継続は力なりと言いますが、軽率な行動はそもそもとらない方がいいんじゃないですかね。
もちろん、碧き鉄は細々とでも続けるつもりですが。
こちら、第12話となります。どうぞ。
ーー ??? ーー
夜。有視界戦闘が昼に比べて大きく制限される上に、悪天候が重なろうものなら、レーダーの捕捉力も削がれる。戦闘を避け、ひっそりと進む潜水艦には都合のいい環境である。
それは霧の艦艇でも例外ではない。もっとも、人類の艦艇程の影響はないが。
そのせいか、イ401のクルー達には多少緊張感の和らいだ様子が見られた。
「よーやく潜水艦生活になれてきたよな。そーいや群像、これからどうすんだ?」
「そうだな、あいつらのようにビジネス、といきたいところだが、生憎と交渉の材料が少ない。まずは俺達の価値を上げるべきだと思っている。」
それを聞いた杏兵だが、どうも釈然としない様子だった。それを察したのか、
「つまり、時を見て動き出す故、それまでは今の生活が続く。ということですね?」
僧がごくごく簡単にした形で聞き返す。
「……まぁ、そんなとこだ。」
「……群像、霧の艦艇が近付いてる。反応からして、大型艦。」
こうして、彼らの束の間の急速は幕を閉じるのだった。
「敵艦捕捉!データベースより該当艦を検索……出ました!モニターに出します!」
そうしてモニターに映し出されたデータは、一行を絶句させた。
……大戦艦級、ムツ。それが、401に襲いかからんとする霧の正体だった。
「おいおい!いきなり大戦艦級かよ!?順序関係無しじゃねぇか!」
「今度ばかりは、相当ヤバいね……」
当然、彼らは大戦艦級など相手取った事はない。せいぜい、軽巡洋艦級の相手程度だ。
不安に包まれるクルー。が、群像は不安を表には出さなかった。
「イオナ、1つ策がある。これは君の力に依るところが大きい。聞いてくれ。」
群像が現状を切り抜ける策を説明し終えると、クルー達は気合いを入れた様子で、
「わかった。頑張る。」
「私に代替案はありません。お供しますよ。」
「戦うのはしょーがないけど、機関に無茶させ過ぎないでよ?」
「私も異論はありません。みんなで生き延びましょう。」
「……あーもう!こうなりゃヤケだ、群像、俺もお前に賭けるぜ!」
全員が一致団結したのを確認した群像は、一瞬だけ満足そうな表情をした。がすぐにそれを引き締め、大きく号令を発した。
「本艦はこれより、大戦艦級との戦闘に入る!必ずここを抜けるぞ!」
ーー 西之島・秘密基地 ーー
困った事になった。
今、俺の目の前に大戦艦級が鎮座せしめているのだ。
事の発端は俺が気まぐれに外を散歩してしまった事にある。
ーー 時を遡ること4時間前。
基地建設騒動の後、トネを労うにはどんなことをすれば良いのか考えに考えた訳だが、なかなかこれといったアイデアが浮かばない。
出てこないものを延々と模索し続ける事は結構疲れる。
気分転換にぶらっと歩いて来ようと思い立ったのが運のつき、出歩いた先の砂浜には女性が流れ着いていた。
「ん?なんだあれ。」
遠目には何が打ち上げられているかなんてわかるはずもない。強いて言うなら、なんかカラフルだなー、って程度。目良くないし。
そうして確認した物体、それが女性だった。体のところどころにノイズがかかっているというおまけ付き。
これにはもうトネに助けを求めるしか道が思い浮かばず、なんやかんやでこの状況に戻る、という寸法だ。
ちなみに、トネはいろいろしてくれた後、また眠りについた。幸いなことに、ここの椅子で。
で、恐る恐る質問をしてみたんだが、いくつか聞き出すことに成功した。
まず、彼女は霧の大戦艦級、ムツのメンタルモデルであること。
次に、ムツは艦体、更に記憶の一部を失っているということ。ホントに都合の良いことに、アドミラリティコードからの命令の記憶もなくしているようだ。そのおかげで、俺はムツに攻撃されることも無く、こうやって五体満足で質問を行うことができている。
「……それで、何故に大戦艦級のあんたが砂浜に打ち上げられてたの?」
「……笑わない?」
霧とはいえ、メンタルモデル。大戦艦級のプライドというものがあるのだろう。答えはYes以外ないな。
「笑わない。」
そう答えると、ムツは口を重そうに開いて言った。
「……潜水艦を攻撃して、返り討ちに遭ったの。」
「あっ……」
察した。すごく察した。ムツの言う潜水艦とは、
おそらくイ401のことだろう。あいつらならやりかねない。
俺が一人合点していると、ムツはなにやら不思議そうな面持ちで、
「そういえば私、なんで潜水艦に攻撃なんて仕掛けたのかしら?う~ん……」
「それは後で考えればいいんじゃないかなあ!うん、きっと他に大事なことがあるよ!」
これは危ない!声が裏返りかけたぞ、マジで。
こんなところで命令なんて思い出されたらシャレにならない。ナイス阻止、俺。
そうだ、これも聞いておきたいな。なんかヤバいの思い出しそうならまた止めればいいか。
「そん時の戦闘、覚えてたら聞かせてくれない?」
「ほう、それは我輩も興味があるな。」
いつの間に起きたのか、トネもイ401の戦いに興味を持ったようだ。やっぱり本質的には兵器なんだろうか。
「……いいわ。でも、あまり長くないから参考にならないかもね。」
そーいやちょっと前に艦これ春イベントが終了しましたね。皆さんはどこまで攻略なさったんでしょうか?
え?E-5?……知りませんね。(赤城並感
私はE-3で手一杯でした。エリートカ級……フラッグタ級……う、頭が。
副題も少し変えてみました。原作がdepth(深度)なので、こっちはmile(海里)って感じですね。さすがにsea mileとまでは書きません。長いので。
それでは、また次回お会いしましょう!
お相手は、Distortionでお送りしました!