もし風太郎たちが原作とはほんの少しだけ違う感じだったら 作:べるぬい
二乃を愛した四葉推しなので、二人の否定説見るのは厳しいです。てか五姉妹全員否定説見るの厳しい。全員平等に公平に行こうぜ?(震え声)
四葉とらいはを無事二乃たちの元へ送り届け、俺は再び人混みの中に混ざる。一花を探すためだ。しかし…こんな人混みの中で俺は一花を見つけられるのか…?そもそももうこのお祭りの会場にいないのでは?
ダメだ。そんなことを考えたって仕方ない。時間切れまでは探さなくては!
「よかった。みんなちゃんと合流出来たんだね」
………!この声は!
「一…!」
「こっち来て」
「!?」
一花、と名前を言おうとしたところを指で止められ、腕を引っ張られる。
「花火見た?すごいよね」
「おい!どこ行くんだ!?花火!五人で見るんだろ!」
「はは!いーからいーから!」
「……」
一花お前…。俺は一花に引っ張られるがまま、どこかの路地裏に連れ込まれる。こんな所に何の用が…。金ならないぞ。
「…それでね。さっきのことは秘密にしておいて」
さっきのことと言えば…髭親父のことか?なんて考えていたら一花が手を壁に力強く押し付け、俺も壁に押し付けられるような体制になる。
「私はみんなと一緒に花火を見られない」
「は?」
「急なお仕事頼まれちゃってさ。だから」
急なお仕事?こいつはバイトか何かしてるのか?だったら少しぐらい融通が効くだろう?と言葉には出さないが、その思惑が伝わるように一花の方を見ると笑っていた。さっきと同じ顔だ。
「ほら同じ顔だし、1人くらいいなくても気付かないよ」
「それは無理があるな」
確かにお前は他の姉妹と同じ顔だが、同じ顔ではない。決定的に違う。
「ごめんね。人、待たせてるから」
「おい!待てって!ちゃんと説明しろよ!」
「なんで?」
なんで?
「なんでお節介焼いてくれるの?」
それは…
「私たちの家庭教師だから? 」
確かに。
「確かに…っ!客観的に見て、なんで余計な面倒見てんだ?って感じだよな!」
「うん。じゃあそういうことだから…」
不味い。このままではあいつらが。でも俺は関係あるのか?一花に言われた言葉が脳内を駆け巡る。確かに俺には関係ないし、所詮お前らの家庭教師ってことで、こんなことまで首を突っ込む必要も無いが…。
「あ、やば」
何が?と一花と一緒に壁から顔だけを出して人混みの方へ視線を向けるとあの髭親父がいた。
「お前といたおっさんじゃねぇか」
「あの人仕事仲間なの」
「お前を探してるんじゃないか?」
「大変!こっち来た!どうしよう…仕事抜け出してきたから怒られちゃう!」
いやそれに関しては俺はマジで関係ないし、知らねぇよ。
「とりあえず奥から逃げるぞ!」
「だめ!間に合わないよ!」
髭親父が俺達のいる路地裏を覗いてきた。バレたか…?
「よっこいしょ」
そこに座るんかーい、なんて虚しいツッコミも届くわけがあるはずなく、状況は悪いままだ。ついでに言えば俺は今、一花と抱擁している。一花の顔を見せないようにだ。俺からはしてないから訴えられることとかないはず。多分。
「おい…」
「ん?」
「いつまでこうしてればいいんだ?」
「ごめん。もう少し」
女子はおろか友達さえいない俺には、一花と抱擁してる状況に緊張と焦りが出てきた。本当に何なんだこの状況。こいつは自分の顔が良いことを認識しているのか?
