鋭角パンツァー 〜エキセントリック・ファイヴ〜 作:jeux
ひとしきり泣いた五十鈴は、冷泉の膝で寝ている。それを羨望の混じった表情で秋山は見つめる。
「・・・大変ですね乙女の恋は。私はこうはなれませんよ」
「またそれか。なんだかんだ憧れてるんじゃないか」
「まあ違うといえば嘘になりますが・・・私のは普通の乙女のソレとは質が違いますからね?」
「そうだろうな。無性愛だもんな」
「アーンド機械性愛ですよ」
男性にも女性にも恋愛感情すら持てず、代わりに戦車には興奮する。秋山はそんな性癖の持ち主だった。
「アキヤーマも変わったよな。最初隠そうとしてたじゃないか。」
「そりゃそうですよ。せっかくできた友人なのに、変なカミングアウトで離れられたら嫌じゃないですか。結局杞憂でしたが」
「まあ隠せてなかったけどな。沙織が恋バナ恋バナって言い出すたびに、死んだ魚のような目になって」
「みほさんに『ゆかりんは好きな男のタイプとかないのー?』とか聞かれて」
「返答に窮する様子を見て早合点した沙織が秋山レズ説をばらまいて」
「そうですそうです。で、なぜかそれで私は本当にレズかもと思ってしまって」
「で、西住氏籠絡事件に繋がると。酷かったなぁあれ」
「酷かったです。ほんとバカですねぇ私。麻子さん、沙織さん、華さんがいなかったら今頃2人で堕ちてましたよ深淵に」
自分がレズなのか確かめるため、ターゲットに選んだのが西住みほ。もっとも尊敬する人物なら行けるかも、と踏んだのだ。男性向けの本を読んでみて、その通りに実行したら、予想に反して成功してしまった。すでにその気の西住。しかし残酷なほどにそれまであった尊敬以外の感情が浮かんでこない秋山。ついに耐えきれなかった西住にアタックされてしまった秋山は、全てを白状してしまう。そこからあとはもう、阿鼻叫喚であった。
「その話よりはまだかわいいが、でもやばいと感じたのは私が最初に参加した演習だったな」
「私・・・相当だったそうですね」
「ああ。終始瞳孔開きっぱなしだし、なんかハァハァ言ってるし、車体から振動が伝わるたび恍惚の表情を浮かべる。お薬でもやってるのかと思ったぞ私は」
「毎度核爆発言ありがとうございます。被曝にはなれましたよもう」
「私も最初は初めての戦車で興奮してるのかなぁ程度でしたけど、それだけにしては異常すぎたと後になって思います」
「わっ、起きてたんですか華さん」
「最近大分戦車の中でも落ち着いてますけど、何か心境の変化が?」
華がそう言うと、秋山は人差し指を立て、自信ありげな表情で。
「アレですよ。成就した恋に無用な興奮はいらないってやつです」
「おっとぉ?」
「すでにお結ばれになっていたのですね・・・」
この作品に真のレズはいないのでレズ要素はありません(しろめ)
秋山さんこれサイコでしょ。