きみたいだぞ。

 

 

「あぁ。あとあれだ。なんか付き合わせちゃって悪いな」

「え?」

「らいはには家の事情でいつも不便かけてる。本当は年相応にやりたいことがもっとあるはずなんだ。あいつの望みは、全て叶えてやりたい」

 

 

そうだ。らいはには不自由にさせたくない。しっかり家庭教師して金を稼がないと。

 

 

「お兄ちゃん、五月さん。最後に三人であれ!やってみたいな!」

 

 

そう言われて俺と五月はらいはの指差す方向を見た。そこにあったのは

 

 

 

所謂ぷりくら?と言う奴だった。

 

 

確かプリクラだよな。こういう知識は曖昧だ。 だが俺は断固拒否だ!らいはの気を紛らわせなくては!

 

 

「そ、それよりあっちの方が楽しそうだぜ」

 

 

気を紛らわせようとした瞬間、俺の肩に五月の手が置かれた。

 

 

「全て叶える…でしょう?」

「……」

 

 

くそーっ!何でこいつの前であんなこと言っちゃたんだー!俺は数十秒前の自分を憎んだ。

 

 

◇◆◆◆◇

 

 

『モードを選択してね!』

『プリティーモード!』

『素敵な笑顔でキメちゃお!』

 

 

舐めとんのか。何だこの未知なる空間は…。とてもムズムズする。一刻も早くここから出たい…!

 

 

「二人とも?顔が硬いよー」

「こ、こういうものは苦手でして… 」

「そ、そうだぜ。やっぱりお前らだけでやってくれ」

「逃がさないよ」

 

 

可愛らしい笑顔でしっかりと手をホールドされてた。

えぇい上杉風太郎。覚悟を決めろ。

 

 

『カメラに向いてね!』

 

「ほら五月さんも!」

「あ、はい 」

 

『3.2.1.』

「なんかこれ家族写真みたいだね!」

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

俺たちはプリクラで写真を撮ったあとの落書きコーナーへ来ている。五月も俺も酷い顔してるな。だが元の顔が良いので五月は写真写りも良好だった。美人ってすげぇ。

 

 

「お前酷い顔してるな」

「あなたの顔も負けず劣らずの酷さですよ!」

 

 

何回も撮られてるのに、らいはは満面の笑みなのに、俺たちは顔が引き攣りまくってた。面目ないぜ。らいは。

 

 

「お?猫耳とかつけれるのか。五月に付けちゃお〜」

「なっ!何するんですか!」

「お、可愛いじゃねぇか。保存しちゃっていいか?」

「かっ、可愛いって……もういいです!」

 

 

何だよ何で怒るんだよ。くそ!女ってのは良く分からないな。そんなに猫耳付けられたのが嫌だったのか。それだったら悪いことした。

 

 

「はい!これ五月さんの分」

「一応貰っておきます」

「お兄ちゃんもありがとう!一生の宝物にするね!」

 

 

この満面の笑みを見れただけで、俺は満足だ。

 

 

 

「五月。今日は来てくれてありがとうな」

 

 

◆◆◇◆◇◆

 

 

はぁ。結局日曜日が潰れてしまった。いや、まだ夜があるか。少し遅くまで勉強しないとな。あ。

 

 

「お前らも勉強しろよ」

「え…あっ私はここで…」

「?何だよ怪しいな。宿題出しただろ?済ませたのか?」

「わーっ!付いてこないでください!」

 

 

絶対やってないだろこいつ。というか姉妹全員やってないんだろうなぁ。

 

 

「お兄ちゃん。五月さんが四人いるー」

「え」

 

 

言われて振り向くと…

 

見惚れるぐらい綺麗で、着物を着たあいつらがいた。

 

 

「集まったし早くお祭り行こうよ」

「デート中だった?ごめんね〜」

「五月!なんでそいつといるのよ!」

 

 

お祭り。そういえば忘れてた。こいつらお祭り行くのか。

なら好都合だ。今日は俺の勉強はやめだ。

 

 

「わー!上杉さんの妹ちゃんですか?これからお祭り一緒に行きましょうよ!」

 

 

ナイス四葉ぁ!これで俺も自然に祭りへ行ける。一花と二乃にあまり警戒されないようにしないとな。

 

 

「お兄ちゃん!お祭り行ってもいい?」

「もちろんだ」

 

 

 

日曜日は完全に潰れました。




どれだけ前世に徳を積めば上杉風太郎になれるのか
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