「私たち傍から見たら、恋人に見えるのかな?」
「んんっ?まぁ欧米じゃあるまいし、この状態は恋人に限られるだろうな」
「ふふっ。本当は友達なのに悪いことしてるみたい」
友達…?俺と一花が?いつ友達になったっけ?確かめるように俺は一花に問う。
「俺らって友達なのか…?」
「えっ!?えーとハグだけで友達を超えるのは流石に早いかなー」
「違ぇよ。そうじゃなくてだな…いやまぁ俺じゃなかったらそうやって早とちりする輩もいるだろうから気をつけろよな」
「え?なんで?」
「お前が可愛いからだろ?まぁお前に限らずお前ら姉妹共通のことだが」
「えっ」
「じゃなくて…えーと、俺はただの雇われ教師。それさえなければお前たちと接することなんてなかっただろう。そんな関係を友達と言うには違和感がだな…」
先程の一花のときも、三玖のときも、五月のときも言えなかった、モヤモヤとした塊のようなものをようやく吐き出せた気がする。そうだこの違和感があったから俺は…。
「なにそれめんどくさっ」
「えっ」
思考が深く暗く沈み込む前にバッサリと面倒臭いと言われた。えぇ?
「私は友達と思ってたのになぁ。やっぱりフータロー君は違ったんだ。傷付くなぁ〜」
「いや…俺は…」
友達を飛び越えて恋人、と断言してしまった三玖と四葉には申し訳ないことをしただろうか。素直に友達と言えばよかったのか?
「もしもし?」
!!髭親父が誰かと電話を始めたことにより、俺と一花の体は驚きで跳ね上がる。
「少しトラブルがあって…撮影の際は大丈夫ですので」
「…撮影?お前の仕事って…」
「実はあの人カメラマンなの。私はそこで働かせてもらってる」
なるほど。カメラアシスタント、とかいうやつだろうか。
「良い画が撮れるように試行錯誤する。今はそれが何より楽しいんだ」
カメラマンねぇ…うちの親父も…。
「学生の大切な時期にそんなことして大丈夫かよ。お前たちは勉強に集中しなきゃ進学すら怪しいんだぞ?」
「……フータロー君はなんのために勉強してるの?」
『君はなんのために勉強するの?』
昔だ。昔、俺が小学生の頃に、そんな質問をされた。あの子は今どこで…。
「それは…」
「一花ちゃん見つけた!」
「!しまっ…」
髭親父に見つかった!ヤバい一花が連れられていく……?
「こんなところで何やってんの!」
「えっ」
「言い訳は後で聞く。早く走って!」
「えっと…えっ?」
……………………………。
「三玖!?」
「もしかして私と間違えて…」
「とにかく追うぞ!」
急いで路地裏から出る。髭親父と三玖はそうそう離れていない。今なら追いつける!
「電話は!?」
「かけてる!」
「お前…なんで仕事抜け出してきたんだよ!」
「……言いたくない。どうやらフータロー君とは友達じゃないらしいし」
「うっ、そうは言ったが…」
なんでそんなこと聞いてんだ俺。こいつらが何をしてようが俺には関係ない。関係ないんだ!
『一花ちゃんとどういう関係?』
『私に聞かずとも』
『あなたはその答えを既に持ってるじゃないですか』
……!
「…っ!あの…私…一花じゃ…」
追いついた!俺は三玖の腕をとり体を俺の方へと抱き寄せる。足、大丈夫だろうか。
「…っ!」
「君は…なんだ君は!君はこの子の何なんだ!?」
「俺は…」
この関係を友達とは言えない。相手が友達と言ってきても俺はまだ、認めたくない。だからと言って先程のような嘘で言ってしまった恋人、という関係でもない。あの時、こいつらと出会った時、咄嗟に出た言葉が一番しっくりくる。
「俺はこいつの、こいつらのパートナーだ。返してもらいたい」
「「…!」」
「な、何をわけのわからないこと!」
「よく見てくれ!こいつは一花じゃない!」
「あ、あの…」
「その顔は見間違いようがない!さぁ早くうちの大切な若手女優を放しなさい!」
………??????????
若手女優…?わかてじょゆう…????
「え…カメラで撮る仕事って……そっち?」
一花可愛い