大型艦建造で資材がピンチの私がお送りいたします。
それでは、どうぞ!
ーーー 舞浜近海 ーーー
「黎人よ、これから我輩の艦長なのだ、今のうちに霧の艦艇の特徴やこの艦の兵装を知っておかなければいけないじゃろう。……これを読むとよいぞ。」
そう言ってトネは俺のウィンドウにテキストデータを送信してくれた。
確かに、霧について知っておくべきことは多い。
艦長を任された以上、戦略も立てなければならない。
それに、これまで数多の説明書やウェブページ、ライトノベルを読んできた俺だ。この程度の量、数時間あれば端から端まで読みきれる。………読むだけなら。
「トネ、さっきこの艦に乗船する前なんだが、海上自衛隊の護衛艦が"霧"の艦艇に撃沈されていた。………霧の方はどういう艦なんだ?」
「ふむ、基本的に人類に対する海上封鎖は、軽巡洋艦級、駆逐艦級が行っておるようじゃ。………んむ?対水上レーダーに感あり。今の話にあったのはこやつか。」
「噂をすればなんとやら、ってやつだな。トネ、敵艦の詳細を。」
「了解、反応と艦影をデータベースと照合した結果、軽巡洋艦"ナガラ"級1隻じゃとわかった。この程度ならば、この場でなんとかできるが?」
「いいや、それはダメだ。万が一、陸に流れ弾がいったとき、多くの人が傷つくことになる。……ナガラ級をある程度沖に引っ張り出し、そこで倒す。いいか?」
「あいわかった。その作戦に乗ろう。」
「よし、1番砲塔に徹甲弾装填、前方のナガラ級が射程に入り次第威嚇射撃を行え!本艦はこれよりナガラ級誘引行動に移る!」
「了解、1番砲塔の仰角を修正。敵艦に向け発砲じゃ!」
轟音と共に放たれた2発の砲弾は、非常に緩やかな弧を描き、ナガラ級のクラインフィールドに直撃した。
クラインフィールドのせいで本体へのダメージは0だったが、ナガラ級はこちらを危険性の高い対象と認識したのか、追尾体制に入った。
これで威嚇射撃は成功。ナガラ級はこちらを追ってくるだろう。
そして、俺の手元のウィンドウの戦略MAPではナガラ級のデータが更新。クラインフィールド作動率が付記された。
「着弾確認。ナガラ級はこちらを優先対象として認識したようじゃ。」
「よし、進路を瀬戸内海沖に!距離を詰められないようにしながら航行、ナガラ級を海岸から引き剥がす!」
作戦通り、ナガラ級を誘引することに成功した。あとは沈めるだけだな。
「指定座標周辺に差し掛かったら、艦を120度回頭。1~4番砲塔をすべてナガラ級に向けろ!さらに、ミサイルVLS1~6番までミサイル装填、第1魚雷発射管に侵食魚雷2発装填、通常魚雷1発を装填!」
「了解、艦首120度回頭!各砲門をナガラ級に向け、指示に従い弾薬装填を行うぞ。」
「一気にケリをつける。各砲発射体制、侵食魚雷を残して各砲発射!」
明らかに軽巡洋艦に対しての砲撃としては過大だが、霧の艦艇にはクラインフィールドという絶対防御がある。これだけの攻撃をしてもかすり傷1つつきやしないのだ。
しかし、クラインフィールドにも限界がある。俺はそれを狙っていた。
「各弾命中!目標のクラインフィールドへの負荷上昇じゃ!」
この時点でナガラ級の推定クラインフィールド作動率は96%。これなら………!
「ミサイルVLS7,8番にミサイル装填、完了次第発射、クラインフィールド消失後に侵食魚雷を発射!とどめを刺すんだ!」
命令と同時に、ナガラ級を水底に叩き落とす2発の侵食魚雷が放たれた。それは迎撃を受けることすらなく、先のミサイルによって消失したクラインフィールドを通過し、ナガラ級に直撃。ナガラ級は侵食を抑え込む演算を行うこともできず、なすすべもないまま船体に2つの大きな穴を開き、そのまま爆発轟沈した。
「敵艦、ナガラ級の轟沈を確認。……戦闘が終了したのじゃ。こちらの被害は無し。初戦なのに素晴らしい勝利じゃな!」
「ありがとう。……でも、世界にはいろんな艦型、そして多くの霧の艦艇がいるんだよな。これからもよろしく頼むぞ、トネ!」
「こちらこそじゃ!お主の戦い、このトネが最後まで支え、見届けよう!………ところで、これからどこへ向かうのじゃ?」
「…………それは………後で考えようか。」
「……いきなりお先真っ暗じゃな。」
どうだったでしょうか?
無事に二人は旅に出ることができました。
まだまだ問題が多いですが、どうぞよろしくお願いします!
#1/3に修正を行いました。これからもご指摘、感想よろしくお願いします!