碧き鉄のアルペジオ   作:Distortion

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おはこんばんちわー、
いつもより更新遅くなっちゃいましたね。

相変わらず資源と格闘中の提督です。

それでは続きです。どうぞ~。


mile.4 取引

ーー 名古屋沖 ーー

 

「……ふーん、ナガラ級を沈めて外洋に出ると思ったら、今度は戻ってくるんだ?………妙な動きね。これまでの船とは違う。なんだか………まぁいいわ。ちょうど退屈してたし。この艦、私が沈めてあげる!」

 

ーー 横須賀沖 ーー

 

「……黎人よ、もうすぐ目的地が見えるぞ。」

 

「いよいよか………トネ、通信を。相手はもちろん、横須賀海軍基地だ。」

 

「了解じゃ。」

 

「あーあー、こちら"霧"の重巡洋艦《トネ》の艦長、響音黎人です。聞こえま……………」

 

ーー 横須賀海軍基地 ーー

 

「上陰次官補、現在横須賀沖より通信が入っております。現場の通信兵ではどうにもなりませんので、通信室までご足労願います。」

 

「横須賀沖?洋上から通信だと?一体何者からのものだ。」

 

「はっ、なんでも、霧の重巡洋艦、とのことです。」

 

「どうしてそれを先に言わないんだ。早く行くぞ!抵抗無しに鹵獲された"あの艦"以来の接触なんだ。これは進展に期待がかかるな。」

 

気持ちいいぐらいにコツコツと足音を響かせ、通信室へ向かう。中では、大きなディスプレイに学生とおぼしき少年の顔が写っていた。

 

「マイクは?…………よし。私は統制軍軍務省次官補、上陰龍次郎だ。………君が艦長なのか?見たところ学生ぐらいの感じだが。」

 

「ええ。そして、俺はこの前まで高校生でした。……まぁ、今回はこんな話をするために来たんじゃないんです。お願い事、……いや、取引の交渉、ですかね。」

 

「ふむ、取引か。君は軍に降る気は無いのか?わざわざ交渉する手間はかからんと思うが。」

 

「それはダメです。あくまで、対等の立場でいたいんですよ。持ちつ持たれつ、ってやつです。」

 

「そうか。……なら、内容を聞こう。」

 

「わかりました。………簡単に言うと、弾薬の融通をお願いしたいんですよ。もちろん、取引と銘打った以上、タダでとは言いません。日本の海自、軍が行えない洋上の任務を、"依頼"という形で俺達が行います。まぁ、その時にもちょっとばかし報酬はいただきますが。」

 

「少し、検討の時間をくれたまえ。」

 

「はい、良い返事を待っときますよ。」

 

「(むぅ。取引としてはこちらが若干不利ではある。信頼性も足りない。………だが、今まで我々を苦しめるだけだった霧が、一隻であってもこちらに協力するというのは、人類としては大きな前進ではないだろうか。それに、対応は追々考えても遅くはないだろう。最悪、処分すればいい。)」

 

「わかった、取引に応じよう。……早速だが、依頼がある。1度上陸してきてくれないか?許可は私から出しておこう。」

 

「了解です。それでは、また後程会いましょう。」

 

ーー 横須賀湾内 ーー

 

日本にあるいくつもの海軍基地の中でも特に規模が大きいのが、ここ横須賀基地である。

霧の艦隊からの攻撃を避ける為に、周囲には防護壁が連なり、港にも要塞砲やミサイル発射機など、数々の自衛設備が立ち並んでいる。もっとも、これらが霧の艦隊に効果があるか、と聞かれてもYesとは言いがたいが。

 

「トネ、入るのは3番ドックだ。」

 

「了解じゃ。」

 

船体がドック入口に入ると、開閉口が封鎖され、排水がなされた。

 

次に、足場がまるごと下がっていく。巨大リフトか。

 

「へぇ、こんな構造だったんだ、写真では外壁だけだったもんな~。」

 

「レイトよ、感心している場合ではないぞ。我輩がついているとはいえ、まだ関係を築いていないゆえ、敵地同然の場所じゃ。くれぐれも気を抜くでないぞ。」

 

「わかってるけどさ、こんなとこ見られるのなかなかないんだぜ?そう、士官学校で良い成績取るぐらいしか……」

 

「黎人。」

 

「はい。」

 

トネに釘を刺されてしまったので、しばらくは逆らわないようにしないと。……おっ、もうすぐ着くな。

 

艦を降りると、いかにもな格好の男性から声をかけられた。

 

「上陰次官補は応接室です。自分が案内いたします。」

 

エレベーターで上に上がり、長い廊下を歩くこと6分。

ようやく応接室に到着した。

 

「ようこそ横須賀海軍基地へ、響音艦長。まぁ、かけてくれないか。」

 

「それじゃ、お言葉に甘えて。………それで、依頼とは何ですか?」

 

「もう本題に入るのかね?まぁ、こちらもその方が都合がいいが。………さて、依頼だが、伊豆諸島に向かってほしい。」

 

「………はぁ。」

 

「霧の艦隊が出現してから、海上封鎖が行われた。さらに、海洋をまたいでの長距離通信はほぼすべてジャミングされている。これでも努力して、各地の状況を確認したのだが、いかんせん伊豆諸島や小笠原諸島は遠洋でね。通信がジャミングによって繋がらない。我が海自の護衛艦も航行中に霧の襲撃を受け、目的を達成できないまま撃沈されている。」

 

「そこで、生存力が高く、もし沈んでも痛手になりにくい俺達に依頼、って訳ですか。」

 

「痛手になりにくい、って訳ではないが、大体そんなところだ。伊豆諸島の状況を確認し、こちらに知らせてほしい。これが君たちへの初依頼だ。受けてくれるね?」

 

「もちろん。俺はその為にあなた方との接触を企てたんですから。」

 

「ああ、そうそう。我々としては、まだ君達に対する信頼が圧倒的に足りていない。まぁ、これはお互いに少しずつ信頼関係を築けるとは思うが、我々にそんな時間は無い。………そうだな、霧に関する情報提供も依頼していいかな?これの報酬を我々から君達への信頼度としておこう。どうかね?」

 

「………トネ、霧についての情報提供に問題はあるか?」

 

「技術面や中枢的な部分の開示はアドミラリティコードに禁止されておる。提供できる部分を我輩がまとめて、先方に送信しておこう。」

 

「わかった、頼む。」

 

「これでこの件についても取引成立、というわけだ。この基地内では君達が余計な注意を払わなくていいよう、私が手を回しておこう。……こちらからは以上だ。武運を祈るよ。」

 

「……また会えるのを楽しみにしておきますよ。……トネ、艦に戻ろう。」

 

「うむ。」

 

こうして、俺達は執務室を後にした。




そういえば、1/8に艦これアルペジオコラボ終了しちゃいましたね~。
私としては、潜水艦が増えたんでいいイベントだったと思ってます。
読んでくださった皆さんはどうなんでしょうか。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございました!

1/12大幅修正致しました。
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