碧き鉄のアルペジオ   作:Distortion

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すっかり隔月モードになっちゃいました。
いつになったら更新ペース上げられるんでしょう?

それでは、13話です。
#今回はいつもより地の文多いです。


mile.13 追憶の夜戦

ーー 数日前 某海域 ーー

 

海中に響く多数の爆音。この世界においてそれが意味するものはたった一つである。

 

ーー霧の艦艇による、対潜攻撃。

それはもちろん、この夜も例外ではなかった。

 

「いくわよ……沈みなさい!」

 

その声と同時に、大きな艦体から大量のミサイルが放たれる。それらは3つ程の群れに分かれ、暗い海中へと消えていった。

 

ミサイル群はそれぞれが複雑な軌道を描き、目標である敵潜水艦へと水の中を突き進んで行く。いつもなら、ミサイル群は敵に命中、それで終わるはずだった。

 

だが、今回は違った。

 

海中に潜む敵は、これまで自分が沈めてきた無人潜水艇とは大きく異なる動きを見せた。

サウンドデコイ、アクティブデコイ、魚雷での迎撃。

迫るミサイル全てを的確な動きで回避していく。

 

それもそのはず、相手は自分と同じ霧の艦艇なのだ。

さらに、その潜水艦は人間を乗せている。通常、霧の艦艇が人を乗せることはあり得ないのだ。

 

霧の『例外』ーーイ401。

それが、この戦闘における霧の大戦艦ムツの相手だった。

 

 

 

ミサイル全てを回避したイ401は、速度を上げて真っ直ぐこちらに向かってきた。おそらく、強引に突破する腹積もりなのだろう。

 

「なら、これで……!」

 

それを止めるべく、次々ミサイルを撃ち込む。戦艦の本懐は、圧倒的火力による殲滅。霧の艦艇でもそれは変わらない。

 

120にも昇る数のミサイルがイ401に襲いかかる。

が、それもほとんどが避けられてしまった。

 

サウンドデコイや音響魚雷でソナー誘導式のミサイルは目標を見失い、弾道入力式のミサイルは機敏な動きで回避される。

 

最後のミサイルが避けられたのを皮切りに、少しずつイ401の反撃が見られるようになった。

 

基本的にイ401から一度に発射される魚雷は8本だ。

しかし、複数の弾種や誘導パターンを使い分けて撃ち込んでくる。

 

侵食魚雷を庇うように周りの魚雷が迎撃の魚雷に向かっていく。その甲斐あって、侵食魚雷は私の右舷に命中した。

 

「くっ……!」

 

演算リソースを割いてタナトニウム侵食を抑える。

侵食魚雷は危険だが、数発程度ならば演算とクラインフィールドを駆使して無傷に収める事ができる。

それにしても、他を犠牲にして一発を当てる誘導パターン……私達にはなかった方法だ。これが人間というものなのだろうか。

 

「まだよ!たかが1、2発で私は沈まないわ!」

 

負けじとこちらもミサイルを撃ち込む。

放たれた無数のミサイル群はイ401ごと周囲を凪ぎ払うべく拡がっていく。いわば面制圧攻撃だ。

 

対してイ401はアクティブデコイを盾にして乗り切るつもりのようだ。だが、デコイを盾にした場合、爆発と気泡で前が見えなくなるだろう。そうなればこちらの物だ。

 

そう考えた私は、さらに十数発のミサイルを放った。

 

思惑通り、デコイを盾にしたイ401は爆発と気泡に包まれ視界が塞がれたであろう状態に陥った。

そこへさっき放った後続のミサイルが着弾。

次に姿を現したのは、クラインフィールドが崩壊し、無防備になったイ401だった。

 

それでも、イ401は撤退の素振りを見せなかった。

それどころか、依然として突破を試みようとしていた。

 

「そこまで追い詰められて、なお向かってくるなんて……いいわ、全力で打ち倒す!」

 

私に向かってくる6本の魚雷を叩き落とし、再びミサイルを撃ち込む。だが、これは目眩ましだ。

 

イ401は最大の攻撃で沈める。一番確実な方法だから。

 

イ401との間に気泡が広がるのを見計らい、艦体の形態を変化させる。

 

「超重力砲、エンゲージ!」

 

その掛け声でエネルギーの充填が始まり、そしてーー海が割れた。

 

「"エネルギー充填率、30%"」

 

重力場によってゆっくりと持ち上げられるイ401。

こうなってしまえば、もう何もすることはできない。

何本か通常魚雷を撃ってきたが、クラインフィールドの許容量は90%ちょっと。そんなものは悪あがきに過ぎない。

 

「"エネルギー充填率、60%"」

 

まだ、イ401は諦めない。そして、その攻撃は私には届かない。

何故諦めない?……まだ手を残しているのだろうか?

自棄?それとも何かを待っているのか……

 

「"エネルギー充填率、90%"」

 

その瞬間、海中に発射体の反応を確認。

勝利を確信していた私は、突然の攻撃に動きが遅れた。

まさか、これを待っていた……?

 

私の艦体は、16ものタナトニウム侵食に押し潰され、それに耐えきれず崩壊、超重力砲も暴発で空へ発射。

 

薄れる意識の中、私は気づいた。沈み行く中目にしたのは、使用済みのターレットだった。

 

私は考えた。

 

超重力砲を使う直前、迎撃したイ401の魚雷は6本。

普通なら、8本撃つはず。

 

そう、イ401は残りの発射口2つを使い、自立ターレットを設置していたのだ。おそらくは、ターレットに装填した魚雷は全て侵食魚雷だったのだろう。

 

そこに至った時点で、意識を無くした。

 

 

そして、爆発や沈没に伴う渦、超重力砲制御時の侵食による高負荷のせいで、記憶を大きく失った。

 

 

 

ーー 秘密基地 談話室 ーー

 

「で、ここに流れ着いたところをあなた達に助けられたって訳。……これが私が戦った時の記憶よ。」

 

ムツが自信の記憶を語り終えたとき、部屋は重い空気に包まれていた。あまりに壮絶な戦いに、俺もトネもつい聞き入ってしまった。

 

「なるほど……あいつら、えげつない手を使うな……」

 

それに肯定するように、トネも言う。

 

「そうじゃな。我輩もあやつらと戦うと負けそうじゃ。うちの艦長とは戦術のレベルが違うのだな。」

 

「くっ、否定できねぇ……」

 

だが、そもそも頭の出来も違うし、向こうは6人だ。

比べるのは間違っている、はず。

 

「さて、ムツの話も聞き終わったし次の話に行きますか。」

 

俺の言葉に、ムツは不思議そうに表情を変えた。

 

「次……って?」

 

俺は、出来る限りの真剣な顔で言った。

 

「ムツ、俺たちの仲間になってくれ。」

 

 

 

 




そういえば、PCが1台熱暴走でやられちゃいまして。

作品はスマホで打ってますし普通に使う分には動くんですが……

WoTができないんですよ………(´Д`)

バイトしようかなぁ………
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