碧き鉄のアルペジオ   作:Distortion

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おはこんばんちは。

今回の投稿、日曜未明ですよ。
夜中に一気書きするとこうなります。皆さんは気をつけてくださいね!

第8話、始まります。


mile.8 航路を持つ者

ーー 高知沖・遠洋 ーー

 

「ふあぁぁーあ。」

 

依頼を受けてから目標であるイ401を探すこと丸1日。

目標の"も"の字すらも見つかる気配がない。

それどころか、これだけ日本近海をうろついているにも関わらず、霧の艦隊にすら出くわすことは無かった。

そりゃあ欠伸の1つぐらい出るってもんだ。

 

「黎人、いくら何もないと言ってもここは海の上。いつ何が起こるかわかったものではないぞ。わかったら気を入れ直すのじゃ。」

 

すっかり暇してる俺とは違い、トネは索敵ユニットの制御を行っている。

 

「しっかし、ここまで何もないと逆に不思議だよなぁ。もっとも、これが"霧"が現れる前の本来の海ってやつなんだけど。」

 

「そうじゃな、いくらなんでもこれは謎じゃ。……もしかしたら、霧の艦隊もイ401を探しておるのかも知れぬな。」

 

「なるほどな。……そうだ、トネ、ユニットの索敵範囲を水上特化に切り替え。範囲を広げてくれ。」

 

「うむ、あいわかった。じゃが、水中索敵はかなり狭くなる、よいのじゃな?」

 

「ああ。トネが言ったように霧の艦隊もイ401を探しているなら、その霧を見つけた方が早いかもしれない。」

 

「ほう、黎人にしては合理的な考えじゃな。」

 

"にしては"は余計だと思ったが、これは触れないでおこう。ツッコミ入れたら負けだ。

 

 

 

ーーさて、索敵方針を変えてから40分後。ここに来てようやく動きがあった。

 

「黎人、霧の艦艇を捕捉したぞ。位置は西、おそらく日向灘辺りと推測。反応は3つ。」

 

「やっとか。その3隻、何か変わった動きはあるか?」

 

「今探りを入れておる。少し待つのじゃ。………発砲音、及び複数の着水音を確認!対潜攻撃のようじゃ!」

 

「ビンゴだな。機関全速!主砲は荷電粒子装填後待機し、1~6番VLSに侵食弾、7~20番VLSにミサイル装填!一気に片をつけてイ401との接触を図る!」

 

「了解、各種弾薬装填!機関出力上昇、戦闘距離まであと4分なのじゃ!」

 

 

ーー 日向灘・海中 ーー

 

「複数の着水音。ナガラ級からの攻撃。」

 

「サウンドデコイ発射、後に回避運動!こんなところで沈む訳にはいかない!」

 

「回避運動了解、潜航深度を下げて、デコイを発射する。」

 

水中を突き進むミサイル群は、サウンドデコイに翻弄され大半が誘導目標を見失った。が、後続のミサイルはそうはいかない。いくつかのミサイルが蒼い船体めがけて海中を往く。

 

「……被弾した。クラインフィールド稼働率、38%。」

 

「逃げ回ってもらちが開かないか。……進路反転、ナガラ級への反撃に入る!」

 

「了解、艦首180°回頭。」

 

「魚雷発射菅1~4番、魚雷装填!5,6番に音響魚雷を!」

 

「了解、各種弾薬装填する。…………待って。群像、何か様子がおかしい。海上で複数の発砲音。ナガラ級に攻撃している船が居る。」

 

「なんだと?一体誰が………もし護衛艦ならすぐにやめさせないと危険だ。イオナ、通信回線を開いてくれ。」

 

「群像。」

 

「なんだ?」

 

「戦術マップから、次々反応が消えていく。」

 

その言葉が信じられなかったのか、千早群像は眼前のモニターに目を移した。

 

その画面には、さっきまであったはずの敵反応は無く、代わりに1つの反応………重巡洋艦級のものが映し出されていた。

 

ーー 日向灘・海上 ーー

 

俺達は海中へ執拗に攻撃をしかけるナガラ級3隻を急襲、これを撃沈した。が、まだやることは残っている。

 

「戦闘終了。トネ、海中の艦はイ401で合ってるか?」

 

「艦影、識別コード共に一致。イ401で間違いないようじゃ。」

 

「よしよし。じゃあ目標と通信を繋いでくれ。」

 

「了解した。」

 

トネがイ401との通信を繋げると、モニターにおそらくイ401の艦内であろう景色と、袖無しセーラー服の女の子、そして資料にあった写真と同じ、中性的な顔立ちをした学生服の男性……千早群像が映し出された。

 

「あーあー、こちら霧の重巡洋艦トネ、イ401、聞こえますかー?」

 

『聞こえている。私がイ401艦長の千早群像。救援感謝します。』

 

「あぁ、その事はいいんだって。こっちの都合ですから。あと、お互い堅いの抜きでもいいですか?こういう言葉には慣れてないんで。」

 

『ええ。構いません。』

 

堅いの抜きって言ったのに、千早群像は態度を崩さない。やっぱ戦術家の息子で成績総合2位だと違うのか。

 

「こっちの用件を言わせてもらう。横須賀海軍基地からイ401を強奪しての逃走。こんな感じに向こうは取り扱ってる。俺達に依頼された内容、それはイ401を探しだし、奪還する事。……後はわかってもらえると思う。」

 

『…………』

 

千早群像は沈黙を守っている。そりゃ、一難去ってまた一難な状況だしな。

 

『それなら、俺達が対話する意味はもう無いな。イオナ、通信を切って出航。』

 

「待て。最後に1つ、聞きたい事が。」

 

『………なんです?』

 

「千早群像。あんたはなんで海に出た?聞かせてほしい。」

 

『……人類の未来を、新たな航路を切り開く為。………人類と霧は争うばかりではないはずだ。俺は、その航路を探しだしてみせる。』

 

「なるほどな。……それを聞けて良かった。じゃあもういい、行ってくれ。……新たな航路の為に。」

 

『いいのか?』

 

「勿論。これは俺がゲームで培った事だが、同志は多いほど良い。俺とあんたは進む道は違うかもしれないが、目指すところは似たようなもんだ。依頼主にはうまく誤魔化しておくさ。」

 

『………すまない。じゃあ、もういかせてもらう。また会えたら、今度は仲間を紹介する。』

 

「それは楽しみだ。それまで是が非でも生き残らねーとな。」

 

 

ーー 紀伊半島沖 ーー

 

イ401と別れ、今は横須賀への帰り道だ。

千早群像との接触は、俺の気分を高揚させていた。

 

「……本当によかったのじゃな?」

 

「ああ。同じ志を持つ奴がいるとわかっただけで今回の依頼は大成功だよ。」

 

俺は俺の航路を、あいつはあいつの航路を。もしかしたらもう航路が交わる事は無いのかもしれない。……だが、それには寂しさを感じることは無かった。




読了お疲れ様です。(お疲れ様ってほどボリューム無いけど)

誤字、脱字の指摘、アドバイス、感想お待ちしております。

さてさて、恒例の鎮守府近況報告~活動報告でやれ~の時間です。

え~、前回の投稿から今日までの間に、2隻の艦娘を改装しました!
五十鈴改二と夕立改二ですね。
特に五十鈴はすごいです。
演習の相手潜水艦バシバシ大破させちゃいます。3式爆雷積んでるだけありますね~( *・ω・)

それでは、この辺で。次回もよろしくお願いいたします!
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